異世界に落ちたら弱体化してた件   作:バトルマニア(作者)

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警戒と再会

 エリアたちが四人の元へ向かっていると、戦闘音が先から聞こえてきた。

 

「あら?戦ってるようね」

「急ぐぞ!これは少し、いやかなり押されている雰囲気だ!」

 

 のんきなエリアとは違い、ベニマルが慌てて急ごうと足を早める。

 

「まぁまぁ、いきなり入って行ったって混乱させるだけだからね。落ち着いて」

「ですが!」

 

 なぜか焦っているベニマルに、知合いの気配でも感じたのか?と感づくエリア。

 

「まぁ、ここはわたしに任せなさい。お前たちは気を見て入ってこればいいからさ」

 

 エリアはそう言い、ベニマルの肩を掴む。

 

「それとも、無駄死にしたいの?相手は相当な手練だよ?」

 

 進化したてでの初戦闘。調整もすませていない、精神が不安定な奴を戦場に出す気はないと言い切るエリア。それを聞いたベニマルは、苦虫を噛み潰した顔をして下がった。

 

「それでいいわ。悪いけど、足手まといだったから」

 

 そう言い、エリアは一人で戦場へ向かう。その後には、誰もついて行けなかった。

 

 

 

「あんた!よくも里をっ!!」

 

 そう誰かが叫び、火炎の波が森を焼く。そこへ氷の矢が放たれ、大爆発が巻き起こる。

 

「ほ~、随分強いじゃないか。このゲルミュッド様の部下になる気はないか?今なら名もくれてやろう。どうだ?」

 

 だが一瞬で煙は消し飛ばされ、無傷のゲルミュッドがそこにはいた。

 

「ふざけるな!そんなのゴメンだ!」

「そう、その通り」

「お前みたいな奴のしたには着きたくないね!」

「そうね。貴方なんかに絶対武器は作りたくない」

 

 火炎族の少女は炎と刀を構え、氷河族の少女は弓を構え、人間の少女たちは刀と二槍を構えてそう返す。

 

「悪い話ではないと思ったのだがな。どうせ行く先もないだろうに」

 

 仮面の外側からでも分かるように、ニヤリと笑うゲルミュッド。

 

「誰のせいでこうなったと思ってる!」

「貴方のせいで私達の里は……」

 

 ベニマル同様、二人の里はこのゲルミュッドのせいで滅んでいた。しかもベニマルたちより被害は大きく、二人しか生き残らかったのだ。

 

「仕方がないだろう。お前たちが、俺の言うことを聞かなかったからだ。あの時に素直に名付けを受け入れていればこうならずにすんだのだ」

 

「ふざけるな!」

「殺す!」

 

 氷河族と火炎族の少女は、ゲルミュッドの気に触れる事をしたのが悪いと言われ、激怒する。そのまま炎の波と氷の矢がゲルミュッドに襲いかかり

 

「フっ、その程度か?」

 

 杖の一振りで全てが消し飛ぶ。

 

「名付けされてないと弱いもんだな。最後忠告だ。どうだ?下に付く気になったか?」

 

 余裕そうに手に魔力を集め、それを四人に見せつけ脅す。

 

「この先に魔物どもの町があるらしい。作りかけで中途半端だが、ドワーフまでいる実に発展しそうな町がな」

 

「だからッ!?」

 

 火炎族の少女が反論しようとするが、魔弾がその頬を掠め背後から爆風が吹き荒れる。

 

「このゲルミュッド様が話しているのだ。遮るな。それで何だが、俺はその町の頂点に立ってやろうと思ってな。これから魔王になる俺に、ふさわしいと思わないか?」

 

 どうやらリムルたちの町を狙って来たようだ。その間に四人と出会い、先に戦力を整えようとしたらしい。

 

「いくら上位魔人であるこの俺でも、町まで作れる魔物どもを相手にすると骨が折れる。だからお前たちは今すぐ名付けを受け入れ、俺の部下になるべきだ。そうすれば優遇してやらんこともないぞ。幹部としてな」

 

 苦虫を噛み潰したような顔をする四人。どうやら勝てないと理解したようだ。だがそれでもここで引くわけにはいかないと、前へ踏み出そうとする。

 

 だがその時。

 

 

「さっきから聞いてたけど、町がなんだって?それに、弱いものイジメは感心しないわよ。上位魔人さん」

 

 エリアが現れ、両者の間に立つ。

 

「ほ~、相当な実力者のようだな。あの町の者か?なら納得だ、どおりで異常な発展を見せるわけだな」

「そう、褒めてくれてありがとう。で?どうするの?」

 

 喧嘩をふっかけにかかるエリア。

 

「それはこちらのセリフだ。どうだ?お前たちは俺の部下になる気はないか?」

「ないわね。わたし、自分より弱いやつの下に付く気はないの」

 

 それを聞いたゲルミュッドが、少し苛立ち取り乱しかけるが、すぐに平静を装った。

 

「なんだと?」

「だから、自分より弱いやつの下に付く気はないの。分かったらさっさと帰りなさい」

 

 シッシッっと手を振り、帰れと言い放つエリア。その態度にキレたゲルミュッドは

 

「そうか。そんなに痛い目に合いたいようだな!」

「脅し方が下手よ。ちゃんと当てなきゃダメじゃない」

 

 掠るように魔弾を撃つ。だがその一撃は、軽く手の甲で弾かれて消し飛ぶ。

 

「な、な……」

 

「え?何あの人……」

 

 呆然とするゲルミュッドと四人組。

 

「もう面倒ね。殺しましょうか?」

「ヒッ!?く、来るなっ!!」

 

 少し異界を出して一歩前へ踏み出したエリアに、過剰反応したゲルミュッドが魔弾を放つ。今度は手加減なしの強力な魔弾だったが

 

「痛くも痒くもないわね」

「このバケモノがッ!!」

 

 当たったと思った魔弾はその場で消失し、エリアはそのまま近づく。

 

「上位魔人ってこんなものなの?」

「ッ!?」

 

 するとゲルミュッドは、地面に魔弾を打ち込み、煙幕を張る。それを即座に振り払ったエリアだったが、すでにゲルミュッドは空へと逃れていた。

 

「こ、今回はこの程度ですませてやる!次はないと思え!」

 

 そう言い放ち、何処かへと飛び去っていくゲルミュッド。それを追いかけるでもなく放置するエリア。それはクロノから聞いた通り、魔王種を作るために必要な事であったからだ。

 

「さて、騒がしい奴は去ったね。で、後の説明頼むよ。ベニマル」

「はい。分かりました」

 

 そして後始末を、少しやるせない気持ちで出てきたベニマルに丸投げするのであった。

 

 




 今回は投稿キャラを使わせていただきました。
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