異世界に落ちたら弱体化してた件   作:バトルマニア(作者)

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ハクロウとの修行……を見るエリア

 次の日、なんとリムルとクロノがハクロウに修行を頼んだと聞いたエリアは、その様子を見に来ていた。因みに、ゴブタを筆頭に他の者達はすでにハクロウに叩きのめされていた。

 

「サヨとホムラとシュンカもいるのね」

 

 前衛型の三人は、当然のようにハクロウと修行をしてた。これもオークロードを討ち取るためだろう。

 

「貴方たちは見学?」

「そうよ。私は前の戦いは専門じゃないから」

「あんなもの一瞬でケリが付いてしまう。よって参加する必要はない」

 

 それに対し、サキハとミユヒはエリアと共に外野からその様子を眺め、ヒナに関してはクロベエやカイジンと鍛冶場に籠もり、なにかやっている。

 

 

「にしてもハクロウは強いわね。三人がかりでも余裕なんてね」

「驚いた。ホムラは結構、刀が得意だから」

「シュンカは大雑把だからな。昔からあんなんだ。サヤとか言う人間もそこそこの腕前だが、ハクロウにはかなわんな」

 

 いいところまで行っているが、どうにも決定だに欠けるようで、なかなか攻撃が届かない。そして息が切れて来たところを痛い一撃で撃沈。シュンカは元々頑丈なのとユニークスキルで耐えているが、残りの二人は立ち上がれそうにはなかった。

 

 

「さて、次は俺たちだな。先行くぞリムル」

「ああ、もう少し様子見たいからいいぞ」

 

 そう言いクロノが前へ出る。

 

「ほ~、先にクロノ様ですか。手加減はしませぬぞ」

「どんどこいだ!」

 

 一瞬で距離を詰めるクロノ。そこから木刀の一撃が繰り出されるが、どれも届かない。

 

「くそっ!なんでだ!?」

「戦いなれているようですが、まだまだ隙が多いですな」

 

 エリアとの特訓で多少はマシになっているとは言え、相手は剣の達人。一瞬でやられるようなことがないだけで、クロノの攻撃は紙一重で避けられ、簡単に弾かれてしまう。

 

「ほれ」

「うわっ!?」

 

 そして隙だらけになったところを一発入れられ撃沈した。

 

 

「次は俺だな」

「頑張れよ~、リムル」

 

 そう言いリムルが前へ出る。構えも様になっており、自然体でしっかりしている。キチンとエリアが教えたようになっているようだ。

 

「うむ、隙がありませぬな」

「エリアから相当叩き込まれたからな」

 

 そして修行が始まる。一手目に打ち込んだはのリムルだった。だが受け流されハクロウの反撃を受けかける。

 

「流石はリムル様。相当な腕前ですな」

「そんな余裕そうに!」

 

 どうにか避けたリムルは、必死に応戦するが、クロノ同様届かない。だがハクロウもリムルに攻撃が通らず、平行線の打ち合いが続く。

 

「少々強く打ち込みますぞ」

「っ!?」

 

 より速く強く靭やかになった剣技に、どうにか食らいつくリムル。だが完全に受け側に回ってしまい、手も足も出なくなった。

 

 そうしてしばらく打ち合った後、決着がつかずに打ち合いは終わる。

 

 

 

「受けが得意と見ました。ですが打ち込みが甘いですな」

「分かってる。だから学びに来たんだよ」

 

 エリアの攻撃を避け続けてきたリムルは、ハクロウが攻めきれないほどの対応力があった。だが本格的な攻撃はまだまだのようで、そこをカバーしに来たのだ。

 

「ではまず素振りからですな。少々基礎が疎かになっておりますゆえ」

 

「そうだろうな」

「だと思った」

 

 そう言いながらエリアの方を見る。だがエリアは堂々と

 

「ごめん。色々と間違ってたわ」

 

 そう言い放つ。正直エリアは、二人共そこそこ動けるから大丈夫だろうと高をくくっていた。それにエリア本人も戦場で直接鍛えた身もあって、慣れればこちらでも問題ないと思っている。しかしそれは才能と時間ありきの話なので、急務を要する場合では少々粗が多くなるのだ。

 

「実戦で鍛えるのは重要ですが、基礎はそれ以上に重要ですぞ。エリア様」

「専門家に言われると弱いな~」

 

 そう話しながら、リムルたちの修行が行われる。地味だが正確な方法で、確実に強くなれるだろうと感心していると……

 

 

 

「エリア様は、やらないの?」

「わたしはいいの。昔嫌なほどやらされたからね」

 

 サキハに聞かれ、エリアは昔のことを思い出す。

 

「昔はやってたんだ。どんなのだったの?」

「ん~、追いかけ回さえたり、斬り刻まれたりかな。わたし後衛なのにって言ったら、相手にはそんなの関係ないって言われて、とにかく実戦って感じでボコボコにされたね」

 

 遠い目をするエリア。

 

「その人、強かったの?」

「人というか、剣崎さんっていう小鬼ね。剣術バカで強かったわ。強引に連撃でもしなきゃ、掠りすらしなかったし。でも教えるのが下手だったわね。こっちの才能の無さも合わさって、全然ダメだったわ」

 

 もう居なくなった一人の小鬼のことを思い出し、懐かしさに浸る。

 

「でも今はわたしの方が強いわよ。そもそも近づけすらさせないからね」

 

 剣術では未だに勝てないどころか手も足も出ないだろう。そもそも得意ではないから。だが総合的に見れば、エリアのほうが上であった。

 

「じゃあ体術は?シュンカから聞いたんだけど」

「体術は、大竹っていう大鬼から教えてもらったのよ。すごく強かったわ。教えるのも上手だったし、見た目によらず優しい人だったわね」

 

 あらゆる剣術を極めた小鬼に、あらゆる体術を極めた大鬼。この二人から近接技術と実戦を叩き込まれた事により、今のエリアがあった。勿論他にも沢山の者たちから学んではいるが、この二人が一番記憶に残っているようだった。

 

 

「そういやミユヒ。お前に剣術教えてあげようか?本筋の剣術は苦手だけど、あなたに合いそうなとっておきのがあるのよ」

「なんで?私はそんなもの必要ないぞ」

 

 長い人生を少し思い出していると、とあることを思い出したエリアは、ミユヒに話しかける。

 

「いや、誰もいないところで剣振ってるじゃん。それにあいつらの修行だって熱心に……」

「いや、なんで!?って違う、いい!問題ない!私には必要ない!」

 

 そう言って、慌てながらその場を去っていくミユヒ。

 

「どうしたんだろ?急に向こう行っちゃって」

「……さぁ?(能力使って誤魔化してるんだろうな~)」

 

 だが隣りにいたサキハは、そのやり取りが聞こえていないかのような反応をした。そうして、適当に話して修行を見たり、ソウエイの報告を聞いたりしながら一日が過ぎたのだった。

 

 

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