異世界に落ちたら弱体化してた件   作:バトルマニア(作者)

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降りた先で

 少女は、スライムに遅れて下へ降りる。するとより強大な力を感じ、少しニヤけていた。

 

(これほどなんてね。全盛期のわたしでも、厳しいかも……)

 

 力を失う前の少女でも尻込みしそうなほどのエネルギー量に、どんな相手なのか好奇心が止まらなくなった少女は、そそくさと周囲を確認した。

 

(……ドラゴン?)

 

 そこにはなにかの膜に覆われた巨大なドラゴンと、そいつと会話をするスライムがいた。

 

(何、話してるんだろ?)

 

 思念伝達?のようなもので話しているのか、どうにも読み取れない様子の少女は、ジリジリと二人の元へと近づいていく。

 

(ん?でもなんか違う。図体とエネルギーがデカイだけ?中身が釣り合ってない?いやでも全盛期ならともかく、今のわたしだったら軽く吹き飛ばされるかもしれない。そもそもエネルギー量だけで見たら五大サイキョウよりも上だし、そう見せてるだけかも……。油断は禁物)

 

 少しづつやり取りと全容が読み取れていき、なんかよくわからない評価をしていた。なぜなら少女の世界では、力に対して最低限の技量があるのが当然の世界だったからだ。だから強大な力だけを持っているなど、生まれたてでもない限りありえなかった。

 

 

(でも賢そうには見えない。封印されているし……)

 

 あれ?こいつ大したことないんじゃ?とそう思った瞬間。

 

『おい、そこのお前。隠れてないで出てくるがよい』

「っ!?」

 

 急にドラゴンに話しかけられ、二人がこちらを見る。

 

『何だ貴様、ただの魔物ではないな。どちらかと言うと、精霊か?』

「……そうね。巨大な力を感じたからちょっと様子を見に来ただけ」

 

 隠れるのをやめ、二人の前へ姿を表す少女。

 

『特異個体のようだが、ここで自然発生した精霊ではなさそうだな』

「そうね。わたしは、こっちへ転移してきたの」

 

 正直に話、どうにか敵対しないよう温和に進める。

 

『精霊が転移とは珍しい……と言うか初ではないか?普通だったら召喚されるのが一般的だからな』

「わたしも初めてよ。こんな異世界に来て、右も左もわからないわ」

 

 軽く馴染めるようにそう話し合い、とりあえず見の安全は確保した少女は安心していた。そこへドラゴンは、次の質問を問いかけてきていた。

 

 

『そう言えば貴様、名はなんという?我は暴風竜だ』

「俺は転生者のスライムだ」

 

「……わたしは、西森 エリア。しがない精霊よ」

 

 二人が名乗り、少女であるエリアも自己紹介をした。だがエリアはとある単語に反応し、スライムを見つめる。

 

「な、なんだよ。そんなジロジロ見て」

「いやなんでも。ただの勘違いよ」

 

 エリアはスライムのことをバレないように軽く解析し、思い違いである事を認めて視線をそらす。

 

 

「で、何の話をしていたの?」

『それはな。我と友だちになろうと言う話だ!それと名付けのこともな!」

 

 勿体ぶらずに元気よく教えてくれたその内容は、世間話からの名付けについての話をしていたようで、何だそんなことかと納得する。

 

『実は我。見ての通り封印されていてな。3百年も暇で暇で仕方がなかったのよ。そこに現れたのが貴様らというわけだ!』

「なるほど、それは邪魔したわね。じゃあちょっと離れておくわ」

 

 そう言いエリアは洞窟の隅に行こうとしたが

 

「ま、待ってくれ!せっかくだからお前も名付けに参加しないか?なんか加護もらえるみたいだしさ」

「……遠慮しとく。わたしには名があるもの。それにこれは、大切な人からもらったものだからね」

 

『ほ~、それでは仕方がないな。ではスライムよ!予定通り名付けを行う!心して聞くがよい!』

 

 そこまで言って、名付けが始まる。

 

(へ~、この世界の名付はこうなるんだ。あっちじゃただ安定するだけだったのに、この世界じゃ魔素を分け与えて強くなるんだね)

 

 それを遠くから眺めながら、元の世界との違いを再確認する。

 

 やはり違う世界だと……

 

 

 そして名付けは滞りなく進み、スライムが振り返る。

 

「改めまして、俺はリムル・テンペストだ。これからよろしくな!」

『我の事も忘れるでないぞ!』

 

「ええ、そうね。よろしく」

 

 騒がしく、楽しそうな奴らだなと思いながら、うなずくのだった。

 

 





 ~おまけ~
 五大サイキョウとは、エリアのいた世界でサイキョウを誇っていた五人のこと。エリアはそのうちの一人である、とある神に目をつけられ、追い回されていた。

 因みに存在値でいうと、五千万~六千万前後で、各自究極能力に匹敵する力を持っている。
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