ベニマルたちの一斉攻撃に耐えきったオークロードを見て、リムルが動く。
「「「リムル様!」」」
「お前たち、よくやった!ここからは俺がやる」
オークロードの前へと降り立つリムル。
「何者だ?貴様」
「俺はリムル・テンペストだ。お前に引導を渡しに……」
そこまで喋って、何かが高速で二人の間に割って入る。
「やはりな。貴様らが、貴様らがこの俺、ゲルミュッド様の最大の壁になろうとはな」
そこにいたのはゲルミュッドだった。
「魔人か?ゲルミュッド……」
「だが俺は寛大だ。今ならまだ許してやる。俺の下につけ、そうすればこれ以上戦う必要はなくなるぞ?」
ゲルミュッドの名を思い出すリムルと、勝手に話を続けるゲルミュッド。
「この魔王化計画には、複数の魔王が関わっている!そして俺はその方たちとコネクションがある!俺の下に付くということは、魔王の後ろだてが手に入ることに等しい!どうだ?貴様らには喉から手が出るほどほしいだろ」
リムルたちが町を作っている事を知っているゲルミュッドは、後ろ盾を材料に交渉を進めようとする。だがリムルたちは、とある事が気になり質問を返した。
「魔王化計画?」
「そうだ!このジュラの大森林を支配するために必要な計画だ!そのために名付けをしまくった!種を撒きまくったんだ!最強のコマを生み出すためにな!」
それを聞いて怒りに震えるベニマルたち。
「こ、これはゲルミュッド様!」
「あれがガビル様の名付け親?」
そこへ雰囲気を読まずに話しかけるガビル。
「どうしてここに!?まさか我々を助けに……」
「腹が減った……」
勘違いしたガビルがゲルミュッドに助けを求めようとした瞬間。オークロードがそう呟く。
「なに!?くそっ!こんな時に発作か!能力を強化して副作用も大きくなったか!」
勝手にわめき出すゲルミュッド、そしてガビルの方を見て
「丁度いい、ガビル!貴様、オークロードに喰われろ!」
「へ?」
唐突の喰われろ宣言に唖然とするガビル。
「そういやお前、結局なんの役にも立たなかったな?本来なら適当なやつを食わせればいいが、強いやつのほうが長持ちするし、強くもなる。だから貴様が喰われろ!ガビル!」
「ハッ!?」
驚きのあまり硬直するガビル。そこにオークロードを差し向けようとするゲルミュッド。
「おいさっさと行け!俺の役に立て!」
だがオークロードは動かない。
「なんだ!?くそっ!仕方がない。最後ぐらい俺の役に立て、ガビル!さっさと来い!」
「ゲ、ゲル……ゲロ――」
慌てすぎてその場から動けないガビル。
「役たたずめ!俺の手をわずらわせるか!くそっ、こうなったら……死ね!」
複数の魔弾が空へと投げ出され、一気にガビルたちの元へと降り注ぐ。
「お、お前たち!」
しかし部下がかばってくれたお陰で、ガビルは助かった。それに嘆くガビルに
「チッ、だがいい、餌が増えただけだ!今度こそ死ね!
「ゲ、ゲルミュッドさま――!!?」
容赦なく技を撃ち放つ。
だがしかし……
「こんなんでどうやったら死ぬんだ?」
「あなたは……あなたさまは……」
魔弾を喰らい尽くしたリムルは、そう返していた。
「ほれっ!これでも使って回復しとけ」
「は、はいっ!」
更には回復薬まで渡し、後ろに下がるようにいい出す。
「なんだ?なぜ邪魔をする?そいつは俺が名付けしてやった奴だ。だから俺がそいつをどう扱おうが勝手だろう」
「俺はこいつを気に入った。それだけだ」
そう言い威嚇をするリムル。
「なっ!……わかった。そいつには手を出さない。だから俺の下につけ。そうすれば……」
「俺はお前の事が気に食わないんだ。だからここでお前を始末する事にした」
それを聞いて慌てだすゲルミュッド。だがそれもすぐに収まる。なぜなら……
「なんだ?魔王種?」
「っ!?あいつらやられやがったな!だがいい。これで力が手に入った!最後忠告だ!俺の下につけ!今ならすべて水に流して優遇してやる!幹部の座だ。どうだ?」
オークキングたちがやられ、その分の力がゲルミュッドに流れ込んでくる。これにより魔王種を得たゲルミュッドは、強きな態度でそういった。
「何度も言わせるなよ。俺は、俺達はお前の下に付くつもりなんてない」
「交渉決裂だな。ではいい。ゲルド、いや、オーク・ディザスター ゲルド!奴ら一匹残らず食い尽くせ!」
それを聞いたゲルドは、咆哮を上げ、リムルたちへと襲いかかったのだった。