異世界に落ちたら弱体化してた件   作:バトルマニア(作者)

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訪問者たちと王都へ行くリムルたち
ガゼル王が来たらしい


 無事リムルは盟主となり、各種族間での纏まりが円滑に進み、一時期の平穏が訪れていた。

 

 樹人族と風人族などが協力し、食糧問題を迅速に解決させ、水人族の協力のお陰で水道整備や水回りの事がスムーズに進められた。

 

 地人族とオークの大活躍により、道や土地の整備が大いに進み、またたく間に建築物が増えていった。

 

 新たな道具も多く生まれることになった。エリアやクロノの提案で、家電や便利グッツが大量に作り出される。これにも各種族が関わっており、例えば氷人族の力で冷蔵庫ができたり、陽人族や雷人族で照明や電球など、炎人族の力でより大きな力を発生させる装置の開発が進められていた。

 

 そして最後に、町は鬼人族と闇龍族を筆頭に各種族の強者たちによる警備隊や防衛隊などが組織され、森の方も雷人族と樹人族を筆頭に安定に寄与していた。

 

 因みにソード姉妹は、居心地がいいからと、町の発展に協力する代わりに町に残ることにしたようだ。これによりより高品質な武器や防具が作れるようになり、クロベイやカイジンも喜んでいた。

 

 こうして町もオークや他種族の労働力を手に入れ発展を遂げ、公共施設が整い始めてきた頃のこと……

 

「リムル様、緊急事態です」

「どうした?」

 

 ソウエイが何かを報告しに来ていた。

 

「ペガサスです」

 

「ほう!この世界にはペガサスがいるのか!」

「あの翼生えた空飛ぶ馬みたいなやつだよな?」

「ペガサス?こっちにもそういうのいるのね」

 

 呑気にそう思う三人。

 

「ペガサスに乗った、武装した騎士が数百名、こちらに向かって来ています」

「ええええ――!?」

 

(来た!ガゼル王だ!)

(ああ、言ってたわね)

 

 驚くリムルに、合わせる二人。そして急いで現場に向かう。

 

 

「英雄王……ガゼル・ドワルゴ……」

 

 なぜガゼル王がここへ来たのかわからないリムルは、戸惑い困惑する。だがエリアは、

 

(まぁ、こうなるわよね。変な集団が町なんて作ってたら……)

 

 一応監視されているのにも気づいていたので、当然だと思っていた。

 

「如何致しますか?」

「戦ったら負け戦になるだろうし……できれば争うのは避けたいんだが……」

 

 この場で勝てても相手は国家。それも強国と名高い武装国家なのだ。こちらを潰す方法などいくらでも持ち合わせているだろうと判断したリムルは、争いを避けようとするが

 

「問題ありません!蹴散らせばいいのです」

「そういう問題じゃないのよね」

 

 やる気満々なシオンを止めるエリア。

 

「おいおい……いざ戦闘になったら住民の避難を優先させろ。その間、俺達で時間稼ぎをするぞ。あとエリア。お前は出ないでくれ、ややこしくなりそうだから」

「分かってるわよ」

 

 そう言い降りてきたガゼル王の元へと向かう一行

 

 

「これはガゼル王、お久しぶりで御座います」

「久しいなカイジン。それに――スライム。余、いや、俺を覚えているか?」

 

 挨拶をしてくるガゼル王。それに緊張の面持ちで向かい合うリムル。

 

「ふはははは!そう緊張するでない。今日の俺は、一私人でやってきたのだ!」

「私人って……」

 

 呆れるリムル。それもそうだろう、一国の王がこんなところに出向いているのだから。

 

「あくまでも建前だがな。そうでもせぬと出歩くことすらできぬ話よ!」

「ということは、普通に話しかけても文句はないよな?」

 

 リムルの問に当然だと返すガゼル王。

 

「じゃあ最初に名乗っておく。俺の名はリムルだ。スライムだが、スライム呼ばわりは止めてもらおう。これでも一応、ジュラの森大同盟の盟主なんでね。で、何の用だ?」

 

「単刀直入に言う。リムル、貴様を見極めに来たのだ」

 

 不思議そうな顔をするリムル。

 

「俺の剣で、貴様の本性を見抜いてくれるわ」

「……!?」

 

 剣を引き抜いたガゼル王に驚く周囲。

 

「この森の盟主となったなど、ホラ吹く貴様などには、分というものを教えてやらねばなるまいしな。この剣が飾りでないと言うなら、俺の申し出を受けるがいい」

 

「王よ。まさか……」

 

 挑発するガゼル王。だが止まる事なく続ける。

 

「ふん!本気で戦ってみるのが手っ取り早いであろう?」

「よし……その申し出を受けよう。俺をホラ吹き呼ばわりした事、後悔させてやる」

 

 それを聞いたリムルは、挑発に乗り剣を抜く。

 

「立ち会いは私がいたしましょう!」

「まさか、ドライアド!?」

 

 急なトレイニーの出現にざわめくガゼル王一行。

 

「我らが森の盟主に対し、傲岸不遜ですよ。ドワーフ王。盟主たるリムル様をホラ吹き呼ばわりするなど、この森の民を敵に回す覚悟がおわりなのでしょうか?」

 

 挑発には挑発でと言わんばかりに言い返すトレイニー。それを聞いたガゼル王は、少し眉をひそめる。

 

「ふははははは!森の最上位存在であるドライアドが与するなど!貴様をホラ吹き呼ばわりしたことは謝罪する。それに事情もおぼろげながら読めたわ!」

 

「じゃあ!」

 

 戦いを避けられると思ったリムルは嬉しそうに、話しかけようとするが……

 

「だが、貴様の人となりを知るのは別の話。立会人も決まったならば、後は剣を交えるのみ!!」

「ああ、そうだな。軽く勝利して、今回の剣をキッチリと説明してもらうとするわ」

 

「ふふふ、俺に勝てたなら答えてやるさ」

 

 そう言い合い、トレイニーの開始宣言によりリムルとガゼル王の打ち合いは始まった。

 

 

 

「おお、リムルが押されてる」

「まぁ、本気出してないし、剣術ならガゼル王の方が上だからな」

 

 二人の打ち合いを見ながら、エリアはそう感想をもらす。それにクロノは説明を加えていた。

 

「なぁ、エリアから見ればあの戦いはどうだ?ガゼル王は強いか?」

「……別に、あの程度なら瞬殺できるよ。それに、わたしのいた世界じゃ、あれぐらいいくらでも見れるからね。そこらの野良の魔物の方がまだ強いよ。まあ、上位の話だけどさ」

 

 その答えにクロノは驚く。まだ上があるとは言え、魔王種や仙人クラスの戦いを見てその感想なのだ。

 

「どんな危険地帯だよ」

「間違えてないね。わたしのいた場所は、裏世界って言って、人類の住む表世界じゃ対応が難しい存在を封じ込めるための世界だからね。それはもうヤバいところだよ」

 

 リムルたちの戦闘を眺めながら、クロノにだけ聞こえるように説明をするエリア。

 

「まずわたしのいた世界は、複数の世界を無理やり縫い合わせた世界なの。だから世界の広さはこの世界の比じゃないわよ。十倍以上だと思って聞いてね」

 

「わかった。それで、表世界の戦力はどれぐらいなんだ?まずそっちを知りたい」

 

 軽く世界の話をされ、驚きながら話の続きを聞く。そしてエリアは、わかりやすいように、予め聞いていた存在値換算で話し出す。

 

「表世界の戦力は、上の方しか覚えてないけど、素の存在値で500万~1000万近い存在が、最低でも50人程いたわね。勿論全員、究極能力に匹敵する力も持ちあわせているわ。まぁこの程度、裏世界じゃ中堅程度でしかないけど」

「ヤバすぎだろ。それで対処出来ないって……」

 

 広いからね、間に合わないんだよ。と的外れな答えを返すエリア。

 

「裏世界だけど、そこらの魔物でも数万はいってると思うわよ。強くなると数十万 とかも普通にうじゃうじゃしてるわね。まぁ、百万超えからは少なくなるけどね。この子とかその内の一体だし」

 

「なんだそ……ッ!?」

 

 そう言いとある卵を取り出す。それに目を向けた瞬間、魔王種以上の存在感を感じ、一気に目つきが変わる。

 

「妖魔聖蟲っていう魔蟲の卵よ。仲良くなった印に貰ったの。まぁ仲良くなった皆に配ってるらしいけど、本人曰くその中でも一番温厚な個体の卵だし、まだ孵化してないから安心してね」

「ふ、孵化してなくてそれかよ……」

 

 クロノが思った以上に警戒していたので、卵を片付けるエリア。

 

「ずっと出してると孵化しちゃうから片付けるね。この状態でもエネルギー取り込んで、勝手に成長しちゃうからさ」

「とんでもないな」

 

 魔王種レベルがそこらを徘徊している世界。しかも最上位の存在は、その魔王種でさえ無尽蔵に生み出せるバケモノ揃いなのだ。

 

 

「エリアはどれぐらい強かったんだ?やっぱ最上位か?」

「わたしなんか上の下よ。そこいらの野良よりかは強かったけど、同僚の中じゃ弱いほうだし、総大将に関しては遠く及ばなかったわね」

 

 確かに、野良の魔物や、小さな縄張りしかもってない魔物に比べれば圧倒的だっただろう。それどころか大きな縄張りを持っている上位の魔物にも引けを取らない。だが最上位を引き合いに出されては、対して強くない、と言う結果に収まる。

 

「総大将、どんなバケモノなんだ……」

「まぁ、大陸最強格なんてそんなものよ。大陸は全部で十二個あって、大体そいつらが一大陸あたり七体から十体いたわね。存在値換算で、3000万~4000万後半ってところかしら?で、その部下のわたしはその半分ぐらい。野良だと1000万越えてたらすごく強いってところかしら?」

 

 無論すべて究極能力持ちに匹敵する強さだ。さらに言えば、この数値は最低限の目安でしかない。こちらの世界と同じように、技量や経験、能力の強さは考えられていないのだ。

 

「竜種も数千万クラスだし、リムルは最終的には1億超えになるらしいから、そうでもないのか?」

「五大サイキョウっていう奴らもそれぐらいで、星の管理者とか世界の意思、邪神ってのか1億超えの奴らだと思う。まぁこれは星の管理者がそれぐらいで、残り二人も同じぐらい面倒って言ってたから、ただの推測でしかないけどね。まぁあの三人は、ほぼ力が出せない状態だけど」

 

 とうとう感覚がバクリ始める二人。転スラ世界どうよう、エリアの世界もインフレしかけているようだ。

 

「これぐらいかしら?って、もうそろそろ決着が着きそうよ」

「お、おう。そうだったな」

 

 勝負も終盤にさしかかり、リムルの戦闘に目を向ける。

 

 

 

「ゆくぞ、リムル――朧・天地轟雷!」

「ッ!?」

 

 ガゼル王の剣技をギリギリで受け止めるリムル。受け流すか、かわしてやればよかったのにと思うエリア。

 

「ふ、ふふふ……ふはははは!」

 

「それまで!勝者はリムル・テンペスト!」

 

 トレイニーがそう宣言し、ガゼル王は剣を下ろす。

 

「剣を交えて、よく分かった!お前は邪悪な存在などではない!」

「ふぅ……納得してくれたのかな」

 

 どうやらガゼル王のは、リムルがどういうヤツかを理解したようだ。

 

「それにしても、よくぞ俺の朧・天地轟雷を見切ったものよ。見事だったぞ、リムル」

「いや偶然だよ。その技、俺の師匠が使っているところを見たことがあるんだ。訓練でよく打ちのめされた。それだけの話しだ」

 

 リムルの言葉に驚き、まさかと聞き返そうとする。

 

「なんだと?まさか、その師匠とは――」

「ほっほっほ、お見事でしたな。リムル様」

 

 だがその前に本人が登場した。

 

「剣鬼殿……!」

「……300年ぶりくらいかな?森で迷っていた、あの頃の小僧が、見違えたぞ」

 

 昔のことを思い出しながらそうガゼル王に話しかけるハクロウ。だがすぐに言葉を変え、挨拶をし直す。

 

「いや失礼、ドワーフ王……ワシ以上の剣士へと成長したようで、重畳ですじゃ」

「剣鬼殿にそう言っていただけるとは……。ところで、後ろの方にいるあの二人はなんだ?」

 

 強者の風格を感じ取ったのか、一番後ろにいたエリアとクロノに声がかかる。

 

「あいつらは俺の親友の、エリアとクロノだ。エリアは違うが、クロノは俺と同じハクロウの弟子だ」

 

「よろしくお願いね」

「そ、そうだな。よろしく(リムルお前余計なことを!)」

 

 リムルの紹介に、二人は挨拶をする。するとガゼル王は…

 

「なるほど、と言うことはお前も弟弟子と言ったところか。クロノとやら、俺と一戦交えてみないか?」

(こうなるから嫌だったんだよ―!!)

 

 そうしてクロノもガゼル王と戦う羽目になり、リムル同様どうにか無事戦い抜いたクロノ。

 

 そしてその後、ガゼル王を町へと訪問させる事になるのだった。

 

 

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