ミリムが自己紹介を終え、皆から歓声が上がったところで帰ってきた二人。そこからミリムやナナラに組み手を申し込まれたりしたが、クロノを盾にしたり、リムルとレッカに叱って貰ったりして難を逃れたエリアは、夜の会議に出席していた。
「まさか魔王自らやってくるとは思いませんでした」
「でもまぁ、一応は許可なく暴れないでくれると約束してくれてるし、大丈夫だろ?」
リグルドは驚きましたと言わんばかりにそう言う。それは皆同じ気持ちで、リムルがいなかったらどうなってたことやらと、安堵していた。
「いや、しかし……気になるのは他の魔王たちの出方じゃねえか?」
「そうね。話に聞くに、魔王は何人かいるらしいから、ミリムと仲良くなって戦力の均衡崩れてるんじゃない?それとジュラの大森林のこともあるし」
魔王ミリムがリムルたちへ肩入れし、資源の塊であったジュラの大森林は手が出しづらくなった。
「そうだな。それは由々しき事態だ。他の魔王たちがどう動くかだな」
「まぁ、すぐには攻めてこないだろ。ミリムもいるし、なにより準備もあるだろうからな」
戦争にしろ侵略にしろ、それ相応の準備が必要だ。なのでいきなり事態が動くなんてことはない。とは言えそれは、相手の事情がわかっていればの話だが……
「無闇に相手の国に入る事は愚策だし、地道にしていくしかないわね」
「そうだな」
時間がないが、だからと言って無茶をすれば本末転倒だ。相手が格上なら尚更である。あくまで争い事を避け、独立した国を作る事が目的だ。
「しかし……魔王ミリム様を止めようとしても無理でしょう?それに各地で信仰する配下も多いと聞きます。いざとなれば彼らが黙ってないでしょう」
「アレは別次元の強さだった。勝てるとか勝てないを論じる段階の話ではない。それに加え、多種族も相手するとなると、こちらに勝ち目はない」
「その通りだ。他の魔王が敵対するというのなら、そいつらを相手した方がマシだろう。魔王ミリム、アレは正しく天災だ」
次々に話が進んでいく中、リムルは頭を悩ませる。そこで更なる悩みの種が投入される。
「ということで!ミリム様のお相手は、親友としてリムル様に全てを任せると言う事で、皆さん異存はありませんね!」
「「「異議なし」」」
全員がそれに同意し、丸投げされた事に困惑するリムル。
「魔王ミリム様は、最強最古の魔王の一柱。絶対に敵対してはならない魔王と言われておりますしのう。今回ばかりはリムル様にお任せするしかなりますまいて、ほっほっほっほっほっ」
「そうね。ここの長でもあり、ミリムの親友になったリムルが一番適任よ」
「ああ、俺達じゃ対応しようがないからな」
それを聞いたリムルは、仕方がないかと思いそれに了承した。
「ところで話は変わるんだが、そのカイコみたいなやつはなんだ?」
「俺達も気になっていたんですが、それはなんです?」
リムルとベニマルがエリアの頭の上に居座ってるカイコを見て、そう問いかける。
「カイコよ。あの卵から生まれたカイコよ。絶対に手を出さないでね」
「そうだぞリムル。絶対に手を出すんじゃないぞ」
それを聞いたリムルは考え込み、冷静を装いながら内心青ざめる。
「皆、二人が言うように絶対こいつには手を出さないように」
「そうしてくれると助かる。皆強いからな。なんか簡単に潰れて死んでしまっても困るし」
「あと何でも食べちゃうから、変なもの与えないでね」
「キュ~」
弱そうな見た目を利用して、それっぽい理由を並べる。すると皆納得してくれたようで、手を出さないことを誓ってくれた。
まぁ、本人はご立腹だったが、エリアが言っているということで力を隠してくれるようだ。そっから皆に可愛がられたり、ミリムたちに見つかり遊ばれたりしたが、どうにか仲直りしてもらい事なきを得るのだった。