エリアたちが町へ帰ると、どうやら次の訪問者がやってきていたようで、外で待っておくことにしたようだ。
そこで誰かが言い争っている所を見つけ、遠目から眺める。そこにはミユヒと、黒くしなやかな革鎧を着込んだボーイッシュな顔立ちの熊の獣人がいた。
「ジアコモと、誰だ?。てか何してんだ、あいつら?」
「あら知合い?でも仲良さそうには見えないわね」
ミユヒとジアコモという女性が、何らや言い争いを繰り広げていた。それは内容は聞き取れないが、嫌悪で雰囲気も悪くなっている。
「能力使って見えないようにしてるのかしら?」
「まぁ、あんな所あまり見られたくないだろうしな」
エリアたちには普通に見えているが、近くには誰もおらず、遠くを歩いている者たちも気がついていない。
「割って入ったほうがいいか?」
「そうね。今にも斬り合いが始まりそうね」
ジアコモは余裕の表情を絶やさないが、ミユヒの方は機嫌を悪くしており、今にも斬りかかりそうだ。そこで事態が悪くなる前に二人は止めに入る。
「何してんだ?ジアコモ?」
「ミユヒ、あなたもよ」
「おや、リュウくんじゃないか。どこに行っていたんだい?」
「……まあ、なんだ。なんでもない」
話しかけられると思っていなかったのか二人は、咄嗟に元の態度に戻った。
「ジアコモだったかな?あなたも依頼を受けて?」
「あら、可愛らしいお嬢さん。そうだよ。フューズさんとは仲が良い方だから、こっちに来るついでに護衛をさせてもらってるんだ」
貼り付けたような微笑みを浮かべ、穏やかにそう答える。その目線はなにか品定めするかのようなものだったが、エリアは害がないからと特段興味もなく無視する。
「そうなの?因みにこっちへの用ってのは?」
「この化狐に会いに来たのさ。色々と大変だったって聞いたから気になってね」
軽快な口ぶりでそう話すジアコモ。
「おい、私の名はミユヒだと言っただろ。何度言えば理解するんだ?」
「ん?ああ、そうだったそうだった。ついつい以前のままだと思っていたよ」
自己紹介をし合ったようだが、どうやらジアコモはミユヒが名を得たことを信じていなかったようだ。だが目の前のエリアの様子を見て改め直した。
「ところであなた、お名前は?」
「エリアよ。この町の主、リムルの親友なの。よろしく」
忘れていた自己紹介をする。するとジアコモは大げさに頭を下げ
「おお、それは失礼。私はしがない雇われ傭兵のジアコモと申します。ぜひお見知りおきよ」
「確かにな。間違ってないぞエリア様。こいつと関わったやつは碌な目に合わない」
丁寧に挨拶をするジアコモの隣で、ボロクソに言うミユヒ。
「酷いこと言うな、ミユヒは。私は、ムダな殺しなんてしないよ」
「どうだか。それに、それを差し引いてもな」
「まぁまぁ、二人共。そこら辺にしてね」
嫌悪に戻りそうになる二人を引き戻す。
「そうだな。で、リュウは何処へ行ってたんだ?急に居なくなってさ」
「俺は不幸体質なんだよ。そういう能力も持ってるしな。そのせいで離れ離れになったんだ」
離れた理由を聞いたジアコモは
「……へ~。君、冒険者、と言うか集団行動向いてないんじゃないかな?そもそも生きにくそうだし」
「だろうな。主に不幸が降りかかるのは俺だが、二次災害はどうなるかわからないし。迷惑をかける事が多いと自負しているつもりだ。だが無力なわけじゃないんでな」
この不幸が自身の能力だと知ったときから、リュウはそう思っていた。だがだからと言って諦める気はサラサラなく、実力でどうにかしてやろうとも思っていた。
「まぁ基本一人だが、今回はあの三人がいたからな。だからついて来た」
「ああ、なるほど。あの三人はちょっと頼りないから……」
カバルたちのことを思い出し、納得した風な表情をするジアコモ。
そんな感じの話をしていたら時間が過ぎ、話を終えたフューズやヨウムたちが出てきて解散となるのだった。
続けて投稿キャラを出させていただきました。