とある豪華な部屋で、二人の人物が話していた。
「早かったですね。今回は少々仕事が多かったのですが、上手く言ったようで何よりです。ティア」
「アタイだって中庸道化連の一員だんだ、これぐらいなんてことないよ。クレイマン」
ティアとクレイマンはそう言い合い、本題に入る。
「ミュウランから報告がありました。魔王ミリムは、よほどあの魔人たちを気に入った様子。これは思った以上に面白い展開です。愉快ですよ全く」
「へぇ。それならいいけど――実際のところどうなの?魔王ミリムが興味を持つぐらい凄い魔人なの?」
クレイマンが笑い、ティアがそう聞き返す。
「無視はできないでしょうね。今はだまあの程度ですが、いずれは私たちと同等……いえ、越えてくるかもしれませんね。ラプラスも同じ意見でしたよ」
「それは大変じゃないかな!早い内に手を打っておいた方が良いんじゃないかな」
冷静にリムルたちの戦力と将来性を考察するクレイマン。それに驚くティアは、速急な対応を提案した。
「そうですね。だからカリオンと同じように、こちらも使者を派遣しました」
「そうなんだ。で、調査結果なんだけど。フレイはね、ジュラの森に関わる気はないみたい。何かを警戒してる様子だった。まるで戦争準備でもしている感じ」
すでに手を打っていたクレイマンに安心し、調査結果を報告しだす。その内容は、フレイがなにかに警戒しているという内容だった。
「その原因はわかりましたか?」
「わかったよ。なんとビックリ!あのカリュブディスが復活するって慌ててたよ!」
カリュブディスの名を聞いて、考え込むクレイマン。
「カリュブディス……わかりました。では封印の地を探し出して、これに移し替えて連れてきてください」
「そうだよね!そう言うと思ってたよ。戦力は多い方がいいよね」
予想があたっていた事に喜ぶティア。
「ええ、東の帝国との戦争のために、戦力は多いに越したことありません。あちらの戦力増強も目覚ましいですからね。おちおちしていられません」
「絶対仕返ししてやるんだよ!ウチらの事甘く見てさ!でもあの方がいなかったら、何も知らずに操られて終わりだったから、なんとも言えないど……」
どうやら東の帝国と仲が悪くなってるようで、準備でき次第戦争が始まりそうなほどの事態に陥っていた。それもこれも、クレイマンが元に戻ったからだと言える。だからクレイマンは、戦力が欲しくて仕方がないのだ。
「そうですね。だからもうこれ以上ヘマをするわけにはいかないのです。ところで、例の不届き者についてはなにかわかりましたか?」
「まだ素性はわからないけど、わかったことは多かったよ」
次の報告に入り、ティアの雰囲気が若干下がる。どうやら完全に調べきる事ができなかったようだ。
「ほう?どのような?」
「思った通りゲルミュッドが暴走したのもアイツのせいだったね。ラプラスに化けて唆したみたい。それにロッゾ一族とか七曜の老師、東の帝国にまで手を出してる形跡があったんだ。まぁ、今は深く関わってないみたいなのが救いかな」
その報告を聞き、表情を強張らせるクレイマン。自身の計画を邪魔された挙げ句、大切な仲間に化けて暗躍しているそいつに、不快感しか感じていなかった。それはティアも同じようで、内心怒り心頭と言った感じだ。
「それは少々、いえ、相当厄介ですね。現状でそれとなると、今後も掻き回されるのは目に見えています。どうにか排除したいものです」
「ん~難しいかな?場所の特定すら出来ないし、なぜか先手を打たれちゃうからね。きっと、クレイマンと同じ究極能力持ちなんだよ。それも強力なさ」
排除したいのはやまやまなのだが、格上相手にできることは少ない。精々、後始末が限界であった。
「そう考えるのが妥当でしょう。私の包囲網ですら掠りすらしませんしね」
「そうだよ!いくらアタイらがあの方に強化されてるとは言え、究極能力持ちには敵わないよ。だから、あんま言いたくないけど、期待しないでよね」
究極能力を得たクレイマンですら見つけ出せないそいつは、恐らくクレイマンより格上だろう。覚醒魔王になろうと自身が大して強くない事を理解しているクレイマンは、そんな奴に勝てると思っていない。
だが確実に敵になるであろうそいつを見逃せるわけもないので、そいつを倒せる人材を用意しようと考えていた。それでカリュブディスやリムルたちと配下又は同盟を結ばせて、ぶつけようと思っていたのだ。
「それは仕方がないですよ。無理をしてやられてしまっても本末転倒ですからね。……ではティア、カリュブディスの件お願いします。できるだけ早めに」
「分かってるよ!先を越されるわけにはいかないからね!」
そう言いティアは、その場から消えるのだった。
ここらへんから原作と逸脱してオリジナルになり始めます。なのでキャラの使い方が難しく、至らぬ点が多くなると思いますが、これからもよろしくお願いします。