異世界に落ちたら弱体化してた件   作:バトルマニア(作者)

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カリュブディス戦

 皆と話し合い、結論が出たリムルたちは、クマラに返答を返そうとしていた。

 

「ッ!?何だこの気配は!?」

「これは……カリュブディスッ!?」

 

 驚く皆がその方向を向き、強大な破壊の意思が肌で感じられた。

 

(おい、強大すぎるぞ!なんでこの距離で存在感じられるんだよ!)

(そうなの?確かに凄い意思だけど、それほど強そうには見えないわよ?)

 

 本来ならトレニーの妹トレイアが現れて、カリュブディスと向かい場所を教えてくれるはずなのだ。なのにその暇なく、カリュブディスの意思がこの町に届いていた。

 

 

「リムル、これはヤバいぞ。俺達だけで勝てるかどうか……」

「そうだな。だがどうしたものか……」

 

 考え込むリムルとクロノ。無論エリアやミリムが出れば数分もかけずに倒せる敵であるが、安易に二人に頼るわけにはいかなかった。

 

 なぜなら……

 

「我々だけで十分です!私たちの力を見せつけて上げましょう!」

 

 シオンが余計な事を言ったのが原因でもあるからだ。これによりクマラは下がり、ミリムとナナラもレッカの追撃を受け撃沈していた。

 

 そっからトレイヤの知らせが届き、ミリムやクマラたちを町へと残してカリュブディスの元へと向う手筈になっていたのだ。

 

「あれが災厄、カリュブディス……」

「そうみたいだな。凄まじい力だ」

 

 戦慄するリムル。それもそうだろう、原作より強くなっているとは言え、それ以上に強化されたカリュブディスが相手では分が悪いにも程がある。

 

「こっちの戦力は、ベニマルたちに、ゴブタらゴブリンライダー、ゲルド率いるハイ・オークたち、ガビルとその部下に、急いで集まってくれた各種種族たちか」

「これだけいれば勝てるんじゃない?」

 

 カリュブディスを見据えながらそう話し合うエリアとリムル。そこへ、遠くの方から多くの気配が感じ。

 

「これは……ペガサス?ってことはガゼル王か!」

 

 追加でガゼル王からの助太刀――騎士団長ドルフ率いる、ペガサスナイツ100騎が駆けつける。

 

「――同盟だからと言うだけじゃなくて、私情も混じってる気がする。何か、兄弟子風を吹かせたがるんだよなあ、ガゼル王……」

 

 あちらの話を軽く聞いて、そう感想をもらすリムル。

 

 そして準備が整ったリムルたちの、カリュブディス戦が幕を上げた。

 

 

「くらえ、黒炎獄!!」

「轟炎球!!」

「雷神撃!!」

 

 三人の攻撃が近くにいたメガロドンに直撃し、一気に三体の敵を撃墜する。

 

「さすがベニマルにホムラ、ライカ。こんがりとよく焼けた……しかし……」

「お兄様とあの方々の攻撃でも消滅しないとは、驚きです」

 

 カリュブディスの固有スキル、妨害波。これは魔力妨害が強化されて出来た能力であり、魔力だけに関わらず、あらゆる存在を乱す事ができる力だった。これにより、誰もが上手く力を発揮できなくなっていた。

 

「面倒な相手だ……予定通り、分散させて各個撃破だ」

 

 リムルがそう指示を飛ばし、各自が動き出す。

 

 

「くっ――俺が動きを止める!お前たちが攻撃をしろ!」

「ゲルド様!!」

 

 ゲルドがメガロドンを受け止め、オークたちが攻撃を仕掛ける。だがあまり効果が見られず、抑えきれなくなったところで……

 

「助太刀いたしますぞ!」

 

 ガビルが助太刀に入り、急所を一刺しして仕留める。

 

 

「クゥ……ゴーレム。力が出ない……」

「任せてください!」

 

 キリンが突進してきたメガロドンをゴーレムで受け止め、隙かさず水剣で斬り裂くミズハ。

 

 

「凍り付け……ダメね。止めまで行かない」

「手を貸しますよ!」

 

 メガロドンを氷漬けにしたサキハだったが、止めがさせず動きを封じることしか出来ない。そこへフウカが槍での一撃を加え、撃破する。

 

 

「打撃じゃダメ。だけど光線も妨害でムリ、どうしよう……」

「仕方ないやつだ。手を貸そう」

 

 カグヤがメガロドンを殴打の嵐でボコるが、止めが刺せずにいた。そこへさっそうと現れたミユヒが、新しく手に入った刀で、メガロドンを斬り刻む。

 

 

「みんな流石ね。私たちが作った武器も上手く使いこなしているし」

「そうね。さ、私たちも行くよ!」

 

 ヒナとサヨがそう言い、同時に狙い定めたメガロドンに向かって走り出す。そして、サヨが通り過ぎると同時に一体のメガロドンが斬り裂かれ傷口が氷漬けになり、ヒナが槍を突き刺した方のメガロドンは途端に内部が凍り、両方とも体内を破壊されながら死滅する。

 

 

「のわーっ!一旦退却っす!」

「ほっほ、囮役と攻撃役、きちんと自らの役目を見極めよ。死ぬ気でな」

 

 ゴブタたちが必死でメガロドンと戦っていたが苦戦し、それを修行と言わんばかりに見守るハクロウ。そして結局ゴブタらは勝てず、ハクロウが呆れながらメガロドンを木端微塵に斬り刻み仕留める。

 

 

 こうして地上では着実に数を減らされるメガロドン。そして上空では……

 

 

「我らペガサスナイツの誇りにかけて、ここで阻止するのだ!」

 

 ペガサスナイツらも、メガロドンを相手に苦戦しながらも少しづつ撃破して行き。

 

 

「操妖傀儡糸!」

 

 ソウエイが糸でメガロドンを操り、同士討ちさせていた。

 

 

「今回はなんとしても活躍し、目立たねばなりません!」

「うむ。我もその意見には賛成だ」

 

 空走ランガの上に乗ったシオンが、メガロドンを一刀両断する。その隙にランガが黒稲妻で他のメガロドンを仕留める。

 

 

「斬りにくいな。これが妨害波か」

 

 リュウヤは広げた翼で空を飛び、闇を纏わせた剣でメガロドンを斬り裂き葬っていく。

 

 

「おお!みんなやるな!私も負けていられない!」

 

 シュンカはそう言い、逆行に負けずに引き上がった身体能力で、空を蹴りメガロドンを斧で叩き斬っていく。

 

 

 

「みんな凄いな。弱体化してアレかよ」

「そうね。シュンカに限って言えば、逆に強くなってるし。てかわたしが教えた空動使えるようになったのね」

 

 原作の倍ほどの数がいるメガロドンを分散させ、各個撃破していく皆。それを見たクロノとエリアはそう感想を言いやっていた。因みにリムルは、いつの間にか着いてきていたミリムたちの相手をしている。原作と違いナナラもいるので大変そうで、レッカは後ろの方で申し訳無さそうにしていた。

 

 

「あ、なんか鱗を飛ばし出したわね」

 

 エリアの言葉に反応して、リムルとクロノが皆を助けに動き出す。流石にこれはヤバかったようだ。

 

 

「なあ、エリアはいかないのか?」

「ええ、わたしが行ったらすぐ終わっちゃうからね」

 

 ミリムにそう話しかけられ、そう返すエリア。

 

「上手く見えないけど、エリアはすごく強いのだな。それだけは分かるぞ」

「それはありがと。でも貴方ほどじゃないわよ。そのエネルギー量には驚かされたからね」

 

 エリアはミリムより弱い。それは全盛期でも同じだろう。そして相性も最悪で、戦うとゴリ押しで押し負けると思っていた。

 

 だが……

 

「そうなのか?まだ隠してる気がするぞ?」

「私もそう思ってたところなんだ。底知れない力をかんじるぜ」

「わたしはホンキを出せないの。だから貴方や竜種には敵わないわ」

 

 本格的に異界を使えば話は変わる。もっと言えば拒んでいた進化を実行すれば、竜種にも届きうるだろう。だがエリアはそれをしない。制御できない力を、世界を滅ぼす力を使うきはないからだ。それは尊敬し、信頼している仲間たちを裏切る行為にほかならない。

 

「ホンキとやらを出せば、一番になれるのでないか?」

「一番にこだわる必要はないの。それに、この力を出しても、あいつらには勝てる気がしないわね。逆に返り討ちになるんじゃないかしら」

 

 所詮強大で、莫大なだけの力などいくら使ったところで、エリアの知っている者たちには敵わない。それこそただのカモとして扱われて終わりなのだ。

 

「そうか。よくわからないが、エリアの仲間はきっといいやつらなのだな!」

「そうね。すごくいいやつらよ」

 

 同僚や部下、上司や友人を思い出すエリア。それを適当に話しながら、ミリムの話も聞きつつ、時間が過ぎていき、日が暮れ始める。

 

 

「結構時間がかかってるわね。総戦力で三割ってところかしら?」

 

 疲れたミリムは昼寝をし、ずっと見ていたエリアはカリュブディスのことを再度見直す。

 

「存在値100万程度の相手にここまで苦戦するなんてね。まぁデカイから、仕方がない部分もあるんだろうけど……」

 

 エリアからすれば、カリュブディスなど有象無象の一体にすぎない。それこそ、裏世界では探せばいくらでも出てくるし、カリュブディスより強いやつも普通にいる。

 

「表世界の、一級冒険者が討伐するぐらいの相手だと思えば強いのかな?大国が動かなきゃいけないレベルだし。まぁ特級が出るまでもない相手だとは思うけど」

 

 だが表世界で例えると珍しい強さだろう。まだ上がいるとはいえ、迷宮の深層だったり、危険地帯にでも行かなければ現れない強さだ。上位冒険者などがいない地域からすれば十分脅威だろうし、それなりの被害も覚悟しなければいけない。

 

 

「ん?どうしたのリムル?」

「いやな。どうやらあいつ、俺達じゃなくて、ミリムにようがあったみたいなんだ」

 

 ミリムが起き上がり、リムルの方に飛んでいく。それが気になったエリアは、リムルに思念を飛ばし会話した。どうやらカリュブディスはミリムにようがあったようだ。

 

「そうなの?」

「ああ、依代がフォビオみたいでな。多分ボコられたからその仕返しにとかだと思う」

 

 それを聞いて呆れたエリアは、深い溜め息をついた。その瞬間、空が光り、カリュブディスが爆散する。無論フォビオは無事である。そこにリムルが向かい、カリュブディスの魔核を取り出しフォビオを助けていた。

 

「さて、誰か近づいてきてるし、一応行ってみましょうか」

 

 そうしてエリアは、リムルたちの元へと向うのだった。

 

 

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