扉を開け、中に入るリムルたち。
「ち~っす!今日から君たちの担任に――!」
そこでいきなり攻撃を避ける羽目になる三人。
「元気良すぎだろ!?」
「寿命が短いようには見えないな」
「エネルギー溢れ出してるんじゃ?」
三者三様の反応をして、子どもたちを見る。
「剣ちゃん、かっけーっ!」
「それ、必殺技だろ?ついに完成したか!」
「うっせー!次は当てるぜ!」
なんとも元気あふれる子どもたちは、楽しげにそう話し合い、ケンヤが剣を向けてくる。
「ダメねこれ」
「こりゃ学級崩壊必至だな」
「諦めんなよ!」
速攻で諦める二人に、リムルは必至に諦めないでくれと呼びかける。そこで誰かの声が教室に響いた。
「やめなさい、ケンヤ君。急に攻撃しちゃダメじゃない」
「久しぶりね、アイリス。先生になったんだって?上手く行ってる?」
いきなり攻撃されて気を向けている暇がなかったが、教室内にはアイリスがいたのだ。
「なんとも。教えるの苦手だから」
「え~、アイリス先生めっちゃ強いじゃん!剣術だって魔法だって凄いんだぞ!」
「そうよ!授業だって、面白いこと沢山教えてくれるのよ!」
ケンヤとアリスがそう言い、いまいちなフォローをする。
「……上手くやってるみたいね」
「この世界のこと教えてるだけ。あと私の旅の話とか。よく話もズレるし……」
どうやら、自分の経験や役に立ちそうな事を、それっぽく教えているようだ。だが思っているような授業ができていないようで、四苦八苦でもあると。
そこでクロエがポツリと
「何か……シズ先生に似てる……」
「全然似てね―だろ!」
なんだか、リムルがシズさんに似ていると話が盛り上がっていた。
「先行き不安ね」
「だな」
まぁ、仕方がないだろうと割り切り、アイリスの指示で子どもたちが席に座る。そこでリムルが名簿を見ながら名前を呼んでいくが……
「だれも返事しないわね」
「警戒されてるんんだろ」
「本当にごめんなさい……」
端っこで見ていた三人はそう言い合い、アイリスは申し訳無さそうな顔をしていた。
「別に仕方がないわ。最初なんてこんなものよ」
「そうだな。ほら、リムルの機転でみんな返事し始めただろ?」
「そ、そうね」
リムルがランガを呼び出し、後ろから挨拶を頼む。するとみんなは、一斉に返事をしだした。そしてリムルは、唐突にテストをすると言い出す。
「ちょっと、リムルさん、いきなりは……」
「そうよ!なんでそういうことになるのよ!」
「テ、テストって?」
「うぇ~っ……」
「私、テスト嫌い……」
「突然過ぎます。説明を求めたい!」
アイリスを筆頭に、みんな乗り気でないようで、文句を言い出す。
「慌てるな。今から行うテストは君たちに取って必要なことなのだよ!」
「なんでだよ!?どうせ遅かれ早かれ、俺達は死んじゃうんだろ!勉強したって意味ないじゃないか!」
「そ、そうだよ……今までだって先生もお話したり、おもちゃや絵本を持ってきて、それで好きに遊んでいいって……」
「こっち来てからまともな勉強なんてしてませんし」
「私、もっと絵本、読みたい……」
「大体ねー、アンタは何様なのよ!?ちょっと強い犬を従えてるからって、い、いい気にならないでよね!」
それを聞いたアイリスは、なんとも言えない表情をして黙り込む。
「ま、まぁアイリス。リムルにだってなにか考えがあってのことだからね。そう悲観的にならずに……」
「ありがとうございます。ですが、私の未熟さのせいで足りない部分も大きいので……」
心当たりが多いのか、どうにか頑張っても苦笑いしかできない様子のアイリス。そんな中でもリムルの説明は続く。
「なに、楽しいゲームみたいなものだよ」
「ゲーム?」
ゲームと聞いて、少しやる気がでる子どもたち。
「君たち……いや、お前たちの不満をぶつけることができる。とでも言っておこうか」
「……?」
それに疑問を覚えながら、みんなはリムルの言う通り、外へと向うのであった。