完全武装になったドクターは、一気に踏み込み殴りかかってくる。
「体術が得意なのね」
「クッ!強い!」
中々の体術で攻めてくるが、普通にエリアの方が格上で流されて終わる。
「あなたは誰なの?医者みたいだけど?」
「そうよ!自由学園で、医者をやってる者だ!」
医者なのにここまで戦えて凄い、と思いながら会話を続ける。
「そうなの。実は私は、アイリスの友達で組み手してただけなの。だから敵じゃないわよ」
「じゃあなんで、こんなにボロボロなのよ!?」
長い間戦い続けていたため忘れていたが、アイリスは見た目がボロボロでエリアは無傷である。アイリスは相当の実力者として知れ渡っており、その光景が怪しさを演出していたとも言える。
それに構図も悪かった。疲れ切って膝をついている前で、余裕そうに戦闘態勢を解いていなかったのだ。更に周囲に被害が出ないように張った結界や、アイリスが明け方になるまで帰らなかったのが、余計勘違いに拍車をかけていたようだ。
「本気で行かせてもらう!」
そう言うと同時に、謎の空間が広がり、複数の様々な医療用の道具が生み出された。
だが……
「それは面倒ね」
「なっ!?」
エリアは異粒子をばらまく。すると空間が崩れ、一瞬で地に伏せ無力化されるドクター。
「お、重い……動かない……」
「重力を操作させてもらったわ。まぁ、死なないようにしてるから安心してね」
敵ならこれで即死させていたところだが、別に脅威でも敵でもないのでそのまま話す。
「さっきも言ったけど、わたしは敵じゃないわよ。ただアイリスと模擬戦してただけ。ね、そうでしょ、アイリス」
「そうね。エリアは私なんかより強いから、ああなったの」
「……」
それを聞いたドクターは、考え込み動かなくなる。
「そういえば、ドクターってなんなの?自由学園の先生?」
「ドクターは、雇われで自由学園の医療者をやってくれてる人よ。特に私は、子どもたちの件でお世話になったわね」
どうやらドクターは、子どもたちを助ける為に協力してくれている人だそうだ。そこでアイリスは、お世話になっているようす。
「そう。同じ機関に勤める者として、姿が見えないアイリスを探しに来たのね」
「……そうだ」
やっと答えてくれたドクターに安心するエリア。
「リムルって知ってる?わたしその人とも友人なの、と言うか、ここに来たのもその人の付きそいできたの」
「リムル……そういえば、そんな話を昨日聞いたね。新しく先生になった人だって」
一応それを教えて重力を解く、すると普通に立ち上がり
「まだ数日も経ってないから、連絡がちゃんと届いていないみたいね。改めまして、わたしはエリア。リムルとクロノと共にこの町へやってきた者の一人よ」
「そうだったのね。いきなり勘違いして悪かったわ」
戦闘の意思はなく、両者挨拶を済ませる。
「ところで、リュウに反応してたけど、なにかあるの?」
「……ええ、知合いなの。ちょっと離れ離れになちゃったね。だから探していたんだけど、場所知らない?」
どうやらリュウの知り合いらしいとのことなので、エリアも快く答える。
「一度出会ったことがあるわ。今の場所はわからないけど、冒険者やってたから、そっから探せば見つかるんじゃないかしら?どっかのギルドのフューズって人たちといたから」
「わかったわ。ありがとう。っと、もうこんな時間だ。速く職場に向かわなきゃね」
「そうね。付き合ってくれてありがとう、エリア」
そう言いながら三人は、自由学園へと戻るのだった。
投稿キャラ出させていただきました。