囚われたモノ
リムルたちと町へ帰る最中、なにか違和感を感じたリムルとランガは足を止める。それに合わせてクロノとエリアも外へ出てきて周囲の様子を確かめた。
「ん~、囲まれたね。しかも結界とは……」
「それは……ッ!?」
「これは、魔素がッ!?」
魔素で動いてないエリアは影響はないが、リムルとクロノは違った。能力が大幅に制限されたのだ。そこでランガを影に逃がすリムル。
「ソウエイ!」
「どうした!」
そこへボロボロのソウエイが現れ、リムルたちは駆け寄る。
「敵です。それも想像も絶するほどの……」
そこまで言い終わったソウエイの分体は、消えてしまう。
「ッ!?次は何だ!?」
「スキル封印!?レジストだ、リムル!」
別種の結界にやられ、大半のスキルをさらに制限されるリムルたち。そんな時だった、一人の女性が近づいてきたのは……
「ヒナタ・サカグチかしら?何の用?」
「そうよ。よく調べ上げてるのね」
たじろぐリムルたちに代わり、エリアが前へ出てヒナタと会話する。
「友達のユウカから聞いたの、聖騎士で役職も実力も凄く高いんだって。で、そんな貴方が何のようかしら?」
「ふん、知ったような口を。みんなを騙して、よくそんな事を堂々と言えるわね。シズ先生にもそう言って殺したんでしょ?」
どこか様子がおかしいヒナタに、疑問を覚えながら話を続けようとする。
「そんな事ないわよ。だからこれ解いてくれるかしら?空間にも干渉できない。魔素も浄化される。流石に……ッ!?」
「「エリアッ!!」」
急に結界に囚われ、身動きが取れなくなるエリア。そこで、あと一人の男が姿を表す。
「引き付けてくれてありがとう、ヒナタ」
「当たり前じゃない。この精霊が一番厄介なんだから」
男とヒナタは軽くそう言い合い、リムルとクロノの方を向く。
「初めまして、ヴァジュだ。ま、覚えなくていいよ。どうせお前たちはここで死ぬんだからな」
「そうね。これから死ぬ奴らなんかに自己紹介なんてムダだわ。さっさと終わらせましょう」
ヒナタは剣を持ち、ヴァジュは薙刀を構える。
「こりゃ、話し合いなんてできないな」
「同然だ。と言うか生き残れるかどうかも怪しいぞ」
警戒を最大限に高め、リムルたちも構える。
だが……
「ッ!?ヒナタッ!!離れろッ!!」
そう言うと、囚われたエリアから離れる二人。それに驚いたリムルたちも咄嗟に距離を取る。
「ガッ、ぐうッ!?な、なん……!?消えッ!?」
囚われているエリアが急に苦しみだしていた。しかもジワジワと外側から消滅していだ。
「あれは……」
「恐らく、閉じ込めた奴を消滅させる結界なんだろ。でもエリアは特殊だから、すぐに消えずにああなってるんだ」
リムルの疑問にクロノは答える。それに焦ったリムルは
「大変じゃないか!速く助けないと!」
「どうやってだ!あれは俺達魔物……それどころか全てを消滅させる代物だぞ!それにあいつらだっているんだ!いくらなんでも無理が――」
そこまで言って、苦しんでいるエリアの体にヒビが入り、異粒子が吹き出る。
「な、なんだ。あれ……」
そして一部が崩れ見えた先は、何もなかった。まるでポッカリと空いた虚空のように何もなく、異次元の色彩が漂っているだけだ。
「分からない。何だあれ?あれがエリアの異界……」
「ヴァジュ!速くあいつを消滅……ッ!?」
術を使おうとヴァジュに声をかけるヒナタ。だがその前に、結界が粉々に破壊され、全員が吹き飛ばされる。
「はぁ~ここまで追い詰められるとは、あの子も鈍ったものね」
大人びた呆れた声が聞こえ、みな一斉にエリアのいた場所を見る。
「仕方がないから、ワタシがどうにかしてあげましょう。ま、どうなっても文句は受け付けないけどね」
そこには、いつものように薄でのジェケットを羽織った小さなエリアではなく、ロングコートを着た背の高い女性。大人になったエリアが立っていたのだった。
投稿キャラ出させていただきました。