町の中に入り、まず目に入ったのは、無茶苦茶に破壊された街並みだった。そこにリグルドやカイジン達がリムルたちに気付き、急ぎ走って来た
「リムル様方!ご無事でなによりです!」
「あ、ああ、お前たちもな」
リグルドの声に反応し、リムルも返す。
「これは酷いわね」
「町なんていくらでも作り直せる。それよりみんなだ」
惨劇があったことが容易に想像できるほど壊された町に、リムルの表情は歪む。だが僅かな希望にすがるようにそう言い、足を進める。
しかし……
「これを見る限り……」
「お察しの通りです、クロノ様。死人も出ています」
そこに一片の希望がなかったと悔しそうにそう言うソウエイから読み取れ、空気は更に悪くなる。そして死体が並ぶ広場へと案内される三人。そこでリムルは黙り込み、エリアはカイコに相談する。
「カイコ。この子たち直せない?」
「キュ~」
その問いに否定的に答えるカイコ。
「そう、肉体は戻せても魂、特に精神が無理なのね……」
「魂……」
近くに残っていればどうにかなるようだが、霧散していてはカイコではかき集められないようだ。これはエリアにも言えることであり、魔術で復元しようにも元の情報と素材がなければどうしようもない。
「「「ッ!?」」」
「みんな一旦リムルを一人にさせてあげて」
リムルは妖気を一瞬出してみんなを驚かせる。だがすぐに妖気を引っ込め、エリアがリムルを一人にさせるよういい、別の被害の確認に行くことにしていた。
「負傷者について教えてくれる?」
「負傷者は多かったですが、回復薬で殆どが回復しています。これもミュウラン様のお助けがあったからです。あの方が結界を張り、その後も機転を利かせて手を貸してくれていなければ、今頃は……」
道中でミュウランの話が出てきて驚くエリア。どうやらミュウランは、聖浄化結界の効果を和らげる結界を張ってくれたお陰で、被害を原作程度まで抑えてくれたようだ。だがその次の瞬間には、何者かによって魔法不能領域が張られ連絡が取れなくなったと言う。
(そうだったわね。ミュウランは……クレイマンは味方だったっけ?)
(ああ、お前が異界に籠もっている間にジスターヴとも交流があったんだ。どうやら本気でこっちと仲良く、と言うか手を組む気でいるらしかった。だから助けてくれたんだろうな)
あの時点でミュウランはいなかったようだが、使者やその後の交流を見てもそうだろうと予測するクロノ。
「残りの負傷者は?」
「はい、最初に暴れた三人組の攻撃を喰らった者たちなのですが、彼らの傷が治らず……」
原作通り空間属性による斬撃を受け、傷が塞がらないのだろう。そこでクロノがどうにかするといい、負傷者のところへと足を運ぶ。
「クロノ様!エリア様!お戻りだったのですね……!」
「ご無事で安心しましただ」
「ところでリムルさんは?」
「広場にいるよ。察してあげて」
エリアの言葉にシュナとクロベイたちは、疲労と不安の混ざった複雑な表情を浮かべる。だが今はそれどころでないので、ご苦労だったと声をかけ、負傷者の傷を直していくクロノ。
「不覚をとりましたじゃ、相手があれ程の手練とは……」
「申し訳ないっす……」
「すまない、クロノ様……」
「いやいい、どうしようもなかったんだ」
「そうね。弱体化していたんだからどうしようもなかったわよ」
ハクロウやゴブタ、ミユヒたちはクロノたちに頭を下げるが、クロノも内心申し訳ない気持ちでいっぱいだった。そこでエリアは口を出す。
「ミュウランって人に会いたいわ。お礼がしたいの」
「わかりました。ヨウムたちと一緒におらっしゃるので、ご案内します」
ミュウランはヨウムたちと一緒にいるようで、その事に不思議を感じながらリグルドに連れられ案内されるのであった。