あれから時間が経ち、客人たちの相手をしたり、みんなから話を聞いて情報収集をしていた。
そんな中、リムルがエレンたちの言葉で希望が見えたのか、復活したリムルはとりあえず客人たちを空間操作で帰したり、ミュウランに礼を言ったり、情報交換をしたりした。
そしてこれからの事を話すとみんなを集めるリムル。
「まず最初に、人間についてのみんなの意見を聞きたい」
「人間についての、ですか?」
リムルの言葉にみなが考え、一人ひとり意見を出していく。
卑怯な不意打ちを仕出かした人間達が許せない、今まで通り人間と接する自信がない、という意見は当然多かった。だが人間の中にも、人間達にも良いヤツはいる。一概に纏めて話すのは駄目だ、という意見もあり、皆これからの人間達との付き合いを真面目に考えてくれていた。
「多面的に見るのはいいことね」
「ああ、ちゃんと考えてくれてる証拠だ」
様々な意見が交わされ、リムルとエリアは満足そうにその光景を見る。そして最後に、結論を聞いてくれと注目がリムルに集まる。
「俺とクロノは、元人間の"転生者"だ」
中には知っている者もいたはずだが、大半の者が驚いた顔をする。そんな中リムルは、淡々と経緯を話し出す。
「異世界人と呼ばれる者と、同じ世界の人間だった。向こうで死んで、こっちに生まれ変わったんだ。スライムとしてな。だから人間が好きだと言ったのも、元人間だったからだ。もしかしたら、進化を果たしたお前たちが人間に近い姿となったのは、俺の望みが影響したのかも知れない」
それを聞いた皆は何も言わずにリムルの話を聞き続ける。
「"人間を襲わない"というルールも、そういう理由で作った。だけどそのルールのせいで、お前たちが傷つくのは俺の望みでは無かったんだよ……」
理由付けはしていたが、それでもリムルがしたことはみんなを縛ることになったと表情を暗くする。
「俺は、魔物だけど心は人間だと思ってた。だから、余裕が出来て俺は自分の思いを優先してしまった。エリアにも忠告されていたのにもかかわらずにだ。結果、足元がすくわれて、この様だよ。全ては俺の責任だと思ってる。
済まなかった……」
自分の望みを優先させたがゆえに、こうなったのだと申し訳無さそうにするリムルの言葉を聞いて、言葉を発する者は居なかった。皆がそれぞれに、俺の言葉を受け止めていた。
そしてしばし間があき、
「リムル様が元人間だったからと言って、何が問題なのですかな?」
ハクロウが真面目な顔で発言する。
「いや、だって、元人間が主とか、嫌じゃないのか?」
という質問に
「え?どうして?」
「私の主はリムル様だけです」
「俺もそうだが?」
「異論はない」
等々、まるで一切気にならないといった風になる。そして取り纏めるようにリグルドが、
「リムル様、皆の気持ちは変わらぬようです。そのような事を気にする必要は御座いません」
と言った。
それを聞いたリムルは、安心するように喜び、その様子を頷きつつ見てから、カイジンが聞いてきた。
「で、聞きたいんだが、今後の人間への対応はどうするんだ?」
「みんなの言ったように人間だからって悪人ばかりじゃない。だから敵になる気はないし、できたら仲良くしたい。だが楽だったり、そうした方が得だったら傾きやすいだろう。だからこそ俺達の存在を認めさせて、対等になる必要があると思ってる。だから……」
そこでリムルは自身が魔王になる事を宣言する。
「それはまた、甘い理想論だな。魔王になろうって者の台詞じゃないぞ、全く。……だが、嫌いじゃない」
「そうね。随分と甘いけど、それをやり遂げちゃうのがリムルだもんね」
「ああ、全くだ」
溜息をつきつつ、カイジンやエリア、クロノが感想を言う。だがカイジン含めみな好意的で賛成の声を上げていた。
「有難う。俺の我が儘に付き合ってくれ!」
リムルの言葉に、
「「「旦那(リムル様)が我が儘なのは、知って(おります)るよ!!!」」」
皆の声が唱和したのだった。