シオンの膝の上で眠っていたリムルが目を覚ます。
「あ!リムル様、お目覚めになられたのですね!」
「おはようリムル。体調の方はどう?」
状況を確認し、周囲を再度見渡したあと……
「無事全部済んだんだな」
「ええ、覚醒も蘇生も完璧だったわ。流石はリムルね」
エリアの言葉に、安心するリムル。それは合言葉を使わなくて済んだことも含まれていた。だが現実はそう甘くはない。
「リムル様、お目覚めですか。理性は問題なさそうですね。では記憶の方の確認をさせてください。『シオンの料理は?』 どうぞお答え下さい」
「え、いや……そうだな。ベニマル君が決めた合言葉は確か……『シオンの料理はクソ不味い』だったかな?」
一瞬戸惑ったのか、返答に困る顔をしたリムルだったが、どうにか思いついた答えをベニマルに返す。するとベニマルは、みるみるうちに顔色が悪くなり、シオンの機嫌も悪くなる。
「ま、待てシオン!リムル様も目覚めたばかりで、混乱されておられるのだ!」
「そうですか、そうですか。そんなに私の料理が食べたいですか。なら満腹になるまで召し上がっていただきましょう。腕によりをかけますので」
そう言い、料理をするために去っていくシオン。それを青い顔で見ることしかできない二人。
(危なかった。混ざらなくて正解だな)
(ええ、シオンの料理はホント凄いからね)
空気となりシオンの怒りから逃れた二人は、そのまま離れ料理を食わされている二人を眺めていた。そして宴やらなんやかんやがあり、リムルが悪魔とご対面するまで時は飛ぶ。なお二人は、みんなと飲めや歌えやと楽しんだ模様。
「お目覚めになられたようで何よりです、我が君、そしてクロノ様とエリア様」
宴が終わり、ゆっくりとしている三人の元へ現れた悪魔は、深々と頭を下げ話しかけていくる。
「我が君。無事に魔王へと成られました事を、心よりお祝い申し上げます……」
「誰だお前?」
それを聞いた悪魔は、酷くショックを受ける。
(あ~、そうなるよな。可哀想に……)
(覚えてないんだったかしら?)
意識が曖昧だったので仕方がないが、それでもショックは大きいようだ。そこでリムルは、無意識に更に追撃をかけ……
「いや、そうだった。色々と手伝って貰ったんだっけ?ありがとう、もう帰っていいよ」
それに止めを刺されかける悪魔。そこで流石に可哀想だと思ったエリアは、口を出すことにしたようだ。
「いやねリムル。この人は配下にして欲しんだと思うよ」
「そうなのか?いやでも、渡せるものなんてないぞ」
「名付けでいいんじゃないか?みんなそれで喜んでたじゃん」
少し相談し合った結果、リムルは悪魔に名付けをする提案をし、悪魔は大喜びで了承する。
「ディアブロ……それが私の名。なんと素晴らしい……。今日この日より、誠心誠意御仕えさせて頂きます」
リムルの魔素をごっそり持っていったディアブロは、目の前で進化し、感謝の言葉をつげる。
「ま、とりあえず秘書にでもしたら?悪魔って結構優秀だし、偏見だけど」
「そうだな。強くて賢いイメージがあるからな、偏見だけど」
エリアは自身の腹心が、優秀な悪魔だったことを思い出し、リムルに進言する。それと同時に、原作通りに進めようとクロノもエリアに続く。
「そうだな。優秀な事は間違いなさそうだし、それで頼んでいいか?」
「はい、喜んでお受けいたしましょう」
そうして打ち解けたリムルたちであった。