あれからみんなにヴェルドラを紹介し、驚かれつつもこれからのための会議を開くことになっていた。
だが――
「会議の所、失礼いたします!皆様、お客様がお見えです。どうしても取り次いで貰いたいと、緊急の用事だとかで……」
見張りの兵士が入ってきて、そう告げる。
(来たわね)
(さて、どう変わってるか)
原作との違いはすでに明らかになっている。だがそれは魔王側の問題だ。人類側はどうなっているのかと、二人は身構える。
「お久しぶりです、リムル殿。この度、応援に駆けつけました。手遅れにならなくて良かった」
そう言いながら、ブルムンド王国のギルドマスターであるフューズが入って来た。 全身装備を身に付けて、完全に戦装束である。そして心配そうにファルムスのことを話し出し、覚悟を決めたように熱く語り、リムルたちの味方をすると伝えてくる。
「気持ちは嬉しいのだけどじつわね、それはもう終わったの」
「終わった?」
エリアがフューズにそう言い、リムルが事情を話し出す。それにフューズが驚いていると、次にガゼル王がやってくる。
「久しいな、リムル。"魔王"になったらしいな?」
「まあね。ちょっと色々あってさ」
フューズにしたようにガゼル王にも事情を話、会議をしようとするが……
「失礼します!また、リムル様にお客人がお見えです。如何いたしますか?」
「今日は客人が多いわね」
「まぁ、あんな事あったらな。はぁ~」
次の客人がやってきて、リムルはため息を吐く。
「あ、どうも。お待たせしました。初めまして、この町で王様をやっているリムルです。宜しく!」
「貴方が、私の娘を誑かした、悪魔ですか。覚悟は出来ているんでしょうね!」
一足即発の事態に内心慌てたが、どうにか上手く事が運び
「いやー申し訳ない。娘が魔王に攫われたと報告を受けたもので、慌ててしまったのです」
「パパの早とちりじゃないのよぅ!」
そして最後にエラルド公爵が来て、すべての人物が揃う。無論二人は発生したいざこざを外野で傍観しているだけであった。
そんなこともありリムル達は、準備の整った大会議室へ移動した。
各国からの重鎮達が来客用の席へと案内され、最奥にはいつものようにリムルが座り、エリアたちは邪魔にならないように端に構える。
ジュラ・テンペスト連邦国の他、ミリム配下、傀儡国ジスターヴ、獣王国ユーラザニア、武装国家ドワルゴン、ブルムンド王国、魔導王朝サリオン──魔物の国と人間の国とが入り交じり、錚々たるメンバーが揃う。
まずは来賓の紹介の後、魔国側の幹部達の自己紹介に入った。
リムルに続き、エリアやクロノ、幹部たち、他にもトレイニーさんやヨウム達など、一通りの参加者の紹介を終える。
そして最後に堂々とヴェルドラが、クァーハッハッハと高笑いしながら会議室に登場した。どうやら身支度のために遅くなったようだ。そこにリムルがヴェルドラの紹介をする。
「どうか驚かないで聞いて欲しい。俺の盟友の、ヴェルドラ君だ」
「ヴェルドラである!我の事を"暴風竜"と呼ぶ者もおるようだな。まあ、我と語ることが出来た者は数える程しかおらぬ故、光栄に思うがよいぞ!」
一同唖然として、リムルたちの会話は続く。どうやらリムルはヴェルドラにこの場を去って欲しいようだ。だがヴェルドラはそれを譲らず、自分も参加すると言っている。
「ヴェルドラ、これは重要な会議なの。参加するにしても邪魔しないでね。あなたの影響力は大きいからさ」
「む、エリアもそう言うか。だがまあ、言うとおりであるな。我ほどの存在ならそうなるのも頷ける。わかった。ここは一旦大人しくしておこう」
エリアの言葉にヴェルドラは大人しくなり、会議が始まるのだった。