門の先へ行き、原作通り他の魔王が続々に集まって、レインが一歩前に出た。そして全員を見回し紹介をしていく。
そしてすべての紹介が終わり、本題へ入った。
「皆さん、この度は私の召集に応じて頂き、誠にありがとうございます。それでは始めましょう、我らが宴を。ここに、魔王達の宴ワルプルギスの開催を宣言させていただきます」
クレイマンが席から立ち上がり、集まった一同を見渡し、ワルプルギスの開催を宣言した。
「今回集まって頂いたのは……」
そしてクレイマンが、東の帝国のことを話し出し、各々が反応を示していく。本来なら、国境を接していない為興味薄だろうが、東の帝国の驚異的な戦力に、クレイマンの話を魔王たちは黙って聞き入っている。
「聖人に究極能力持ちが複数人。そんな事がありえるのか?」
魔王の一人、レオン・クロムウェルがそうクレイマンに聞く。それもそうだろう、辛うじて聖人だけならどうにかなっていた。だが究極能力ともなれば黙って見ている訳にはいかないようだ。
「どうやったかはわかりませんが、その情報は確かです」
どうやら原作にて、究極付与を受けていた者たちが、全員究極能力に目覚めているようだ。更には、他の者達も軒並み一段階進化しており、仙人や聖人が数多く揃っていた。
「それヤバいんじゃないのか?」
次に口を開いたのは、ディーノだった。いつもやる気のなさそうな彼だが、流石にヤバいと感じたのか真面目な雰囲気を漂わせていた。
「ああ、ディーノの言ったとおりだ。正直、西側諸国じゃ抵抗すらできないし、俺達魔王側もただでは済まないだろうな」
最初の魔王であるギィが、ディーノの言ったことを肯定した事により、一同驚きと戸惑いが入り交じる。
そこでクレイマンが、話を続けた。
「それを引き起こした元凶がいます。それは――」
いや、続けようとした。だがその前に、空間が歪み机が破壊され、魔王たちは一斉に後方へと飛び退く。
「いや~、私の話をするのならこんなコソコソせずに、呼んでくださればよかったではありませんか。でしたら探す手間も省けたと言うもの――」
一斉に魔王たちが攻撃を仕掛け、現れた男が爆風と煙に覆われた。
「分かってはいましたが、いきなりですか。まぁ効きませんがね」
だが男は無傷で、微動だにしていなかった。それどころか余裕を持って周囲を見回す。
「うんうん、みなさん集まってますね。では……っと、先を越されましたか。まぁいいでしょう」
男が空間を掌握しようとした瞬間、ラミリスが即座に空間を支配し、出入りを封じていた。それに残念そうにしながら、話を続ける。
「貴方たちが何をしようとムダなんですよ。これを見れば分かると思いますがね」
「なッ!?」
「これはッ!?」
複数の映像が映し出され、それを見た魔王たちは驚愕の表情を表す。
そこには、ボロボロになった各魔王たちの支配区域が映し出されており、配下たちも必死に戦っている様子が見て取れる。
「こんな報告など受けていないぞ!」
「当然でしょう。情報操作は基本中の基本ですよ。貴方たちが会議をやっている内に攻めさせてもらいました。時期に外は完全に制圧できるでしょう」
勝ち誇ったようにそう言い放つ男。だがそこでエリアが声を上げた。
「あんな不完全なモノでよくここまでできたわね」
「不完全でも十分すぎるんですよ。素の力量差がありすぎて、隙を埋める技量も、対応力たる経験も必要ない。最低限の機能だけで制圧出来る。その程度の世界なのです、この世界はね」
本体と比べるまでもないほど劣化した存在でも、十分すぎると男は語る。それほどまでに、元となった存在が強力だったのだ。
「貴方ならそれが分かるはずです、エリア。個々の実力、全体の戦力、どちらを取ってもあの世界には届いていない。確かに竜種やそこの魔王なんかがいますが、厄介というだけでどうにかなる範疇です」
ギィとミリムを見ながら、ヴェルザードとヴェルドラが戦っている映像を映し出した。
「お前、ヴェルザードに何をした?」
「少し支配と改竄を施しただけですよ」
睨みつけるギィに、笑顔でそう返す男。
「では、貴方たちの始末する……前に」
「グハッ!?」
「「「ッ!?」」」
男の姿が消え、クレイマンの胸から腕が生える。どうやら背後から心臓部を貫かれたようだ。
「クレイマン、あの女もそうですが、私の計画を狂わせてくれたお礼は、キッチリとさせてもらいます。貴方の死をもってね」
「な、なんッ!?グアッ!グガァァッッ!!?」
手に持たれた魂を握りつぶされ、断末魔を上げながらゴミのように捨てられるクレイマン。それを見た魔王たちは唖然とし、硬直する。
「ついでにこれをっと……」
そして次に3つの水晶を取り出し、適当に投げた。すると水晶が変化し、三体の複製体が生み出される。
「すみませんね、待たせて。ではレオン、貴方はそこのハーピィとビーストマスター、ヴァンパイアたちを始末してください」
「……わかった」
男と視線を交わしたレオンの様子がおかしくなり、カリオンたちへと武器を向けた。
「どういう風の吹き回しだ?レオン」
「……」
それに何も答えないレオンは、更に能力もフルに纏わせる。
「それでは、最終戦と行きましょうか」
そう言うと同時に、全員が動き出し、激しい戦闘が始まるのだった。