クレーターの中心で、悪魔の特性を持った少年が浮いていた。
「なんて強さ」
周囲にはボロボロになったカリオンの配下たちがおり、それに対し少年は無傷でそれを見ていた。
「三獣士の皆さんにも来てもらえば良かったわね」
「何言っている。あの方たちには住民の安全確保という大切な仕事があるんだぞ」
「そうね。こいつは私たちで仕留めるのよ」
アサシオとアイギス、アヤメがそう言い合い。それに合わせるように全員は力を奮い立たせる。するとそれを感じ取ったパンドラデビルは、手を上に掲げ……
「来るぞ!」
空が歪み、雲が乱れ、天候がみるみる内に悪くなり、暴風雨が吹き荒れる。
「この雨は……みんな気をつけッ!?」
「コウメイ!」
指揮官のコウメイから仕留めにかかったパンドラデビルは、転移にて急に目の前に現れる。それに反応し、影で回避をしようとするコウメイだったが、上手く機能せずに振るわれた腕に斬り裂かれる。
「よくもコウメイを!」
それに怒ったヨシツネが、雷を発生させてパンドラデビルに浴びせる。だがパンドラデビルはビクともしておらず、逆に巨大な雷がヨシツネを襲った。
「くうっ!?隙がない!?」
アイギスの連撃がパンドラデビルに放たれる。しかし結界に阻まれ、掠りすらせず腕を負傷させられ吹き飛ばされる。
「なっ!?」
「傷すらつかないの!?」
薄っすらと霧が発生し、アサシオとシオリが二人がかりで高速移動からの全方位攻撃をし、滅多斬りにしようとした。だがこれもアイギスと同様、傷すらつかない。
「これでもダメなの!?」
「ありえない」
そこへミホノとイツキの核撃魔法をも凌ぐ炎魔法がパンドラデビルを包み込み、真紅と漆黒が混じり合う超火力がパンドラデビルを襲った。だがこれも効果がなく、パンドラデビルが発生させた爆炎に飲み込まれ消し飛ばされた。
「天候の操作をッ!?」
雨嵐を操るアヤメが、パンドラデビルから天候の支配権を奪い取った。だがそれは罠で、収束した爆炎が巨大な太陽のようになり、周囲を焼き尽くしその場にいた全員を吹き飛ばす。
「助かったわコウメイ」
「ありがとう」
「当然よ」
少し離れた位置でコウメイに助けられたみんなが、例を言い少年を見る。
「強いけど、確かになにか足りない」
「追撃もあんまりだし、つなぎ合わせたような動きだ。と言うかやる気を感じない」
「でも近づけないよ。核があるって話だけど、届きすらしないじゃない」
イツキとアイギス、ミホノがそう言い合い、みんなが同意するようにうなずいた。
「そうね。幸いあっちから手は出してこないし、行動範囲も広くない。でも倒せるかどうかでいうと難しいわね」
「全然敵わないね……」
アサシオとイツキが最後にそう言ったその時だった。
『異世界からの侵攻を確認しました』
世界の声が響き渡ったのは……