巨大な薔薇が津波のごとく生え広がり、龍の都を飲み込んでいく。
「この薔薇、なかなか燃えない」
「まったくね」
「私の雷も効きやしねえ!」
レッカ、サクラ、ナナラは、迫り来る薔薇の波を燃やしつくそうと火を放つ。だがちっとも燃え広がらず増える一方だった。
「ハハハ、光線もダメね。ストレア、そっちはどう?」
「レーザーやミサイルも効果は小さいです。槍で斬り裂いてはいますが、再生能力に押し負けられます」
「む~、私の剣術がこうも通じないか」
ストレアという機械できたような少女に話しかける、黄金龍のギルガメッシュ。そして自分の剣術が通じない事に不満を漏らすライム。
「やっぱ効かないか。相性悪いわね。龍状態になるってのはダメね、的になるわ」
「うん、シグルスもそう思う?」
ヤマタノオロチのルキアと龍人らしき銀髪のシグルスという少女がそう話す。どうやらみんなで攻撃しているようだが、迫りくる薔薇たちはすべての攻撃をものともしていないようだ。
「サヤカとサクヤたちには悪いが、下がってもらって良かったか」
「はい、アレに接近戦は不可能でしょう。レンカとレンナも隙を伺っていますが、それもないようですし」
ミッドレイとジョカの指示で、力が強い者たちが前線に出て、それ意外の者たちは下がっているようだ。そして風葉族の者たちは隙を伺っているようだが、その隙すら見えない様子。
そんな時だった。
「みんな!来るぞ!」
ナナラがそう叫び、一斉に薔薇の蔦を避ける。だが数が多すぎるようで、防戦一方になり誰も反撃を打てなくなっていた。そこに翼を生やし、薔薇の髪飾りのようなモノがついた赤髪の少女が高速で突っ込んできて
「グッ!?」
ミッドレイが殴り飛ばされていく。みんながそれに驚いている内に、ローズドラゴンは近くにいたジョカに手刀を放ち
「あ、危なかった」
「なんて力よ!」
ギリギリでかわしたものの、斬撃波が薔薇を斬り裂き飛んでいき、先にあった山に深い傷を作り出していた。
「くらえ!」
「これでどうだ!」
攻撃をかわしながら隙かさず光線を放つギルガメッシュとストレア。だが見え見えすぎてかわされ、棘らだけの尻尾から撃ち放たれる棘弾に、ズタボロにされる。
「はぁぁ!」
蔦をくぐり抜けてきたライムが、勢いよく斬りかかる。それに対応しようと動くローズドラゴンだったが、いつの間にか張られていたワイヤーに引っ掛かり、その連撃を身に受ける。
「うそっ!」
龍であり植物でもあるローズドラゴンは、その程度の傷は物ともしない。それどころか動物的弱点もなく即座に回復し、強引に手から伸ばした蔦を振るった。するとまたも斬撃が発生し、大空の雲をかき消す。
「でたらめすぎでしょ!」
咄嗟に回避したのはいいが、次はローズドラゴンからの連撃が始まる。素早く大ぶりの蔦鞭が振るわれ、薔薇も敵も関係なく薙ぎ払っていく。
「いい加減にしてろ!」
ナナラが落雷を使い、ローズドラゴンに一撃加える。するとローズドラゴンと周囲の薔薇の色が黄色になり、なにかの花粉をばらまき始めた。
「こ、これは……毒……ッ!?」
強力な麻痺毒をばらまき始め、ミリムの配下たちの動きが鈍くなる。そこに隙かさず蔦が襲いかかり、数人が貫かれた。
「このっ!」
「消えろ!」
レッカとサクラが炎を放ち、すべてを燃やし尽くす。するとさっきとは打って変わってすぐに燃え上がり、薔薇の色が青へと変わる。
「霧?それに気配がッ!?」
気配を探れなくなったみんなに、倦怠感と衝撃が襲い、何の抵抗もできずに倒れ伏す。
「なに……が……」
「どう……なって……」
何もわからず、何もできずにいたのと時だった。
『異世界からの侵攻を確認しました』
世界の声が響き渡ったのは……