『異物と戦闘をしている者たちに一時的に強化及び加護を施します』
世界の声が聞こえ、ヒナタたちは瞬時に怪我や疲れがなくなり、武装や能力の格が引き上がった。
「なんかわからないけど、これで貴方を倒せるわ」
「そうだな。覚悟しろよ」
ヒナタとヴァジュはゴッズに到達した武器を向け、サンクチュアリエレメントはそれを怪訝そうに見やる。そしてその存在感は爆発的に跳ね上がった。
「神聖を通り越して消滅ね」
「これでも拮抗か」
ヒナタの強奪之王とヴァジュの六道之王が発動したものの、聖域との相性が悪く上手く発動しない。だがその代わり聖域も弱体化し、多少は能力なども使えるようになっていた。
「来るぞ!」
サンクチュアリエレメントが腕を振り、いくつもの光線が放たれる。そしてそれを避けたヒナタたちは、その威力に戦慄した。
「完全消滅!?」
「それもアレだけの頻度で!?」
光線の通った場所は綺麗さっぱり消滅しており、それが今なお細い光線として周囲を消滅させていた。これはサンクチュアリエレメントが、ここ神聖法皇国ルベリオスを縄張りにすることを諦めたことを指していた。
「「なッ!?」」
猛攻の隙間をくぐり抜け、二人の斬撃が届く。しかしダメージを喰らったふりをされ容易く透過し、二人目のサンクチュアリエレメントが生み出され、そいつが隙だらけの二人に光線を放った。
「「ッ!!」」
莫大なエネルギーと究極能力を使用し、どうにかそれを弾く二人。そこに次元断絶が発生し、難を逃れたが吹き飛ばされ、更に足元から結晶の槍が生えて串刺しにされかける。
「クッ!?」
二体に分かれたサンクチュアリエレメントは、二手に分かれヒナタの方へと転移し、結晶の剣を振る。それをギリギリで防いだヒナタに、消滅の波動が剣を伝う前に弾き、激しい剣戟が繰り広げられる。
「なかなきゃるわね。でもっ!」
剣術ではヒナタのほうが一歩先を行っており、サンクチュアリエレメントの体を貫く。しかしその背後から自身ごと貫くように結晶槍が突き刺され、眩い閃光と共に周囲が消滅した。
「あの一瞬で自分の分身をッ!?」
回避に成功したヒナタは、追撃をもかわし増えたサンクチュアリエレメントを次々に仕留めていく。だがどれも分身でしかなく、使い捨てかのように特攻させていた。
「本体はッ!!」
核を持つ本体は、一歩引いた場所で傍観するだけだ。
「強奪ッ!」
散らばった神聖を回収される前に、自身のモノにしたヒナタは、それを剣に纏い斬撃を撃ち放つ。それが本体にかき消され、やっと本体が動く。
「来なさい!」
分体が消え、急接近をしてきたサンクチュアリエレメントは手に持った光の槍を打ち出し、ヒナタを消滅させにかかった。しかしヒナタはそれを見切り、完璧に受け流す。
「分かってる!」
そこにヴァジュが到着し、サンクチュアリエレメントを挟み込むように接近戦が始まり、激しい攻防が発生していた。その光り輝く戦場は、実に神秘的でいつ終わってもおかしくないギリギリの戦いであり、二人は一切の隙を与えないように連撃を加え続ける。
そしてついに
「終わりよ!」
「終わりだ!」
ヴァジュの攻撃で結晶が砕け散り、ヒナタの刺突がサンクチュアリエレメントの核を貫く。それにより、力を使い切ったのか薄まり完全に消えさるのだった。