Space Pirate Cross Dream! 作:睡眠タイム
今年も何卒宜しくお願い致します。
此処で皆様に御報告。
御存知の方もいらっしゃる通り、ゴーカイシルバー/伊狩鎧役の池田純矢氏が、特殊詐欺に関わった容疑で逮捕されました……。
私自身、『ゴーカイジャー』が好き&試聴していた身でもあって、大変ショックな気持ちであります。
しかし私は、そのキャラと演じた役者さんはあくまで別だと割り切っていると考えている他、今でも『ゴーカイジャー』と言う作品が好きである事に変わりはありません。
なのでこの作品を削除する事は無いですし、今後の話でもゴーカイシルバー/伊狩鎧を登場させる予定であります。
私にとって『ゴーカイジャー』は、ゴーカイシルバー/伊狩鎧も含めて、『ゴーカイジャー』何です。
何故なら、役者さんが不祥事を起こしたからと言って、『そのキャラは登場させない』と言うやり方は、私の『ゴーカイジャー』が好きと気持ちを裏切る事になってしまうからです。
それが『嫌だ』や『納得出来無い』と思うなら、お気に入り登録を解除しても、無視して見なくても構いません。
こういう話があると、絶対何人かのアンチやヘイトなどが湧いてくると思いますが、これに関しては人によって意見が変わったりするので、仕方無いのは承知しております。
しかし私自身は、今後もあくまで自身のペースで、『これが好き』や『書きたいと思った作品を書く』と言うスタンスで行く所存で御座います。
以上の事をあらかじめ御了承の上で、今後も私の作品を、何卒宜しく御願い致します。
それでは新年最初の更新となる最新話(Aパート)、開幕です。
とある日の夜。
1人の女性が夜道を歩いている。
ふと耳に届いた会話の方向に視線を向けると、其処には数人の女子高生達が会話に花を咲かせている様子で、女性はそんな彼女達の姿を眺めながら、内心思う。
(馬鹿な子達ね……。 バンドで食べていけるの何て、本当に一握りだけなのに……。 それなら別の事に生かせば良いのに……)
その時ふと、1人の生徒の姿を思い出し、つい呟く。
「はぁ……本当に市ヶ谷さんは、人生を棒に振るっているとしか思えないわ」
教師である彼女ーーーー孤月姫子(こげつひめこ)自身から見て、市ヶ谷有咲と言う少女は、間違い無く教師生活を送って以来、初めて見る『優秀』な少女だった。
若しその気になれば、間違い無く『勝ち組としての人生』を送る事だって出来るのに、中学時代の彼女は余程の事が無い限りは、学校に行く事しかしなかった為に、孤月は内心『大人を舐め腐る事しか出来ない残念な子』と言う印象を抱いていた。
高校生になってからは学校には真面目に行く様になった為、少しは見直したと思う物の、同時にバンド活動に勤しむ有咲の様子が、孤月にとっては、裏切られたと感じさせていた。
そんな時に有咲の成績が一時期落ちた事があり、彼女はこの気を利用して、優秀な彼女に『勝ち組人生』を送って貰う切欠を与えようと、敢えて口を厳しくして言及した。
しかし彼女の目論見は空振りに終わり、有咲は成績を元の状態にまで戻し、益々バンド活動にのめり込む様になってしまった。
(私は今までも、関わってきた教え子達を『勝ち組人生』に導いてきたのよ……! 市ヶ谷さん、貴女は私の手に掛かれば、『最高の逸材』になれるのに……如何して『その才能』を腐らせ様とするのかしら……!?)
孤月の中で、徐々に怒りが溜まっていく。
「もしもし其処のお姉さん♪」
突然の声に振り向くと、其処にいたのはピンクと水色の2色で染め分けられた髪の少女だった。
「貴女一体……?」
「ニシシシ! お姉さん、教師何でしょ? このままその生徒の子に舐められっぱなしでいいのかな~?」
少女の煽る様な言葉が、孤月の負の感情に火を付けた。
「そうよ……。 私は教師なの……! 市ヶ谷さんだけじゃない……! この世の全ての生徒の一生を失敗しない様に、正しく導く権利があるの! 私にはその権利があるのよ!」
「良く言ったね~。 じゃあボクからの選別だよ!」
『NINNINGER』
そう言って、ピンクと水色染めの髪の少女ーーーーレーヴは孤月の胸に、自身の持つアナザーレンジャーウォッチを押し付けた。
「ウッ……ヴェア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!」
苦痛の声を上げながら、彼女の姿が変わる。
「アハハ! 愉快愉快! 今日からアンタは『ニンニンジャー』だよ!」
数秒後、レーヴの目の前には一体の異形の姿がいた。
全身真っ赤な色が特徴の、目元を覆うマスクを付けた醜悪な顔。
肩に施された手裏剣と、まるで『足軽の様な甲冑を纏った忍者』と言う表現がしっくりくる見た目。
それは『忍びなれども忍ばない』忍者戦隊、『手裏剣戦隊ニンニンジャー』の紛い物ーーーーアナザーニンニンジャーの誕生であった。
「ガアアアア――!!」
「ニシシシ! さぁ、考えるの止めてひとっ走りしちゃえ!」
レーヴの愉快そうな声が響いた。
☆☆
今まで鳴っていた演奏が鳴り止む。
「有咲~! 疲れたよ~!」
「だーっ! くっつくんじゃねぇー!」
「でも有咲、その割にはあんまり嫌がっている感じがしないね」
「ツンデレだね」
「誰がツンデレだゴラアアアー!」
おたえの呟きに対して、有咲のツッコミが飛んだ。
此処は、有咲の家である市ヶ谷家の倉にある地下室。
この場所はPoppin'Partyの面々にとって、バンド練習の場であると同時に、憩いの場でもあった。
「此処だな……」
その時、地下室の扉が開かれたので、香澄達が其方を向くと其処にいたのは、本来いるべき筈の無いマーベラスであった。
「あれ~? マーベラスさん?」
「婆さんが昼飯の時間だから、呼んできてくれだとよ」
確かに時計を確認すると、時間は既に12時を廻っていた為、5人とマーベラスは地下室を出て、有咲の祖母である万実の下へ向かって行った。
「連れて来たぜ」
「有り難うね、マベちゃん。 直ぐに準備するわ」
香澄達は、マーベラスと万実が何時の間にか此処まで親しくなっていた事に驚きを露わにしていた。
「あの~、マーベラスさんは有咲のお婆さんとは如何言う経緯で?」
「あぁ。 ちょっとな……」
マーベラスの話によると、彼は偶々外出していた所、叫び声が聞こえたので振り返ると、万実が引ったくりにバックを奪われている光景が目に映り、その後直ぐに此方に向かってくる引ったくりを、そのまま捕まえたのだと言う。
その後、近くの警察に引ったくりを突き出した後、マーベラスが彼女の名字で有咲の事を口に出した事で、有咲の知り合いと思われ、助けた御礼をしたいと言う彼女の言葉を受けて、市ヶ谷家まで足を運ぶ事になったのだと言う事だった。
「そうだったんですか……」
「……その、婆ちゃんを助けてくれて……有り難う」
「礼何て別に良い」
それから暫くして、昼食が運ばれた為、皆で食事を取る事になった。
その途中、付けていたテレビの昼のニュースを見ていたりみが呟く。
「またやっているね……。 『赤忍者』のニュース……」
「『赤忍者』?」
マーベラスが疑問符を浮かべる。
「今世間を賑わせている『謎の怪人』だよ。 何処からともなく現れて、終わると突然消える……」
「その見た目が真っ赤な忍者みたいな格好から、『赤忍者』って呼ばれているんだよ」
おたえと有咲が、2人に説明をする。
「『謎の怪人』……か」
「そう言えば、もう直ぐRoseliaの主催ライブだったね」
「あーっ! そうだったよ~!」
沙綾の言葉に、香澄は思い出した様に声を上げると、マーベラスの方に視線を向ける。
「マーベラスさん!」
「あん?」
「マーベラスさんに、御願いがあります!」
香澄達ポピパの面々は、各々の様子でマーベラスを見つめ、マーベラスは疑問符を浮かべていた。
☆☆
「何時見ても凄いや……!」
香澄が周りの様子を、圧巻した眼差しで見ている。
現在ポピパの面々とマーベラスは、Roseliaの主催ライブにゲストとして誘ってもらい、こうしてこの場で来ている。
事の発端は数日前ーーーー。
ひょんな事から知り合った『朝日六花』と言う後輩の少女からの依頼で、彼女がバイトをしている『Galaxy(ギャラクシー)』と言うライブハウスのリニューアルオープン記念ライブへ参加したポピパは、其処で同じく参加をしていた知り合いのバンドである『Afterglow』、『ハロー、ハッピーワールド!』、『Roselia』、『Morfonica』と共に、記念ライブを無事成功させた。
しかしライブ終了後、Roseliaが主催ライブを開催することを発表したことをきっかけに、香澄もポピパで主催ライブを開催することを宣言したのであったが、具体的に如何すれば良いのか分からずに、途方に暮れていた。
そんな中、有咲がRoseliaのメンバーで、同じ花女の生徒会に所属する紗夜と燐子の提案を受け、Roseliaの主催ライブにゲストで呼ばれる事となったのである。
「それと……市ヶ谷さんは『赤忍者』の事は、ご存知ですか?」
「えぇ、まぁ……。 それが一体?」
「実はこの前……、等々他のガールズバンドのライブに出現する騒ぎがあったんです……」
紗夜と燐子が同じくRoseliaのメンバーであるあこ経由で聞いた話によると、『赤忍者』の最中に突然煙の様に出現したのだと言う。
『こんな汚物は消毒してやるわ――!』
『赤忍者』は刀から斬撃や土煙をなど放ちながらライブのセットを破壊して廻っていた。
『月に変わってお仕置きよ!』
更にライブの主催をしていたガールズバンド達には、雷による一撃をお見舞いしたのだと言う。
『これからは心を入れ替えて、真面目な勝ち組の人生を送りなさい!』
そう叫ぶと、『赤忍者』は煙の如く姿を消したのであった。
「それを知って私達は5人で相談した結果、今度の主催ライブにボディーガードの方を御願いしようと考えたんです」
「市ヶ谷さんも、気を付けて下さい……」
紗夜と燐子の言葉を受け、有咲は香澄達と相談をし、彼女達もボディーガードを探そうと言う結果になり、そしてその『白羽の矢』にたったのが、偶々市ヶ谷家に来ていたマーベラスだったのである。
そしてライブ当日、ゲストとして来ていたポピパは、オープニングライブを終え、こうして今に至るのであった。
「にしても、そのボディーガードって言うのが……御前(・・)だったとはな」
「何よ? 何か文句ある?」
マーベラスは隣にいる女性ーーーーあこと彼女の姉である巴経由でRoseliaのボディーガードを頼まれたルカに対して意外そうな様子を見せ、ルカはジロっと睨み返す。
「まぁまぁ……落ち着いて下さい」
沙綾が2人を落ち着けさせる。
やがて会場の照明が落ちて、暗くなっていった。
すると今度はステージ上に、Roseliaの面々が現れた。
「今日はライブに来てくれて感謝するわ。 私達の音楽、存分に味わいなさい」
ステージ上の友希那がそう言って、他のメンバーの演奏をバックに、彼女は歌唱を始める。
「Roseliaの皆……この前の『circle』での1周年記念ライブの時よりも、更にレベルが上がってるよ……」
「あぁ。 歌唱、演奏……両方に於いて、友希那さん達の強い想いが込められているのを感じる……」
Roseliaのライブを観賞するりみと有咲が、それぞれの感じた事を口にする。
やがて最後の曲を終えた直後、観客から歓声が上がった。
「圧倒的だ……」
たえがポツリと呟く。
香澄達4人も、呆然とした様子で見ている。
一方Roseliaの面々は、ステージから去ろうとする。
その瞬間、土煙が彼女達を襲った。
「「「「「キャアアア!?」」」」」
「な、何だ!?」
「ふええ!?」
異変に気付いたマーベラスとルカ、そしてポピパの面々が視線を向けると、『ポンッ!』と言う煙と共に、赤い忍者の様な見た目の異形が出現する。
「『赤忍者』だ!」
「嘘だろ……!?」
「本当に出て来た……?!」
「行くぞルカ!」
「あいよ!」
マーベラスとルカが真っ先に控え室を飛び出し、香澄を筆頭に他のポピパも2人を追って飛び出す。
「さて……今日も哀れな悪い子達を正す為に、忍ばず暴れるわ……!」
『赤忍者』ーーーーもといアナザーニンニンジャーは、自身の持つ日本刀にセットされた手裏剣に付いたボタンの1つを押す。
『ザ・ワザ! 何じゃ何じゃ、何じゃ何じゃ?』
独特の待機音が流れ、赤忍者はその状態で手裏剣を操作しようと手を伸ばす。
バンッ! バンッ! バンッ! バンッ!
「ギャア!?」
次の瞬間、突如放たれた銃弾の前に、アナザーニンニンジャーは怯んだ。
「無事か?」
Roseliaの面々が視線を向けると、其処にはゴーカイガンを構えたマーベラスとルカの姿があった。
「友希那先輩!」
更に其処へ現れたポピパの面々が、Roseliaの下に駆け寄る。
「痛たたた……! いきなり失礼ねぇ……! ……ん?」
アナザーニンニンジャーは視線を有咲の方に向け、動きを止めると、不敵な様子を見せる。
「ふふふ……漸く『一番修正しなきゃいけない子』を見つけたわ……!」
「あのアナザーレンジャー……有咲を見てる?」
「有咲の友達かな?」
「んな訳ねぇだろ!」
たえの発言に、有咲の容赦無いツッコミが飛んだ。
「何にしろ……邪魔するなら、即刻退場さねぇとな」
マーベラスとルカは自身のレンジャーキーを取り出し、モバイレーツにセットした。
「「ゴーカイチェンジ!!」」
『ゴ~カイジャー!』
マーベラスとルカは直ぐに変身する。
「ならこっちだって!」
アナザーニンニンジャーが日本刀を翳すと、無数に現れた影から青い体色の足軽の様な見た目の異形ーーーーヒトカラゲ達が現れる。
「ルカ、コイツ等の相手は任せたぞ!」
「了解!」
ルカにポピパとRoseliaの事を任せたマーベラスは、そのままアナザーニンニンジャーを捕まえると、ライブハウスの外へ連れ出した。
そしてライブハウスから引き離すと、近くの広場で両者は戦闘を開始する。
「ハアアアーー!」
アナザーニンニンジャーの日本刀を、ゴーカイレッドは自身のゴーカイサーベルで受け止め、拮抗の末に弾く。
「グウゥ!」
直ぐ体勢を立て直したアナザーニンニンジャーは、日本刀にセットされた手裏剣を回す。
『めらめらじゃー!』
「喰らいなさい!」
「ウオッ!」
すると日本刀から強力な火炎が放たれ、ゴーカイレッドは思わずたじろぐ。
『どんどんじゃー!』
「ハアア!」
「ウワァー!」
そして更にアナザーニンニンジャーは日本刀に付いた手裏剣を回すと、今度は地面が爆発し、ゴーカイレッドを吹っ飛ばした。
「素晴らしいわぁ……! この力を持ってすれば、市ヶ谷さんだけじゃない。 どんな相手だろうと、私の教育を正しいと認め、私の言う通りの『真面目な勝ち組の人生』を送る様になってくれる……!」
「ハン! 随分物騒な教育じゃねぇか!」
「物騒……? ……其処まで言うなら、貴方みたいな出来損ないは廃棄処分にしないと理解しないみたいねぇ……!」
『めらめらじゃー!』
アナザーニンニンジャーは、再び日本刀に付いた手裏剣を回して翳すと、先程の物よりも更に強力な火炎が放たれる。
そしてゴーカイレッドは、炎の中に消えた。
「フフフ……思い知ったかしら?」
アナザーニンニンジャーはゴーカイレッドのいた場所に足を進めるが、その場所に来た瞬間に表情が変わる。
何と其処にはゴーカイレッドの姿は無く、彼の身に着けていた赤いスーツだけが残されていたのである。
「なっ……!? これは……!?」
動揺と困惑の混ざった様子で、アナザーニンニンジャーの動きが止まる。
「何処見てやがる!!」
突然の叫び声で左を振り向いたアナザーニンニンジャーの前に、赤い影が現れる。
「大空斬り!」
「グワア!」
そのまま赤い影はアナザーニンニンジャーを、持っていた刀で縦に斬り飛ばした。
「ドライガン!」
「キャアーー!」
その次に赤い影は、鷹の意匠が施されたドライヤーの様な見た目の赤い銃から火炎を放ち、アナザーニンニンジャーに追撃を加える。
「ハァ……ハァ……」
アナザーニンニンジャーは左手の甲を抑えながら、何とか起き上がって、奇襲を仕掛けた相手の正体を見る。
赤い影の正体ーーーーそれはデザインが異なるも赤いマスク姿の忍者、『ハリケンジャー』のハリケンレッドであった。
「忍術はテメーだけの特権じゃねぇんだぜ?」
「あ、貴女……、さっき炎に包まれたんじゃ!?」
アナザーニンニンジャーの問いに、ハリケンレッドーーーー否、ゴーカイレッドは鼻で笑う。
『豪快チェンジ!!』
『ハ~リケンジャー!』
『抜け身の術!!』
種明かしをすると、アナザーニンニンジャーの放った火炎が直撃しそうになる瞬間、ゴーカイレッドは即座にハリケンレッドに豪快チェンジすると『抜け身の術』を使用してアナザーニンニンジャーを油断させ、其処から先程の奇襲に繋げたのである。
「さて……そろそろ終わらせるぜ」
元の姿に戻ったゴーカイレッドは、ゴーカイサーベルの先をアナザーニンニンジャーに向けて宣言する。
「くうぅ……!」
アナザーニンニンジャーは何とか立ち上がって、警戒を強める。
「所がそうは行かないんだよね~!!」
「!?」
その時何処からか見知らぬ声が聞こえ、それと同時にゴーカイレッドの右側から『何か』が飛んできたので、咄嗟に彼は回避をする。
「……何だ今のは!?」
「チッ! 外しちゃったか」
不意打ちが飛んで来た方に視線を移すと、其処には右手に戦斧を所持した蠍の様な見た目の異形の姿があり、ゴーカイレッドは先程飛んで来た物の正体が、相手の持っている『戦斧』である事を察し、強い口調で詰問する。
「何モンだテメェは!?」
「悪いけど、今此処でソイツを倒されると困るのよね~♩」
「……何だと?」
「クッ……!」
その隙を付いてアナザーニンニンジャーは、即座に煙幕と共にゴーカイレッドの目の前から姿を消した。
「あ、待ちやがれ!」
「アンタは此奴でも喰らってな!」
蠍の様な見た目の異形は右手に持った戦斧の尖った先から、銃弾の嵐を放つ。
ゴーカイレッドは咄嗟にゴーカイサーベルで防御の態勢をとるが、何発か撃ち漏らしてしまい、彼の身体に命中する。
「ぐお……!?」
「ははは! じゃねバイ~!」
そう言うと蠍の様な見た目の異形も、そのまま逃走したのだった。
「チッ……!」
「「「「「「マーベラス(さ~ん)!」」」」」」
すると其処へ、ゴーカイイエローとポピパの面々が駆け付ける。
「ったく! 今日はどうにも、変な奴等と遭遇する日だぜ……!」
「大丈夫?」
「ああ……」
ゴーカイレッドは先程の蠍の様な見た目の異形が逃走した道を、忌々し気に見るのだった。
☆☆
Roseliaのライブの一件の翌日、ガレオンの船内にて、マーベラスは船長席に座って考え込んでいた。
(昨日のあの蠍野郎、 間違い無くあの忍者野郎の仲間なのは間違いねぇ……。 それにあの時……)
『ふふふ……漸く『一番修正しなきゃいけない子』を見つけたわ……!』
(有咲を狙っていたみてぇだが……何が目的なんだ?)
「マーベラス……やけに考え込んでいるな」
「うん……」
「それにしても……その蠍の怪人と言うのも気になりますね……」
「その蠍怪人が黒幕なのは、間違い無いみたい何だけど……」
船長席に座って考えるマーベラスの姿を見ながら、ルカと彼女経由で昨日の一件を聞いたジョー達も話し込んでいる。
その時、不意にマーベラスのモバイレーツが音を鳴らす。
「何だ…?」
訝し気に思いながらマーベラスはモバイレーツを取り出して、通信に出る。
『あっ、マーベラスさん!』
「その声……香澄か? 如何したんだ急に?」
『有咲が……有咲が攫われちゃったの!』
電話越しに聞こえて来た香澄の声を聞き、マーベラスは即座に船長席から立ち上がって駆け出した。
☆☆
マーベラスと彼を追ってきた他の4人が駆け付けたのは、ポピパの面々が通う花咲川女子学園であった。
「あっ、マーベラスさん!」
マーベラス達の到着にいち早く気付いた香澄が、此方に向かって走り寄って来る。
その後ろには、彼女と同じくポピパのメンバーであるたえとりみと沙綾、Roseliaの紗夜と燐子、薫を除いたハロハピの面々の姿もあった。
「一体何があったんだ?」
事情を聞いた所、香澄達は昨日の主催ライブの終わりの際、友希那から言われた言葉を参考に、今日のお昼休みに校庭の中庭にて昼食を取りながら、話をしていたのだと言う。
『悪い御報告があるわ』
「なっ!? ウッ…!』
すると其処へ、煙幕と共にアナザーニンニンジャーが有咲の背後に現れ、そのまま彼女を気絶させた。
『有咲!』
『急なんだけど市ヶ谷さんは、私と特別授業をする事になったから♩ じゃあね~』
『きんきらじゃー!』
アナザーニンニンジャーが日本刀にセットした手裏剣を回すと、香澄達の周囲に金箔が巻き起こる。
『『『『わああ!』』』』
そして金箔が晴れた時には既にアナザーニンニンジャーと有咲の姿は無く、香澄達はマーベラス達に連絡を入れ、今に至るのであった。
☆☆
「成程な……」
「早く有咲を連れ戻さないと……!」
「でも探すにしても何処を探せば……?」
その時、偶々近くを歩いていた生徒達の会話がマーベラスの耳に入る。
「それにしても、孤月先生大丈夫かな?」
「何か急用で、午後の授業は全部自習にするって連絡が入ったらしいわよ?」
「えっ、そうなの? そう言えば、左手の辺りに湿布を貼っていたね」
「……おい、孤月先生ってのは誰だ?」
「えっ……えっと、香澄ちゃんと有咲ちゃんのクラスの担任の先生だよ」
「そう言えば孤月先生、左手の辺りに湿布を貼っていたけど、香澄や美咲は何か知っている?」
「えっと……確か昨日、うっかり火傷をしちゃったって言ってたよ」
沙綾の問いに、香澄が思い出して答える。
(左手の火傷……)
「如何したんですか? マーベラスさん?」
「……そう言う事かよ」
その時何かに気付いた様にマーベラスは、徐に自身のモバイレーツとゴーカイレッドのレンジャーキーを取り出す。
「ゴーカイチェンジ!」
『ゴ~カイジャー!』
「そして此奴だ」
ゴーカイレッドに変身したマーベラスは、更にもう1つのレンジャーキーを取り出して、モバイレーツに挿入する。
「ゴーカイチェンジ!」
『リュ~ウソウジャー!』
「凄いわ! マーベラスが恐竜さんになっちゃった!」
「一体何をするんだろう……?」
『リュウソウジャー』のリュウソウレッドに豪快チェンジしたゴーカイレッドは、『リュウソウジャー』の主装備である長剣----リュウソウケンに、ナイト型の可変スタチュー----リュウソウルの1つであるピンク色のナイト型の可変スタチュー----クンクンソウルを取り出す。
「クンクンソウル!」
そして取り出したクンクンソウルを、リュウソウケンの柄の竜の頭部を象ったスロットに装填して、後部のホーングリップを操作し、スロットを開閉させる。
『リュウ!ソウ!そう!そう!この感じ! クンクンそう! クンクンー!』
そしてリュウソウレッド(マーベラス)は、先程有咲がいた場所に近付くと、匂いを嗅ぎ始める。
「……あっちの方だな」
数分経って嗅ぎ終えたマーベラスは、別の方向を見て呟いた。
先程リュウソウレッド(マーベラス)が使用したクンクンソウルは、嗅覚の鋭い騎士竜クンクンソウリュウのソウルが刻みこまれており、彼はその力を利用して、有咲とアナザーニンニンジャーの匂いを嗅ぎ分けた事で、2人の後に追跡する事が出来る様になったのである。
「行くぞお前ら!」
マーベラスの言葉を受け、他の4人も彼の後を追う。
「私も行く!」
「「「香澄(ちゃん)!?」」」
「このまま有咲を放って、安全な場所にいる何て私は出来無いもん!」
香澄はそう言って、マーベラス達の後を追い、その後をたえとりみと沙綾が追い掛ける。
「戸山さん! 花園さん! 牛込さん! 山吹さん!」
紗夜が慌てて呼び止めるも、その叫びは空気中に霧散していったのだった。
此処まで読んでくれて有り難う御座います。
と言う訳で、今回のアナザーレンジャーのモチーフの戦隊は、『ニンニンジャー』です。
『如何してポピパなのか』と言う疑問に関してもう少しだけ説明をすると、実は意外にもこの2つのチームには、幾つか以下の様な共通点があるからと言うのが理由です。
共通点
・メンバーのカラーリング
・メンバーに女子高生がいる。
・リーダーが妹がいるレッドキャラ。
・ピンクの忍者キャラがいる。
・「かすみ」と言う名前のメンバーがいる。
カラーリングに関してもう少し詳しく説明すると、今のポピパのメンバーのカラーリングはそれぞれ、
・香澄→赤
・おたえ→青
・りみ→ピンク
・沙綾→黄
・有咲→紫
となっていますが、実は初期の頃のカラーリングは、
・香澄→赤(アカニンジャー)
・おたえ→青(アオニンジャー)
・りみ→ピンク(モモニンジャー)
・沙綾→黄(キニンジャー)
・有咲→白(シロニンジャー)
と言う風に、ニンニンジャーの初期メンバーと全く同じだったのであり、そこから『ポピパ×ニンニンジャー』と言う形式が誕生するに至ったのです。
因みに作中のRoseliaの主催ライブのボディーガード役がマーベラスとルカだった理由は、2人が『スーパー戦隊最強バトル!!』にて『アカニンジャーと直接面識があった』と言う繋がりだったりします(尚、リュウソウジャーに豪快チェンジした理由も、同じく『スーパー戦隊最強バトル!!』に関する繋がりです)。
さて次回の更新に関してですが、諸々の事情もあって少し遅れる事になります……。
それでは、今回は之にて失礼致します。
皆さんが『令和戦隊』の中で好きなのは、どの作品ですか?
-
魔進戦隊キラメイジャー
-
機界戦隊ゼンカイジャー
-
暴太郎戦隊ドンブラザーズ
-
王様戦隊キングオージャー
-
爆上戦隊ブンブンジャー
-
ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー
-
全作好きに決まっているじゃん!