魔法少女リリカルなのはKreuzung   作:神原和人

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必要な機材が揃い、原作の再プレイが終わるまでの中繋ぎです(´・ω・`)
こちらの原作やクロス先の作品に関しては完全に個人の趣味になります。ご了承下さい。


第一章 原作前
/00 キミは死んだのさ


「さて、一体ここは何処なんだろうね?」

 

 何というか。ここは目が痛くなる程真っ白な空間だった。

 そもそも僕は何故こんな所にいるのだろうか?

 頭を唸らせてみるけど、中々思い出せない。

 

「頭が痛くなって来た」

「大丈夫かい?」

 

 聞きなれない声に顔を上げると、そこには見知らぬ少年がいた。

 最初に周りを見回した時に誰も居ないことを確認している。

 ということは、この少年は行き成りこの場に現れたことになる。

 

「混乱しているみたいだね」

「現在進行形で混乱中なんだけど……君は?」

「君たちにわかりやすく言うと、神様ってやつさ」

「…………は?」

 

 余計に混乱して来た。

 神様? よりにも寄って神様と来たか。

 こんな場所にいる理由もわからないし、自分のことを神様だという怪しい人間も出て来た。

 なんだこれ。ドッキリか?

 

「ここがどこかも、自分がここにいる理由もわからなくて不安かい?」

「そりゃ不安さ。おまけに自分は神様だ、なんていう怪しい奴もいるし」

「ま、行き成りそんなことを言われて信じる人もいないよね」

 

 ボクだってそうだし、と肩を竦めてそいつは言う。

 だったら聞くな! と声を大にして言いたい。

 

「ここは生と死の狭間の世界。

 言ってしまえばあの世とこの世の中間点って所かな。

 ……ここまで言えば、自分がこの場所にいる理由もわかるよね?」

「……いやいや。そんな、まさか」

「うん、そのまさか。

 ――――キミは死んだのさ」

「……ちょっと、ちょっと待ってくれ。僕が死んだ?」

「うん。思い出せないかい? 君は、君の幼馴染を庇って事故にあったんだよ」

 

 あ。思い出してきた。

 そうだ、僕は居眠り運転のトラックからアイツを護って。

 

「思い出して来たみたいだね」

「あぁ。そっか、そのまま僕は死んだのか」

「残念ながらそういうことだね」

「……アイツは無事だったのか?」

「かすり傷程度で大きな怪我はなかったみたいだよ」

 

 そっか。それなら良かった。

 突き飛ばした直後に意識が消えたから、心配だったんだ。

 

「ということは、アンタが神様だっていうのも」

「ホントのことさ」

「……で、その神様が死んだ僕に何の用だ?」

「うん。ちょっと転生して貰おうと思ってね」

「転生? 輪廻転生ってやつか」

「それそれ」

 

 どっかで見たことのある展開だな、おい。

 所謂神様転生ってやつか?

 

「ちょっと他の神の管轄内の世界で、予想外の死人が出てね。

 バランスが崩れて世界が崩壊しそうになってるんだ。

 そんな訳でタイミング良く死んだキミにそっちの世界に移って貰おうと思って」

「拒否権は?」

「あると思う?」

 

 ですよねー。

 詳しい話を聞いて判明したのは以下の点。

 

 ①他の神様の管轄内の世界で予定外の死者が大量発生し、その補充の一人として同時期に死亡した僕が選ばれた。

 ②補充する人数の関係上、転生者は僕以外にも多数存在する。

 ③転生先はアニメ【魔法少女リリカルなのは】がベースの世界。

 ④拒否権がない代わりに、この場で転生後に関してある程度の融通が効く。

 ⑤原作に関しては気にする必要は無く、好きにして良い。

 

 うーん、こうして聞くと正に神様転生のテンプレだな。

 

「僕の願いは三つ。

 一つは努力が結果に結びつくのに必要な才能」

「あれ、キミは力を直接貰おうとは思わないんだ?」

「そんな貰い物の力、うまく使うだけの知恵も経験もないからね。

 正直使いこなす為に特訓するなら、最初から才能だけ貰えば良いじゃん。努力するのに変わりはないんだからさ」

「力そのものは駄目でも才能なら良いんだ」

「才能は神様の贈り物、ってね。力だけポンと貰うのと才能を貰うのとでは、僕の中では別のこと」

 

 大体、貰った力が自分の知っている通りに使えるとも限らないし。

 個人的には今ある力を使いこなす為に努力するより、努力の結果力が付く方が好きだしね。

 

「二つ目はデバイスが手に入りやすい環境」

「直接デバイスをくれ、でも良いのに」

「最初からデバイスを持ってたら不審すぎるだろ?

 原作主人公みたいに偶然手に入れた、とかなら兎も角さ」

「まぁ別に問題はないけどね。それで最後の願い事は?」

 

 最後の願い。

 僕にとって、これがある意味一番重要だ。

 

「原作知識の完全抹消」

「…………」

 

 ぽかんとしている神様。

 僕は何かおかしいことを言っただろうか?

 

「正確にはベース世界であるリリカルなのはの主要人物やストーリーに関する知識の消去、かな」

「……いやいやいや。それはおかしいでしょ」

「……? 折角生まれ変わるのに、先のことがわかったら面白くないじゃん」

 

 僕はそんなにおかしなことを言ってるだろうか?

 

「大体、未来のことなんかわからないのが普通なんだしさ。だったら原作知識はむしろ邪魔でしょ?」

「いや、普通そこは原作知識を使って原作ブレイクしてやるぜ! じゃないの?」

「僕や他の転生者っていう異物がいる以上、原作知識に頼る必要がないじゃん。

 だって僕らが存在してる時点で既に【原作ブレイク】してる訳だし」

「屁理屈だよ、それは」

「それに原作ブレイクってだけなら、記憶のあるなしは関係ないしね」

「……うーん、キミがそれで良いなら問題ないか」

 

 何だか微妙な顔をしていたが、何やら頷いた所を見ると納得してくれたのかな?

 

「それじゃ、それそろ時間もなくなって来たことだし、早速転生の準備に入ろうか」

 

 えい、と神様が言った瞬間、フッと足元の感覚が消えた。

 すぐに浮遊感が襲ってくる。

 

「ちょ!」

 

 落とし穴かよ! と突っ込む間もなく、僕の意識は暗闇に飲まれた。

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 神様が気を利かせてくれたのか、【僕】という意識は一歳の誕生日に戻った。

 意識がある状態での授乳や下の世話は精神的にクルものがあるから、個人的には大助かりだ。

 この点に関しては感謝しても良いね。

 ……ただ、一つだけ言うなら。

 

 僕の顔を見ながらニコニコと笑う、目の前の少女を見る。

 ピンクの長髪に薄赤い眼。歳は六歳くらいだろうか?

 彼女のことは良く知っている。何せ前世で見ていたアニメのキャラだ。

 僕は転生前にベース世界の知識の消去を願ったから、彼女のことを覚えているということは彼女がいる作品が舞台ではない、ということだ。

 

 桜満 真名。それが、生まれ変わった僕の姉となった少女の名だ。

 ……ホント、どうしてこうなった。

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 改めて自己紹介をしよう。

 僕の名前は桜満 朔夜。所謂転生者というやつだ。

 家族構成は父・姉・弟、そして僕。

 父の玄周はミッドチルダという場所でデバイスマイスターなる職業についている。

 

 ……ここまで来れば自ずと弟の名にも見当がつくと思う。

 集。それが僕の双子の弟の名前だ。

 何の因果か、僕は【ギルティクラウン】の主人公一家の一員として生を受けたのだ。

 ただ、出来る範囲で調べてわかったのは、どうやらこの世界にはアポカリプスウイルスが存在しない、ということだ。

 それは研究者であった父が別の職業についていることからも伺えた。

 取り敢えず原作のような事件は起きないと見ていいだろう。心配事の一つはこれで片付いたと言える。

 

 問題は、ベースの原作が違う世界に【ギルティクラウン】のキャラが存在すること。

 つまり他にも別作品のキャラが混じって存在する可能性がある、ということだ。

 ここにベースとなった原作が存在する以上、別作品の【物語】が一斉にはじまると厄介なことになる。

 こんなことなら前世の記憶そのものを消去して貰うべきだったかな? ベースとなる原作の知識が無くて余計にこんがらがってきたぞ。

 

 それに問題はそれだけじゃない。

 僕たちの実母は【ギルティクラウン】の原作通り、僕と集を産んで暫くして死亡しているのだ。

 アポカリプスウイルスには感染していなかったのに、まるでかわりのように事故にあった。

 父の助手に春夏という名の人物がいることも判明している。

 一つのことに熱中すると周りが見えなくなる父を上手くサポートしているらしい。

 母の死亡から考えると、父も亡くなる可能性が出て来た。

 

 ……とりあえず、今は出来ることからはじめよう。

 今の年齢では本格的な運動はどう考えても無理だ。

 そこで父さんと姉さんの会話を聞いて判明した、魔法方面からアプローチをかけようと思う。

 

 魔法。前世の世界ではおとぎ話にしか存在しなかったものだ。

 魔法の行使にはリンカーコアという器官が必要であり、それを持たない者が魔法を使うことは出来ない。

 また、効率良く魔法を使う為にはデバイスとやらが必要。但しデバイスなしで魔法が発動出来ない、という訳ではないようだ。

 二人の会話を聞いていると、どうやら僕も魔法発動に必要なリンカーコアを持っているらしい。

 

 そんな訳で、とりあえずは魔力を感じる所からはじめることにする。

 まずは自分の中にある、リンカーコアを把握する為に集中する。

 若干胸の辺りに違和感を感じたけどそれだけだ。

 これだ! と断言出来るような物は把握出来なかった。

 

 次に、姉さんも魔法を使えるようなので、姉さんと魔法が使えない父さんとを一緒に観察し、二人の違いを探す。

 これは姉さんの発する魔力を探知する為だ。

 ただ見るだけじゃ当然違いなんてわからないので、意識して強く集中する。

 

 結論から言うと、さっぱりわからなかった。

 普通に目を集中させただけではわからない物なのだろう。

 勿論、はじめたばかりで結果が出るとは思っていなかったので、今後も継続していくことにする。

 本格的に運動が出来るようになるまでには、せめて簡単な魔法を使える位にはなっておきたい。

 当分は姉さんと父さんの違いから魔力を探知する訓練と、自分の中にあるリンカーコアを把握する訓練を続けようと思う。

 元々こういった風に努力を重ねることは嫌いじゃない。空いた時間を積極的に使っていくとしよう。




割と最近、誰かの活動報告で多重クロスの話が出ているのを見て、つい衝動的に書き散らかしてしまった(´・ω・`)
携帯サイトとかで良く見ましたよね。
なのはをベースにして、リトバスやSHUFFLE! とかD.C.の多重クロス。
今見ると何が面白かったんだろ? と思う人もいると思いますが、今でも割と好きなんですよね、私。
そういった個人的な理由や、何も更新しない、ということに対して妙な罪悪感が沸いたので、中継ぎ的な意味での新作です。
黄龍伝で本編に関係のない番外編が書ければ良かったんですが、流石に三話の状態で閑話を挟むわけにもいかず……。
新作の方が自分の首を絞めることになる、とはわかっているんですけどね(;´Д`)

黄龍伝と違い、こちらは簡単な設定を用意してあるだけでプロットも碌に作っていない状態なので完全に行き当たりばったりになると思います。
只ゲーム原作と違ってアニメ原作の作品なので、その点に関しては話は作りやすいと思います。原作の確認がしやすいですからね。
多分原作に入る前の空白期を更新している内に、黄龍伝の方も更新出来ると思いますので、それまでは出来るだけこちらの更新を入れたいと思います。

さて、本編について少し。
一応あらすじでチラッと言及してますが、基本的に本編では転生前の主人公の名前や職業、幼馴染の名前などが全く出て来ていません。
これは主人公の死亡が確定しているのであえて書かなかった、というのが理由です。
今後の本編にあまり関係のないことを延々と書くのもなぁ、と思いましたので。
そんな理由から、実はこの話はプロローグと一話を併合してプロローグとして投稿しています。
当初は転生まででプロローグだったのですが、転生前の描写をバッサリカットしたので、その影響で文字数が2500字位まで落ちてしまったんですよね(;^ω^)
これじゃマズい、ということで急遽一話の予定だった部分と併合。
その結果転生前と転生後の繋ぎが割と無理矢理気味なので、妙な違和感が出ています。
この点に関してはご了承下さい。

長々と書きましたが、黄龍伝が本格的に始まったあともこちらの方も出来れば定期的に更新したいと思いますので、両作品共々宜しくお願い致します。
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