何もない真っ白な世界。そこに1つの魂が漂う。
「おれ、確かにと死んだよな」
自分が死んだことを確かめるように独り言を言っていると返答が返ってきた。
「ええ、あなたは死にました」
魂は声がした方を向くように動いた。そこには白とも黄色とも言える翼を翻かせる、神々しい雰囲気を持つ容姿の整った女性が降りてきた。
「貴方は・・・」
「私は世界の観察者をしているもので、レインと申します」
「観察者、それって俺たちが思っている神様とは違うんですか?」
「人が言う神ではないです。人の身からすれば神の如き力はありますがね、●●●●さん」
あれ?名前が聞こえなかった?
「申し訳ありませんが亡くなった時点で貴方の存在を示す名前は使えなくなりました。ご理解ください」
そうなのか、まぁそうだろうな・・・俺が読んだことある異世界転生ものの話じゃ完全に消える描写があるものはあまりなかったが現実はそうなのだろう。
「さて、貴方にはいくつかの選択肢があります」
「選択肢、ですか。やっぱり異世界転生ですか?」
「仰る通りです。一つ目は漫画やアニメーション、二次小説を嗜む貴方には分かりやすいと思いますが、この世には数多くの作品があり、その作品の並行世界、パラレルワールドが存在しその中への転生。二つ目はこのまま輪廻の輪に還り新しい命になること」
うん、テンプレってやつだな、そんな事を考えていると、レイン様は真剣味が増した表情になり、
「ですが私は、貴方に第三の選択肢を選んでほしい」
ん?なんか今までとなんか違う?
「貴方には多くの異世界に赴いて欲しいのです」
えっ?多くの異世界?
「それってウルトラマンダイナが時空を超えて他のウルトラマンを助けて回るみたいにですか?」
「やはり理解が早いですね、概ねその通りです。三つ目の選択肢を選んだら貴方にはここで新たな肉体を作り、最初の世界に転移という形になります。私は多くの世界を周り、貴方は心に従い世界を感じて欲しい。流石に世界を滅ぼすとかは駄目ですが「いやいや!しませんからねっ!」分かっています。貴方がそんな事はしないと」
それでどうでしょうか?と聞いてくるレイン様に俺は、
「・・・決めました。転移の形でお願いします」
「そうですか、よかった。それでは新しい肉体と後は特典ですね」
おおっ!異世界転生ものの定番、転生特典!
「おお、転生特典!やっぱり楽しみだったんですよ。幾つまで言っていいんですか?」
「本当ならば、幾つでもと言いたいんですが、1個1個の能力の幅を広げるので3個とさせて下さい」
3個か・・サイコロで決めて1っていうこともあるから全然OKだな。
「あ、翻訳とか健康にとかは肉体を作る時に付与しますので大丈夫ですよ」
おお、それなら他の所に特典使えるな、それじゃあ・・・
「最初の特典は自分だけの空間、アイテムボックスのような能力が欲しいです」
「アイテムボックスですね、分かりました」
「二個目はNARUTOにでてくる六道仙術が欲しいです」
「ほう、NARUTOでしたら写輪眼や輪廻眼を選びそうですが、六道仙術、でいいんですか?」
「はい、六道仙人の全ての力とかだとできることが増えすぎちゃって混乱しそうなんですよね。六道仙術なら仙術による肉体強化技と出力強化、求道玉と六道の棒ぐらいで攻防一帯になってるので。忍術や尾獣達も考えたんですが、三個目の特典と結構被ってしまいそうでしたし。後両手の陰陽の力もお願いします」
「分かりました。それではメインとなる三個目はなんですか?」
レイン様に聞かれ、俺ははっきりと宣言する。この特典は転生の話が出た時点で考えていた。憧れていたと言っても過言ではない力。それは、
「シャーマンキングの主要メンバーの持霊と媒介、そして超・占事略決をお願いします」
そう、俺が今一番好きな作品、それがシャーマンキング。アニメ新旧共に全て見ていて、漫画も通常版、完全版両方持っていた。
「なるほど、シャーマンキングですか、余り選ばれない力ですね。強力なのですが、確かに忍術などと被る部分がありますね」
「はい、それでもやっぱり憧れていましたから、シャーマン達の生き様には」
「分かりました。では三個目の特典はシャーマンキングのの主要メンバーの持霊と媒介、そして超・占事略決で宜しいですね?主要メンバーは何処までを入れますか?」
「まず五大精霊と五人の戦士、木刀の竜、ファウスト、X-LAWSの機動天使、マタムネになりますかね。あ、後五大精霊みたいなオリジナルで光と闇の大精霊をお願いしたいです」
「なるほど、わかりました。これで全ての特典が決まりましたね。それではこれから「やぁ」おや?」
ん?レイン様以外の声が聞こえたぞ?若い男の声・・・しかも聞いたことのある声、感覚的に後ろから聞こえたか?そう思って振り撒けばそこには、
「えっ」
「君が僕達の力を指名したやつだね?」
長髪で、マントと星のイヤリングを身に付け、堂々と佇むその姿、俺は知っている。
「ハ、ハオ様っ!!!」
シャーマンキングのラスボス、未来王・麻倉葉王様がいた。
「はははは、君はやっぱり面白いね。心の中でも僕のことをハオ様と呼んでいるなんてね」
「ど、どうしてハオ様が私のようなものの前に?」
心を読まれると分かっていてもやはり怖い。原作通りなら葉さん達五人の戦士やマタムネ、母親の麻ノ葉さんにより人類の絶対数を減らすのは先送りになったが、あくまで先送りだ。気が変わればすぐにでもシャーマン以外の人類を大幅に減らしシャーマンキングダムを再び目指してしまうかもしれない。
「安心しなよ、今はそれは考えてないからね、僕が来たのは、僕達が君を鍛える為さ」
よ、よかった。少なくとも今は大丈夫・・・らしい。ん?鍛える為?
「ええ、貴方から特典の話を聞いている間に手配したのです」
レイン様がそう説明してくれた。まさかハオ様直々に鍛えてくれるとは・・・あれ?僕達?
「ああ、僕達だよ」
そう言ったハオ様の横に麻倉葉、道蓮、ホロホロ、チョコラブ・マグダネル、リゼルグ・ダイゼル、木刀の竜、ファウスト八世、X-LAWSのメンバーが現れた。
「これから君は、僕達から基礎とそれぞれの持霊やOSのことを学んでもらう。そーだな僕達の力を使いたいんだから、強い力を持つなら、僕が五百年だったし、千年にしようか」
えっ!せ、千年!
「修行ですか。それなら肉体の方に参りましょうか」
核のような威力の爆弾発言の横でレイン様が言った。そういえば体のこと考えてなかったな。
「それも大丈夫だよ、こんな感じでどうだろうか?」
ハオ様がこちらに手を翳しながら言った後、魂状態の俺が輝き出した。そこには身長191cm.筋肉質な体型、髪型や顔の作りが葉さんとハオ様の中間な男がいた。
「おいおい、旦那やハオにメラそっくりじゃねぇか」
「ふん、まさか貴様のユルい顔が増えるとはな」
「うぇっへっへっ、なんかオイラに弟が出来たみてぇだそ」
竜さん、蓮さん、葉さんの言葉でレイン様に鏡を出してもらい見てみたらそっくりだった、三つ子レベルでのそっくりだ、でも憧れの顔になっているのでこちらとしては全然ありだ。
「さぁ、これで全ての準備が出来たね、早速地獄のコミューンに行こうか」
「よ、よろしくお願いします!!」
「お、良い返事じゃねぇか」
「期待できそうじゃねぇか?なぁ」
「うん、一緒に頑張ろうね」
「私たちがしっかりサポートしますからね」
ホロホロさん、チョコラブさん、リゼルグさん、ファウストさんから言葉をもらいながら俺は地獄に落ちた、これから行われる千年分の修行に想いを馳せて。