霊と踊る仙人が異世界を謳歌する   作:蔵元優輔

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前回からの続きになります

最近仕事の時間が伸びてしまい投稿が遅れました。申し訳ありません。


第九話

突発的な事件を解決してその場を立ち去った後、観光を再開すると言う気分では無くなったので、早々に宿に帰り一息着いた。

 

「ふう、何とかなったな」

 

『ええ、本当に』

 

『流石はファウスト医師の知識だな』

 

『そして葉殿の巫力による治療術のお陰でござるな』

 

「うん、ありがとう。流石に病気を治療するのは初めてだったからな。あー緊張した緊張した」

 

修行中怪我の治療は沢山経験させて貰ったからな・・・アンナさんの特訓生傷が絶えないからな。病気の治療はあのメンバーは病気にはならないからどうしても経験しようがなかったが天才医師であるファウストからマンツーマンで教われたからな。知識は現代の医術並みだと思う。

 

『そんで今日の晩飯はどうすんだ、旦那?』

 

「そうだなー、あまり入った事無いけど居酒屋とか行ってみるか?綱手さんと会ってそう言うとこにいるイメージが頭に出てきてるんだよな」

 

『良いんじゃねぇか?その店オリジナルとか珍しい肴があるかもだしな』

 

『しっかしあの綱手ってねぇちゃん、美人だったなぁー』

 

『今は三十後半ですが、原作では五十代ですか』

 

『全く見えないでござるな』

 

「ああ、術で保ってるって言われてたけど、アニメで柱間とか扉間見ると千手一族は結構素で若い気がするんだよな」

 

『しっかり見惚れてたしなぁ。葉の旦那?』

 

「うっ、そりゃあ、あんな美人が近くにいりゃあ見惚れるさ。それにあそこまでスタイルの良い人、前世ではテレビの中の人だったし」

 

『あのでかい胸に目が行きそうになってたしな』

 

「おい!」

 

『まぁまぁ、今度会ったらお近づきになったら良いじゃねぇか。もしかしたら嫁に来てくれるかもしんねぇぜ?』

 

「いや、それは・・・」

 

『もしも一緒に行きたいと申すなら連れて行って差し上げれば良いでは無いですか。幾ら世界そのものを巡るからと言ってもうここに来られない、我々と葉殿だけで行かなければ、と言うわけでもありますまい。そこはレイン様も分かってくださいますよ』

 

そうだよな、仲が深まった人や世界と離れ続けるのはただただ寂しくなっちゃうもんな・・・

 

「うん、それも踏まえて今度綱手さんに会ったら色々誘ってみるかな。何だよ、皆」

 

皆の方を見たら、物凄いニヤニヤしていた。天使達や精霊も便乗してこっち見てるし、尾獣達もニヤついた顔で見てるのがわかる。

 

『なんだかんだ言って、やっぱり旦那も惹かれてたんだな〜』

 

ニヤニヤしっぱなしの持霊達や尾獣達に、揶揄われながら居酒屋を目指す。そこで願っていた再会が待っていると知らずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、葉が宿でゆっくりしている辺り、綱手一行は、

 

 

「綱手様〜、機嫌直してくださいよ〜」

 

「五月蝿いっ!いい加減そのニヤけ面をやめろっ!」

 

散々揶揄われ、追いかけっこをしてやっと落ち着いた綱手とシズネは、どうやって葉を探そうか考えていた。顔は分かるが服装は温泉宿が貸してる温泉浴衣だろう。

 

「でもどうします?探すにしても私達、彼の顔を知ってるぐらいですよ?何処の宿に泊まってるかとか全く分からないですし」

 

「うっ!?だ、だが、この街に滞在してるのは格好から分かってるんだ。同じ宿に泊まってる奴が案外ばったり見つかるかも知れないだろう」

 

「・・・綱手様〜、綱手様も探す気満々じゃないですかぁ〜」

 

「う、五月蝿いっ!それもあるがあの医術を改めて聞いてみたいんだ」

 

そう、あの手を触れているだけにしか見えない治療術。チャクラを使ってる様子がないのも気になる。

 

「綱手様、探すのは明日からという事で、ちょっと早いですけど、何処かで夕飯食べて行きます?」

 

「そうだな、この時期なら宿は食った後でもすぐ見つかるだろ」

 

「見つけた宿に彼がいたら運命的ですよねぇ〜、そのままご一緒しちゃったり〜」

 

「お前な・・・はぁ、まぁいい。おっ、あそこにするか」

 

私たちは目に入った居酒屋に入った。

 

「らっしゃーい」

 

「親父。二人頼む」

 

「はいよー」

 

「えーと、何処に座りましょうか・・・あーーー!!!」

 

突然席を探していたシズネが大声を上げて。私を揺さぶりだした。

 

「何だ、シズネ!いきなり大きな声を出して、やめろ揺らすな!」

 

「それどころじゃないですよ。ほらあそこ!」

 

「ん?あそこ?・・・あっ」

 

シズネが指差す方を向けば、彼がテーブルで食事をしていた。

 

「おっ?お姉さん達、あのにいちゃんと知り合いかい?だったら申し訳ないんだが相席頼めるかい?こっからの時間は客が増えてくんでな。にいちゃんにはこっちから言っとくから」

 

「え?あ、おいちょっと待て親父!」

 

止まる間も無く親父は彼の所に行ってしまう。親父に気づいた彼は親父から相席の話を聞いてるのだろう。

 

「やったじゃないですか、綱手様!大チャンスですよ!」

 

「ば、馬鹿!彼が相席に応じるか、分からないだろう」

 

興奮したシズネを落ち着かせながら、そう言ってると親父達の方を見ると、彼がこちらを確認して頷いていた。そしてこちらに向かって手を振っているっ!

 

「やりましたよ、綱手様!!!彼OKしてくれましたよ!!!」

 

「わかったわかった!だから押すな!ちゃんと歩くから」

 

シズネに背中を押されながら彼の席に行く。き、緊張が止まらん。私の緊張を感じてか、シズネが彼に話しかける。

 

「すいません、相席ありがとうございます」

 

「いえいえ、先程子供を診ていたお姉さん達ですよね、さっきは急に居なくなってしまってすいませんでした」

 

「私達のこと覚えてくれてたんですか?」

 

「そりゃあお二人のような美人さんには早々会えませんからね。簡単には忘れませんよ」

 

か、彼がび、美人って・・・

 

「まぁ!美人さんだなんてぇ、嬉しいですねぇ」

 

「あ、ありがとうな」

 

くぅ〜、ぎこちなくしか喋れん!

 

「ささ、立ち話もなんです、どうぞ座って下さい」

 

「あ、ああ」

 

「ありがとうございまーす、失礼しますね」

 

そう言ってシズネが彼の対面に座ろうとする、っておい!

 

「痛っ、なんですか?綱手様」

 

「何でお前がいきなり正面に座ろうとしてるんだっ!」

 

「それはですねぇ〜」

 

何か企んだような顔をしてシズネが彼に話を振る。

 

「すいません、お隣も大丈夫ですか?」

 

なっ!

 

「ええ、勿論良いですよ」

 

ええっ!

 

「さぁさぁ綱手様!どうぞどうぞ!」

 

「おいっ!シズネ!待てっ!まだ心の準備が」

 

シズネに急かされて彼の横に座ってしまった。シズネはそんな私を微笑みながら彼の正面に座る。緊張しながらも彼の方を見れば、彼もこちらを見て笑っているっ!?その顔を見るだけで顔が真っ赤になる!

 

「取り敢えず飲み物を頼みますか?俺も新しいの頼みますし」

 

「そうですね、じゃあそうしましょう。すいませーん」

 

「あいよー。ご注文をどうぞ」

 

「俺は熱燗をもう一本、お二人はどうします?」

 

「綱手様。どうします?」

 

「あ、ああ私達も同じものを頼む」

 

「後焼き鳥の盛り合わせ下さい」

 

「あいよ!少々お待ちを!」

 

店員が注文を聞いて厨房に戻っていく。

 

「遅くなりましたが、自己紹介から行きますか?」

 

「そうですね、お互いまだ名乗ってませんでしたし」

 

っ!遂に彼の名前がわかる!

 

「じゃあ俺から、俺は麻倉 葉と言います。宜しくお願いしますね」

 

麻倉 葉・・・

 

「じゃあこちらも、こちらは千手 綱手様です。そして私は弟子であり従者をしているシズネと言います。そして私の忍豚のトントンです。宜しくお願いします」

 

「ぶいぶー」

 

「よ、宜しく頼む」

 

「やっぱり伝説の三忍の綱手さんだったんですね」

 

「私を知っていたのか?」

 

「医療忍術に長けたくノ一と言ったら綱手さんが一番有名ですからね。子供を見ている姿を見てそうじゃないかと思ってましたよ」

 

「そ、そうかそうか」

 

なんか、私だけ知られてるのは恥ずかしいな。

 

「それで葉さんは何処からいらっしゃったんですか?」

 

「俺は流浪の旅をしてまして街や里、国と国を回っています、遂最近も雷の国の雲隠れにも行きましたよ」

 

「あの「聞かん坊」の里にかいっ!?」

 

「あひィー!?だ、大丈夫だったんですか?あそこは、その・・・個性的な方が多いですし、絡まれませんでした?」

 

「シズネ、そこは変人と言ってやれ!変人と!あの里奴らは、先代の頃から人の話を全く聞かんっ!」

 

「ヘイ焼き鳥盛り合わせ、熱燗お待ち」

 

「ありがとうございます。まぁまぁ、まずは一杯どうぞ」

 

そう言うと葉は私に猪口を渡し、酒を注ぐ。私が一気に酒を飲み一息つくとすかさず空いた猪口に注いでくれる。そのままシズネにも注ぎ聞く体制になっている。全く葉は出来た奴だな。そこからたわいも無い話をしながら酒も進み、夜も更けていった。

 

「あぁ〜、色々話してたら木の葉の里に帰りたくなってきましたね」

 

「そうだな。たまには帰ってみるか・・・三年前の事件の事を猿飛先生に聞いておきたいしな」

 

今ならダンと縄樹の墓参りも出来そうだしな・・・

 

「ん?三年前の事件って九尾事件ですか?」

 

「えっ!?ええ、そうです。知ってるんですか?」

 

「知ってるも何も、俺もその場にいましたからね」

 

なっ!?九尾事件を知ってるだけじゃなく、その場に居ただとっ!?

 

「ええっ!大丈夫だったんですかっ!?」

 

「これでも自衛の手段もあって、結構強いんですよ?」

 

「・・・」

 

自衛?あの九尾を相手に自衛の手段がある?そんなもの上忍以上だぞ?そんな力を葉が持っている・・・

 

「綱手様?」

 

「綱手さん?」

 

「葉、お前は一体何者だ?あの九尾を相手に生き残るなど上忍以上、下手したら影レベルの力だぞ。お前の若さでは本来あり得ない事だ」

 

「・・・」

 

私の真剣な雰囲気にシズネはオドオドしているが、葉は私のことをしっかり見つめている。

 

「葉、無理を承知で頼む。三年前のことを全て話してくれ」

 

「・・・お開きには丁度良い時間ですね」

 

「葉っ!」

 

「慌てないでください。俺もお二人なら話しても良いと思っています。ですがここで話せるような話じゃないので場所を変えましょう」

 

「場所を、ですが。一体何処に?」

 

「お二人とも、宿は決まってますか?」

 

「宿?まだだが、それが何だ?」

 

「これから俺の泊まってる宿に来てください。俺の部屋で話しましょう」

 

は?

 

「部屋は・・・俺と一緒でいいでしょう」

 

はっ!?

 

「あひィーっ!!」

 

「じゃあ俺は支払いを済ませてきますね」

 

「おいちょっと待て!葉っ!?」

 

私の絶叫など、気にしてないかのように葉は勘定をしに行った・・・同じ宿に、しかも同じ部屋にって・・・

 

「綱手様っ!?話を聞くはずが、もしかしてそう言うことなんでしょうかっ!?私もなんて想定外なんですけどっ!!」

 

顔を真っ赤にしたシズネがそう迫ってきた。各言う私も顔は真っ赤だ。

 

「五月蝿いぞシズネ!私だって予想外だ!・・・だが、話は聞かねばならん。それに葉は私達二人を求めている。・・・覚悟を決めるぞシズネ!」

 

「ええ!?・・・でも私、綱手様みたいにおっぱい大きくないですよ?」

 

「何を言っとるか!それを言ったら私はもう直ぐ四十だぞ。会っていきなりそこまで気を許している自分にびっくりだが・・・良いんじゃないかと思っている」

 

 

「・・・分かりました、私も覚悟してお供します!」

 

そうして私たちが顔を真っ赤にしながら決意していると勘定を済ませた葉が戻ってきた。

 

「では、行きましょう」

 

「お、おう!」

 

「は、はい!」

 

そこからは大した話もしないで宿に向かう。その間、シズネと共に顔を真っ赤にしながら、その後のことを考え続けていた。

 

そうして想像というか、妄想をしながら進み、たどり着いた宿に入り葉が同じ部屋でと宿の主人に告げた時、ものすっごい笑顔で。

 

「ごゆっくりどうぞ、いつまでもお泊り頂いて大丈夫ですからね。朝は少し遅くお伺いしますね」

 

と言われた。主人も気づいてるから、余計に恥ずかしくなった。だがシズネと共に覚悟は決めたんだ。行くぞっ!

 

 

 

 

 

 

 

葉の部屋に着き、シズネと二人緊張しソワソワしっぱなしな所、葉が話を切り出した。

 

「では、まずは話の方から始めますか。取り敢えず俺が信頼する人のところに行きましょう

か、その人のことも関係しているので」

 

何っ!葉が会わせたい人だと!もしかして・・・・・両親かっ!!!話が途切れ、葉が眼を瞑り、数秒で開けたら波紋状の模様が入った紫色の眼になっていた。っ!あれは輪廻眼!

 

「天之御中」

 

葉がそう呟くと私達は、草原のような場所に居た。そしてそこには

 

『葉、やっと来たか』

 

『またくたびれたぞ。葉』

 

『葉くん、ハゴロモ様もお待ちでしたよ』

 

九尾を含めた三人の尾獣、そして、頭から角の生えた老人が。

 

「おお、よく来たな葉、そして其方が・・・嫁か?」

 

私達はどう言う状況かは分からなかったがこれだけは言っておく!

 

「「不束者ですが宜しくお願いします。お父様!」」

 

「・・・ワシは葉の父親ではないぞ?」

 

「「・・・えっ!?」」

 

カオスになってしまった。

 

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