霊と踊る仙人が異世界を謳歌する   作:蔵元優輔

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お待たせしました、今回は新たなヒロインが登場します。


第十三話

木の葉と雲の和平条約が驚くほど早く締結してから数日、俺達は平和な時を過ごしていた。綱手さんとシズネさんは木の葉病院で医院長とは別の最高権力者みたいになっていたり、俺が指導に行った時に聞いた話だが、暇さえあれば後輩の指導をしているらしい。シズネさんも後輩を持ち、教えるのが楽しそうだ。俺はというと、木の葉病院もそうだが訓練指南を続けている。そんな中、約四年後のうちは一族抹殺事件のことと別で考えていることがあった。時期的にもそろそろだろうと思い、今夜辺り皆に話すか。

 

 

 

 

 

その日の夜に皆に集まって俺が考えている事を話した。

 

「なに?風の国と水の国の間の山岳地帯に行く?」

 

「どうしたんですか?突然」

 

『お、いよいよ探しに行くか?』

 

『そういえばもうそろそろいい感じか』

 

『そうだな』

 

「霊達や尾獣達も知っているのか?」

 

「ええ、俺がこの世界を源流とする物語を知っていると言うのは話したと思います」

 

「「うんうん」」

 

「物語を知っているからこそ今の時期に死ぬ不運な命の事を知っている」

 

「今この時期に死ぬ?木の葉にか?」

 

「いえ、所属は砂隠れですね」

 

「一体誰が・・・」

 

「血継限界・灼遁を持つくノ一、パクラ」

 

「そいつが今死ぬと?」

 

『正確には殺される、でござるな』

 

『それも自分の里に、ですな』

 

「は?それは、どう言う事だ?」

 

「その人は自分の里である砂隠れによって殺されたと言うんですか!」

 

「ええ、彼女は血継限界も相まって、かなりの強者でした。そして、里の上層部から煙たがられていた」

 

『そこで上層部は霧との和平の使者として一人で送り出されました』

 

『だが、約束の場所でそいつに待っていたのは霧からの騙し討ち。そこで悟ったんだろうな、自分は嵌められたんだと』

 

「「・・・・・」」

 

「本来魂は、肉体が死ねばいずれ繋がりが消えてあの世へ行きます。だがアニメでの死に際を見るにほぼ地縛霊になるレベルでしょうね」

 

「・・・それで、葉はそいつを助けたいと?」

 

「ええ、この世界来た時から助けられるなら助けたいと思ってました」

 

『葉の旦那の好みだったみたいでな、熱心に時期とかを考えていたんだよ』

 

「「好み・・・」」

 

あれ?空気が・・・

 

「私やシズネは好みだったんじゃないのか?あんなに求めてたじゃないか」

 

「来た当初はこんなに早く会えるとは思ってなかったんですよ。物語の大部分を知っていると、原作的に会うのは十三年後でしたし」

 

「じゅ、十三年・・・」

 

「それは、確かに。会えるとは思えない年数ですね・・・」

 

「それで、今の時期から襲撃場所になる風の国と水の国の間の山岳地帯を探していこうと思うんだ」

 

「なるほど・・・葉、その灼遁のパクラもお前の旅に同行させるのか?」

 

「俺としては、候補だね。蘇生させた本人の意思次第ではあるけど・・・」

 

「綱手様、私は良いと思いますよ?旅の仲間は多い方が楽しそうですし、今から仲間になったら木の葉の戦力にもなってくれるかも!それに葉君なら何人いても平等に愛してくれますよ」

 

「あたしもそこは疑ってはいないさ。何人でも受け入れると、シズネと一緒に貰ってもらった時にもう決めていた事だしな」

 

「じゃあ、明日から行ってみるよ。ありがとう、綱手さん」

 

「ま、まぁあたしはお前の・・・つ、妻だからな」

 

「それじゃあ、今夜は可愛い妻の為に色々奉仕しないとな」

 

「「へ?」」

 

「それじゃあ、寝室へ行こうか」

 

「え?い、いや、いつも通りでいいからなっ!あれ以上なんて頭が可笑しくなる!」

 

「じゃあ私は、準備してきますね」

 

「乗り気だな、シズネ!」

 

「よし行こうか」

 

「はい!行きましょうか!」

 

「おい!待て!や、やめろ!!な?な?」

 

綱手さんをシズネさんと一緒に連れて行く。寛大な決断をしてくれた奥さんにはしっかり労わなきゃな。

 

翌日、ご機嫌なシズネと腰を押さえながら俯く綱手を病院の人が確認された、聞けばシズネは照れた感じでふにゃふにゃしていて、綱手顔を真っ赤にして聞くなっ!!!と怒鳴っていたという。

 

 

 

 

 

 

翌日から地図に沿って風と水の国の間の山岳地帯を捜索し始めた。こういう時、影分身がとてつもなく便利だな。それらしい渓谷を何個かピックアップできたし、後は事が起こるのを待つだけだな。そうして数週間後、最早ルーティーンのようになっている探索を、影分身を飛雷神で送り込み、千手邸で連絡を待っているといつもと違う反応が帰ってきた。

 

「ん?」

 

『ん?どした?葉の旦那』

 

『お?ついに来たか?』

 

「そうみたいだ。影分身から、複数の気配が移動してるのを探知したみたいだ」

 

阿弥陀丸『では、我々も現地に向かいましょうぞ』

 

「ああ。皆、オラクルベルに戻ってくれ」

 

皆にオラクルベルに入ってもらい、戦闘服に着替える。準備が出来たので影分身を一体連絡と飛雷神の目印役に残して行く

 

「よし、行こう」

 

そうして俺は飛雷神で現地に跳んだ。

 

「来たか」

 

飛雷神で跳んだ先で、隠れていた影分身体と会う。

 

「それで、どんな感じだ?」

 

「ああ、複数の気配の正体は霧の忍で間違い無いな。中忍以上が着てるベストを着ていたしな、そいつらが中隊規模で霧隠れの方向に向かっていったんだ。何かあるだろ」

 

「そうだな、霧の忍が来た方向に行ってみよう」

 

他の分身を消して、分身一体と一緒に霧の忍が来た方向に向かって進む。向かった先に渓谷があり、覗き込むとそこには・・・・・無数のクナイが刺さった女性の死体だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は・・・里の為に尽くしてきた・・・掟を破ったことはないし・・・任務もこなした・・・なのに・・・何だ?これは・・・霧との和平の為の使者として送り出されて・・・待っていたのは強襲?・・・騙された?・・・巫山戯るな・・・巫山戯るなっ!・・・なぜ私がこんな目に遭わなければならないっ!・・・あんな老害共の保身の為に・・・

なぜ私が殺されなければならないっ!・・・呪ってやる・・・私を陥れた砂の奴ら・・・未来永劫呪って「そこまでだ」っ!何だっ!?

 

黒い衝動に身を任せようとしたら、知らない若者が私の肩に手を置いていた。私は幽霊なはずだぞ?なのに何で肩に手を乗せられている感覚がある?

 

「貴方、もう直ぐ地縛霊になってたよ」

 

『地縛霊だと?貴様、何者だ!?』

 

「麻倉 葉、シャーマンだ」

 

『シャーマンだと?』

 

「あの世とこの世を繋ぐ者、霊と共に生きる者だ」

 

『・・・それで?そのシャーマンが死人に何の用だ?』

 

「貴方を助けに来ました」

 

『・・・助け?助けだと?・・・巫山戯るなっ!?何が助けだ!私はもう死んでるんだぞ!これ以上どう助けるっていうんだ!』

 

奴の言動に怒りが湧いて、掴みかかろうとしたら、奴の腕についてる物から沢山の幽霊が飛び出てきた。何だ!?人間に動物、天使に巨人だとっ!

 

『落ち着いてくだされ。パクラ殿』

 

『落ち着けだと?』

 

『おうよ。そうしなきゃ助けられるもんも助けられねぇや』

 

『さっきも言ったが、私はもう死んでいるんだ。今更何が』

 

『負の感情が渦巻いてんな。葉、このまま連れてった方が早ぇぞ』

 

「そうだな、それじゃあ行こうか」

 

奴らはそう言って私の体を抱きかかえた。

 

『おい、貴様等!何をする気だ!』

 

アバフ『はいはい、お前さんも来るんだよ。エリザ、頼むわ』

 

エリザ『ええ』

 

そう言って女の霊が私を羽交締めにした。そして巨人や天使が腕の装飾品に入り、他の霊達が若者に手を触れた。

 

「じゃあ、行きましょうか。飛雷神の術」

 

その瞬間私達は、その場から一瞬で姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?帰ってきたか。分身しか居なかったから心配したぞ」

 

「その人がパクラさんですか?」

 

家に戻ると、もう綱手さんとシズネさんが帰ってきていた。机にシーツを敷いて待っていてくれた様だ。

 

「ええ、そうです。じゃあ机の上に乗せますね」

 

俺はパクラさんの身体を机の上に乗せて、まず体の傷を治す。

 

『で?私の体を治してどうするつもりだ?まさかと思うが死体を如何わしいことに使うつもりじゃないだろうな』

 

「「「ないない」」」

 

幽霊のパクラさんはずっと疑惑の目で俺達を見ている。・・・エリザさんに拘束されながら、中々締まらない光景だ。

 

「じゃあ葉、頼む」

 

「ああ、エリザさん」

 

エリザ『ええ』

 

¨O.S (オーバーソウル)エリザ オペリーレン‥

 

『何をする気だ?』

 

「貴方を生き返らせるんですよ」

 

『・・・えっ?』

 

¨超・占事略決 呪禁存思‥

 

呪禁存思を使用したらパクラさんの魂が身体に戻っていった。技が完了して十秒ほどでパクラさんは目を開けた。

 

「えっ?」

 

体を起こして手や体を触って確かめて行く。そうして確かめている内に生きてる実感が戻ったのか、段々目に涙が溜まって行く。

 

「わ、私。生きて、る?生き返ってる?」

 

突然生き返って混乱しているパクラさんと目を合わせる。

 

「ええ、貴方は生き返ってます。だから大丈夫ですよ。よしよし」

 

こちらを見るパクラさんを抱きしめて、子供をあやす様に背中をポンポンど叩いてやる。そうしてあやす様な行動をしていたら、段々涙を流し、大声を出して大号泣し出した。

 

「あぁーーーーーっ!うわぁーーーーーっ!!うあぁーーーーーっ!!!」

 

俺はパクラさんが泣き止むまで、背中を摩り続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小一時間ほど泣き続けたパクラさんは、泣きつかれて寝てしまった。シズネさんに客間に運んで貰った。

 

「落ち着いたか・・・」

 

「そうですね」

 

『ああ、自棄にならなくて良かったな』

 

「とりあえず話は明日にしとこう」 

 

『そうですな』

 

「じゃあ、私達も寝よう。・・・流石に今日はしないぞ」

 

「流石にこんな時にしないですよ」

 

「だよな・・・」

 

『なんだぁ、葉の旦那との夜の営みが無くてがっかりしてんのか?最近ずっとだったからな』

 

「う、五月蝿いぞ!蜥蜴郎!」

 

「まぁまぁ、普通に寝ましょうよ」

 

その後、何事もなく就寝した。

 

 

 

翌日、俺達は皆休みにしていたので家でゆっくりしていた。もうそろそろ起きてくるかな?そう考えていると、タイミング良く客間のドアが開き、パクラさんが出てくる。その顔は二十歳過ぎ位にも関わらず赤面していて、かなり可愛らしいな。

 

「あ、おはよう・・・」

 

「お早う、よく眠れましたか?」

 

「あ、ああ。ありがとう・・・」

 

「おお、起きたか。体は異常ないか?」

 

「おはようございます!」

 

「ああ、おはよう」

 

「取り敢えずどうぞ、詳しい話は朝ごはんの後で」

 

「ああ頂くよ」

 

朝食を食べて、パクラさんはまた泣いてた。食事を食べてまた生を実感したみたいだ。朝食を食べ終わり、一息ついて改めて、話を始めた。

 

「私はパクラ、改めて助けてくれて、ありがとうございます」

 

「俺も改めて自己紹介しときます。俺は麻倉 葉、シャーマンです」

 

「私は千手 綱手だ、宜しくな」

 

「私は加藤 シズネです。宜しくお願いします」

 

「伝説の三忍の綱手姫か、ではここは火の国、木の葉隠れの里か」

 

「よしとくれ、そんな改まる事でもないさ」

 

「それでは、話を始めましょうか」

 

「もう行くのか?」

 

「ええ。パクラさん、今から会って欲しい人がいるので一緒に着いてきてください」

 

「ああ、貴方のことは信頼できる。話をしてくれるなら着いていこう」

 

「では、天之御中」

 

天之御中によって四人は異空間に跳んだ。

 

 

 

 

 

 

いつもの草原の空間に着いた俺たちを尾獣達が出迎えた。

 

『お、来たな』

 

『おう。葉、待ってたぞ』

 

又旅『葉くん、お待ちしてましたよ』

 

「待っておったぞ、葉」

 

お、ハゴロモ様も来てるな。

 

「な、何だあなたは?何者なんだ?本当に人間か?」

 

「私も説明に参加しますね」

 

「何だ!何処から声が?」

 

「ではまず、ワシ達の自己紹介からじゃな。わしの名は大筒木ハゴロモ、忍の祖、六道仙人と呼ばれている者だ」

 

「はじめまして私はレイン、彼を貴方の世界にに送った者です」

 

「・・・はっ?」

 

 

 

 

ハゴロモ様とレイン様の話が始まった。チャクラの始まり、母カグヤの蛮行、それを弟と共に止めたこと、尾獣の成り立ち、後の二人の息子の対立までを話した。

次はレイン様だ。俺が死んで、レイン様の所にいったこと、レイン様に能力を貰い、世界を旅することを選んだこと、ここで霊たちの自己紹介をした。流石に天使はびっくりしてたな・・・彼が選んだ能力の修行を約千年分行ったこと、その後、こちらの世界に送ったことなどを話した。

 

「・・・」

 

ああ、パクラさんが、あまりの情報量でパンクしている。そんなパクラさんに綱手さんが近づいていき、後ろから胸を鷲掴みした。

 

「話が進まんから帰ってこい!」

 

「なっ!?」

 

「あひィー!綱手様、そんなほぼ初対面の女性の胸に何してるんですか!?」

 

「この後、あたし等にも関係ある重要な話があるんだ!ほれ、戻ってこい!まだ呆けているなら下半身もイジってやろうか!」

 

「やめろ!ん、ふっ、んうう」

 

数分間、子供の喧嘩の様なやり取りが続き、息を整えて、やっと本題に戻った。

 

「で、葉殿の生い立ちやこれまでの経緯はわかったが綱手殿達に関係ある重要な話とは何だ?」

 

「その前に一つ聞いておく。お前さんは、葉に好意を持っているな?」

 

「なっ!?」

 

「正直に答えてくれ、かなり重要な事だ」

 

綱手さんがいきなり好意について、パクラさんに聞いてきた。パクラさんは顔を真っ赤にしてそれでも真面目に返事を返す。

 

「・・・軽いと思われるかもしれないが、私は、私を生き返らせてくれた葉殿に好意を抱いている。私の全てを捧げたいと思えるほどにな」

 

「ならば、あたし達と共に葉の異世界の旅に同行しないか?お前さんは砂や霧を憎んでいる。ならばここを離れる時、一緒に別の世界を見てみないか?」

 

「・・・葉殿はどう思っているんだ?」

 

「そこは心配するな。お前さんが相当好みだったみたいでな、この世界に来てからもう助けることを決めていた様だぞ?」

 

「えっ!?そ、そうなのか?」

 

「ええ、勿論です」

 

そう返事をすると、パクラさんは満開の花の様な笑顔をしていた。

 

「そうか!里では恋だの愛だの言えない環境だったからな」

 

「わかるぞ。あたしも周りが一部を除いてスケベか変人が殆どだった・・・」

 

「私も同期あたりがクセが強くて・・・」

 

ああ、三人が周りの男性環境のクセの強さを共感して、円陣を組んでる。

 

「話を戻すが葉は多くの世界を渡る旅をする。その中で共に世界を渡っていくパートナーを探している。今はあたしとシズネの二人だな」

 

「パートナー、伴侶と考えていいのか?」

 

「ええ、その認識で合ってますよ。葉さんにはどんどんパートナーを探して行って欲しいのですよ」

 

レイン様、ノリノリだな。

 

「それでどうだ?旅の仲間、というか妻の一人にならないか?」

 

「はい!なります!この世界にさほど未練もありませんし、どんとこいです!」

 

おおっ、豪快だな。

 

「それじゃあ、その、俺の所に来てくれますか?」

 

「ええ、私は貴方に救われてから、貴方の事を想ってますよ」

 

こうして三人目の旅の同行者が決まった。

 

 

 




遅れましたが、どうでしょうか?最初の方で名前の出てたパクラをヒロインに出来ました。次回からはうちはの事件に入っていきます。
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