霊と踊る仙人が異世界を謳歌する   作:蔵元優輔

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今回は、ひと段落ですかね


第十六話

恐怖で蹲る母親を守る様に立ちはだかる香燐を見てパクラさんとアンコは居た堪れない表情をしている。もちろん俺も穏やかじゃない。母親の腕に咬み傷がある事からもう何度か能力を使わされたのが分かる。でもまだ生きていて良かった。

 

「わ、私達は火の国、木ノ葉隠れの里から来た者です。貴方達親子にお話があって来ました」

 

「木の葉隠れ?木の葉隠れがうちらに何の用だ!」

 

「お前達を保護しに来た」

 

「ほご?」

 

「助けに来たんだ。君達親子を」

 

俺は香燐の前で同じ目線まで片膝を突く。そして真っ直ぐ香燐の目を見つめる。香燐も母親も戸惑っているが、話を聞く姿勢にはなってくれている。

 

「俺は麻倉葉、俺はある理由から貴方達がこの時期に草隠れにいることを知っていました」

 

「「えっ!?」

 

「そして貴方達二人がうずまき一族の末裔である事や、その身に宿る回復の能力の事も」

 

「・・・そこまで知っているのですね、それで、私達をどうするつもりですか?」

 

「貴方達を木ノ葉の里で保護したい」

 

「・・・貴方も私達の力が目当てですか?」

 

「いえ、他の里は兎も角、木ノ葉や俺は違います」

 

「・・・なぜそう言えるのですか?」

 

「木ノ葉の千手と渦潮隠れの里のうずまき一族は少なくとも60年以上前からの同盟関係でした。実際初代火影や、今の四代目火影の奥様はうずまき一族の方です」

 

「えっ!」

 

「そうなのですか?」

 

香燐親子が驚く中、アンコが話に入ってくる。

 

「それはこの木ノ葉隠れの中忍、みたらしアンコが保証します。現四代目火影、波風ミナト様の奥方様はうずまきクシナ様、正真正銘うずまき一族の末裔です」

 

「・・・木ノ葉の事情はわかりました。それで、貴方が私達の力を知りながら必要としない理由は何なのですか?」

 

「うーん、何と言えば良いか・・・」

 

「あー、葉さんは医療忍術のスペシャリストの綱手さんより早く、強力な回復術が有りますから。後、個人で蘇生術も持ってますしね」

 

「え?」

 

「ああ、葉は凄いぞ?私も命を救われた」

 

「まぁ、俺はシャーマンだからね」

 

「「シャーマン?」」

 

「あの世とこの世を繋ぐ者、霊と共に生きる者だよ」

 

俺は、オラクルベルからマタムネ、ミック、コロロ、モルフィンに出て来てもらい、香燐に触れ合ってもらう。

 

「えっ・・・よ、妖精?」

 

「着物を着た猫!・・・可愛い」

 

『はっはっはっ、照れますな』

 

「「喋った!?」」

 

「彼等は俺の持霊です。もっと他にも沢山の霊達がこのオラクルベルに居ます」

 

「ゆーれい?でもこの子達触れるぞ?」

 

香燐がコロロとモルフィンを肩に乗せマタムネを抱き抱えながら、不思議そうに聞いてくる。コロロ達を出して正解だったな、威嚇する猫みたいだった香燐がすっかりおとなしくなってる。

 

『それはですね、葉さんの持つチャクラと違う巫力という力によって我々に形を与えているんですよ』

 

「へー、凄いんだね」

 

「本当に凄い・・・その様な重要な情報を私達に話して良かったのですか?里でも隠しておかなければならない極秘情報なのでは?」

 

「いえ?別に隠してませんよ?」

 

「えっ!?で、でも蘇生ですよ?そんな力、里で隠して里の利益にするのが普通では?」

 

「葉さんは、そのお力で四代目ご夫婦を始め、多くの人をお救いになったのです」

 

「その後に雷の国の雲隠れとも友好関係を結んだしな、今じゃ両隠れ里友好の象徴だよ」

 

「そんな訳で、俺はこの力を隠して行こうとは思ってないんですよ」

 

「葉さんは本気であなた方を保護したいと思い、この国まで来ました。葉さんには国など関係無いんです。助けたい人を助けるんです」

 

「里の理不尽で死んだ私を救ってくれた様にな」

 

「・・・・・」

 

「お母さん・・・」

 

香燐が心配そうに目を瞑り考える母を見つめる。

 

「お母さん、ウチ信じて良いと思うよ?このお兄ちゃんは嘘言ってないと思うよ?この人達も」

 

「・・・そうね。この国の忍などよりよっぽど言葉に思いが籠っていると感じました」

 

「では、俺達と一緒に来てくれますか?」

 

「ええ、あなた方と共に行かせてください」

 

香燐の母親が説得に応じてくれた。ホッとした空気が流れたと思いきや、十五人ほどの気配が集落に近づいて来ていた。

 

「葉。気づいているか?」

 

「ええ。数は十五、真っ直ぐこちらに向かって来てますね」

 

俺達の会話で察した親子を先に逃そうかと思ったが同じタイミングで向こうもここに到着した。もう囲まれたから意味ないか。そして家にずかずかと三人の男が入ってきた。リーダー格は原作にほんの少し出てた気がするなぁ、何だったっけなぁ。・・・・・ああ!香燐の無限月読の夢の中に出てきた草隠れのクソ野郎だ!

 

「やっと見つけたぞ、お前達。こんな集落に逃げ込んでいるとはな」

 

「ヒィ!」

 

「お母さん!」

 

「さっさと戻れ。お前達が逃げた所為で死傷者が溢れかえりそうだ」

 

「い、嫌です!もうあんな奴隷の様な扱い、耐えられません!」

 

「お前の意見など関係ない、黙って我々を治していれば良い」

 

クズが、ゴミ見たいな発言をして二人に手を伸ばす。親子が抱き合い目を瞑るなか、その手を俺は横から掴む。

 

「・・・何だ貴様は?せっかく無視してやっているんだ。そのまま消えろ」

 

「消えるのは貴様だ。この集落は良いところじゃないか、貴様らの様な害虫が居なくなれば尚良くなるだろう」

 

「何だと、貴様!」

 

パクラとアンコの二人は困惑している。草の忍への言葉もそうだが、雰囲気がどんどん冷たくなり、表情が無くなっていく。こんな葉は初めて見る。

 

「貴様らはこの親子に頼らなければ治療もできんのだろう、そんな貴様らが何故そんなに偉そうなんだ?」

 

「ふん!此方は流れ者のこいつらを住まわせてやったんだ!」

 

「行き場の無い奴を置いてやってるんだ、食い扶持ぶん位は働いて貰わんとな。幸いスペアもあることだしな」

 

この発言にパクラとアンコは怒りが込み上げてきていた。

 

「・・・こういう奴を見ると葉王様の言ってる事が満更間違ってないって思えるんだよな」

 

「ここまで我々に楯突いたのだ、ついでに命を置いて行ってもらおうか!」

 

そう言って三人がクナイを構えて俺に向かって突っ込んできた。俺は輪廻写輪眼を発動し、あの術を発動する。

 

「神羅天征!!!」

 

「「「うわぁーーー!?」」」

 

神羅天征で忍と家を纏めて吹き飛ばした。そして砂埃の中ある精霊を手元に呼び出し、準備を始める。

 

「どうした!何があった!」

 

「対象と一緒にいた男が攻撃を!」

 

「ならば返り討ちにしてしまえば良かろう!」

 

「そ、それが奴が妙な術を使って・・・」

 

「ん?何だ?どうした・・・なっ!?」

 

俺を見上げる草の忍は言葉もない様だ。そりゃそうだ、俺がある者の肩に座っている状態だ。その者は存在そのものが炎を思わせる巨人だった。

 

¨O.S (オーバーソウル)‥

 

¨S.O.F(スピリット・オブ・ファイア)‥

 

この場にいる全員が畏怖が篭った目でS.O.Fを見る。そう言えばパクラさんとアンコの二人は初めてか、七大精霊のオーバー・ソウルを見るのは・・・

 

「何だ、あれは幻術なのか・・・」

 

「ゾウスイさん!幻術返しをしても変わりません!あの巨人は実在しています!」

 

「何だと・・・いや、そんな訳はない。あんな物、存在する訳ないんだっ!」

 

「ゾウスイさん、撤退を!」

 

「尻尾を巻いて逃げろというのか!ならんぞ、そんな事は!かくなる上は奴の仲間を人質に「下らないな」ヒィ!」

 

「宇宙の中の、小さな里の、小さなプライドか・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちっちぇな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉と共に俺は腕を振り上げる。それに追随してS.O.Fも腕を振り上げる。そしてその腕に太陽を思わせる超巨大な火球が出来る。繰り出す技は昔好きだったSAMURAI DEEPER KYOという作品の炎使い、ほたるの奥義!

 

「熒惑輝炎!!!(けいこくきえん)」

 

俺とS.O.Fが同時に腕を振り下ろし火球を地面に叩きつける!そこから炎が地面を伝い、集落中に広がる。パクラ達や集落の人たちは何故私達も!という顔をしている。だがこの技はそういう技じゃない。

 

「「「「「「「「「「「ぎゃーーーーーーっ!」」」」」」」」」」

 

「きゃーーーーーぁぁ・・・あれ?」

 

「・・・どういう事だ?確かに炎が足に当たっている」

 

「でも、私達も村の人たちも燃えてない・・・」

 

「全然熱くないよ!」

 

「でも草の忍は全員が燃えている」

 

不思議そうなアンコや村人を他所に、草隠れの忍は体に異様な模様が浮かび上がりながら苦しんでいる。

 

「一体、どういう」

 

「これが熒惑輝炎という技なんだよ」

 

集まった人たちが全員俺の方を向く。皆が俺に説明してくれっていう顔をしている。

 

「この技は当たった相手に焔血化粧(ほのちわけい)という痣を刻む。この痣は刻めば戦闘能力を向上させる事ができるが、その代わり体内の血を燃やし尽くされる。本来焔血化粧は自らの身に刻む物だが、これを相手に強制的に刻みつける技が熒惑輝炎なんだよ」

 

「でも葉さん、技が当たっている私達には刻まれていないですよ?」

 

周りの皆もうんうん頷いている。

 

「それは簡単だ。S.O.Fは火の根源、原典というべき精霊だ。何を燃やすかを選別するのなんて朝飯前さ」

 

皆が葉の衝撃的な言葉を噛み締めている。改めて七大精霊はチートだと思う。

 

「さてとそれじゃあ木の葉まで行こうか。あ、皆さんも行かれます?木の葉の里に」

 

「えっ?わ、わしらも良いんですかの」

 

「大丈夫ですよ。木の葉の四代目火影にはもう話はとおっているからな」

 

「村長・・・」

 

「このままここにいても何れ奴らの手が及びましょう。我々も共に連れて行って貰いたい。皆、荷造りを始めよ!我らは木の葉に保護して頂く」

 

村長の号令で村の人が荷造りを始める。香燐親子も使える物をかき集める。三十分程で中々大きめの荷物を荷台などに乗せた三十人程が集まった。

 

「お待たせしました。いつでも出発出来ます」

 

「分かりました。と言っても移動は一瞬なんですけどね」

 

俺の発言に全員が疑問を持った顔をしている。まぁ当然だよな。

 

「では皆さん、俺と手を繋いでください。勿論荷物は持ったままですよー」

 

言われるがまま、村人同士で手を繋ぎ始め、俺はアンコと手を繋いだパクラさんと、反対側は香燐と手を繋ぐ。

 

「では行きますよ。飛雷神の術」

 

そう呟くと、俺達全員が集落から一瞬で姿を消した。

 

 

 

 

 

 




如何だったでしょうか?次回は続きの日常の話といよいようちは事件に入っていきます。

よろしくお願いします。
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