ダンゾウとクーデターの事を考えていた俺の元にシスイとイタチが通りがかりに声をかけてきた。
「どうしたんだ?二人して。二人で出かけてたのか?」
「いやぁ、イタチとそこでばったり会いまして、飯食ってぶらぶらしてたら黄昏てる葉さんを見つけまして、それで声を掛けたんですよ」
「ええ、それでどうしたんですか、こんな所で」
クーデターの事とか言えるようにわけ無いしな・・・
「ん〜、嫌な?ちょっとしたホームシック、みたいなもんかな」
「「ホームシック?」」
俺から出たホームシックに疑問符を浮かべる二人を甘味処に誘う。
「いや〜、奢って貰っちまってすいません〜」
「シスイ、流石にその満面の笑顔は駄目だろ・・・すいません、俺まで奢って貰って」
「良いって良いって、気にしなさんな」
甘味処で、イタチにみたらし団子を二本、シスイはみたらし団子にあんこ団子を二本ずつを注文する。・・・飯食った後なのによく食うな、奢りだからか。俺はみたらし団子とあんこ団子を一本ずつ頼んだ。そしてお店の前の休憩所で三人揃って団子に舌鼓を打つ。
「うん、うん、うめぇ〜なぁ。なぁ、イタチ」
「ああ、そうだな。・・・それで、葉さん?話の続きをお願いできますか?」
「んぐっ、そうそう、話だ話。葉さん話聞かせてくれよ!」
「そんなに聞きたいもんか?ホームシックなんてそんな良いもんでも無いぞ?」
「内容もそうだけど、葉さんの話が聞きてぇんだよ。訓練の時は戦闘関連の話しかあんまりしないしな」
「ええ。それに葉さん自身が思ってるよりも思い詰めている様でしたよ?」
そう見えたのか?・・・まぁ見えたんだろうな、なんせこれから起こるのはこの世界でもかなり根深い闇に繋がっていくからな。・・・そっちは言えないが。
「んー、俺の経歴何かは知ってるだろ?」
「ああ、ある世界で一度死んで、レインさんだっけ?その人に世界を渡る事を勧められたって」
「そこで憧れの人達から多くの力を貰い、千年近くの鍛錬を積み、この世界に来たと」
「ああ、それで合ってるぞ」
「それでホームシックって、死ぬ前の世界のことですか?」
「いや、そっちはもう思い出だしな」
「では・・・」
「こちらの世界に来る前の、千年の修行期間をな、思い出す時があるんだよな。憧れの人達と過ごした濃厚すぎる日々、彼等から託された持霊達を見ているとどうしても思い出しちゃうんだよな」
「葉さん、なんてセンチメンタルな・・・」
「茶化すな、シスイ。でも葉さん、それは」
「分かってるさ、イタチ。これをずっと続けていたら俺は旅なんか出来ない。これから行く俺の知っている世界、知らない世界、それらの世界を面白楽しく生きていくのが俺の目標だしな」
「そうっすよ、人生楽しまなくっちゃ損ですよ!そんで、たまに木の葉に帰ってきて行って来た世界の話を皆に聞かせて欲しいんすよ」
「帰って来て?」
「そうっすよ?俺達にとって葉さんは木の葉の里の大恩人で頼れる兄ちゃん何ですから!なぁ、イタチ」
「ああ、そうだな。三代目の言葉を借りるなら葉さん、貴方は既に木の葉の家族ですよ」
「っ!?」
家族?・・・綱手さん達と暮らし始めて、パクラさんとアンコが加わって、これからの異世界への旅の仲間ができた。それでも言わなかったな、家族って言葉・・・そうだよなこれからどんどん増えていくかもだけど、それは旅をする為に集めるんじゃ無い、俺と一緒に生きたいと言ってくれた人と一緒に、家族になって新しい世界に行くんだ。・・・レイン様も最初から考えて下さったんだろうな、最初に能力を決める時、憧れの能力と色んな用途で使える能力を選んだ。一人で生き、一人で戦える力を選んだんだ・・・かませの転生者が選ぶ様な能力は考えもつかなかったが、レイン様はそれで綱手さん達に事情を話した時に一緒に行くかと言ったんだろうな。本当に頭が下がる。
「家族か・・そうだな、その通りだ、もう俺にとって此処は故郷といえるか」
「そうっすよ、これからもよろしくなっ!兄ちゃん!」
「そうですよ、兄さん。これからも指導宜しくお願いします」
「おい、イタチそれはっ」
「あっはっはっ、じゃあ今度の訓練はもっと厳しくいこうな」
「え〜〜っ!?勘弁してくれよ〜」
訓練の難易度が上がる事が決まって絶叫するシスイの姿に俺とイタチは二人揃って笑った。そのまま話は終わりそれぞれ家に帰った。最初はクーデターとかの話を誤魔化す為にホームシックなんて言ったが、あの二人と話せて良かったな。・・・修行はやるがな。千手家の家に帰るとそこには・・・
「葉、帰ったか」
「やぁ、こんばんは。葉くん」
「邪魔しておる」
ミナトさん、ヒルゼンさんが護衛と共にやってきていた。
「どうしたんですか?」
「嫌ね?歴史を知ってる葉くんならうちは一族のクーデターの事も知ってると思ってね」
「「「っ!?」」」
まさかミナトさんからその話題が出るとはな・・・まぁ、原作では三代目や相談役やあいつは知ってたしな、ミナトさんは知っているだろ。
「うちはがクーデターだと!?」
「どうしてそんなことになるんですか!?」
綱手さんとシズネさんはとても困惑している。二人は木の葉を離れていた期間があるからな。二人が驚いている中俺は終始落ち着いているのを、ミナトさんはしっかり見ていた。
「やっぱり葉くんは知っていたんだね。その様子じゃ理由も物語で出てたのかな?」
「ええ、知っています」
俺達の会話に綱手さん達はさらに驚く。
「葉!クーデターの理由を知っているのか!?」
「・・・クーデターの理由は、元を辿れば初代火影、千手柱間さんの時代においてうちはマダラが木の葉を抜けて、柱間さんと戦った事、そこから始まります」
「待て!確かにマダラは事件を起こした、しかしその件はお祖父様がマダラを倒して終わったはずだ!」
「いえ、問題は解決していないんです。後に二代目火影に千手扉間が就任してから、木の葉とうちはの亀裂は広がります」
「亀裂って」
「扉間さんが今いるうちはから第二、第三のマダラが生まれるのを恐れて、監視の意味も込めてうちは一族を一区画に隔離した」
「待て待て!?それは・・・」
「一応、刑務部隊みたいな役職はあったけど、それ以外のうちはの人達は全く変わらない待遇だった。年月が過ぎる毎にストレスや鬱憤が溜まるのも当然だろうな。何せの幾ら里に貢献しようとうちはは特定の区画から外への移動を禁止されるんだから。里の中央何かは買い物ぐらいしか来れないだろうしね」
「「・・・・・」」
思い当たる節がある様で二人は黙りこくった。
「そうだね、そうした積み重ねが積もりに積もって今回、クーデターという形で噴き出そうとしている。更に今回のクーデターには「根」が関わっている節がある」
「「根」だと!?だとしたら今回の事件の裏には!」
「ええ、ダンゾウ様が関わっている可能性がある」
「ミナト!お前は何故そんなに落ち着いている!これは里を大きく揺るがす大問題だぞ!」
「そうですよ!」
「まぁまぁ、お二人共押さえて押さえて」
護衛のゲンマさんに宥められる二人を見ながら、俺はミナトさんを見る。本当に落ち着いてるな。
「僕が落ち着いている理由としては、まずクーデターと言わなくてもうちはの問題は三代目様から聞いていたこと、二つ目に正確にクーデターが計画されていると言う情報を入手出来たこと」
そこは原作通りにイタチからの情報なのかな。
「三つ目に葉くん君がいた事だ」
「葉さん、ですか?」
「原作というこの世界と似た世界の知識を持ち、圧倒的な力や蘇生術を持つ葉くんが居てくれたこと。それらのことから、僕等はこの問題に落ち着いて対処できているんです」
「・・・確かに理由は分かるが」
「それに葉くんならこの問題に協力してくれると確信していましたからね」
「当たり前ですよ。うちはにも生徒はいるんです。俺はそんな生徒を見捨てない」
俺の返事に、ミナトさん達は満足げな笑顔を向けてきていた。
「そして本題だ、我々はこのクーデターとダンゾウ様の件を何とかしたい、そこで我々にクーデターの事を知らせてくれた者がもう直ぐ来るんだ。・・・時間通りだな」
ミナトさんの言葉通りに玄関のチャイムが鳴りシズネさんが出迎えに行く。
「つ、綱手様」
「どうした、シズネ?入ってもらえ」
「は、はい。どうぞ」
「失礼致します」
あれ?イタチじゃ、ない?もっと歳をいった人だな、誰だ?
「よくぞ来てくれたな」
「えっ(なっ)!?」
シズネさんが言い渋ったのも分かるな。そこには俺も予想外な人がいたそれは・・・
あの密談から数日後、俺はマダラが使用していた輪墓・辺獄(りんぼ・へんごく)を使って探知範囲を広げた監視を行なっていた。原作の六道マダラより精神・肉体共にチートスペックだからか、最初から十人ほど呼び出せた。その分身をうちはの区域に散開させた。マダラは時間制限があったが俺の場合は数時間は出していられる。そうして昼は木の葉病院や訓練指南、夜はうちはの監視という生活を一ヶ月ほど続けたある日、一応輪墓を放っていた「根」の入り口付近に動きがあった事を感知した。いよいよか・・・
『では参りますか、葉さん』
マタムネを筆頭に持ち霊達がこちらを向く。
「ああ、行こう」
まずは第一段階、シスイの救出だっ!
夕方、大きなチャクラの動きがあり、そこに輪墓が向かうと丁度シスイが火遁・豪火球の術を放ち、「根」の忍が複数人で水遁・水乱波をぶつけた場面だ。やっぱりシスイの瞬神の術はすげぇ精度だな・・・
「探せ!決して逃すな!」
ダンゾウの命令で「根」の忍が散開する。その眼、必ず返してもらうからな、ダンゾウ・・・その後、一体の輪墓体から情報が来て、その場所に向かうと片目を瞑り血を流したシスイとイタチが向き合っていた。
「イタチ、うちはを頼んだぞ」
「シスイ!」
そう言ってシスイは滝壺に身を投げ打った。イタチからシスイが見えなくなったのを確認してからシスイを救出する。
¨O.S (オーバーソウル)‥
そこには水色の巨人が付き従うように顕現する。
¨S.O.R(スピリット・オブ・レイン)‥
S.O.Rに水流を操作してもらい、シスイを水面に浮かせる。
「うっ、がはっ、ゴホッゴホッ」
「そうだシスイ、飲み込んだ水を全部吐き出せ」
咳き込むシスイを抱えて飛雷神で千手邸に跳ぶ。
千手邸に跳ぶと綱手さん達が待っていた。
「シスイっ!大丈夫なの!?」
「あっ、アンコさんか?て事はここは千手邸か・・・すいません、葉さん、皆さん、ヘマしちまって・・・」
「シスイ、お前眼が・・・」
「はは、片方はダチに託せたんですが、もう片方はダンゾウの奴に奪われてしまいました・・・」
そんな何処か誇らしげな悲しげな表情に俺達は何も言えなかった。
「葉さん、助けていただいてありがとうございます」
「いや、すまない。俺がもっと早く感知できていれば、お前の眼が奪われる事も無かったかもしれない・・・」
「いやいや、葉さんだって人間だ。幾ら忍の神と同じ能力や瞳術が有っても、な」
「・・・痛い所を突いてくるな」
「二人共、洒落あってる場合か。先ずは傷の手当てが先だろうが!シズネ!」
「はいっ!シスイくん、今観ますね」
綱手さんの指示でシズネさんが医療忍術で傷の手当てをする。シャーマンの治療術も加わってるから傷は一瞬で完治した。でも・・・
「体の傷は完全に治りました。・・・でもその眼は」
「いやいや、良いんすよ。死んで無かっただけめっけもんなんすから」
シスイの強がり混じりの言葉を聞いて、皆は沈みきっている。・・・・・俺や持霊達、尾獣達を除いて。
「勝手に全部諦めんなよな」
「「「「「えっ?」」」」」
椅子に座らせて貰ってるシスイに近づき、両眼を覆う様に右の掌を乗せる。皆は何を・・・みたいな顔をしている。
「葉さん?」
皆が固唾を飲んで見守る中、俺は六道の陽の力を使用する。八門遁甲の死門の死の運命をも覆した力。
「・・・・・良し、眼ぇ開けてみな」
「「「「「はっ?」」」」」
皆が素っ頓狂な顔と声になる。そりゃそうだ、眼を無くした人間に眼を開けてみろと言うんだから・・・
「い、いやいや、何言ってんですか葉さん?」
「シスイ、俺を信じろ。俺は最高のシャーマン達に育てられ、六道仙人と同じ力を持つ男だぞ?」
俺の自信に満ち溢れた言葉に、シスイは困惑しながら決心する。そして瞼を開けたら・・・そこにはしっかりと両眼があった!
「「「「「なっ!?」」」」」
全員が驚いている。そりゃ当然だな、眼がなかったひとが瞼を開けたら眼があるんだから。
「これはどういう事だ!これもシャーマンの力なのか?」
『いや、この力は六道の物だな』
「九喇嘛か、本当なのか?この力が六道由来の力というのは」
『ああ、間違いねぇ。陽遁の原型にして物に生命を与える』
「そんな力まであるのか・・・・・本当に規格外だな、六道仙人という方は」
皆が六道の力に驚愕している中、未だに信じられずに鏡を見続けるシスイに
「どうだ?見えづらくないだろ?写輪眼は無いがな」
「えっ、ああ、はい・・・えっ?何スカ、これ?」
「六道仙人のお力だよ」
「マジか・・・六道仙人って本当に神様みたいな人なんすね。それに葉さんの治療術が合わさったらとんでもないですね」
皆がそれぞれ混乱しているがそろそろ本題に入りたいから、俺は手を叩き此方に注目してもらう。
「さて、それじゃあこれからの事を話して行きますか」
俺は反撃の言葉をかなり軽く言った。
遅れてしまい申し訳ありません。次の話はなんとか5月内に投稿できる様努めます。
宜しくお願いします