霊と踊る仙人が異世界を謳歌する   作:蔵元優輔

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かなり遅れて申し訳ありません


第二十三話

前回、滝隠れの里付近まで付いた時、森を駆け抜けていたフウとその護衛達と出会った。そして少し話した後、ミナトさんから貰っていた書状を渡したら護衛の人達が長の所に向かった・・・護衛対象のフウを置いて・・・

 

「・・・置いてかれたっす・・・」

 

「あー、えぇっと・・・」

 

「うん・・・」

 

「えっと、余り気を落とさないで?私達が一緒に行くから。ね?」

 

フウは俯いてしまって動かない。サムイが慰めの言葉を掛けるが微妙に肩を震わせているがそのままの体制でいる。

 

「・・・くっくっくっ・・・あーーーはっはっはっはっは、やったっす!これは久々の自由って奴じゃないっすかね!」

 

うおっ!俯いているかと思いきや、いきなり天を仰ぎながら両手を空に掲げて叫び出したぞ!

 

「さて!お兄さんお姉さん!名前は何で言うんすか!」

 

すんごい勢いでこっち見た!

 

「え!あ、ああ、俺は麻倉葉」

 

「私はパクラだ、宜しくな」

 

「私はサムイです、宜しくね」

 

「葉兄にパク姉にサム姉!宜しくっす!」

 

満面の笑みで改めて挨拶したが、良い遊び相手を見つけたと思われたのか、いきなり兄姉呼びで読んできたな。

 

「さあさあ!何して遊ぶっすか!何か長に用があるみたいっすけど、じいちゃん達の話は長いっすから結構掛かるっすよ!だから話が終わるまで遊ぶっす!」

 

「なぁるほど、それじゃ遊ぼうか」

 

「おお!葉兄、ノリが良いっすね!」

 

「葉、良いのか?」

 

「ああ、里の事を知っているフウが話し合いが長くなるって言ってるんだ。だったら遊びながら里を案内してもらった方が効率的だろ?此方も宿を探さなきゃいけないしな」

 

「確かにそうですね」

 

「宿をお探しっすか?だったらうちに泊まったら良いっすよ」

 

「え?フウの家にか?流石にそこまで厚かましく言えないって」

 

「良いんすよ!あっしも楽しいっすからね!さぁ行くっすよ!!!」

 

ハイテンションなまま話を終え、そのテンションを維持したまま木に登り掛けて行った。って、おい!

 

「2人とも行くぞ!早く行かないと、今度は俺達が置いてきぼりに会うぞっ!?」

 

「「ああ(ええ)」」

 

フウを追いかけるべく、俺達も木の上を駆けていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、一足先に里に帰還したケゴンとヨウロウは長の秘書役に手紙と会った人物の話をし、里長・シブキと里の重鎮が集められ緊急会議をする運びとなった。

 

「・・・以上が、我々が遭遇した人物との会話の内容です」

 

「うーん、先の九尾事件の救世主にして英雄、更には忍の祖と同じ力を持つ者、か」

 

「とても信じられん話じゃな・・・」

 

「だが、この書状は四代目火影波風ミナトからで間違いない!火影が我らに態々嘘の書状を出すなど考えられん」

 

「火影の性格的にもそれは無いじゃろうな」

 

「では、本当に忍の祖、六道仙人と同じ力を持った者が?」

 

「・・・ケゴン、ヨウロウよ。この手紙を持ってきた者の歳はどのくらいじゃった?」

 

「そうですね、私たちとそう変わらない20才前後かと」

 

ケゴンの言葉にヨウロウも同意の相槌を打つ

 

「若いな、俄には信じがたいがそれ以上の事は会って見ないことには分からんか」

 

「里長、同盟国の木の葉からの正式な要請、ここは一度その者に会いましょうぞ」

 

「そ、そうか。やはり会った方が良いよな」

 

「はい、してその御仁は今どこに?」

 

「はっ!今は里に向かっていらっしゃるかと」

 

「そうか・・・ん?お主達、今日はフウの護衛だったよな?」

 

「えっ?はい、フウが至る所を走り回っておりまして、その途中でかの御仁達と遭遇しまして、はい」

 

「それで、その肝心のフウは何処におるんじゃ?姿が見えんが」

 

「え?フウならそこに・・・・・あれ?」

 

「えっ?」

 

「「・・・・・あああああ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場面は戻って会議で忘れられていたことが判明したなど全く考えていないフウと葉達は滝隠れの里のおすすめスポットで遊びまくっていた。里の散策から始まり、里にある1番大きな滝の見える川に里の子供達も誘って行き、サムイが水遁で波を起こしたり、コロロをスノボにO.S.して巨大なウォータースライダーを作ったりした。フウ達には俺の持ち霊の事は紹介済みだ。初めは幽霊という事もあって怖がっていたが、コロロやモルフィン、ミックやマタムネを出したら直ぐに懐いていった。流石に子供は対応力が高いな、七大精霊達はそれぞれの属性の曲芸じみた事をして交流を図っていた。女の子には前者が、男の子には後者が大変好評だった。そして今は

 

「「「「「「いやっほ〜〜〜〜〜!!!!!」」」」」」

 

俺も水着になって子供達と一緒にウォータースライダーで滑りまくっていた。パクラとサムイも水着になり女の子達と遊んだりおしゃべりしている。その内親御さん達が来たので、親御さん達が持ってきた野菜や俺が持ってきたスイカを冷やして食べたりして涼んだ、昔テレビで見た芸能人のキャンプ番組みたいで楽しかったな・・・夕方に差し掛かりそうな時間になったのでその場で解散した。そして、フウの提案通りフウの実家に向かっている。

 

「さぁさぁ、葉兄、パク姉、サム姉!もうすぐ着くっすよ!」

 

フウ、パクラ、サムイが並んで歩いているのを少し後ろから眺めている。何か本当の姉妹のようだな。・・・それにしても、

 

「(重明、何の反応もしてこなかったな。こんだけ近くにいたら何かしら反応してくると思ったんだけどな)」

 

『確かにな、最初は今はまだ人柱力じゃ無いのかと思ったがな。確かに重明の奴を感じる』

 

『どうしたんだろうな、俺らが3人も近くに居たら俺ならどういう意図があるかとか気になっちまうがな』

 

『私もですね、重明からは外の様子が全く感知出来ない位ガチガチに封印されているんでしょうか?』

 

「(いや、原作で中忍試験出てた時なんかは、フウが重明の羽で空を飛んでたしな、そこまでじゃ無いと思う。それに滝隠れの里長のシブキは甘いとも言える性格だったしな、新たに難しい封印術式を組むとは思えないしな)」

 

『では、一体何故?』

 

『案外、眠りこけているだけだったりしてな!』

 

『お前みてぇに蛸壺があるわけじゃねぇんだぞ?』

 

「(まぁそれは、明日辺りに分かるだろう。・・・ん?あれは)」

 

「およ?あれは・・・」

 

フウ達も気付いたか、俺達が向かっている家の前に2人の男が立っていた。あれは・・・ケゴンさんとヨウロウさんか。

 

「遅いわっ!!!」

 

「何言ってんすか?フウを置いてったのは、そっちじゃないっすか」

 

「その件は本当に申し訳ない・・・」

 

「すまんかった・・・それで、其方の御仁、名を聞いても宜しいですか」

 

「ああ、はい。俺は麻倉葉です」

 

「私はパクラだ」

 

「私はサムイです」

 

「葉殿、パクラ殿、サムイ殿、申し訳ないのですが、里の上層部が貴方との対談を了承しました。なので明日、里長と里の上層部の方々との対談をお願いできますでしょうか?」

 

「はい、勿論です」

 

「では明日という事で、今日はもう宿を見つけましたか?」

 

「そう思っていたんですが」

 

「あっしの家に泊まってもらうっすよ」

 

「フウの家に?」

 

2人はその提案に驚いていた。そうだよな、向こうからしたら里の重要人物と突然現れた旅人が一緒にいることになるんだからな。

 

「大丈夫なのか?」

 

「おうっす!任せて貰って良いっすよ!」

 

「・・・わかった、任せる。明日俺達が迎えに来るからな」

 

「了解っす」

 

「それでは我々はお暇します。明日迎えに参りますので、失礼します」

 

「はい、宜しくお願いします」

 

そう言ってケゴンさんとヨウロウさんは去って行った。

 

「さぁさぁ、上がって下さいっす!」

 

そうしてフウに家の方に通してもらった。フウの家は原作にはなかったが予想されていた通り里長の血筋みたいで中々に大きい家でお手伝いさんもいて、仲も良いようだ。原作のナルトとはえらい違いだな。お風呂を頂き、全員で夕飯もご馳走になった。山菜の天ぷらとか岩魚の塩焼きとかめちゃくちゃ美味くてご飯が進む進む。それにこの場にはフウに両親に祖父母まで揃っている。マジでナルトの環境悪すぎないか?天と地の差があるぞ?

 

「いやぁー、今日はいつもより人数多いからさらに美味しいっすね!」

 

「ええ、そうですね」

 

「ああ!葉さん、どうですかな、料理はお口に合いましたかな」

 

「いやぁ、美味すぎて箸が止まりませんよ。あっおかわりいいですか?」

 

「はい、お預かりしますね」

 

フウの両親と話しながら茶碗をお手伝いさんに渡す。

 

「うんうん、良い食いっぷりだ!酒は行けますかな?」

 

「はい!」

 

こうして楽しすぎる食事を終えて、俺達は就寝した。

 

 

 

 

 

 

 

「では、参りましょう」

 

「はい」

 

翌日、朝食を食べて準備を終えて、門前で待って、ケゴンさんとヨウロウさんが来たので里長さん達のところに向かう。

 

「じゃあ、行って来るっすよ!」

 

「ああ。フウ、葉殿、気を付けてな」

 

そして俺達は里長さん達の元に向かう。

 

 

 

「初めまして、私がこの滝隠れの里の長、シブキだ」

 

ケゴンさんとヨウロウさんの案内で、里長と里の上層部の方々が集まる会議室に来た俺達にシブキさん達が俺達に挨拶してきた。

 

「初めまして、私は麻倉葉と言います。そして私の旅の同行者のパクラさんとサムイです」

 

俺の紹介に合わせて2人も頭を下げる。

 

「本日は対談の場を設けて頂きありがとうございます」

 

「いえ、我らにとっても関係あるお話ですからね。・・・さて、それでは手紙の内容を踏まえて細かい説明をお願い出来ますか?」

 

「勿論です。まずは私の話から、そして私の旅について話していきます」

 

俺が元々居た世界で死に、レイン様に見つけてもらったこと、多くの世界を旅することを決めた事、そこで物語の能力を貰いその能力の持ち主達から直接修行をつけてもらったこと、千年分の修行を終えこの世界に送ってもらいその日に木の葉隠れの里に着き、そして九尾事件に巻き込まれた事、そして湯の国、雷の国・雲隠れの里に旅行に行き、そこで二尾・又旅、八尾・牛鬼と会った事なども話した。俺の話が終わり周りを見れば、皆が皆死んだように沈みきっている・・・

 

「・・・あー、覚悟はしていたが」

 

「いや、長。これは想像を遥かに超える話ですぞ。・・・それにしても」

 

「「「「「疲れた・・・」」」」」

 

「葉兄、凄い冒険譚だったっす!」

 

フウと周りの差が天と地だな、まぁ子供からしたら俺の話は物語感覚だもんな。

 

「ごほん、さて葉殿。其方のことは分かった。だからこそ分からないことがあるのだが、七尾に会いたい理由は一体何なのだ?木の葉の九尾は事故だとしても雲隠れの里で二尾と八尾にも会っているのは」

 

「それは・・・」

 

俺は言葉を発しながら、九喇嘛、牛鬼、又旅の尻尾を一本ずつ出す。

 

「こういう訳で」

 

「「「「「「なっ!?」」」」」」

 

「えっ!?」

 

この場にいるパクラとサムイ以外の全員が驚いた。

 

「よ、葉殿。そ、其方は人柱力なのか?」

 

「近いけど違います。俺の場合は俺の持つ力によってできた空間にいる尾獣達から力を借りています」

 

「何と・・・」

 

「・・・それで、ここに来た理由は七尾を奪いに来たのか?その様子なら気付いているんだろう?フウが七尾の人柱力であることを・・・」

 

重鎮の人が言った一言で場が凍りついた。フウも驚愕と不安の表情で此方を見る。

 

「・・・確かに会った時からフウに七尾がいる事は分かっていました。だが俺は同時にフウが暴走する事もなく過ごしてきた事も分かったんです」

 

「それは何故かな?」

 

「フウの性格と里の人達のフウへの対応ですよ、皆のフウへの暖かい眼差しや1つ1つの行動がフウの事をどれだけ好きなのかがよく分かった」

 

「・・・葉兄ぃ・・・」

 

涙を浮かべるフウの頭を撫でながら俺はこの場にいる全員に宣言する。

 

「俺は、俺を兄と慕ってくれるフウを傷付ける事は、絶対にしない!!俺の魂に誓って!!!」

 

「¨魂‥にですか・・・それが聞けて良かった」

 

「長・・・」

 

「麻倉葉殿、我々は其方を信じましょう」

 

「っ!ありがとうございます」

 

「それで、葉殿は七尾に会って何を?」

 

「その話も含めて、俺の空間にここに居る全員で行ってもらえないですか?この件にかなり関わりのある人に会って欲しいのです」

 

「先程言っていた尾獣達のいる空間にか?」

 

「はい」

 

「・・・よし、行こう」

 

里長、いやシブキさんの一言で全員が頷き、同意の意思を示した。

 

「では・・・」

 

葉が眼を瞑り、数秒で開けたら波紋状の模様が入った紫色の眼になった事で皆は驚いていたが、葉はそのまま術を発動する。

 

「天之御中」

 

この場にいる十数人を一瞬で異空間に移動させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「来たか」

 

『よぅ』

 

『話は着いたようだな、葉』

 

『待っていましたよ、皆さん』

 

転移が完了したら、ちゃんと全員居てくれた。・・・浴衣姿で。

 

「皆どうしたんですか?ハゴロモ様まで」

 

「いやな、ここでは念じれば大抵のことは実現できるからな。葉達の様子を見ながら九喇嘛達と温泉に入っておってな」

 

『しかも、葉の昔の記憶からそっちの施設の記憶を引っ張ってきて、高級旅館の施設なんかを出したから極楽だったぞ』

 

『ああ、正に極楽極楽ってな』

 

『ええ、とても気持ちよかったですよ』

 

「尾獣が、高級旅館に通い詰めるご老人みたいなことを・・・」

 

俺が呆れ返っていると、他の皆は戦慄していた。

 

「び、尾獣が三体も」

 

「悪夢のようだ・・・」

 

「だ、だが・・・なんだろう・・・」

 

「「「「「「何か、コレジャナイ感が・・・」」」」」」

 

「おーーー!凄いっす!大きいっす!!かっこいいっす!!!」

 

「フウは大物になるな・・・」

 

「そうですね」

 

フウは尾獣に感激してるようだ。それを見てパクラさんとサムイが呆れている。

 

「よ、葉殿。其方のご老人は何者でしょうか?随分と人間離れしておいでだが・・・」

 

「おお、わしは大筒木ハゴロモ、忍の祖にして、六道仙人と呼ばれし者だ」

 

「「「「「「「・・・はあ!?」」」」」」」

 

びっくりしている皆を正気に戻し、ハゴロモ様の話を聞いてもらうチャクラの始まり、母カグヤの蛮行、それを弟と共に止めたこと、尾獣の成り立ち、後の二人の息子の対立、そして現代に脅威が来た時のために、葉に尾獣の陰のチャクラを集めてもらっている事などを話した。

 

「何と、葉殿は忍の祖にも期待されておられるのだな」

 

「まぁな、わしは葉を後継者とも、我が子とも思っておるからな」

 

またハゴロモ様から子供のように思っていると言われてしまった。嬉しいからむず痒いんだよなぁ。

 

「さて、それではまず、そこの娘の中から重明を出すか」

 

「重明とは、七尾の名前ですね、だが尾獣を抜いてしまったらフウは・・・」

 

「問題ない。この空間内なら、わしが娘と重明の魂をリンクさせ、死なぬようにできるからな」

 

「・・・わかりました。宜しく頼みます。フウも良いかい?」

 

「大丈夫っす。葉兄もハゴロモじいちゃんも信頼してるっすよ!」

 

「よし、では出すぞ?」

 

フウの額にハゴロモ様が手を置き、数秒でフウの体からチャクラが出てきてある形を形作る。背に巨大な角を持つカブトムシに似た姿。西洋鎧に酷似した外骨格と、明緑色である6枚の巨大な羽と1本の長い尾を持っている巨大な甲虫、七尾・重明が今、俺達の目の前に顕現したが・・・・・。

 

「ん?何で動かないんだ?」

 

重鎮の1人が言ったように、重明は仰向けでピクリとも動かない。

 

「どうしたんでしょうか、ハゴロモ様?」

 

「うーむ、わしにも分からん」

 

「シブキさん、フウに施した封印ってそんなに強力何ですか?」

 

「いや、そんなはずは」

 

シブキさんも訳がわからず困った顔をしている。

 

「九喇嘛、どうだ?」

 

『うーん、チャクラは感じるから死んではおらん』

 

『だけど動かねぇ』

 

『ん?何か聞こえませんか?』

 

皆で考えていると又旅が何か聞こえると言ってきた。耳をすましてみると確かに何か聞こえる。

 

『・・・ぐう・・・』

 

「「「「「「「「「「ん?」」」」」」」」」」

 

『ぐがぁ〜〜〜、ぐおおお〜〜〜、ぐがぁ〜〜〜』

 

ね、寝てる?

 

「「「「「「「「「「だああ〜〜〜!?」」」」」」」」」」

 

全員でずっこけた、何だこりゃ。

 




次回は重明と岩の国前までのお話です。

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