霊と踊る仙人が異世界を謳歌する   作:蔵元優輔

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今回は本編にちょっぴり出たキャラクターがちょっぴり出ます

それでは、どうぞ


第二十四話

前回、俺達は七尾の人柱力のフウと交流を持った。その翌日里長や里の重鎮達との対談が行われて俺の話と、天之御中の異空間内でハゴロモ様の話を聞いてもらい、許可を貰って七尾・重明を表に出すことになったのでハゴロモ様が実行してくれたのだが・・・何だかなぁ。

 

『ぐがぁ〜〜〜、ぐおおお〜〜〜、ぐがぁ〜〜〜』

 

「「「「「「「「「「・・・・・」」」」」」」」」」

 

皆が皆、コレジャナイという眼をしている。・・・無理も無い、大昔から里に居る化け物、出てきて欲しくないと思っていたが、忍の祖の大筒木ハゴロモ様や3人の尾獣と友だと言う葉殿が居るのだ。例え七尾が暴れても簡単に抑え込める人達がいるのだ、ならばその姿を見てみたいという野次馬根性が出てもおかしく無い。そうして各々が若干楽しみにしながら七尾が出てくるのを今か今かと見守っていたら、威厳をフウの中に忘れてきたかの様に涎を垂らしながら爆睡するデカい虫が出てきた・・・・・コレジャナイ。

 

「・・・ハゴロモ様、重明ってこんなに能天気な奴なんですか?俺としては昨日フウと会った時、九喇嘛達のチャクラを感じて出てくるのも覚悟してたんですが・・・」

 

「うーむ、わしもそれを危惧しておったのだがな。はて、こんなにのんびりしておったかな?」

 

『まぁ、無理もねぇさ、ジジイが見たことある重明はまだ芋虫の状態だったからな』

 

『そういえばそうですね。ハゴロモ様が亡くなった時、我々はまだ生まれたばかりの幼体でしたね』

 

『ああ・・・そっから100年以上経ってんだもんな、そら爺さんもわかんねぇよな』

 

100年・・・そんだけあれば尾獣もこうなるんだろうか?

 

『と、とりあえず話が進まないので、重明を起こしませんか?』

 

『そうだな・・・おい、重明起きろ』

 

牛鬼が体を揺すりながら声をかけるが・・・

 

『ぐがぁ〜〜〜、ぐおおお〜〜〜、ぐがぁ〜〜〜』

 

『・・・起きませんね』

 

重明は全く起きる気配がない、何でだ?

 

「どういう事なんでしょうか、尾獣があそこまで疲れる何かが有ったのでしょうか?」

 

「いや、それならば娘の方に何かあったから重明が疲れているという方がしっくり来るな。娘に気づかれないで封印状態の尾獣にだけ何かをすると言うのは、わしにも難しい」

 

「では、一体何故・・・」

 

皆でうんうん唸りながら考えたが、それらしい理由は思いつかなかった。そこに、

 

『・・・ああ〜〜、鬱陶しい!?』

 

今まであまり喋ってこなかった九喇嘛がキレた。そのまま重明の顔の近くまで行き、

 

『さっさと』

 

一本の尻尾を思いっきり振りかぶり、その瞬間九喇嘛が何をしようとしているのか分かり、皆が血相変えて退避する。

 

『起きろっ!!!!!』

 

重明の顔目掛けて叩きつけた。

 

『ぐぎゃっ!!!!!』

 

顔面を打たれた重明は流石に起きたらしく、顔を抑えながら転げ回ってる、痛ったそ〜。

 

『フン、やっと起きやがったか』

 

『あああ〜っ、いででででで!!!』

 

重明が転がっているのをハゴロモ様一緒に見ていると避難していた皆が帰ってきた。

 

「し、死ぬかと思った・・・」

 

まぁ、尾獣が怒りながら尻尾を振り下ろしたからな。普通の人からしたら一巻の終わりだからな。

 

『いでで・・・何だ?人が折角気持ちよく寝てたってーのに、ん?』

 

やっと起き上がった重明は周りを見渡した。

 

『何だ?又旅に牛鬼に・・・九喇嘛?何だって此処に?それに周りの景色が何か違うな』

 

3人を確認し、何か考えているのか1分ほど動かなくなり、何か思いついたのか手の平に拳をポンと置く閃いたポーズをすると、

 

『・・・夢か』

 

また横になって寝る体勢に入った。

 

「「「「「「「「「おいちょっとまてっ!?」」」」」」」」」

 

全員でツッコミを入れるが、重明はもう寝る体勢に入っている。しかし、そんな事を怒れる九喇嘛が許すはずも無く、重明の頭を踏みつける。

 

『何度も何度も同じ事すんじゃねぇっ!?』

 

『ぐぬぁっ!?何だ!』

 

『さっさと起きやがれ!!!』

 

最後に頭の下にクレーターが出来るほど思いっきり踏みつけた!その後足を離され、重明が起き上がる。

 

『あいてててて〜、おいこら九喇嘛!!いきなり人の頭踏んでんじゃねぇよ!!』

 

『うるせぇ!こっちはお前のくだらねぇ天丼見に来たんじゃねぇんだよ!周り見てみろ!』

 

『周り?』

 

九喇嘛に言われ周りを再度見回す。尾獣達を見回し、その後尾獣達の足元も見て、俺の隣にいるハゴロモ様に気づく。

 

『オウ、ハゴロモの爺さんじゃねぇか!?死んだはずだろ!』

 

「うむ、久しぶりだな、重明。確かに1度肉体は死んだ。だが今は精神をチャクラに転写していてな。この葉の輪廻写輪眼の異空間にいるのだ」

 

『葉?』

 

ハゴロモ様から俺に視線が移る、迫力あるなぁ。

 

「初めまして、俺は麻倉葉。ハゴロモ様と同じ六道の力を持つシャーマンだ」

 

『シャーマン?』

 

俺の成り立ちの話やこの世界で何があったかをハゴロモ様や尾獣達に補足してもらいながら話した。そして尾獣達の陰のチャクラを分ける事を話したら、

 

『オウ、いいぜ』

 

二つ返事でOKしてくれた。随分あっさりOKしてくれたなと、重明に理由を聞いてみると、

 

『ハゴロモの爺さんが認めた奴だぜ?信じる理由はそれで十分だろ』

 

何かメッチャ漢前な事を言われてしまった。その流れでハゴロモ様が重明を陰と陽に分け、重明が2人いる状態になる。

 

『おお!本当に2人になってるな!』

 

『おう!改めて、ラッキーセブン重明だ。宜しくな、葉!』

 

「ああ、宜しく・・・それで、ちょっと2人に聞いておきたいことがあるんだが」

 

『『ん?何だ?』』

 

「今の人柱力のフウの事はどう思っているんだ?俺達が近くにいても出てこなかったし」

 

『ああ、確かに俺も昔は人間を憎んでたさ。俺達を兵器としてしか見ない奴らをな』

 

『だが、そんな中、あの元気だけが取り柄みたいな小娘を何年も見ていたら・・・』

 

2人の重明はお互いの顔を見てから同時にこちらを見て、

 

『『ど〜でも良くなってきてな!』』

 

「「「「「「「「「えぇ〜〜〜・・・」」」」」」」」」

 

『だから、あいつがこっちに来たら手を貸してやろう位は考えてたんだぜ』

 

『まぁ、そうやって待ってたら寝ちまったんだけどな』

 

「「「「「「「「「おいっ!!!!!」」」」」」」」」

 

「じゃあ、これからはあっしと一緒に修行とかしてくれるっすか?」

 

『おう、いいぜ?何なら俺の力を使えば尾の羽が出てくるから空飛ぶか?』

 

「マジっすか!やったっす!!、空飛べるっす〜〜〜!!!」

 

「「「「「「「「「「おいちょっと待て!このお転婆飛んだら手が付けられねぇ!!!」」」」」」」」」」

 

「ああ、これでイタズラが加速してしまう・・・」

 

重鎮達の怒号と里長の哀愁漂うセリフが異空間に消える・・・これからの里の人達の苦労が見えてくるようだ。止められるとは思わんが・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

話し合いが終わり、そこから一ヶ月ほど滝隠れで過ごした。その間、フウと一緒に重明の能力を使えるように特訓した。飛ぶとか浮くとかは経験があるが自分から羽が出て飛ぶのは初めてだからな。

 

「イヤッフ〜〜〜!最高っすね〜空を飛ぶのは!」

 

「慣れてきたらすぐだったな」

 

「よ〜し、葉兄!イタズラしに行くっすよ!」

 

「いやイタズラはしねぇよ!?」

 

 

 

 

 

 

 

「葉殿!何とかしてください!!!」

 

「フウのイタズラ具合が更に激しくなる一方です!」

 

「更に!逃げる時は空を飛ぶのでほぼ追いつけません!」

 

「葉殿!兄貴分としてフウに言ってやってくれませんか!!!」

 

フウのイタズラ被害を訴える人が俺の元に押し寄せるようになってきた。いや、俺に言われても・・・因みに子供達はフウに翼が生えても全く気にせず。寧ろ遊び方が増えた!と言わんばかりに一緒にイタズラしまくっていた。大丈夫か?里の大人達胃に大穴空くんじゃねぇかな。

 

 

 

 

とある日にはシブキさんと飲んだりもした。

 

「葉殿、フウと一緒に居てくれてありがとう」

 

「シブキさん」

 

「明るく振る舞っていたが、やはりそれでも時折寂しそうな雰囲気をしていたからね。私達が何とか出来たら良かったんだけどね」

 

「・・・それでも、フウには有り難かったと思いますよ?この先の岩隠れなんかは人柱力はもう年齢がいっているとは言えほぼ放置されていますし、片方なんかは疫病神みたいな扱いです」

 

「・・・そうか、私達はフウの為になっていたのか」

 

「そうですよ?木の葉も雲も今のフウみたいに自由にしてますよ」

 

「そうか・・・フウが今まで以上にはっちゃけたらどうしよう・・・」

 

「・・・あっはっはっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして楽しい一ヶ月が過ぎ、出発の朝を迎えた。

 

「それじゃあシブキさん、一ヶ月ありがとうございました」

 

「葉殿、またいつでも来てくれる我々は歓迎するよ」

 

「葉殿、またいずれ」

 

「葉殿、旅の無事を祈ってる」

 

「葉兄!パクラ姉!サムイ姉!いっぱい遊んでくれてありがとうっす!」

 

「「「「「「「「「「ありがとう〜、お兄ちゃん!お姉ちゃん!」」」」」」」」」」

 

「ああ、皆元気でな」

 

「イタズラは程々にね?」

 

パクラさんとサムイは良く相手をしていた子供達の頭を1人1人撫でていった。

 

「シブキさん、何かあれば木の葉に連絡してください、旅に出てなかったら、木の葉の千手邸に居ますから。勿論友人として酒のお誘いでも良いですよ?その時はミナトさん達と来ますから」

 

「火影を単なる友人扱いかい・・・ああ、分かった。何も無いのが1番だが、友人として宴会も誘わせてもらうよ」

 

「はい。・・・それじゃあ皆さん、そろそろ行きます」

 

「ああ、また」

 

「「「「「「「「「「またな〜〜〜」」」」」」」」」」

 

「「「「「「「「「「いってらっしゃ〜〜〜い!、お兄ちゃん!お姉ちゃん!」」」」」」」」」」

 

皆からの元気な見送りを受けて俺達は歩き出した。次の目的地は、土の国・岩隠れの里!

 

 

 

 

 

 

 

 

それから俺達は野営をしながら、一週間程で滝隠れと土の国の国境付近の街にに辿り着いた。今は宿の食堂で休憩中だ。

 

「やっとここまで来られたな」

 

「ああ、ここまで来れば、岩隠れの里も近づいた気がするな」

 

「ん?お前さん達岩隠れの里を目指してんのか?」

 

3人で話していると、行商人のお爺さんが話しかけてきた。どうしたんだ?

 

「ええ、それがどうしたんですか?」

 

「今、岩隠れの里に近づくのはやめた方が良いぞ」

 

「どうしてなんですか?」

 

「いやな?聞いた話なんだが、今岩隠れの里の辺りで化け物が暴れ回ってるって話だ」

 

「化け物、ですか?」

 

「ああ、何でもその化け物はすんげぇ爆発と煙を起こすみたいでな?中には馬鹿でかい馬ミテェな影を見たやつもいるみたいでよ。それに驚いた行商人達が皆荷物を捨ててでも逃げ出してるみたいでな、それを聞いてワシらも此処で足止めを食ってんだよ」

 

「それは大変だな」

 

「ああ、このままじゃ商売上がったりだよ。そんな訳で今は岩隠れの里には近づかない方が身のためだぞ」

 

「ああ、ありがとうな。お爺さん」

 

「ああ、気ぃつけてな」

 

そう言って行商人のお爺さんは元の席に戻って行った。

 

「葉・・・」

 

「今の話って・・・」

 

「ああ、まず間違いなく五尾・穆王(こくおう)とその人柱力のハンだろう巨大な馬なんてこの世界じゃ穆王以外に考えられない」

 

「ああ、まさか土の国に入る前に行方が知れたのは大きいな」

 

「そうですね、予定ではまず岩隠れの里で情報収集をしてからって思ってましたから、手間は省けたと言えますね」

 

「問題は、ハンが絶賛大暴れ中ってことかな」

 

「そいつらが使うのは・・・」

 

「水遁と火遁を組み合わせた血継限界・沸遁。使用したら圧倒的なパワーとスピードを生む能力だ、人柱力状態で使えば、同じ人柱力を2人纏めて森を薙ぎ払いながら吹っ飛ばせる」

 

「聞くだけでとんでもない力だな・・・」

 

「私達はそんな相手に会いに行くんですね・・・」

 

「ああ、全ての尾獣の陰のチャクラを借りるには、会いに行かないとな」

 

「「・・・・・」」

 

2人とも、モチベーションが下がりっぱなしだな、無理もないけど。

 

「心配しなさんな、戦うのは俺がやるし負けるつもりは毛頭ないから」

 

「・・・ああ、心配などしていないさ」

 

「ええ、私達の旦那様は最強ですからね」

 

「おう!」

 

そのまま食事を済ませ、一晩泊まり次の日には物資を補給して岩隠れの里を目指して出発した。そして更に一週間ほど経過し、もう次期岩隠れの里が見えてくるだろうという位の距離に差し掛かった頃、俺たちの前に待ち望んでいて、でも明らかに早すぎる事態が起こった。今現在俺たちの前に、

 

「さぁ、俺の憂さ晴らしになってもらうど」

 

今まさに俺達が探そうとしていた五尾・穆王の人柱力のハンが目の前にいる!

 

「2人共、下がっててくれ」

 

「「葉・・・」」

 

「大丈夫」

 

2人に下がってもらい、俺はハンと対峙する。・・・やっぱ体格ハンパねぇな。身長228センチってなんだ!1人だけ規格外過ぎんだろ!

 

「お前は逃げないのか?」

 

「ああ、俺はお前に用があるんでな」

 

「ほう、俺は憂さ晴らしが出来れば何でも良いがな・・・吹っ飛べ」

 

話は終わりだと言わんばかりに、首の後ろ辺りの鎧から蒸気が勢い良く噴射され、沸遁によって上がった身体能力で一瞬にして俺の目の前まで跳んで来て、拳を振りかぶっている。俺はそれを九喇嘛の状態1になり、同じく拳を振りかぶる。

 

そして2人の拳が激突し、この戦いの火蓋が切って落とされた。

 




次回は本格的な戦いがスタートします。

乞うご期待です!宜しくお願いします!
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