前回岩隠れの国境付近にて、蒸気を発する馬の化け物が出たという話を聞き、それがハンであると確信した俺達は岩隠れの里を目指しながらハンを探すことにした。そして一週間ほど経って岩隠れの里付近に差し掛かった時、探していたハンが俺達の前に現れた。そして俺はハンとの一騎打ちに挑む。
「ぬおおおおお〜〜〜!!!」
「うおおおおお〜〜〜!!!」
俺とハンの拳がぶつかり、衝撃波が辺りに散乱する。
「うぐぐ・・・(お、重っ!何だこれ!これが沸遁か、こっちは助走は無くても踏ん張ってんのに拮抗してるなんて・・・)」
「(こいつ思ったよりやるな・・・)」
10数秒の拮抗の末、競り負けたのは・・・俺だった。
「だが・・・ふんっ!!!」
「(こ、こいつ!更に力がっ)ぐあっ!!」
沸遁の出力を上げたハンに吹っ飛ばされてしまった。何とかしようと、九喇嘛の尾を出して地面に突き刺したり、木を掴んだりしたが勢いが止まらない。
『葉っ!俺らの尾も出すぞっ!!』
吹っ飛ばされる中、牛鬼の言葉と共に牛鬼、又旅、重明の尾が出てきて更に地面に突き刺したり木に捕まったりして漸く止まった。
『葉、大丈夫か!』
重明が心配してくれたが、ちょいとやばかったな。
「手が痺れた・・・とんでもねぇ威力だな、沸遁。ナルトがビー諸共吹っ飛ばされたのが良く分かるな」
『ああ、あの人間、穆王の力を中々使いこなしてるな』
俺達が揃って驚いてると、ハンの方もまた驚いていた。
「何だ?あいつは・・・(おそらく俺と同じで体に化け物を飼っているんだろうが、尾が一種類じゃ無い?何匹も飼っているってのか?)・・・まぁ良いか、ぶっ飛ばすだけだ」
そう言ってハンは歩き出した。一方俺達は皆の尾を引っ込めて体勢を立て直す。
「さぁて、本腰入れてくるだろうしこっちも気合い入れないとな」
『だがどうする?正直ワシの状態1で吹っ飛ばされる事は原作のシーンを見ていたから予想はしたが、対抗するには他の奴の状態1じゃ太刀打ち出来んぞ?』
「ああ、だから俺は全員で行く。あっちとこっちの大きな違いは出来ることの多さだ、パワーだけじゃ辿り着けない境地ってやつを見せてやろう」
『『『『おう(ええ)!』』』』
俺達は気合を入れて九喇嘛のチャクラに3人のチャクラを混ぜてそれぞれの尾を出す、そして歩いてきたハンと再び対峙する。
「ほう、さっきより安定して濃いチャクラだ、それに・・・更に化け物に近づいたな」
「うっせーよ、俺にとって皆は大事な仲間で家族なんだよ!」
『・・・フン、小っ恥ずかしい事言いやがって』
『何照れてんだよ、九喇嘛』
『うっせーぞ、牛鬼!テメェだって顔真っ赤じゃねぇか!』
『ば、馬鹿!この顔は生まれつきだ!』
『嬉しいものですね、重明。仲間どころか家族と言って貰えるなんて・・・』
『オウヨ!来たばっかの俺にもそう言ってくれんだ、葉は最っ高な奴だぜ!』
尾獣達の話に持霊達も加わる。
『左様、葉殿は我等を世間で言う家族と感じてくれているでござる』
『飯の時も、全員が食えるようにしてくれたらな』
『ええ、葉さんは本当に暖かいお人ですからな』
『だな、それで?葉、今回はオレ等霊は使わないって事で良いんだな?』
阿弥陀丸、蜥蜴郎、マタムネと話していき、最後にアバさんが俺に聞いてくる。
「ああ、この戦いは新しい家族と一緒に戦うさ。それに・・・あいつには素手で勝ちてぇ」
『へっ!分かったぜ葉!オレ等は本当にヤバくなんない限りは手を出さねぇ、だから思いっきりやんなっ!』
「おうっ!」
俺が気合を入れて返事を返していると、ハンが腕に蒸気を纏っていた。あっちも準備は万全みたいだ。
「食らっとけっ!!!」
¨沸遁・蒸気砲‥
ハンが殴る動作と共に俺の倍近くありそうな大きさの蒸気の塊を撃ってきた!デカい上に早いな!ならこっちは元祖柔拳で応戦したらぁ!俺は輪廻写輪眼を発動させて、掌底を構える。
「八十神空撃!!!」
俺は柔拳の要領で掌底に合わせてチャクラを纏った空気砲を放つ。そしてハンの蒸気の塊と衝突する!
「うおおおおおおおお〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「ぬおおおおおおおお〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
そこから蒸気砲と八十神空撃の押収が起こる。先程の衝突以上の衝撃波が巻き起こる。そしてこの押収で押しているのは・・・俺だった。
「(なっ!俺が、押され始めてる!・・・こうなりゃ一か八か懐に入ってまた吹っ飛ばしてやる!)」
「(良し!後は痺れをきたして向かってくるだろう所をカウンターで返す!)」
ハンは蒸気砲をやめて蒸気を纏って物凄い勢いで突っ込んできた!
「食らえっ!!」
「お前がなっ!!!」
俺はその大振りのパンチを躱して腕を構え、カウンターの技を放った!
『やっちまえ!葉!!』
「『雷黎熱刀!!!(ラリアット)』」
「ぐはぁっ!?」
俺の雷黎熱刀が決まり、今度はハンが物凄い勢いで吹っ飛んでいく。そして、着弾したようで凄い砂煙が起こった。
「・・・どう思う?」
『手応えはあったぜ?』
『防御も出来てなかったですし、かなりのダメージが入ったはずです』
俺は着弾地点に向かいつつ、皆に意見を求めた。牛鬼と又旅から意見を聞いた頃、着弾地点に到着し横たわるハンを確認した。見た目は気を失っているがそんな事はねぇだろう。
「・・・効いたな、こんなに重い攻撃を食らったのはオオノキのクソジジイ以来だ・・・化け物達が家族か、なら・・・これでも家族だなんて言えんのかっ!?うおおおお〜〜〜〜〜〜!!!」
その瞬間、ハンから大量のチャクラと蒸気がが溢れ出す。蒸気の中からイルカと馬を合体させたような姿で、白い毛並みと複数の角、強大な体躯を持つ尾獣の中でも特に大きな身体をしている五尾・穆王が現れる。
「これって・・・」
『九喇嘛殿、これは尾獣化で、良いんですかな?』
『いや、どっちかと言えば暴走だな。感情や精神で抑えていたのを辞めた感じだな』
『ぐおおおおお〜〜〜〜〜〜!!!!!』
『あ〜〜、穆王の方も理性がぶっ飛んでるな』
馬孫の問いに九喇嘛が答えていると穆王が雄叫びを上げてこっちに突っ込んでくる。これには牛鬼も呆れた感を出している。
「だったらこっちも尾獣化だな、行こう又旅!」
『えっ!?私で良いんですかっ!?』
『ワシじゃなくて良いのか?葉、確かに圧倒的ではなくとも尾の数の差は確かにあるぞ?』
『どうする気なんだ?葉』
「それはな、こうするんだよっ!」
又旅、九喇嘛、牛鬼と話した後、俺は尾獣化を開始した。そして尾獣化が完了すると同時に又旅を黒い鎧が纏い始める。
『成程、それか』
九喇嘛は一度経験済みだからすぐ分かったみたいだな。そう、これはうちはマダラと未来のサスケしたやったことの無い技術。・・・まぁ須佐能乎を発現した者が稀らしいし、あの2人しか尾獣に関われたうちはもいなかっただろうけどな。
「威装・須佐能乎」
そして向かってくる穆王に対峙するように、須佐能乎を纏った又旅が顕現した。
『角折り!!!』
穆王が突進しながら4本の角で相手を突く技を放ってきたのでこちらも突っ込み、須佐能乎を纏った前足で技を放つ!
『爪研ぎ!!!』
爪と角が激しくぶつかり合い、火花を散らしいる中、もう片方の前足で穆王の頭を踏み台に高く跳び、振り向き座間に溜めていた術を放った。
『「尾獣玉!!!」』
『ぐきゃあああ〜〜〜!!!』
尾獣玉を食らった穆王がその場に倒れ込む。
「やっぱ暴走気味だから動きが単調だな」
『ええ、このままハゴロモ様の所へ連れてきますか?』
「そうだな。流石にこれ以上暴れたら岩隠れの忍が来そうだしな」
そうして須佐能乎と尾獣化を解いて穆王に近づく。そこに戦闘がひと段落したのが分かったのか、パクラさんとサムイが俺の側まで来た。
「「葉(さん)!!!」」
「おお、2人共。大丈夫だったか?」
「ああ、私達は離れて見ていただけだからな、全然平気だ」
「ええ・・・それで、これが五尾ですか・・・」
「とてつもなく大きいな・・・私達ではどうあっても勝てる気がしないな・・・」
「ええ・・・先程の戦い、とても忍の戦いとは思えない、御伽噺の戦いを見てるようでした」
2人共、さっきまでの戦いに相当当てられているようだな、まぁ無理もないがな。忍同士の大戦はあっても巨大生物との戦いなんて、ほんの一握りの口寄せ契約者とぶつかるしかあり得ないからな・・・大蝦蟇や大蛇、大蛞蝓を口寄せする三忍も、もはや伝説だしな。そんな話を3人でしている間もまだ穆王は尾獣玉のダメージが抜けないのか唸ってるだけで全然動かないな。
『ぐっ・・・があっ・・・』
「穆王、悪りぃんだがちょっと付いてきて欲しいんだわ。会わせたい人も居るしな」
『会・・わ・・せ・・たい人・・だと?貴様・・一体』
「まぁまぁ、気になる事は山程有るだろうが、先ずは行こうや・・・・・天之御中」
術の発動と共に俺と穆王は一瞬で姿を消した。
『おっ?来たなっ、葉!』
『おう、久しぶりだな、穆王』
『また派手に負けたな。クックックッ』
『改めてお久しぶりですね、穆王』
『なっ・・・何故?・・・九喇嘛・・・牛鬼・・・重明・・・又旅・・・皆・・・それに・・・』
重明、牛鬼、九喇嘛、又旅に話しかけられてびっくりしている穆王は、自分の足元にさらに驚く存在があることに気づいた。先程戦っていた青年の横に亡くなったはずのハゴロモが佇んでいたからだ。
「うむ、久しぶりだな、穆王よ」
『・・・ハゴロモ様・・・』
傷を治しながら話掛けてくるハゴロモ様にちょっと涙ぐみながら話しかける。
『どうして・・・貴方は死んだはずじゃ・・・』
「うむ、そのことについてもこれから話すのでな、先ずは傷を回復させるぞ?その後人柱力にも聞いて貰いたいのだな、魂をリンクさせて2人を分離させるぞ」
そうして傷が治り全快した穆王とハンが分離された。意識が戻ったハンは戦闘を再開しようとしたが、一端落ち着いてもらおうとしたが、九喇嘛が温泉に放り込んだ。人用の温泉の横に尾獣達用の温泉を創造し湯船に浸かりながら、俺とハゴロモ様の話を始めた。
俺が元々居た世界で死に、レイン様に見つけてもらったこと、多くの世界を旅することを決めた事、そこで物語の能力を貰いその能力の持ち主達から直接修行をつけてもらったこと、千年分の修行を終えこの世界に送ってもらいその日に木の葉隠れの里に着き、そして九尾事件に巻き込まれた事、そして湯の国、雷の国・雲隠れの里に旅行に行き、そこで二尾・又旅、八尾・牛鬼と会った事、そしてハゴロモ様と未来の脅威に対処する為に尾獣達の陰のチャクラを集めている事を話した。
『成程、そういう事だったのですね・・・だからハゴロモ様は此処にいらっしゃるんですね・・・その・・・浴衣で』
「ああ、尾獣達の事も有るがお前達と温泉に入るのが楽しくてな。かなりの頻度で来ている」
『しかも、葉の記憶にある高級旅館ばりの施設が俺達のサイズで体験出来るから超快適だぜ!』
『ああ、俺たちの場合元の大きさじゃ行水くらいしか出来ないが、此処ではVIP待遇を味わえるぜ』
『後で穆王もどうですか?アニマルスパとか最高ですよ。全身が蕩けますよ』
『その格好で蕩けているのは良くわかりますよ・・・』
ハゴロモ様、重明、牛鬼、又旅がこの異空間の説明をするが皆ユニフォームの如く浴衣を着てるから浮かれ具合がハンパない。
『それにしても・・・ハゴロモ様がまたそんな脅威に備えているとは・・・』
「母の件があるからな。大筒木は警戒しておくに越したことはない。・・・そこでお前にも葉の手助けをしてほしいのだ。この世界の未来の為にな」
『ええ、それは勿論。ハゴロモ様の頼みなら喜んでやりますよ』
「うむ・・・それで、穆王の人柱力のハン、お主にもいずれ起こる世界の命運を掛けた戦いに葉や他の人柱力と共に赴いてほしい」
「・・・・・・・・・・」
ハゴロモ様の言葉に、ハンは何か考えているのか無言を貫いていた。それを俺達や穆王が見守る。
『ハン・・・』
「・・・・・俺は世界の事なんてどうでもいい」
『・・・・・』
「俺にとって、自分が生まれた里ですらただの檻の様に感じてる・・・そんな里が滅ぼうと、ましてや自分が守ろうなんてとても思えん・・・」
やっぱり岩隠れは人柱力を兵器として見る傾向が顕著だな・・・まぁ、里ができてまぁまぁ経つが影が3人しかいないしな。凝り固まった思想が柔らかくなる暇も無かっただろうしな。
「・・・だが・・・」
ん?ハンがこっちを見ているな。
「俺はお前に負けた・・・本気でやって負けた・・・だからお前の言葉には従おうと思う」
「ハン・・・」
「敗者は勝者に従うもんだ・・・お前、葉っつったか、その戦いが起こる時、俺も呼べ。一緒には分からんが戦ってやる」
「・・・おお、ありがとうな」
「フン・・・」
ハンが戦うのを承諾してくれたタイミングで穆王を陰と陽に分かる作業が終わり陰の穆王が此方に来た。
『麻倉葉君、私は五尾の穆王。これから宜しくお願いしますね』
「ああ、此方こそ宜しくな」
「葉、これで尾獣が5人だな」
「後は四尾に会えば今回の旅はひと段落ですね」
「ん?お前ら、老紫のクソジジイにも会うのか?」
「ああ、四尾の孫悟空にも会うつもりだよ」
「・・・まぁ、精々気をつけるんだな。あのクソジジイは三代目土影より頑固で融通も聞かんからな」
「ああ、アドバイスありがとうな・・・それじゃあ、ハゴロモ様。俺達はそろそろ行きますね」
「うむ。では葉、次は孫悟空の時だな」
『今度はあの猿か・・・』
『あいつもまた頑固だからなぁ、面倒な事にならなきゃいいがな』
『そうか?いい奴だと思うんだがなー』
『また賑やかになりますね』
『そうですね』
ハゴロモ様、九喇嘛、牛鬼、重明、又旅、穆王が孫悟空の話の話してるが、なんか偏屈って感じが・・・原作では中々渋めな感じでカッコ良かったんだけどなぁ。話が終わって4人は異空間から元の場所に戻ってきた。
「では、俺は行くぞ」
「ああ、またな」
「・・・お前、面白い奴だで」
ハンはそのままどこかへ行ってしまった。
「葉さん、あのまま行かせてしまって良かったんですか?」
「まぁ、どう生活するかは本人次第だからな。だけど俺のまたなに否定しなかったろ?いざって時は来てくれるさ」
「そうか・・・では行くか、葉」
「ええ、改めて出発しようか」
俺達は岩隠れの里を目指して出発した。
次回は岩隠れ編ですねなんとか今月中に書けるように頑張っていきます