前回、オオノキさんの治療が完了し、そこから俺達の事を話す為に大きめの会議室を借り、俺達3人とオオノキさん達と岩隠れの護衛の黄ツチ、赤ツチ孫の黒ツチが対して座っている感じだ。ここからオオノキさん達岩隠れとの話し合いが始まる。
「さて、聞かせてもらえるかの、葉殿。お主のこと、そして・・・」
オオノキさんが俺に向けていた眼を、両脇に控える2人に向けてくる。やっぱり分かってて言ってこなかったか・・・
「其方の明らかに雲隠れを思わせる名前のサムイ殿、そして砂隠れの英雄にして灼遁使いとして名を轟かせたパクラ殿、なぜ異なる里の者達が一緒に旅をしているのかをな」
オオノキさんの眼が嘘は許さんって言ってるな。
「2人の事を話すなら、まず俺の事を話した方が良いですね。話の根底は俺の事が深く関わっていますから」
「・・・そうか、ならば葉殿の話から頼む」
「はい。・・・ですがその前に、お願いがあります」
「なんじゃな?」
「俺の話をするに当たって、どうしても紹介したい人達がいるのです」
「・・・その者達は何処に?」
「俺の持つ瞳術、輪廻写輪眼の異空間にいらっしゃいます」
そう言って俺は、輪廻写輪眼を発動させる。俺が瞳術を発動させたことにより、護衛陣が殺伐とした雰囲気になって来た。
「静まれぃ!!!」
それをオオノキさんが一喝で収める。
「・・・葉殿、その者達をここへ呼ぶことは出来んのかの」
「申し訳ありません、御二方共それぞれの理由で簡単に姿を表せない方達なのです」
「葉殿、それは・・・」
黄ツチさんが俺の発言に思うことがあったのか、発言しようとするがまたしてもオオノキさんが遮ってくる。
「・・・あいわかった!わしらをその異空間に連れて行ってくれ!」
「つ、土影様!」
オオノキさんが即答したのを、黄ツチさんを始め護衛の人達がビックリした様子で見つめる。
「自身の話をするのにその2人というのが必要なら聞いた方が良かろう?」
「それはそうですが・・・」
「それにな・・・」
そう言ってオオノキさんは俺の方をとても優しい眼で見てくる。
「わしは信じて良いと思った。こんなおいぼれを何の見返りを求めずに助け、立場を分かった後も何の要求もしてこない。そんな今時珍しく、とても気持ちの良い若者を信じてみたくなったんじゃぜ」
「土影様・・・」
「オオノキさん・・・」
オオノキさんがかっこいい漢の笑顔をしている・・・こんなに信じてくれるなんてな。
「・・・わかりました、我々も葉殿の人となりは、この一週間見てきました。葉殿なら信じてよろしいかと!」
「うむ!それでは葉殿、早速頼む」
「分かりました・・・天之御中」
俺が瞳術を発動させ、この場にいる全員に異空間に跳ばした。
「来たな、葉。待っておったぞ」
『『『おぉ〜〜〜来たかぁ〜』』』
『『あぁ〜〜〜待ってましたよぉ〜〜〜』』
「なっ、なっ、なんじゃこりゃ〜〜〜〜〜!!!!!」
オオノキさんが自分の眼前にある光景を見て絶叫している。護衛の皆や黒ツチや赤ツチも空いた口が塞がらないと言った感じだ。ハゴロモ様は浴衣では無く法衣と言うかそう言う服を着ているが、尾獣達は九喇嘛、牛鬼、重明の男組は温泉に浸かりに浸かってるし、穆王と又旅はマッサージ台に寝そべって俺の力によって具現化した人型にマッサージされていて、前脚後脚がぷらーんと投げ出されて力が全く入ってないのがよくわかる。・・・何やってんだ皆。
「な、何じゃこの光景は・・・木の葉の九尾、「聞かん坊」のとこの八尾、二尾、滝隠れの七尾・・・それにうちの五尾まで・・・び、尾獣が温泉やマッサージを受けているじゃと?暴走もしとらんし・・・もう訳がわからん・・・」
オオノキさんはもう頭の中がパニックみたいだ。他の護衛達も誰も声を発せなくなっちゃってるよ。
『おお〜穆王、あれがオオノキか?』
『ええ〜、そうですよ〜。その豆みたいな老人がオオノキですよ〜』
「おい五尾!?誰が豆じゃ!!?」
『葉を通して見てたがほんっとうにちいさいな。俺らからしたら人間は小さいが、さらに小さいな』
『そんで?葉〜、今からハゴロモの爺さんと豆影達に説明会だっけ?』
「おい貴様っ!!?誰が豆影じゃ!!!」
「「「「「「「「ぶふっ!!!」」」」」」」」
「「あ〜〜〜はっはっはっはっ、ま、豆!豆影って!!あ〜〜〜はっはっはっはっ!!!」」
「お前ら、笑うな!お前は笑いすぎじゃ!黒ツチ、デイダラ!!!」
九喇嘛や穆王、牛鬼がオオノキさんを豆と呼び、重明は更に変えて豆影と呼び出した。オオノキさんが怒鳴り散らしてる。ああ、せっかく腰が治ったのに今度は血圧が・・・
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・それで葉殿、何故ここに五尾がおるんじゃ。お主はハンを殺したのか?」
「いえ?ハンなら今も里の近くで元気にしてますよ?」
「それも含めてワシらの事を話していこう」
「其方は?其方が葉殿の言っていたこの空間でしか会えない者じゃな?」
「うむ、ワシは大筒木ハゴロモ。安寧秩序を成す者、お主達には忍の祖、六道仙人と言えば良いかな」
「・・・・・はっ?」
「「「「「「「「「はあぁぁぁぁぁっ!!!」」」」」」」」」
『この反応は滝隠れ以来か・・・』
『やっぱおもしれぇ反応だなぁ』
九喇嘛、牛鬼が岩の反応を見て面白がっている。他の尾獣達も微笑ましいものを見るような眼で見ている。
俺とハゴロモ様の話を始めた。俺が元々居た世界で死に、レイン様に見つけてもらったこと、多くの世界を旅することを決めた事、そこで物語の能力を貰いその能力の持ち主達から直接修行をつけてもらったこと、千年分の修行を終えこの世界に送ってもらいその日に木の葉隠れの里に着き、そして九尾事件に巻き込まれた事、そして湯の国、雷の国・雲隠れの里、滝隠れの里に旅行に行き、そこで二尾・又旅、八尾・牛鬼、七尾・重明と会った事、そして最近里の付近でハンと戦い、打ち勝って話を聞いてもらい五尾・穆王に来てもらった事俺の話が終わった所でレイン様に挨拶してもらった。いつものように、いきなり声が聞こえてくるから皆、今日何度目かのびっくりしてた。
そして次にハゴロモ様の話に移る。チャクラの始まり、母カグヤの蛮行、それを弟と共に止めたこと、尾獣の成り立ち、後の二人の息子の対立、そして現代に脅威が来た時のために、葉に尾獣の陰のチャクラを集めてもらっている事などを話した。
俺とハゴロモ様の話が終わり、オオノキさんたちが大きく息を吐き出した。
「・・・いやはや、どんな話が出ても良いように覚悟はしとったが、まさかそんなスケールの大きい話が出てくるとは思わなかったわい・・・」
「本当ですな・・・まさか、チャクラの始まりの話などを聞くとは思いませんでしたよ」
黄ツチさんの言う通りだよな、俺もこの世界に来た時から予想はしたが、原作の根幹に関わる重要人物に世界の危機を何とかしてくれと言われるとは思わなかったからな。
「・・・それで、世界の安寧の為に葉殿に尾獣達のチャクラを集めてもらっていると言う事でしたが、あの「聞かん坊」も承諾してあるんですかな?」
「はい、それどころか木の葉との同盟にも前向きに考えて下さいました。戦争の遺恨は確かにありましたが、それではダメだと、自分達も新しい道を子供達に示して行かなければと言ってましたよ」
「そうか・・・あの雷影がそんな事を・・・そうか・・・」
「土影様・・・」
オオノキさんが考え込んでいる姿勢になる。しょうがないよな、何度も小競り合いが起こり、3度の忍界大戦にまで発展したんだ。そんな負の歴史を経験しているからこそたった1人の小僧の言葉1つで掌返しなんで無理な話だ。
「雷影の考えは分かった、それでサムイ殿達はそれぞれの里の連絡係かのう?」
オオノキさんがその流れでパクラさんとサムイの話に持って行った。
「はい、それもあるのですが・・・」
そこでサムイさんが新たに説明に入る。葉がこの世界以外にも旅をする事、その時にレイン様が葉一緒に行きたい者を連れて行っていいと言っていた事、その人達を嫁にすると宣言した事、その話を聞いたミナトさんとエーさんがそれぞれの里から事情を知った上で葉と共に行きたい者を選出した事、現在のメンバーが三忍の綱手、その従者のシズネ、木の葉のみたらしアンコ、そしてここにいるパクラとサムイだと言う事を話した。オオノキさんは嫁の中に綱手さんがいることが信じられないようでとても驚いていた。小さい声で「・・・あの蛞蝓姫がのう、長生きもするもんじゃのう・・・」と言っていた。
「・・・なるほどのう。と言う事は木の葉は砂隠れとも更なる交流を行っておるのか?先程の話には出てこんかったが」
「いえ・・・砂とは交流は無いんです」
「ん?何故じゃ?」
「その話はかなり複雑な訳がありまして・・・」
「葉、ここからは私から説明させてくれ」
「パクラさん、大丈夫?」
「大丈夫だ、お前の妻はそんなヤワでは無いぞ?」
そう言われて俺は、素直に折れて場所を譲りパクラさんはこれまでの経緯を話し始めた。砂と霧の和平の為に一人送り出されたこと、合流地点である山岳地帯で霧からの襲撃を受けたこと、その時、霧との抗争を止める為の生贄になったと気付いた事、死んで黒い衝動に飲み込まれそうになっている時に葉が現れ、止められて木の葉の葉達の家に来たこと、そこで生き返らせてもらった事などを語った。語り終わって、オオノキさんらを見たら怒りが前面に出ている顔を全員がしている。
「風影の小僧がっ!自里の忍を何だと思っておるっ!?」
「本当だに!!」
「全くだ!」
オオノキさんを始め、岩隠れの皆から怒りが滲み出ていた。
「皆、怒ってくれるのは嬉しいが、私は結果的に良かったんだ。あの事件があったから葉と出会えたしな。もし何も起こらなかったら、未だに里に良いように利用され続けていただろうからな」
「うむ、まぁ本人がそういうなら、わしらは何も言えんが・・・まぁ!砂は優秀な忍を自ら捨てたアホだったって事じゃな!」
オオノキさんの空気を変える笑い声で場の空気が緩やかになってきた。
「さて葉殿、事情は分かった。後は四尾の人柱力の老紫と会うと言う事で良いかな?」
「はい」
「彼奴の修行場を幾つか知っておるから案内するわい」
「「「何から何までありがとうございます」」」
「なんのなんの!わしの腰の礼をまだしとらんからな!・・・なぁ、葉殿」
ん?
「礼は後でするとして・・・葉殿、一丁わしと試合してみんか?」
「「「「「「「「「え?」」」」」」」」」
えっ?試合?
「それはまた・・・どうしてです?」
「いやなに、六道の力やシャーマンの力がどれほどのものか確かめたくなったのがまず1つ、もう1つの理由は・・・」
「もう1つは?」
俺が言葉を返すと、オオノキさんが好戦的な笑い顔でこちらを見ていた。
「わしの血が騒いで仕方ないんじゃ!この歳で新たな経験が出来るとは嬉しいもんじゃぜ!」
好戦的な笑顔から子供みたいにワクワクしているような笑顔になった・・・一気に若返ったみたいだ。
「で?受けてくれるかの?葉殿」
「ええ、勿論です。俺達の力、見てください」
そうして俺とオオノキさん達との試合が決まり、それぞれ準備に入る。オオノキさんは1対1をしたがったが、尾獣達も共に戦うという事で、岩隠れの人達が一団となって戦うことになった。俺も戦闘服に着替えて準備万端だ!
「では葉殿、始めるか」
「ええ、やりましょう」
「それでは私が合図を出そう」
パクラさんが合図を待ってお互いが向かい合う、お互いの準備が完了したのを見計らってパクラさんが合図を出す。
「それでは・・・始めっ!」
パクラさんの合図と共にオオノキさんが空を飛びながら突貫してきた。俺も状態1のチャクラを纏い迎え撃つ!
「先ずは小手調じゃぜ!」
「こっちも行きますよ!(行くぜ!穆王!)」『ええ!一気に沸点まで行きますよっ!!』
「土遁・拳岩の術!」
「沸遁・怪力無双!」
2人の拳がぶつかり鍔迫り合いになったが、尾獣の力と六道仙術の馬力には敵わずオオノキさんは突貫した以上のスピードで吹っ飛んでいった。
「おおおオラァー!!!」
「ぐっ(流石は五尾、いや穆王の沸遁。術を重ね掛けしていないわしの拳では力不足か!)」
吹っ飛んでいったオオノキさんの代わりに赤ツチさん達10人が前に出て来て術を放つ。
「「「「「「「「「「土遁・剛隷武の術!!!」」」」」」」」」」
10体のゴーレムが俺に襲いかかって来た!なら此方も総力戦だ!今までは裏方仕事をやってもらっていたからな、ここで出す!俺はアイテムボックスから9個の弾丸を取り出し、あの持霊達をオーバーソウルする。赤ツチさん達が何かしようとしてるのに気付いたようだがもう遅い!
「アークエンジェルズFIRE!!!」
弾丸の1つを指で弾き打ち出すと他の弾も同時に飛んでいき、光り輝き出す。光が収まると神々しき存在、天使がゴーレムの攻撃を受け止めていた。
「神に似たもの」と言われる存在で、審判を思わせる天秤が描かれた盾と剣を持つ大天使、ミカエル。
「天使たちのリーダー」と言われる存在で、メイスタイプのモーニングスターを持ち、パワータイプを連想させる牽引フックが模された足が特徴的な大天使、メタトロン。
復活を待つ魂の管理を司る武器を持たず、機械的な手が特徴的な大天使、レミエル。
全体的に柔らかいフォルムで手に持った鞭とハート型の盾が特徴的な「神の言葉を人間に伝える者」の意味を持つ大天使、ガブリエル。
「癒しを行う輝ける者」の意味を持つ、籠手に短剣を付けた武器を持つ大天使、ラファエル。
「神の命令」の意味を持ち細身で、全体的に眼を象徴するデザインがあしらわれている大天使、サリエル。
ガッシリとした体つきが特徴的で、棘付きの鉄球が鎖で繋がれたモーニングスターのような武器を持っている「神の炎」を意味する大天使、ウリエル。
ルシファーズハンマーという鎚を持つ天使の中で唯一黒いカラーリングを持つ堕天使、ルシフェル。
天使の中で最大のサイズを誇り、全身に銃火器を搭載した大天使、アザゼル。
岩の皆も俺が天使なんてものを出して来るとは思ってなかったようでかなり動揺している。ミカエル達が各々の武器や素手で戦っている中。黄ツチさんと数人で大掛かりな術の準備をしているのが見えた。
「行くぞ!合わせろ!!」
「「「「土遁・土陵団子!」」」」
「次はわしの番じゃぜ!土遁・超軽重岩の術!!」
黄ツチさん達が、原作で次郎坊が作っていたのより何倍も大きい土陵団子を作り、オオノキさんがそれを超軽重岩の術で軽くした。そこからの展開は予想できるので俺はエルザさんのペンダント取り出して、エルザさんを呼び出す。
「オオノキ様!頼みます!ぬおおおりゃーーーー!!!!」
「おうよ、土遁・超加重岩の術!!!」
黄ツチさんが投げた巨大大岩をオオノキさんが超加重岩の術で重くする。とんでもない速度で落ちてくる大岩に俺は冷静に対処する。
「行こう!エルザさん」
『ええ!』
「O.S !(オーバー・ソウル)」
俺は落下してくる大岩の下でペンダントを持って構えていた。その姿はオオノキさん達からは角度的に見えていなかったが葉は何かしてくると思い、臨戦体制は解いてなかった。そして大岩がもう少しで地面に落ちそうという時、大岩の中心がいきなり割れ始め、次の瞬間には大岩は粉砕されていた。皆が驚く中更に驚くべき出来事が起こった。砕けた大岩の砂煙の中で何やら巨大な影が見えた。徐々に砂煙が晴れて行きその全貌が明らかになった。
右手には超巨大な注射器を装備し、左手にはクーパーやハサミといった医療器具が付いている。体制から注射器で大岩を破壊したのだろう。服装はナース服で背中には悪魔を思わせる大きくて恐ろしげな翼がある女性がそこにいた。
「なんじゃ、あれは・・・」
「これこそ我が持霊にして美の悪魔、メフィスト・Eである!」
ファウストさんリスペクトでメフィスト・Eを紹介する。俺はエルザさんの胸の上に乗っているのでかなり高い。
「ふっ、確かにシャーマンの力は尾獣と戦えるほど強いようじゃぜ。彼方の天使達も本当は悪魔の女と同じくらいにまでなるんじゃろう?」
「ええ、今回はゴーレムの大きさに合わせましたよ」
「ふん、言ってくれるな!やるぜ、黄ツチ!」
「はい!」
「「土遁・山土の術!!!」」
オオノキさんと黄ツチさんが両手をついて術を発動する。エリザさんの左右から岩の壁が大小迫ってくる。小さい方をエリザさんに受け止めてもらい、大きい方を別の方法で対処する。
「影分身の術!」
俺は影分身を2体出し、それぞれの壁に向かってもらう。
「行くぜ!九喇嘛!牛鬼!」
『『おう!』』
2人の影分身が尾獣化して掌にチャクラを乱回転させ、球体を形成する。それに更にチャクラを送り巨大にしていく。
『『大玉螺旋丸!!!』』
巨大な螺旋丸が石の壁を打ち砕く!山土の術破壊による砂埃が晴れると俺は自然体でエリザさんの胸の上で立っている。対照的にオオノキさんと黄ツチさん以外の人は大の字でぶっ倒れていた。ミカエル達の方も終わったようで赤ツチさん達も皆グロッキー状態のようだ。
「まさかわしらがここまで一方的にやられるとはな、尾獣達の力、それに葉殿のシャーマンとしての力恐れ入ったわい」
「ありがとうございます。オオノキさんにそう言ってもらえて光栄です」
「わしも腰を気にしないで大暴れしたのは久しぶりじゃぜ!・・・さてそろそろ幕引きとしたいんじゃが、葉殿。最後にわしの全力、受けてくれんか?」
「えっ!?オオノキ様!まさか塵遁を!?」
オオノキさんの全力と聞いて皆慌て出す。無理もない、火・土・風の3つの性質変化を組み合わせて生み出す血継限界の上、血継淘汰。この世界で2人しか習得できなかった絶技だからな。・・・でもだからこそ。
「勿論受けて立ちますよ」
俺は宣言しながら、阿弥陀丸を傍に呼び出し、春雨とフツノミタマノツルギを取り出す。
「お主ならそう言ってくれると思っていた!」
オオノキさんは嬉しそうに術の準備に入る。それを黄ツチさんは慌てて止めようとする。
「葉殿!確かにお主は俺達の想像以上に強かった!だが塵遁だけは受けてはダメだ!あの術は当たった対象を文字通り塵と化す!圧倒的な理不尽なんだ!」
「黄ツチさん」
俺は黄ツチさんを見ながらはっきりと宣言する。
「大丈夫です」
「葉殿・・・」
俺の言葉に黄ツチさんは折れたようでその場で見届ける姿勢になっていた。その間にオオノキさんも準備ができたみたいで、両手の中に白い立方体の物体が出来ていた。
「覚悟はいいか、葉殿?」
「勿論ですよ。行くぞ、阿弥陀丸」
『参りましょう、葉殿!』
お互いが構え対峙する。そして合図も無く同時に動く!
「塵遁・原界剥離の術!!!!!」
「O.S!(オーバー・ソウル)スピリット・オブ・ソード白鵠!!!」
O.Sを完了したと同時に立方体が巨大化し此方に迫ってくる!そして俺はそれを真正面から刀で受ける。
「阿弥陀流・無無明亦無!!!!!!(むむみょうやくむ)」
白鵠を左腕に集め一気に突き出し、術を突き破りオオノキさんの真横を通り過ぎる。その光景に両陣営がびっくり仰天している中、塵遁を真正面から破られたオオノキさんは、
「・・・・・は〜〜〜はっはっはっ参った参った!わしの完敗じゃぜ!!」
大笑いしていた、それも途轍もなく楽しそうに。かく言う俺も笑っている。オオノキさんの大笑いに皆気が抜けた顔をしている。そうして試合は葉の勝利に終わった。
次回こそは老紫の話に行きます。