霊と踊る仙人が異世界を謳歌する   作:蔵元優輔

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第三十八話

前回、修行の傍ら、イナリ君やこの町に起こった事を聞き、より一層修行に励んだナルト達、そして俺達が波の国に来てからそろそろ1週間が経過しようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

「後超もう少しで橋も完成じゃ、アンタらのお陰じゃよ」

 

「だからってあんまり無理しないでね?」

 

「・・・前々から超聞いておきたかったんじゃが、ワシが任務の内容を偽ったのにどうしてここにいてくれるんじゃ?」

 

「・・・『義を見てせざるは勇なきなり 勇将の下に弱卒なし』」

 

カカシの発した言葉にタズナさんとツナミさんは疑問符を浮かべている。

 

「「?」」

 

「現在の火影、波風ミナト先生の教えです。これが忍の生き方・・・お金だけで忍は動くわけじゃありません」

 

「ん?」

 

「何で・・・」

 

「何だってばよ?」

 

「っ何でそんなになるまで必死にがんばるんだよ!修行なんかしたってガトーの手下には敵いっこ無いんだよ!幾ら格好いい事言って努力したって本当に強い奴の前じゃ弱い奴はやられちゃうんだっ!!!」

 

「うっせーな、お前とは違うんだってばよ」

 

「黙れよっ!!お前を見てるとムカつくんだよ!この国の事何にも知らないくせに出しゃばりやがって!辛いことなんか何にも知らないでいつもヘラヘラやってるお前とは違うんだよっ!!!」

 

「・・・だから悲劇の主人公気取ってビービー泣いてりゃいいってか?」

 

「うっ・・・」

 

「お前みたいな馬鹿はずっと泣いてろ、泣き虫ヤローがっ!」

 

「っ!」

 

「ナルトっ!ちょっとアンタ言い過ぎよっ!」

 

「フン・・・」

 

 

 

 

 

家の前の端場に座り網を見つめ続けるイナリ、そんなイナリにカカシは声をかける。

 

「ちょっと、良いかな?」

 

カカシはイナリの隣に座り、話し始めた。

 

「ナルトも悪気があって言ったんじゃ無いんだ。あいつは不器用だからな・・・お父さんの話はタズナさんから聞いたよ。確かにナルトには両親がいる。君のように身内の死を経験はしていないな」

 

「やっぱりそうじゃないか、」

 

「・・・だけどね、あいつは父親が死んだ事を聞いているんだ」

 

「え?死んだって、だって家族は死んで無いって」

 

「ああ、俺達と一緒にいる葉って人いるでしょ?あの人は俺や俺の同期の先生でね、死んだ人を生き返らせることが出来るんだよ」

 

「えっ!?じゃあ父ちゃんを生き返らせることが出来るのっ!?」

 

「いや、先生の話だと、人の魂は長い間地上に留まっていられないんだそうだ。俺達忍びの様な特殊な力を持つ者なら少し長くは留まっているそうだが、それでも年単位で留まっているのは、地縛霊の様な邪念の塊になった者だけだそうだ」

 

「っ!・・・」

 

「期待させて済まないね。でもね、俺が言いたいのは、ナルトは両親が蘇ったとはいえ、死んだ事を聞き、それからより一層お2人を大切にする様になった。暇な時は自分より小さい子と遊んでやり、忍者になってからは任務の合間に父親や葉さんに修行を付けてもらってる。いつまた大きな戦いがあっても、父親や葉さんと共に肩を並べて戦える様にね」

 

「・・・あいつにとって、戦う為に修行するってそこまでのことなの?」

 

「ああ、俺もそうだが木の葉で、あの人は英雄であると同時に多くの人を救ってくれた恩人なんだ。返し切れない恩があってね、皆、何かとあの人の役に立ちたかったり、褒めて欲しかったりなんだよね。あの人は目標が遥か高くにあるからねどこまで強くなれば良いのか分かんないけどね」

 

「・・・それでもやり続けるの?」

 

「そ、どんなに遥か高い所にいてもね。俺達はあの人と一緒に肩を並べて戦いたいんだよね・・・って、途中から俺の話になっちゃったね、ごめん」

 

自分に謝ってくるカカシを見るイナリは、カカシが笑っているのが分かった。

 

「でも、ナルトも俺と同じ様に思ってると思うよ?勿論サスケやサクラもね」

 

「・・・・・」

 

 

 

 

そして翌朝。

 

「じゃ、ナルトをお願いします。この中で1番疲れが残ってると思いますんで、まだ寝たままにしてやってください」

 

「はいよ」

 

「超いってくる」

 

俺達が橋に出発して30分程してナルトが重たい瞼を開けた。

 

「ん?・・・寝過ごしたっ!」

 

「あのさあのさ、皆は?」

 

「あ〜ナルト君、今日はゆっくり休めって先生が」

 

「ああ〜、やっぱ俺を置いて行きやがった!行って来ますっ!」

 

「葉の兄ちゃんも、皆も起こしてくれりゃあ良いのにっ、ん?」

 

 

 

 

 

 

「なっなんだ、こりゃ!!!」

 

橋に着くと、先に来て作業をしていた人達が倒れていた。

 

「一体、何があったんじゃ!」

 

「(まさかな・・・っ!この霧!)サスケ!サクラ!来るぞ!」

 

「(やっぱり生きてやがったな・・・早速お出ましか!)」

 

「ねぇカカシ先生、葉さん!これってあいつの霧隠れの術よね?」

 

「待たせたな、カカシ。相変わらず、そのガキを連れているのか?また震えてるじゃないか?可哀想になあ・・・」

 

サスケの前の水分身がサスケの震えを指摘する。それに対してサスケは、笑っている。

 

「フン」

 

「ん?」

 

「武者震い、だよ」

 

サスケは笑って言ってのけた。その様子を安心した笑顔でカカシがGOサインを出した。

 

「やれ、サスケ」

 

サスケは様になってきた瞬神の術で俺達を囲んでいた7体の水分身を瞬殺した。

 

「(見えるっ!)」

 

「ほう、水分身を見切ったか。あのガキ、結構成長したな。ライバル出現ってとこだな、白」

 

「そう見たいですね」

 

「ん?・・・テメェ、その背中のもんは何だ?」

 

あの眉なし、首斬り包丁に気付いたな、何か雰囲気が怒ってらっしゃる・・・だが俺はボケて返してやる!俺はそのまま真後ろをキョロキョロ見てやった。

 

「?」

 

「テメェだテメェ!甚八の野郎を殺ったテメェだよっ!何でテメェが首斬り包丁を持ってやがる!!!」

 

「ああ、これか。この前の戦闘の時に俺の蛇の技がお前の首斬り包丁を折っただろ?その時の刀身を持って帰ってな、修復したんだよ」

 

「チッ、盗人みてぇな事しやがる」

 

「そっちは悪の秘密結社の下っ端みてぇな事してんじゃねぇか」

 

「んだとコラっ!」

 

「再不斬さん、落ち着いて下さい」

 

「チッ・・・」

 

「それで?そっちは随分と落ち着いてるな」

 

「お前が何を持とうが関係ないなぁ、俺はお前らの葬式を挙げたいだけだ」

 

「あ〜らあら、それにしても俺の予想的中しちゃいましたね」

 

「予想?」

 

「あの、お面ちゃん」

 

「やっぱりか」

 

「霧隠れの追い忍っちゅーのは、超真っ赤な嘘だったんじゃな」

 

「どう見たって再不斬の仲間だねぇ、一緒に並んじゃって。やだね、ああいうすかしたガキは」

 

「そうだな。なぁ先生、葉兄さん。あいつは俺にやらせてくれ」

 

「勿論良いさ、先生には、またあいつをお願いしますよ」

 

「ああ、任された」

 

そう言って俺も首斬り包丁を抜き、構える。そしてそんな俺達を見る再不斬一派は、

 

「大した少年ですね、幾ら水分身がオリジナルの10分の1程度の力しか無いにしても、あそこまでやるとは」

 

「だが、先手は打った。行けっ!」

 

「はいっ!」

 

「テメェも行ったらどうだ?」

 

「言われるまでもねえっ!」

 

白はスケートの様にスピンをしながら滑り、サスケの前までやってくる。その遠心力を利用した千本の刺突をサスケは苦無で止めてみせる。そして白と同時に飛び出した雷牙は、白よりさらに切り込み俺の近くまで来ていたっ!そして助走付きでジャンプし雷刀・牙を振り下ろして来たので首斬り包丁で迎え撃った。

 

「最初から全力で行くぜ、おいっ!!!」

 

そう言って雷牙が雷刀・牙に電気を纏わそうとしたのを察知した俺は重明のチャクラを纏い、首斬り包丁に風のチャクラを纏わせ、雷が此方に来るのを防いで見せた。

 

「っなにっ!」

 

「そう簡単に食らうわけねぇだろ?」

 

「ちぃっ!」

 

こうして俺達の剣戟は激しさを増していく。

 

 

 

 

 

そしてサスケの方は、

 

「ほう、あのスピードを見切るか」

 

「君を殺したくは無いのですが、引き下がっては貰えないのでしょうね」

 

「アホ言え。俺はお前を倒すと兄さん達に誓ってんだよ」

 

「やはり、しかし次、貴方は僕のスピードに着いて来れない。それに、僕は既に2つの先手を打っている」

 

「2つの先手だと?」

 

「1つ目は、辺りに撒かれた水・・・そして2つ目に僕は君の片手を塞いだ・・・従って君は僕の攻撃を唯防ぐだけ」

 

そう言った白は、サスケと鍔迫り合いをしていない左手だけで印を結び始めた!やっぱスゲェ技術だな、これがナルトとサスケの最終決戦の時の相手の手を使って印を結ぶ技術に繋がってんのかな?

 

「(何っ!?こいつ、片手で)」

 

「(片手の印、だとっ!あんなの見た事が・・・)」

 

サスケだけじゃなくカカシも驚く中、印が終わり術が完成する。

 

「秘術・千殺水晶」

 

「(殺したく無い・・・か、本音かな?フン)」

 

白が水の撒かれた地面を強く踏みつけると、その勢いで水が宙に浮き上がり、その水が千本の形に変わっていく。

 

「サスケ君っ!」

 

「(思い出せ・・・此処は橋の上、地面がある。なら・・・不安定な水の上よりやりやすいっ!!!)」

 

サクラが叫んだ瞬間、千殺水の千本が発射され地面に着弾する。白は着弾する瞬間に離れている、そして着弾時に起こった煙を見ている。煙が晴れるとそこには・・・サスケの姿は無かった。

 

「消えた・・・っ!」

 

白がサスケが消えた事を認識した瞬間、白の背後にサスケが現れる。

 

「案外トロいんだな・・・お前はもう、俺の攻撃を防ぐだけだ」

 

そして2人はまた鍔迫り合いになり、その瞬間サスケは左手でスナップをきかせて苦無を投げる。それを屈む事で回避した白だが、屈んだ所にサスケの蹴りを食らってしまう。蹴り飛ばされた白は再不斬の足元まで戻されてしまった。

 

「ぐっ!」

 

この結果に流石の再不斬も仰天している様だ。

 

「(白がスピード負けするとは・・・)」

 

「どうやらスピードは、俺の方が上みたいだな」

 

「ガキだガキだとうちのチームを舐めてもらっちゃ困るねぇ。こう見えても、サスケは木の葉の里のNo.1ルーキー、サクラは里1番のキレ物」

 

「えへへ(えっへん!しゃ〜んなろ〜!)」

 

「そしてもう1人は目立ちたがりで意外性No.1のドタバタ忍者、ナルト。」

 

サスケが一撃入れ、此方がやや優勢になった様に見えるが再不斬は至って冷静だった。

 

「ふっふっふっふっふっ、分かるな?白、このままじゃ返り討ちだぞ?」

 

「ええ・・・」

 

立ち上がった白はチャクラの性質が変わったのが分かった。それはサスケ達も認識出来るほど明らかな変化だった。

 

「何だ?」

 

「残念です・・・」

 

「これは・・・冷気?まさかこいつ、葉兄さんが言っていた」

 

白が印を結ぶと、サスケの周りの水がどんどん凍っていき、鏡の形になっていった。

 

「秘術・魔鏡氷晶」

 

「(何だ、あの術は!先生のコロロやスピリット・オブ・レインの様に、氷か?)」

 

これまで多くの戦いを経験したカカシも、今まで見た事の無い術に困惑している様だ。まぁ、そうだよな。氷遁って白以外だと原作では最終決戦の時のカグヤしか使ってないし、それ以外だったら劇場版の 大活劇!雪姫忍法帖だってばよ!!に出てくるドトウの部下の雪忍しかいないからな。はっきり言って雪一族絶滅危惧種過ぎるんだよな。

 

「これは、鏡!一体、何を」

 

「くそぉっ!」

 

あの術は危険だと判断したカカシはサスケを助けに行こうとする。だがその前に再不斬が立ちはだかる。

 

「お前の相手は、俺だろ?あの術が出た以上、あいつはもう駄目だ」

 

「「「「「じゃあ、そろそろ行きますよ?僕の本当のスピードを・・・お見せしましょうっ!」」」」」

 

白が話し終わると四方八方から千本が飛んでくる。

 

「ぐっ!あっ!!」

 

「サスケっ!」

 

余りのスピードにサスケは手も足も出ず、手に持っていた苦無を手放し、その場に蹲ってしまった。

 

「ぐっ!あっ!がっ!ああっ!があっ!ああああああああっ!」

 

「サスケ君っ!・・・タズナさん、少し離れるね」

 

「ああ、行ってこい!」

 

サクラはサスケの苦無を持ち、走り出す。

 

「サスケ君っ!」

 

サクラがサスケに渡すべく、苦無を投げるが鏡から半身を出した白によって止められてしまった。

 

「無駄ですよ」

 

「キャッチされたっ!」

 

サクラが絶望の表情になろうとしていたら、別角度から手裏剣が白に目掛けて飛んでくる。

 

「ん?がっ!!」

 

手裏剣が命中した白は、全身が鏡から出て倒れてしまう。そして間髪入れずに白達から離れた場所では煙が立ち上がる。

 

「あの馬鹿・・・目立ちたがりが・・・」

 

サスケは嫌味を言いながら口は笑っており、俺は雷牙と鍔迫り合いをしながらも笑ってしまうな。

 

「ナイスタイミングだな」

 

「意外性No.1の・・・ドタバタ忍者」

 

煙の中から我等が主人公がド派手に登場した。

 

「うずまきナルト!只今見参っ!!!」

 




次回も再不斬一派との戦闘です。
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