霊と踊る仙人が異世界を謳歌する   作:蔵元優輔

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引き続き戦闘回です。


第三十九話

前回、作業を行うタズナさんの護衛で橋に向かった俺達は、2度目の再不斬一派からの強襲を受ける。俺は早速雷牙を相手取り、カカシは再不斬と対峙する。そしてサスケは仮面の少年・白と対峙する。最初の方はサスケが有利に戦闘が進んでいたが、仮面の少年・白が繰り出した血継限界である氷遁の忍術、秘術・魔鏡氷晶によって形勢が逆転してしまった。サスケが倒れ伏す中、白に手裏剣が命中し我等が意外性No.1のドタバタ忍者・うずまきナルトがド派手に登場した。これより戦いは、更に加速していく。

 

 

 

 

 

 

「へっ!俺が来たからには、もう大丈夫だってばよ!」

 

「おおっ!」

 

「ナルトっ!!」

 

「物語の主人公ってのは、大体こーゆうパターンで出て来てあっちゅう間に!敵をやっつけるのだっ!」

 

「(ふっ、あのガキか)」

 

「(話が長い・・・)」

 

「(ったく、あの馬鹿っ!あんな目立つ登場しやがって!敵の意表を付かなきゃ意味無ぇだろうがっ!)」

 

「(あの子・・・)」

 

ナルトの登場にサクラとタズナさんは喜び、再不斬は以前の戦闘を思い、サスケとカカシはド派手な登場に呆れ、俺はと言えば、微笑んでいた。俺がいた事でナルトの運命は大きく変わった。でも、何が変わろうとナルトはナルトだった。それが分かって心から嬉しくなってしまった。目の前に俺を殺そうとしている男がいるけどな。

 

「よぉ〜し、行くぜっ!影分身の術!」

 

ナルトが術を発動しようとすると再不斬が手裏剣をナルト目掛けて投げつける。

 

「しまった!避けろナルトっ!?」

 

その時、ナルト目掛けて飛んできた再不斬が放った手裏剣を、何と白が千本で撃ち落とした

 

「何ぃ!」

 

これには再不斬も驚き、白の方を見る。

 

「助かったぁ〜」

 

「おおっ!敵の攻撃が同士討ちになるとは、超ラッキーじゃったな」

 

「おいっ!寝起きでテンションおかしくなってないか?真正面から術掛けに行く奴があるかっ!」

 

「うっ」

 

「忍びの本質は騙し、如何に相手を騙すかだ!術1つを掛けるにしても相手の眼を盗み、意表を突き、裏を描かなければならない。さっきの登場の仕方も、あれじゃあ唯的に成りに来ただけだ!それくらいお前なら分かってるはずだろ」

 

「ナルト!落ち着け!落ち着けば視野が戻る、視野が戻ったらサスケの援護だ。分かったな?今の内に影分身を補充しておけ」

 

「っ押忍!影分身の術っ!」

 

「(良し、先生の言葉でテンションが落ち着いて来たな。それよりも気になるのは・・・)」

 

カカシは先程の一連の流れを思い出しながら仮面の少年・白を見る。カカシからしたら意図が全くわからないからな、仕方ない。

 

「(あいつ・・・)」

 

「白、どう言うつもりだ?」

 

「再不斬さん、この子は僕が。この戦いは、僕の流儀でやらせて下さい」

 

「うん・・・手を出すなって事か、白・・・相変わらず甘い奴だ、お前は」

 

「すいません・・・」

 

「(甘いか・・・確かにな。この傷から見て、千本で攻撃されているのは確かだが、今の所急所らしい急所は狙われていない。生殺しのつもりか?)」

 

「(さて、あの仮面の少年はナルトとサスケに任せるとしますか。そして、俺の相手は・・・)」

 

「お〜っと、変な事考えるなよ?お前が動けば、あのジジイがどうなるか分かってるよなぁ?」

 

「・・・(確かに俺が此処を離れてナルトの方に向かえば、再不斬はタズナさんを殺す・・・サクラは確かに強くなったが、まだ再不斬の様な巨大な武器を持つ相手との肉弾戦はさせられないな・・・)」

 

「ここは1つ、若い連中同士がどんな戦いをするのか、見物してやろうじゃねぇか」

 

 

 

 

「その面、やっぱり再不斬の仲間だったんだな、」

 

「すいませんね。でも、君の先生も言ってたでしょ?騙したり、隙を狙うのは忍びの本分。悪く思わないで下さい」

 

「(お前にも、そんな余裕は無いぜっ!)」

 

サスケは白の側面を狙い苦無を投げるが、白は苦もなく躱してみせる。

 

「ちっ、やっぱり忘れちゃくれなかったか」

 

「君の事を忘れるわけないじゃないですか」

 

「(サスケを囲んでんのは・・・氷の鏡?もしかして葉の兄ちゃんが言ってた性質変化の上の血継限界ってやつか)」

 

ナルトも白の術を観察し、自分達より術の熟練度は上だと感じる。

 

「出来れば、大人しく倒れていてもらいたかったんですが、そうも行かないみたいですね・・・良いでしょう、先に決着付けましょう」

 

「っおい!」

 

「ナルト君、君とはまた後で」

 

「っ!鏡の中に入っていく!」

 

ナルトに声を掛けながら白は鏡の中に入っていく。それを見てサスケも臨戦体制に入り直す。

 

「(来たっ!・・・あそこが本体か、良しっ!)」

 

サスケは狙いを定め、その鏡に向かおうとしたが、白は既にサスケの後ろに回っていた。

 

「こっちだよ」

 

「っ!(移動したっ!?どうやって・・・)」

 

サスケがどうやって移動したのか思考を巡らせようとしたが、既に千本が飛んできていて、直撃してしまう。

 

「ぐあっ!?」

 

「サスケ君っ!」

 

「サスケっ!!くっそぉっ!」

 

ナルトは直接鏡を壊そうとするが、そんな事は白にはお見通しだった。

 

「そんなにお友達が心配なら君も中に入ったらどうですか?」

 

「なにっ!」

 

白は1枚の鏡を裏返し、そこから半身を出し鏡に戻る力と鏡を反転させる際の遠心力を利用してサスケの直ぐそばに投げ飛ばされてしまった。

 

「ぐあっ!!」

 

「ナルトっ!大丈夫か!」

 

「っててて、だ、大丈夫だってばよ」

 

「この術は、僕だけを写す鏡の反射を利用する移動術。僕のスピードから見れば、君達はまるで止まっているかの様」

 

「っ!やはりあの術、血継限界かっ!」

 

「ふっふっふっふっふっふ」

 

カカシは白の力の正体が血継限界だと気付き再不斬は不敵に笑って見せていた。

 

「血継、限界?それって前に葉さんから聞いたことがある。確か5つの性質変化に当てはまらない特殊な性質の術だって」

 

「そうだ。俺の写輪眼も含まれていてな、深い血の繋がり、超常個体の系譜、それのみによって子々孫々伝えられる類の術だ」

 

「っそれじゃ!」

 

「そう、この俺を持ってしてもあの術はコピー不可能、破る方法も皆無!」

 

「だから、何だったんだ!」

 

「ん?」

 

「こんな所でくたばってられっか!俺には、叶えなきゃなんねぇ夢があんのに、父ちゃんよりスゲェ火影になってやるって夢がよぉ!」

 

「(夢・・・)」

 

この時白は微動だにせずにいた。恐らく自身の過去なんかを思い出していたんだろう、

 

「僕にとって忍びに成り切るのは難しい。出来るなら君達を殺したくないし、君達に僕を殺させたくない・・・けれど、君達が向かってくるなら僕は刃で心を殺し、忍びに成り切る。この橋は其々の夢えと繋がる戦いの場所・・・僕は僕の夢の為に、君達は君達の夢の為に・・・恨まないで下さい。僕は大切な人を守りたい、その人の為に働き、その人の為に戦い、その人の夢を叶えたい!それが僕の夢、その為なら僕は忍びに成り切る!貴方達を、殺しますっ!」

 

そう言って白は、改めて2人を殺す為に千本を構えた。

 

 

 

 

 

 

 

「サスケ君!ナルト!負けないでっ!」

 

「やめろ!サクラ、けしかけるな」

 

「えっ?」

 

「万にひとつあの術を破る手立てがあったとしても、あいつらにあの少年は倒せない」

 

「えっ!?ど、どう言う事ですか?」

 

カカシの言った言葉の意味がわからずサクラは聞き返す。

 

「ふっふっふっふっふっ」

 

「あいつらにはまだ心を殺し、人を殺める精神力は無い」

 

「あっ・・・」

 

「あの少年は、忍びの本当の苦悩をよく知っている・・・ナルト達とは違う」

 

「その通り・・・お前ら見たいな平和ボケした里では、本当の忍びは育たない。忍びの戦いに置いて最も重要な殺しの経験を積む事が出来ないからな・・・」

 

「っ!じゃあ・・・じゃあ一体どうするんですか、先生っ!」

 

「(先生は、まだ雷牙と戦闘中・・・俺がナルトとサスケの方に向かえば、タズナさんが危ない・・・影分身をやってみても、こいつも直ぐに水分身で足止めに来る・・・余分なチャクラを使うだけだ・・・となると)悪いが・・・一瞬で終わらせてもらうぞ・・・」

 

「(先生、最初から写輪眼を)」

 

「ふっふっふっふ、写輪眼か・・・芸の無え奴だ」

 

そう言って再不斬は走り出し苦無で攻撃して来た。

 

「っ先生!」

 

その攻撃をカカシは右手の平を貫かせる事で防ぐ。

 

「芸が無いと凄んでみても、やはり写輪眼は怖いか・・・再不斬」

 

「ふっふっふっふ、忍びの奥義ってのは、そう何度も相手に見せるもんじゃ無えだろ」

 

「感謝しろ、2度もこの眼が拝めるのはお前が初めてだよ・・・そして、3度目は無いっ!」

 

そうして額当てを上げ写輪眼を発動する。

 

「ふっふっふっふ、仮に俺を倒せたとしても、お前は白には勝てねえよ」

 

「えっ!(カカシ先生が勝てないって、あのお面の子そんなに強いの?)」

 

「あいつがガキの頃から、俺は徹底的に戦闘術を叩き込んできた・・・俺の持てる技術の全てを・・・更に奴自身の技をも磨き上げた・・・その結果、あいつはどんな信じ難い苦境の中においても、常に成果を上げて来た!心も無く、命という概念すら捨てた、忍びという名の戦闘機械だ・・・その上、奴の術は俺すら凌ぐ!血継限界という名の恐ろしき機能・・・俺は高度な道具を獲得した訳だ・・・お前の連れてるスクラップとは違ってな!」

 

 

 

 

 

「サスケ、俺が何度か突っ込んだら糸口を掴めそうか?」

 

「ナルト、そんな事をしてお前は大丈夫なのか?」

 

「なぁに、修行の後は葉の兄ちゃんにいつも診てもらってんだ。もし本当に駄目なら葉の兄ちゃんが俺をそのまま流しておく訳ねぇ、回復したらいつでも大丈夫だと思ったから葉の兄ちゃんはそのまま寝かせておいてくれたんだ」

 

「・・・分かった。揺動兼囮役、頼むぞナルト」

 

「おっしゃー!影分身の術!」

 

「「「「「「「おら〜〜〜っ!!!」」」」」」」

 

影分身が全ての鏡に攻撃しようと飛び出したが、白が圧倒的なスピードを出し全ての分身を一撃を入れる。

 

「「「「「「「ぐっ!」」」」」」」

 

そして本体のナルトはまたもサスケの元まで戻ってしまった。

 

「ぐあっ!」

 

そしてその攻撃はサスケまで届き、サスケも倒れてしまう

 

「「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」」

 

「(今微かだが、奴の動きの痕跡が見えたっ!)ナルト、もう一度頼む」

 

「(サスケ、何か見つけたんだな!)ああっ!影分身の術!」

 

「「「「「「「おら〜〜〜っ!!!」」」」」」」

 

「無駄だと言うことがわからないのですか?」

 

「「「「「「「「ぐあああああっ!!!」」」」」」」」

 

「ぐあああああっ!」

 

「(良し、痕跡がより鮮明に見えて来た!それに・・・さっきから眼に違和感があったが、やはり)ナルト、次の攻撃で仕掛ける」

 

「サスケ・・・お前、その眼」

 

「やはり変わってるか・・・これが写輪眼、行くぜ、ナルト!」

 

「おうっ!」

 

 

 

「ふん、スクラップが幾ら集まろうと白には勝てねぇよ・・・あいつは、最高の道具だ!」

 

「他人の自慢話ほど、退屈な物は無いな・・・そろそろ、行かせてもらおうっ!」

 

「まぁ待て。話ついでに、もう1つ自慢話をしてやろう」

 

「ん?」

 

「この前の戦い・・・俺は唯馬鹿みたいにお前にやられてた訳じゃ無い・・・傍に潜む白に、戦いの一部始終を観察させていた訳だが白は頭もキレる・・・大抵の技なら1度見れば、その分析力によって対抗策を練り上げてしまう・・・」

 

「えっ・・・」

 

「俺はお前のセリフを猿真似したくてウズウズしてたんだぜ?言っておくが、俺に2度同じ術は通用しない、だったか?・・・忍法・霧隠れの術」

 

「んっ!」

 

「これは・・・」

 

「何じゃ、この超濃い霧は。視界ほぼゼロじゃ無いか」

 

「先生・・・」

 

「サクラ!タズナさんに着いてろ!」

 

「(っ、そうよね!此処は皆を信じて、私に出来ることをするっ!)了解!」

 

「ん?おおっ、サクラ!」

 

「タズナさん、絶対に私から離れちゃ駄目よ!」

 

「ああ、超分かっとる!」

 

 

 

 

 

「(分かっています、再不斬さん・・・そろそろ決着をつけます)」

 

「はぁ〜〜〜!影分身の術!」

 

「性懲りも無くっ!!」

 

「(今だっ!)火遁・豪火球の術!」

 

「(何?火遁の術!)くっ」

 

「時間が、かかり過ぎるっ!」

 

「(良いぞ、初めての写輪眼にも少しは慣れた。次は当てられるっ!)」

 

 

 

 

 

「(霧隠れったって、霧が濃過ぎる!これじゃあ再不斬自身、何も見えないはず)」

 

「よくぞ躱した・・・流石は写輪眼のカカシだ」

 

「(眼を、閉じてやがる!)」

 

「だが・・・次にお前が俺を見た時、それが全ての終わりだ・・・お前は写輪眼を過大評価し過ぎた」

 

「何っ!」

 

「お前は事象の全てを見通しているかの様にほざいているが・・・結果、その先読みは外れている・・・カカシ、お前には俺の心も未来も見えてはいない・・・写輪眼とは、そう思わせる為の頭端法・・・写輪眼を持つ者は、洞察眼と催眠眼、その両方の能力を併せ持つ・・・この2つの能力で次々連続して術を出し、自分にはあたかも未来が見えているかの様に振る舞っていただけだ・・・まず、その洞察眼で俺の動きを即座に真似る・・・これが¨姿写しの法‥・・・これでまず俺の動揺を誘い、俺の心の揺らぎを確信したお前は更に俺に成り切る事で心の声を決めつける・・・¨これが心写しの法‥・・・そして、俺の動揺がピークに達した時を見計らい、お前は巧妙な罠を仕掛ける・・・催眠眼で幻術を使い、俺に印の結びを先出しさせてそれを真似する・・・¨これが術写しの法‥・・・だったら話は簡単だ。まずこの濃霧で姿を消し、お前の洞察眼を封じる・・・」

 

「はっ!ぐあっ!!」

 

「(くそっ!ガードが遅れる!)」

 

「ふっふっふっふ、俺自らも眼を閉じ、接近戦においてお前が催眠眼を使う可能性を封じる」

 

「何故だ!これはお前の視界を奪う事にもなる筈!」

 

「忘れたのか?俺が音だけでターゲットを掴むサイレントキリングの天才だと言うことを」

 

「っ!!!」

 

 

 

 

 

「ふっ・・・」

 

「(僕の動きを捉えた?そんな、まさか・・・)」

 

「それで、行けるのか?サスケ」

 

「ああ、次は芯に命中させてやる!」

 

「(あ、あり得ない・・・こんなの、偶然に決まっている!)」

 

「ナルトっ!行けっ!」

 

「おっしゃ〜っ!」

 

サスケの合図で走り出すナルト。それを察して白はまた移動を開始する。

 

「出来るものかっ!」

 

「っそこだ!火遁・豪火球の術!」

 

サスケはナルト目掛けて出て来た白を狙い豪火球の術を放つ。だが白は、火球をギリギリで躱し反撃して来た。そして2人共やられ倒れる。

 

「ぐあっ!」

 

「まだまだだってばよ!」

 

「ああ!(恐らく奴のチャクラ量は見た目を考えても扱えるのは今の俺達より少し多い程度だろう・・・葉兄さんの話では、血継限界は普通の術より更に繊細だと言っていた。そりゃそうだ、今の様に術にするチャクラを2つ用意し、更にそのチャクラを1つに纏めて術を生み出すんだ。葉兄さんの様な規格外な人やパクラ姉さんやサムイ姉さん位研鑽を積んで無けりゃあ、そんな長い事使ってられない筈!)」

 

2人は気合を入れ、もう一度走り出す。

 

「君の思惑通りには行かない!まずは君から」

 

だが白はそれを許さず、サスケに千本を投げつける。

 

「ぐあああああ!」

 

「っ!サスケ!」

 

サスケがやられ、そっちに気を取られてしまったナルトは背後から白に千本を投げられてしまった。

 

「ぐあああああ!」

 

 

 

 

 

 

「(畜生・・・これ程の悪条件での戦いは久しぶりだ・・・サスケとナルトも心配だってのに・・・冷静になれ!考えるんだ!奴は何処を狙ってくる?)っ!不味いっ!」

 

サクラとタズナさんが周囲を警戒する中、気配を消し再不斬が構える。

 

「「はっ!」」

 

2人が気付いた瞬間、カカシが間に合うが再不斬は既に首斬り包丁を振りかぶっていた。

 

「遅いっ!」

 

「きゃああああっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

「(今の悲鳴はサクラか!声には驚愕の感じはするが痛みなんかの感じはしなかった。と言うことはタズナさんか、はたまた2人を守る為にカカシ先生が手傷を負ったか。どっちにしてもあまり時間的余裕は無いな)」

 

「はぁ、はぁ、はぁ、何とかしなきゃな。サスケ」

 

「ナルト、お前」

 

「俺だって伊達に葉の兄ちゃん達に鍛えられてねえってんだ!」

 

「はあ〜〜〜っ!」

 

「無駄ですよ」

 

「ナルト!後ろだっ!」

 

サスケの声で後ろを向いたナルトに千本が襲う。

 

「ぐあああああっ!」

 

そしてまたサスケの近くまで戻される。

 

「此処から出る事は不可能なんですよ、絶対にね」

 

「ナルト!大丈夫かっ!」

 

「おう・・・何とかなっ・・・」

 

ナルトは立とうとするが、明らかに立つスピードが遅い。

 

「(くそっ!幾らナルトが体力馬鹿でも、ここまでやられっぱなしじゃ限界も近い!何とか馴染んできた写輪眼で突破口を見つけ出してやるっ!)」

 

「そろそろ決着を付けてあげましょう」

 

「(何っ!)」

 

「立てっ!ナルトっ!!」

 

怒鳴るように叫ぶが走れそうにないナルトの様子を見て、サスケは自身に刺さった千本を抜いて応戦する。

 

「(致命傷となる秘孔を狙っているのに、悉く外されているっ!?)」

 

白は信じられないものを見るようにサスケを見る。

 

「偶然・・・いやそうじゃない、それどころか彼はあの子を、仲間を気遣いながら戦っている!まさか僕の動きをっ!あの少年には、何かが見えているっ!一体何が・・・良し、ならばっ!」

 

「消えたっ!鏡の反射を消して見えなくしたかっ!何処だっ!何処から来るっ!」

 

「ナルトっ!眼ぇ開けとけよ!流石に担いで走って逃げれる相手じゃねえからな!」

 

「ああ・・・分かってる・・・てばよっ」

 

「っ!ナルト!」

 

「どうやらその子には良い所に当たっていた様ですね。ふ、ふふふ!」

 

「ちっ!」

 

「素晴らしい!素晴らしい動きです!!君はよく動く」

 

「けれど、次で止めます!」

 

「っ!」

 

「運動機能、反射神経、状況判断能力、君の全てはもう、限界の筈っ!!!」

 

「(来るっ!・・・落ち着け、集中しろ!そして、見切れっ!!!)」

 

「(完全に見切った!・・・それよりもあの眼はっ!)」

 

「写輪眼、そうか。君も血継限界の力を持つ者・・・なんて子だ、戦いの中でその才能を開花させていくなんて」

 

「(今の一撃で完全に僕の動きを捉えたと見て良い。ならば長引かせれば長引かせる程此方が不利になって行く。ならば僕が狙うべきなのは・・・)」

 

「っ!何っ!!間に合えっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐっ!」

 

「カカシ先生っ!」

 

「ガードに入るのが遅れたなぁ、カカシ。ガキ共を助けたい一心が頭に血ぃ登らせ、お前の写輪眼に更に濃い霧を掛けたようだなぁ。大層な眼を持っててもよぉ、敵の動きを読む力が鈍ってるぜ?・・・ふっふっふっふっふ、もっと楽しませてくれよ、カカシ。借りは楽しくかえしたいんでなぁ!心配しなくてもよぉ・・・ガキ共は白がそろそろ倒してくれる・・・精々あの世で、己の力の足りなさを嘆きながら、詫びるんだなぁ・・・ふっふっふっふっふ」

 

「サスケ君も!ナルトだって!あんな奴には負けないわっ!」

 

「その通りだ・・・俺は、あいつらの強さを信じている・・・ナルトは意外性No.1のドタバタ忍者・・・そしてサスケは、木の葉の最も優秀な一族」

 

「っ、まさかっ!」

 

「そうだ、奴の名はうちはサスケ!あのうちは一族の血継限界をその体に宿す、天才忍者だっ!」

 

「あの、最古の一族の忍びっ!通りで成長が早い・・・だが、それは白とて同じ事!」

 

「白のあの秘術を破った者はいない・・・過去1人としてな」

 

「サクラ!此処を動くなよ」

 

「はいっ!」

 

 

 

 

 

「ん・・・あ」

 

「よぉ・・・起きたか、ナルト」

 

「サスケ?・・・っ!?」

 

「なんて顔・・・してやがる・・・」

 

「まさか、俺を庇って!?」

 

「当たり・・・前だろ・・・お前は・・・俺の、親友だろうが・・・」

 

「っ!」

 

「それに・・・体が・・・勝手に・・・動いちまったんだよ」

 

「サスケっ!」

 

「やっと・・・写輪眼も開眼して・・・ようやく・・・イタチ兄さんや・・・葉兄さんから・・・眼の戦いを・・・教えて貰えるっ・・・てのに・・・こんな事に・・・なる・・・なんてな」

 

今にも消えてしまいそうな声でサスケが喋りながらナルトの手を握る。

 

「ナルト・・・父さんや・・・母さんに・・・すまないって・・・伝えてくれ・・・悪ぃな・・・親友・・・・」

 

「っ!!!!!」

 

「彼は、大切な人を守る為に罠と知っていながら飛び込んで行ける・・・彼は、尊敬に値する忍びでした・・・仲間の死は初めてですか?これが忍びの道ですよ・・・」

 

「・・・・・うるせぇ・・・俺だってお前の事、ずっとずっと親友だと思ってる・・・これからもっともっと強くなって、葉の兄ちゃんやイタチの兄ちゃん達と一緒に木の葉を守って行く」

 

突然ナルトの周辺から湯気が立ち込め始める。その現象は、時間が経てば経つほど大きくなっていく、それに比例してナルトから感じるチャクラにも変化が訪れる。どんどん殺意に満ちた物に変化していく。そして湯気が一瞬で晴れ、赤いチャクラが眼に見える形でナルトを中心に渦巻いていく。

 

「許さねぇ・・・」

 

下を向いていたナルトが顔を上げると、眼が赤く染まり瞳孔が変化する。まるで、この世の全てを憎むような真紅の瞳に。

 

「ぶっ殺してやるっ!!!!!?」

 

此処に、木の葉を襲いし九尾の妖狐の片鱗が波の国に顕現した。

 

 




次回も戦闘の続きです
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