霊と踊る仙人が異世界を謳歌する   作:蔵元優輔

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今回は戦闘のラストまでです


第四十話

前回、白の秘術・魔鏡氷晶の布陣から脱出しようと奮闘したナルトとサスケは、何度傷つきながらも諦めずに挑みサスケが写輪眼を発動させ、漸く形勢が逆転するかと思われたが度重なるダメージで一時気絶したナルトが狙われる。そんなナルトを庇い、サスケが倒れてしまった。そんなサスケの姿を見てナルトのたがが外れ怒りに反応して九喇嘛のチャクラが暴走し出した。膨大なチャクラと圧倒的な殺気を放ち白に襲い掛かる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐううううう!」

 

「(何て殺気だ!さっきまでのあの子とは、違うっ!)」

 

「があああああああ〜〜〜〜〜!!!!!」

 

「っ!来るっ!」

 

「があっ!!!」

 

「何っ!」

 

「チャクラで吹き飛ばしたっ!ならばっ!」

 

今度は全方位から攻撃を仕掛ける。千本は多数命中するが、ナルトは刺さった千本をチャクラで弾き飛ばす。

 

「ぐうううあああっ!」

 

そのままナルトは白のいる鏡まで突っ込んでいった。そして火遁の炎でもその後の苦無でも傷1つ付かなかった氷の鏡がパンチ一発で破壊した。そしてその鏡の破片から白が奇襲を仕掛ける。

 

「これならっ!!」

 

だがナルトは脅威的な反応速度で攻撃を回避、即座に反転し白に向かって駆け出していく。

 

「不味いっ!」

 

奇襲を躱され1度鏡に戻ろうと後ろを向いた瞬間、ナルトに腕を掴まれていた。

 

「そんなっ!?」

 

「ぐうう、があああああああ〜〜〜〜〜!!!!!」

 

 

 

 

 

「っ!先生の方じゃない・・・まさかナルトの封印が解けたのかっ!?いやっ、これは封印が外れかけて九喇嘛のチャクラが漏れ出してるだけだ。助かったな・・・先生がいるとは言え、九喇嘛が暴れれば1分有れば波の国が無くなっちまうからな」

 

「聞こえるか、再不斬っ!お互い忙しい身だ。お前の流儀に反するだろうが、楽しむのはそろそろ辞めにしようじゃないか・・・次で白黒付けるってのはどうだ?」

 

「面白い・・・この状況でお前に何が出来るのか・・・カカシ、見せてもらおうか」

 

 

 

 

 

 

「駄目だっ!この気、抑えきれないっ!!」

 

「ぐうううあああっ!!!」

 

「ぐううううあいらあああっ!!!!!」

 

九喇嘛のチャクラを纏った拳が白の仮面に直撃し魔鏡氷晶の空間からぶっ飛ばされてしまった。そして何とか立ち上がる白だが、ナルトが猛スピードで向かっていた。

 

「(再不斬さん・・・僕は・・・この子には敵いません・・・再不斬さん・・・僕は・・・)」

 

ナルトの拳が白に当たる寸前に、俺が九喇嘛のチャクラを纏って白の前に現れ攻撃を止めた。

 

「ナルト・・・もう良い・・・」

 

「葉の、兄ちゃん?」

 

「怒りを収めろ、お前には¨殺す為に人を殺す‥のは似合わないよ」

 

「葉の兄ちゃん・・・俺・・・サスケが殺されて・・・頭がぐちゃぐちゃになって・・・そいつを殺してやるって・・・そしたらメチャクチャ力が湧いて来て」

 

「大丈夫、怒りが鎮まったらその衝動は収まるよ。それに、サスケは生きてるよ」

 

「えっ?本当!兄ちゃんっ!!」

 

「ああ、サスケの体から魂は抜けてない。仮死状態の手前くらいだな」

 

「良かった・・・あっ!?葉の兄ちゃん!兄ちゃんと戦ってた奴は?」

 

「ああ、勝ったよ。これが証拠だ」

 

そう言って俺は、腰に刺した雷刀・牙を見せる。

 

「スッゲーってばよ!これで忍刀を3本持ってるって事だよな!」

 

「その話は後にしよう、今はこっちが先だ」

 

ナルトと話していると白が話に入ってくる。

 

「何故・・・止めたのですか?」

 

「そうだな・・・あのままのナルトが人を殺して、後で後悔する姿は見たくねぇし、こいつの親2人に報告するのも嫌だったからな」

 

「そんな理由で」

 

「それに・・・¨お前の死ぬ理由‥に、ナルトを使われたくなかったからな」

 

「っ!?」

 

「お前が再不斬が大切なのは分かるが、俺の目の前で死にたいとか言ってる奴は何が何でも生きさせてやるからな」

 

「・・・・・」

 

「何で・・・何であんな奴が大切な人なんだよっ!悪い奴から金貰って、悪い事してる奴なんだぞっ!お前の大切な奴ってあの眉無ししかいねぇのかよっ!!」

 

「・・・ずっと昔、僕にも大切な人がいました・・・僕の両親です。僕は水の国の雪の深い小さな村に生まれました。細々と農業を営む貧しい生活でしたが、父と母はそれでも満足なようでした・・・幸せだった・・・本当に優しい両親だった・・・でも僕が物心つく頃、ある出来事が起こった」

 

「ある、出来事?」

 

「父が母を殺し、そして僕を殺そうとしたんです」

 

「えっ・・・」

 

「絶え間ない内戦を経験した水の国では、血継限界を持つ者は忌み嫌われて来ました・・・そんな中僕が力に目覚めた事を母に言い、それが父に知られてしまいました・・・そしてその日の夜、僕等は父に襲われました。母は殺され、僕は父を含む村の数人を凍らせて逃げました・・・そして僕は、自分がこの世に必要とされない存在だと思うようになりました。そんな死を待つだけだった僕は再不斬さんに拾って貰いました・・・再不斬さんは僕が血継限界の持ち主だと知っても、知っててなお僕を必要としてくれました・・・本当に嬉しかった」

 

これには俺も何も言えない、確かに悪人に拾われた事は運が悪かったと言えるが再不斬に拾われなかったらそのまま死んでいただろうしな。こればっかりは巡り合わせだ。

 

「(再不斬さん・・・僕はあなたが望む道具にはなれなかった・・・)ナルト君、麻倉葉さん・・・やはり僕を、殺して下さい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「忍法・口寄せ・土遁追牙の術!」

 

口寄せの巻物を地面に押さえつけるカカシ。すると巻物から文字が地面の中に入っていく。

 

「何をやっても無駄だぜカカシ! お前は完全に術中にハマった!」

 

再不斬は自分の必勝パターンに入ったことにより油断していた。足下から迫ってくる忍犬の足音にギリギリまで気づかないほどに、

 

「ん? なっ!?」

 

四方八方から忍犬に囲まれ、噛みつかれ動けなくなる再不斬。

 

「目でも耳でも駄目なら鼻で追うまでの事。霧の中で目なんか瞑ってるからそうなる。これは追尾専用の口寄せで、お前の攻撃を血を流して受けたのもこの為だ。お前の首斬り包丁には俺の血がべっとり染み付いてる、術中にハマってたのはお前の方だ、再不斬!」

 

「くそっ」

 

「もはや霧は晴れた・・・お前の未来は死だ!」

 

カカシは再不斬が身動きとれないのを確認してから一定距離まで足を進めてゆっくりと近付いていく。

 

「再不斬。お前の野望は大き過ぎた。水影暗殺、そしてクーデター失敗。霧隠れの抜け忍になった男、お前の名は木の葉の里にもすぐ伝えられたよ。報復のための資金作り、そして追い忍から逃れるため。そんなところだろう・・・お前がガトーのような害虫に与した理由は」

 

「くっ!」

 

「再不斬。お前はこのオレが写輪眼だけで生きてきたと思うか? 今度はコピーじゃない、オレ自身の術を披露してやる!」

 

カカシが印を組み構えるとチャクラが手に集まっていき、それが雷の性質を浴びていく。チチチチチという千の鳥を想像させる音が鳴り響き術が完成する。雷の性質を持ったチャクラが独特の音を奏でながら集約され、カカシの右手は斬れないものなどないと言われた木の葉一の銘刀となる。雷すら切り裂いたその術の名は、

 

「雷切!!」

 

「な、なんだ! チャクラが、手に、目に見えるほどに」

 

「再不斬、お前は、はしゃぎ過ぎた。お前が殺そうとしているタズナさんはこの国の勇気だ! タズナさんの架ける橋はこの国の希望だ! お前のやろうとしている事は多くの人を犠牲にする。そういうのは忍のやる事じゃないんだよ!」

 

「知るか、それはてめえの言い分だろうが! オレはオレの理想のために生きてきた! そしてそれはこれからも変わらん!」

 

「もう一度言う。諦めろ・・・お前の未来は死だ!」

 

 

 

 

 

 

「さぁ、僕を殺して下さい」

 

「さっきも言ったろ、俺は死にたいなんて事を口にする奴を殺す気はねぇ。俺の力は理不尽な死に抗う為の力だ」

 

「俺も断るってばよ」

 

「何故ですか・・・簡単な事です。僕を殺せばタズナさんを狙う敵が1人減るじゃないですか」

 

「お前が負けを認めた瞬間、俺はお前を敵とは思えなくなった・・・メチャクチャ甘いかも知れねぇけどよ、俺の目指してるもんは、お前を殺した先にねぇ気がすんだよ」

 

「・・・お2人共、そんなに強いのに甘すぎですよ」

 

「何言ってんだ、ナルトが甘いのは父親譲りだ。こればっかしはどうしようも無いさ」

 

「ちょっとちょっと、葉の兄ちゃん!甘いのはお互い様だってばよ!」

 

「いんや、ミナトさんの方が数倍甘い!」

 

「・・・ふふ、お2人共仲がいいんですね」

 

「当たり前だよ、ナルトは生まれた時から知ってるからね」

 

「おうっ!」

 

「っ!向こうで動きがあったみたいですね、僕は再不斬さんの所に行きます!・・・お2人と話せて、嬉しかったですよ」

 

「あっ、兄ちゃん」

 

「慌てんな、ナルト。俺があいつを見捨てると思うか?」

 

「いんや!思わねぇってばよ!」

 

「お前はサスケをおぶってこっちに来い。俺は先に飛雷神で跳ぶ」

 

「おう!」

 

 

 

 

 

一方、カカシはとどめの一撃を決める為、疾走する。

 

「うおおおおおっ!!!」

 

「(ここまでか・・・)」

 

「きゃっ!」

 

「なんじゃ!」

 

そこには忍犬に拘束された再不斬を討とうとする雷切を発動させたカカシの前に命を捨てる覚悟で飛び出した白・・・の前に九喇嘛のチャクラを纏い雷刀・牙で防ぐ俺がいた。

 

「ふう、間一髪」

 

「せ、先生!」

 

『問題無ぇよ、カカシ。お前の術でもワシの衣はびくともせん』

 

そのままチャクラの尾により白を拘束する。

 

「すいません、再不斬さん・・・」

 

「いや?良くやった、白。これでっ!」

 

「(このまま先生ごと斬る気かっ!)」

 

「大丈夫だよ、カカシ。これは、お前の戦いだ」

 

俺は飛雷神を使い一瞬でカカシと入れ替わる。そしてカカシは再不斬に蹴りを入れ距離を取るとともに苦無を投げ、片手を使えなくした。

 

「ぐあっ、はぁ、はぁ、はぁ、何故だ。何故追いつけない」

 

「今のお前じゃ、俺には勝てないよ・・・お前は本当の力ってやつが分かっていない」

 

カカシが話終わる前に向かってきた再不斬に裏拳を当て、体勢を崩させ更に一撃を食らわせる。そして再不斬が首斬り包丁を振り下ろしてきたのでカカシは再不斬の背後に回る。

 

「さよならだ、鬼人よ」

 

此処で再不斬はカカシが意識していたのと逆に首斬り包丁を振るい、カカシはそれに気付き首斬り包丁を振るう手に苦無を突き立てる。

 

「これで両手が使えなくなったな。印も結ばない、どうする?」

 

「ぐうっ」

 

両手を封じられ、いよいよこの戦いが終わるかもと思えてきた時、何とも不愉快な声が聞こえてきた。

 

「おいおい、随分派手にやられたな。なぁ、再不斬」

 

そこに現れてたのは再不斬達の雇い主で、この事件の首謀者のガトーが部下を引き連れてやって来た。

 

「ガトー・・・何故お前が此処に来る?しかも何だ、その部下共は」

 

「なぁに、少々作戦が変わってな。悪いが再不斬、お前には此処で死んでもらうんだ」

 

「何だと?」

 

「正規の忍びをを雇えばやたら金がかかる。そこでお前らみたいな抜け忍を雇って、敵の忍者と戦い、弱ったところを数の力で皆殺しにする。いい作戦だろう?まあ、私に作戦ミスがあったとすれば、タズナ一人殺すのにお前がここまで手こずるとは思ってもみなかったところだがな。全く霧隠れの鬼人も大した事はない、私からすればただの可愛い小鬼ちゃんといったところかね?」

 

「「「がははははは」」」」

 

「カカシ、すまないな。戦いは此処までだ、俺にタズナを狙う理由が無くなった以上、お前と戦う理由も無くなった訳だ」

 

「ああ・・・そうだな」

 

再不斬とカカシが話している中、ガトーが俺に捕らえられている白を見つけて嘲笑い始める。

 

「そういえばお前にも借りがあったな?私の腕を折れるまで握ってくれたな。何だ?敵に捕まって情けない事だな」

 

ガトーが偉そうに喋る中、サスケをサクラに任せたナルトが俺達の近くまで走って来た。

 

「言い返さなくて良いのか?」

 

「言わせとけ、確かに俺達は任務を果たせなかった。それは事実だ」

 

「っでもよぉ!」

 

「それに言っただろう、俺が欲しかったのはあいつの能力であいつ自身じゃない・・・」

 

「あいつは・・・おまえの為に命を捨てる覚悟だったんだぞ!それなのに」

 

「その筈だったんだけどな・・・」

 

「えっ?」

 

「あの瞬間、白が生きている事を感じ、何なんだろうな・・・嬉しいと感じた」

 

「あっ・・・」

 

ナルトも気付いた。再不斬が、泣いている事に。

 

「生きていて、本当に良かったと思った」

 

「再不斬さん・・・」

 

その言葉を受けて白も感極まって泣いていた。

 

「そうだ、小僧。お前の言う通りだった・・・忍びも人だ、感情の無い道具にはなりきれんのかもしれんな・・・俺の負けだ・・・小僧、苦無を貸せ」

 

「おう」

 

「やれ!あいつをやってしまえっ!!」

 

「「「「「「「うおおおおっ!!!」」」」」」」

 

「おいおい、まさかこの人数相手に1人で敵うと思って・・・」

 

そこからは再不斬の独壇場だった。剣で切られようが槍で突かれようが決して止まらずガトーの元まで走り続けた。

 

「お、鬼!ぐあっ!」

 

「ふっ・・・ぐあああっ!」

 

「そんなに、死にたいなら、お前1人で行け」

 

「生憎だが、俺は1人で行く気はねぇよ」

 

「な、何だと!強がりを言いおって!」

 

「テメェは俺と一緒に地獄に行くんだよっ!大した事はねえ・・・霧隠れの鬼人も、死んで地獄なら本物の鬼になれるぜぇっ!!楽しみにしとけっ、子鬼ちゃんかどうか、地獄でたっぷり確かめさせてやるよっ!!!」

 

そう言い終わると再不斬は、ガトーに刺さった苦無を抜き流れるように連続で傷を負わせ、最後に橋から斬り落とした。そして雇われ達を一睨みで恐怖を植え付けさせ、道を開けさせ此方に歩いて来る。その様子を見て、俺は白を解放する。

 

「再不斬さん・・・」

 

「白・・・もうさよならみたいだ・・・今まで、ありがとう・・・悪かったな」

 

「再不斬さんっ!」

 

「2人共、大丈夫だってば、それくらいの傷ならすぐ治せるから」

 

「本当ですか?此処までの傷も治るんですか」

 

「ああ、大丈夫だよ」

 

「ありがとうございますっ!本当にありがとうございますっ!!!」

 

「すまん」

 

2人から感謝の言葉をもらってしまったな。

 

「おいおい、お前等安心しすぎ」

 

俺達が話しているとガトーの部下達が話しかけて来た。

 

「金ヅル殺してくれちゃって」

 

「こうなったら町を襲って金目の物を全部頂いていくしかねぇなぁ!」

 

「ちっ、ゴロツキ共が」

 

「やってやるってばよ!」

 

「葉兄さん、回復してくれ。俺もやるぞ」

 

「葉さん、先生!私も!!」

 

ナルト達も迎撃に参加しようとしていると、ゴロツキの目の前に一本の矢が刺さった。矢の発射場所をまだ追ってみると、ボウガンを持つイナリ君と武装した大勢の人々がいた。

 

「それ以上この島に近づく輩は、全島民の戦力をもって、生かしちゃおかねぇ!!!」

 

「イナリっ!」

 

「へへっ、ヒーローってのは遅れて登場するもんだからねっ!」

 

「イナリっ!オメェ達っ!!」

 

「じゃあ俺達も行こうか・・・皆」

 

『ああ、そうだな』

 

『おうよ』

 

『ええ、やりましょう』

 

『良いぜ?良い根性したガキの勇気も見れたんだ。これで乗らなきゃ漢じゃねえ』

 

『おっしゃ〜!やるぜぇ!』

 

『さぁ、始めましょうか?』

 

橋の周りを九喇嘛、牛鬼、穆王、孫悟空、重明、又旅が囲むと言う地獄絵図を作ってみせた。

 

「さぁ、どうする?」

 

「「「「「「「「っ!?ひゃあああっ!!!!!」」」」」」」

 

ガトーの部下達は、想像以上の化け物が出て来て皆一目散に船へと逃げ帰っていった。

 

「う〜わ、葉さん・・・容赦無いわねぇ」

 

「全くだ」

 

「先生・・・尾獣達はやりすぎですって」

 

「そうか?」

 

「やった〜〜〜!」

 

「「「「「「「「「うおおおおおおっ!!!!!」」」」」」」」

 

「やったってばよ!」

 

こうして再不斬一派改めてガトー一派との戦いが終わった。

 




次回で波の国編ラストです
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