霊と踊る仙人が異世界を謳歌する   作:蔵元優輔

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雪姫忍法帖ラストです


第四十七話

前回、ドトウの汽車による襲撃を俺の奥義にて防ぎ皆の協力で追い払ったのだが、その直後に出て来た飛行船に小雪さんが連れ去られてしまい、それをナルトが追って行った。残った俺達は香燐の探知能力によりドトウの根城に辿り着き、2人の奪還の為乗り込んでいく。そこで自力で脱出していた2人と合流し全員でドトウの元へ向かう。謁見の間みたいな所でドトウの一派と対峙し、予め仕掛けた起爆札を起動しアジトを爆破していくがその中で小雪さんを再度捕らえられ連れて行かれた。俺達はアジトの崩壊に準じてバラバラに分かれてそれぞれの相手との戦いに挑む。

 

 

 

 

森の中、サイ、サクラと合流したサスケ、白、香燐の元に氷の燕が襲いかかってくる。それを雷遁を纏った刀で捌きながらサスケはサクラに話しかける。

 

「サクラまだかっ!」

 

「もう少しっ!そこの枝の所!敵はそこを通過するわ!」

 

「良し、香燐!!」

 

「ああ、金剛封鎖!」

 

サクラの指示した場所に香燐が金剛封鎖を蜘蛛の巣の様に張り巡らせる。その様子を鳥獣戯画の鷹に乗るサイは確認し、自分の後ろから追ってくるフブキを罠に誘導する。そして地面を移動するサクラと白にサーフボードに乗ったミゾレが襲い掛かる。

 

「はっはっは!逃がさんぞっ!!」

 

追いかけてくるミゾレに対してサクラと白は袋の付いた苦無を絶え間無く投げ続ける。だがその苦無はミゾレのチャクラの鎧の自動防御によって阻まれる。

 

「効かん効かんっ!」

 

ミゾレは苦無など意に介さないで突進してくる。しかし、サクラと白は更に苦無を投げ続ける。苦無が鎧から展開されているバリア弾かれる度、苦無に付いた袋が破けて中から小さな紙の様なものが空に舞う。

 

「効かんと言っとるだろうがぁ!」

 

ミゾレが叫びながらラリアットをしてくるので2人はその場で跳び、避ける。

 

「何だ?」

 

流石にそこら中に舞っている紙が気になったのか、腕に付いた紙を確認するミゾレ。だがその紙は小さいながらも爆の文字が書いてあった。

 

「サクラ吹雪の術、なんてねっ!」

 

サクラが起爆札付きの苦無を投げ、大爆発した。この術は大量のクナイを対象者に向かって放ち、その隙にクナイと結び付いた袋に偽装した大量の小型起爆札を散布させ、もう一本の起爆札付きクナイを投げ込んで爆発させる。この爆発にサイによって誘導されていたフブキにも爆風が襲い大勢を崩させる。そしてその先には香燐が仕掛けた金剛封鎖があり、吹き飛ばされるまま金剛封鎖に当たり雁字搦めにされてしまう。

 

「なっ!?こんなものっ」

 

「いや、これで終わりだ」

 

その声に振り返ると少し離れたところにサスケがおり、その右手からは雷が溢れる様に出続けており、千の鳥の鳴き声の様な効果音が鳴り続けている。術の準備が完了し、サスケは雁字搦めになっているフブキに向かって地面を削りながら突撃する。

 

「食らえ、千鳥っ!!!」

 

「があああっ、こ、こんな術っ」

 

サスケは千鳥を当て、そのまま腕を振りかぶって殴り飛ばす。フブキの体は空中から地面の方向へ跳んでゆく。フブキが押し出された先にはサクラのサクラ吹雪の術の爆心地にいたミゾレが、息も絶え絶えの状態でよろめいていた。そんなミゾレに上空から押し流されたフブキが真っ直ぐに落ちて行き、激突する。

 

「「ぐあぁああぁああ!?」」

 

その瞬間、チャクラの鎧同士が拒絶反応を起こし、大爆発を引き起こした。

 

「な、何?」

 

「恐らく2人のチャクラの鎧のバリアが当たり、お互いに反発し合ったんだね。あの鎧のバリアは自動で起動するみたいですしね」

 

「良し!これでうちらの勝ちだろ!」

 

「ああ、そうだな。良し、次は小雪さんだな。行こう」

 

雪忍の二人を撃退したサスケ達は、ナルトの達の援護へと向かった。

 

 

 

 

 

 

時を同じくして、崩壊した城の裏手ではカカシ、再不斬とナダレが互いに睨み合い、牽制し合っていた。

ナダレは以前の闘いから自分の勝利を確信しており、カカシと再不斬に不敵な笑みを浮かべて挑発をする。

 

「オレに挑んでいいのか?以前のように逃げることになるぞ?」

 

「グチグチうるせぇ。今回は最期まで付き合ってやるから安心しろ」

 

「こっちも見せてやるよ。俺のオリジナルの術を」

 

サスケ同様、カカシの右手からは雷が溢れる様に出続けており、千の鳥の鳴き声の様な効果音が鳴り続けている。だがカカシの術は、サスケの千鳥の原形の術にして雷を切った伝説を持つ。

 

「雷切っ!!!」

 

「氷遁・狼牙雪崩の術っ!!」

 

ナダレの術により、雪が雪崩に、そして狼に変化して2人に襲い掛かる。カカシは雷切で狼を消し去りながら進み、そのままナダレに突っ込む。雷切と鎧のバリアが衝突し雷のチャクラが辺りに拡散され雪が舞い上がる。そしてナダレの前にいつの間にか再不斬がいた。

 

「何だ?カカシの後ろに隠れていたのか?そんなお前が俺の前に現れてどうする?」

 

「やはり同じ氷遁使いでも、お前らと白とでは出来が違うなぁ」

 

「なんだと!」

 

「終わりだ」

 

「ふん、ようやく出てきたか・・・あれ? 再不斬・・・と・・・景・・・ズレ」

 

勝負は一瞬で終わった。ナダレだったものが地面に転がる。再不斬はそれを冷めた目で見下ろしている。

 

「終わりだと言ったはずだぜ。白は頭も切れる。その鎧の弱点もすぐに看破していた。要はその鎧の守りが薄いところを忍術ではなく、この首斬り包丁で叩き斬ればいい。それだけの話だ、くだらねぇ」

 

「さて、先生達を追うか」

 

 

針葉樹が生い茂る雪の中。ナルトはドトウが雪絵を連れ去って行った方角を目指し、足を進めていた。

 

「クッソォォ・・・絶対に・・・諦めねえぞ」

 

だが、制御装置のせいでチャクラを練り上げることができず、雪が降り積もった場所では走ることすら難しく、ドトウ達に追いつくことさえ出来ずにいた。

 

「どんなに嫌がっても・・・どこまでも追っかけてやる・・・チックショォォォォオ!!」

 

ナルトは大声を上げ、思い切り叫んだ。するとその声に応えるかのように、ナルトの進んでいた方向とは別の道から、かたかたと無機質な音が近づいて来た。辺りを見回して音の正体を探ると、それはすぐに見つかった。マキノと助監督だった。二人は撮影用のカメラを台に乗せ、スノーモービルに乗って現れた。そしてナルトの前で停止する。マキノがメガホンを振り回しながら言った。

 

「乗れ!」

 

ナルトはそれに頷き、荷台に足を乗せた。目的地まで運んでもらうことにしたのだ。三太夫が、みんなにオススメしていた――映画の完結編が撮影される場所へ、

 

 

虹の氷壁、その中心にある台座にドトウは六角水晶をはめた。すると、装置は鍵が入れられたことにより、永い眠りから目覚め、起動を始める。台座を中心に六方向へと光が広がり、それぞれの氷の柱に光が注がれ、辺りを照らす。それは上から見下ろせば、まるで雪の結晶が輝くかのような素敵な光景であった。だが、ドトウが求めていたのはそんな幻想的な物ではなく、もっと物欲的な物である。

 

「宝は? 宝はどこだ?」

 

ドトウはぎらついた目で辺りを見回す。だが、金銀財宝が出て来る気配はなく、代わりに、ぷしゅーと音を立て、熱を帯び始める雪の国一のからくり装置。次第に辺り一面の雪が少しずつ溶け始め、所々から白い蒸気が噴出し始めた。周囲の氷を全て溶かすのではないかという程の勢いで吐き出す。

 

「暖かい、これは?」

 

雪絵がぽつりと呟いた。そして、それ以上にこの状況に納得できなかったのはドトウだった。

 

「発熱機だと!? これが風花の秘宝だというのか!!」

 

予想外の宝にドトウは混乱する。ドトウは早雪が隠していた財産は、もっと別の物だと思っていたからだ。だが、そんな物は何処にも存在せず、計画が狂ったことに顔を歪める。そして、そんなドトウにさらなる追い討ちを掛ける存在が

 

「姉ちゃーーん!!」

 

予想外の宝にドトウは混乱する。ドトウは早雪が隠していた財産は、もっと別の物だと思っていたからだ。だが、そんな物は何処にも存在せず、計画が狂ったことに顔を歪める。そして、そんなドトウにさらなる追い討ちを掛ける存在が、

 

「坊主、お前の勇姿はしっかりと撮ってやる! 行ってこい!!」

 

「押忍!」

 

ナルトはマキノからの激励を背に、スノーモービルから飛び降りた。ただ真っ直ぐ、ドトウに向かって走り出す。その姿を見つけた雪絵が叫ぶ。

 

「ナルト!」

 

ドトウは自分に向かってきたナルトに対し、怒りを込めた表情で素早く印を結び、術を発動させる。

 

「くっ、氷遁・黒龍暴風雪!!」

 

ドトウの拳から一匹の黒龍が出現する。それは膨大な黒いチャクラの唸りを迸り、直撃したナルトを軽々と吹き飛ばした。

 

「ぐはぁっ!」

 

ドトウの攻撃をもろに受けナルトは、爆風とともにその身体を遥か上空へと舞い上げられた。

 

「あぁっ」

 

「ナルトォォ!」

 

マキノと雪絵が悲鳴をあげる。術をまともに受けたナルトは、あまりの衝撃に受け身を取ることすら出来ず、体を上空から湖の氷上へと落下させ、激突し倒れた。全身に激痛が走る中、ナルトは軋む身体に力を込めて再び立ち上がる。

 

「どうした、全然効いてねえぞ」

 

力のこもった目でドトウを睨みつける。だが、その身体は雪の国に来てから、これまでの闘いで既にボロボロであり、いつ限界が来てもおかしくはなかった。雪絵の悲痛な叫び声が響き渡る。

 

「どうした、全然効いてねえぞ」

 

しかし、ナルトはゆっくりと立ち上がり、

 

「オレを信じて、そこで黙って見てろ。姉ちゃんはこの国のお姫様なんだ。姉ちゃんが信じてくれるなら、相手が誰だろうと、オレは絶対に負けやしねェ!!」

 

直後、チャクラの制御装置にヒビが入った。朱いチャクラが少しずつナルトの身体から漏れ出し始める。制御装置を付けられた状態で、なおチャクラを捻り出す。それは、ありえないことであった。あってはならないことであった。ドトウは驚愕に目を見開き、首筋に冷や汗を流して、

 

「オレを信じて、そこで黙って見てろ。姉ちゃんはこの国のお姫様なんだ。姉ちゃんが信じてくれるなら、相手が誰だろうと、オレは絶対に負けやしねェ!!」

 

直後、チャクラの制御装置にヒビが入った。朱いチャクラが少しずつナルトの身体から漏れ出し始める。制御装置を付けられた状態で、なおチャクラを捻り出す。それは、ありえないことであった。あってはならないことであった。ドトウは驚愕に目を見開き、首筋に冷や汗を流して、

 

「死ねえぇえええ!!」

 

「ごはっ!」

 

ナルトは咄嗟に腕を上げるが、到底防ぎ切れる力ではなかった。勢いを押し殺すことすら出来ず、氷の地面を突き破り、身体は水柱とともに、水中へ叩きつけられ、ナルトの意識は水底へと沈んでいき、その光景を見ていた雪絵とマキノは絶望に膝を折った。ドトウはナルトの死亡を確認しようと、水の中を覗き見る。しかし、そこにあるのは静寂に包まれた、どこまでも穏やかな湖面であった。暫く眺めていたが、人が浮かび上がって来る様子はない。ナルトが死んだと判断を下し、背を向け、その場を離れようとしたその時、水面は波打ち、地響きを鳴らし、異常なまでの朱いチャクラが脈動を始める。異変に気付いたドトウが、再び振り返った瞬間、

 

「なっ、なに!?」

 

「「「今までの借り! 利子付けて返してやるぜ!!」」」

 

チャクラを封じられていたはずのナルトが、多重影分身を使い百を超える大群で現れたのだ。常識外れな無数の影分身、畏怖さえ感じさせる光景。だが、チャクラを使えるようになったからといって敗けを認めるドトウではない。すぐに印を結び、術を発動した。

 

「世迷い言を! 氷遁・双龍暴風雪!!」

 

両腕から放たれた二頭の黒龍により影分身が消されていき、本体のナルトもやられそうになるが、その前に俺が立ち塞がり技を放つ。

 

「水龍万丈壁!!!」

 

水で出来た龍が一列に並び大きな波の様になって二匹の黒龍と相殺する。黒龍は数秒持ち堪えたのち、龍の波に飲まれて行った。

 

「間に合ったな」

 

「葉の兄ちゃんっ!」

 

ナルトの前に俺が降り立つ。O.Sスピリット・オブ・レインを傍に置き、手には水で出来た小型の曲刀「舞曲水」を持って。

 

「ナルト、先生!間に合ったかな?」

 

「待たせたな、ナルト!」

 

「お待たせっ!ナルト!」

 

「うちらも来たぜ、ナルト!」

 

「良かった、全然元気だね」

 

「間に合いましたね、再不斬さん」

 

「ああ、丁度ラストシーンってとこか」

 

サイの鷹に乗ってきたカカシ、サスケ、サクラ、香燐、サイ、白、再不斬が俺とナルトの後ろに降り立った。更に、その後ろに三太夫さんや雪の国の皆さんや映画スタッフが集まった。

 

「おお、葉殿!貴方の助言通り、我々も参りましたぞ!!」

 

木の葉の忍び、三太夫率いる雪の国の民、映画スタッフが、虹の氷壁へ集結したのだ。

 

「みんな!」

 

「ちぃっ、雑魚がぞろぞろ集まりおって」

 

「そう言うあんたは兄を殺してまで雪の国の当主になったってのに、後ろにゃ誰もいないな」

 

「っ!黙れ!!」

 

ドトウが俺の発言に怒りを爆発させ、俺に殴りかかってくるが俺は舞曲水を手甲に当てて、腕の軌道を変える。

 

「何っ!」

 

「しっ」

 

俺はドトウの隙だらけの体に斬撃を喰らわす。しかしチャクラの鎧のバリアによって弾かれる。

 

「くっ!」

 

「しっ、しっ」

 

「ちぃ、ちょこまかとっ!!」

 

「しっ、しっ、しっ」

 

ドトウは氷遁を使うのは映画だからってのもあるが、素直に術はカッコよかったがそこまでだな。まぁ当たり前だが鎧任せの防御力に感けすぎなんだよなぁ〜。最初の方の映画ではストーリーと術は好きなんだけどなぁ〜。俺はそんな事を思いながらドトウの攻撃を避け、捌きながら斬撃を繰り出し続ける。

 

「食らえ!!氷遁・黒龍暴風雪!!!」

 

ドトウの攻撃に対して、俺も技を繰り出す。

 

「水破七封龍!!!」

 

手元の舞曲水から濁流の如く水が現れ、7匹の龍の形に成り敵の黒龍に襲い掛かる。だが水龍一体でも黒龍の倍以上あり、尚且つそれが7対1なので勝負にならない。拮抗するわけでも無く黒龍が飲み込まれて、

 

「ぐおおおおおっ!!??」

 

水龍に吹き飛ばされたドトウだが、何とか立ちあがろうとする。

 

「何だ、もう終わりかい?」

 

「ぐうぅ、まだだあっ!」

 

一方、少し離れて見ていた皆は、

 

「スゲェってばよ。あんなに避けながら攻撃を当て続けてる」

 

「ああ、相手の動きを完璧に把握するとあそこまで出来る様になるのか」

 

「恐らくあの舌打ちの様な音で相手のリズムを取ってるんだろう。音楽のリズムを指でトントン叩いて測るみたいにな」

 

『あれは舞曲の太刀ってんだよ』

 

「「「「「「「「「「ん?」」」」」」」」」」

 

皆が俺の動きに驚いてる中、皆の近くに俺の影分身が現れる

 

「何だ?葉、影分身をこっちに寄越したのか?」

 

『見た目は葉だが、俺は牛鬼だ。皆が葉の技に興味津々そうだったから俺が説明に来たんだよ』

 

「ああ、先生の中の八尾か。それで、舞曲の太刀ってのは、先生のあの動きの事か?」

 

『ああ、あれは攻撃の途中で軌道を急速に変える技と言うより闘法、戦い方って感じだな。剣の達人であればあるほど太刀筋を見切れるが故に避けたはずの舞曲水を死角からまともに喰らっちまう。まぁ今回の相手は達人とはお世辞にも呼べねぇ程度の実力だがな。そして葉の水流(ながれ)に足掻けば足掻くほどその深みに嵌り溺れていくっつー寸法だ』

 

「そりゃあえぐいな。そんなの避けようとすればするほど葉の掌の上って訳か」

 

「それでもチャクラの鎧とぶつかればあれくらいの大きさの武器なら壊れてしまいそうですけど」

 

『ああ、それは葉の後ろにいるスピリット・オブ・レインの力だな。あいつはこの世界に存在する水を操り、生み出せるからな。舞曲水は水で出来てるがあの小さい器に海の水程の水量が凝縮されている感じなんだ。この世界でどれだけの奴が折れるんだろうな?』

 

「・・・それ、絶対折れないですよね?」

 

「やっぱりお兄ちゃんはスゲェしエグいな」

 

「良し!兄ちゃんがあの野郎の気を引いてくれてる間にこっちも準備すっか!」

 

「やるのか?ナルト」

 

「ああ!小雪姉ちゃんに約束したんだ、ドトウは俺がぶっ倒すってばよ!!」

 

ナルトは影分身を使い、乱回転するチャクラの球体を作りあげ、自身の父である四代目火影・波風ミナトの忍術を完成させる。ナルトの右手には完全な形となった螺旋丸が蒼い輝きを放っていた。それを見た俺はドトウから距離を取る。

 

「ラストはお前だ! 決めろっ!!」

 

「押忍!」

 

俺の掛け声でナルトが走り出す。最後に、確信に満ちた声で、雪絵が叫んだ。

 

「ナルト〜!! 私はあなたの言葉を信じるわ!! あなた達は風雲姫が認めた最強の忍者よ!!」

 

笑顔で、ナルトを信じて送り出す。

 

「そんなことは言われなくてもわかってるってばよ!」

 

「小僧があ!邪魔をするなあ!!」

 

ドトウがナルトに標的を変えた。だけど俺から目を離すのはダメだろ?

 

「無明神風流奥義・玄武!!!」

 

俺の剣から玄武の蛇の神風(かぜ)が起こり、ドトウの動きを止める。チャクラの鎧を纏っているドトウだが、俺の技からは逃れられないぜ?数秒後には蛇の神風に雁字搦めにされたドトウがそこにいた。

 

「なあっ!?く、くそ、この程度の技っ!」

 

「ナルト、今だ!」

 

「おお!これで決めてやらあっ!!!」

 

右手に螺旋丸を掲げた、本体のナルトが返事を返した。夜が明ける―ナルトが駆け出した瞬間、雪の国に朝日が昇り始めた。陽光が氷の柱だと思われていた六つの大きな鏡を照らし、輝かんばかりの希望の光が雪の国全土に、七色の虹となって降り注ぐ。それは見る者全てを感動させる、幻想的な風景だった。そして、その虹の氷壁が生み出す光は、今まさに駆け出していた、金髪の少年にも力を与える。まるで、雪の国そのものが、ナルト達を祝福するように、螺旋丸に七色の光が集まり出したのだ。

 

「七色のチャクラ!? 映画と同じ!!」

 

そして雪絵が見守る中、ナルトがドトウに最後の一撃を、七色に輝く螺旋丸を叩き込んだ。

 

「くらえ! 螺旋丸!!」

 

「ぐわぁぁぁぁぁぁああ!!」

 

螺旋丸をまともに受けたドトウの体は、強烈な回転を描きながら上空へと吹き飛んでいった。最後にその体は、虹の氷壁の大きな鏡に激突し、その表面の氷を砕いて、地面へと崩れ落ちた。表面の氷が割れ、表に現れた一枚の大きな鏡を中心に、雪の国に魔法がかかる。先ほどまで辺り一面、白銀の雪景色だった雪の国に、一瞬にして花が咲き誇り、暖かい風が吹き、蝶が舞い踊り、虹の橋が架かる。だけど、実際に触れて見れば冷たさも感じられた。そうこれは、

 

「こりゃー、まさか・・・立体映像ってやつか!?」

 

マキノがメガホンを振り回しながら、驚きの声を上げた。だがそれも無理はない。何故なら、雪の国、いや、忍五大国にすら本来存在しない技術。それが今目の前にあるのだから。そして、雪絵の父、早雪が残したものはこれだけではなかった。次の瞬間。虹の氷壁にある六つの大きな鏡の中央に、二人の人物が映し出される。さながら、映画のスクリーンのように。みんなの視線がそこに集まる。雪絵は、その信じられない光景を、ただ呆然と見上げていた。そこに映し出された二人とは、幼き日の自分の姿と、かつての雪の国の君主、風花早雪の姿であった。

二人は過去に話し合った未来の夢を語りはじめる。

 

「未来を信じるんだ、そうすればきっと春が来る。小雪は春になったらどうしたい?」

 

雪絵の記憶にある、二度と聞けないはずだった早雪の声が、そのまま耳に届いた。

 

「小雪はね、お姫様になるの!」

 

小雪が元気一杯に言った。

 

「ん〜、どんなお姫様?」

 

早雪の質問に、小雪は考え込む仕草をしながらゆっくりと答える。

 

「ん〜とね、優しくて、強くて、そんでもって、正義の味方のお姫様!」

 

「はははは、そりゃあ大変だな・・・でも、諦めないで、その夢をずっと信じていれば、きっとなれるさ」

 

早雪は小雪に六角水晶のペンダントをかけながら、娘の肩に手を置いて、

 

「見えるだろう? ほら、ここにとっても綺麗なお姫様が立っている」

 

そっと前を見るように促した、二人の父娘がまっすぐに雪絵を見る。その光景を見ていた雪絵の視界は、いつの間にやら温かい物で満たされていた。その光景に三太夫さん達は涙が止まらなかった。

 

「お、お館様、お、お、うおおおおおお〜〜〜っ!!!!!」

 

「でもね、小雪悩んでるの。もう一つなりたいものがあって」

 

小雪は早雪に振り向き、笑顔で言い切った。

 

「女優さん!」

 

それを見ていた雪絵は口を大きく開けて、満面の笑みを浮かべながら・・・

 

目から涙を流していた。

 

「へへへ、これでハッピーエンドだぜ」

 

 

 

 

 

 

 

三日後、新たな国の誕生記念日。雪だるまの国旗が立てられ、花びらが舞い、数多くの人々に祝福を受けながら、新たな雪の国の君主が誕生した。風花小雪姫様である。御輿が担ぎ上げられ、人々からは笑顔の花が咲き誇り、国全体が希望に満ち溢れていた。三太夫さん達もこの光景を見て何度目かの涙を流している。このままだと脱水症状起こしそうな勢いだ。そして今、国中が賑わう中、姫様と雪の国を救った英雄達は、ひっそりと別れの挨拶をしていた。

 

「結局、あの装置はまだ未完成だったの」

 

「じゃあ、また冬に逆戻りなのでしょうか?」

 

小雪の言葉に、サクラが残念そうに尋ねる。その質問に、小雪は微笑みを浮かべて応えた。

 

「いいえ、あの装置を元にして開発を進めれば、雪の国はきっと春の国と呼ばれるようになるわ」

 

それは素晴らしいことであった。ずっと雪に覆われていた国に春が訪れようとしていたのだから。

 

「み、皆様。この度の協力、誠にありがとうございました。皆様のお陰で、雪の国は、あ、あああああ〜〜〜」

 

「泣きすぎだぞ、おっさん!後ろのテメェらもだ!!」

 

また三太夫さん達が号泣し出して、それに再不斬が突っ込んでいる。その流れもここ数日でよく見る光景だ。皆が平和を感じている中、一つだけ無念極まりないことがあった。

 

「ですが、少し勿体ないですよね。こんなにヒットしているのに、女優さんをやめる事になってしまうなんて」

 

サイの言葉に、小雪はまたも微笑みで返す。いたずらっ子のような顔で『風雲姫完結編』と書かれた台本を見せて、

 

「そっ、それって」

 

「誰がやめるなんて言ったの? 雪の国の君主も女優も両立させるわよ。ここで諦めるなんてバカみたいじゃない」

 

そう応えた小雪の表情は、自信と希望に満ち溢れていた。そして、歓談の時間も終わりが近づく。最後に小雪はナルトの方を見て、

 

「ナルト、あなたには色々と助けてもらったわね」

 

「気にしなくていいってばよ、姉ちゃん! オレも今回の任務やれて嬉しかったし、逆にお礼を言いたいぐらいだ」

 

「ありがとう。最後にこれ、今までのお礼よ」

 

と言って、小雪はあるプレゼントをナルトに贈った。

 

「ん? なんだってばよ? これ?」

 

「じゃあ、またね!」

 

ナルトに虹が描かれた封筒を渡した後。小雪はサインをせがむ子ども達に向かって、走り去って行った。

その光景を見たナルトは、小雪と最初に出会った時のことを思い出していた。

あの時とは違い、子ども達に笑顔でサインを贈る小雪に、ナルトも知らず知らず笑みをもらして、その時急に重大な事実を思い出し叫んだ。

 

「あぁぁあぁああ!? オレもサイン貰っておくんだったてばよぉ」

 

目一杯、悲しみに嘆く。そんなナルトを、俺を含めた皆がニヤニヤしながら見ていることに気付き、

 

「な、なんだってばよ? みんな?」

 

「ククク、ナルト。さっき姫さんに貰った封筒を開けて見ろ」

 

「ん?」

 

何の事かわからないが、取り敢えず封筒を開けて、中身を取りだす。すると、そこに入っていたものは、

 

「あ! あ〜〜、ん〜、どうせなら、もっとかっこよく撮ったやつにして欲しかったってばよ」

 

そこに入っていたのは、一枚の写真だった。ナルトが任務のあと、ベッドで寝込んでいる間に、小雪がその頬にキスをしている瞬間を撮ったもちろん、サイン入りの。

 

 




次回から中忍試験編に入ります。
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