霊と踊る仙人が異世界を謳歌する   作:蔵元優輔

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遅くなりました


第五十六話

前回、中忍選抜試験は更に進み第五回戦春野サクラ対山中いの、第六回戦テマリ対テンテン、第七回戦シカマル対キン・ツチが行われた。己の全てをぶつけて戦い、それぞれサクラ、テマリ、シカマルが勝利を収めた。

 

 

 

 

 

 

「シカマル〜、やったわね!」

 

「おめでと、シカマル!」

 

「おう」

 

チームメイトからの心からの歓声を聞いて言葉ではそっけない返事だが、表情は晴れやかでやってやったぜって感じのシカマル。原作や普段は眠たそうな感じなのに今はシャキッとしてるな。そして電光掲示板が作動し次の試合の対戦カードが決まる。決まったカードは犬塚キバ、そしてサイだ。

 

「よっしゃ〜!俺達の出番だぜ、赤丸!!」

 

「ワンワン!」

 

「キ、キバ君。頑張ってね」

 

「キバ、気をつけろ。サイは侮れない、何故ならサイは暗部養成機関にいた。それは俺達より実践的な訓練を受けていたという事だ」

 

「わーってるよ、あいつがツエーってのはよ!相手にとって不足はねぇよ!」

 

「次は僕の番ですね」

 

「よっしゃー!サイ、かましてやれっ!」

 

「サイ君、頑張ってください。貴方は勝つと信じています」

 

「ああ、行ってこい」

 

「ええ」

 

それぞれのチームメイトから激励の言葉を貰い2人が下に降りて対峙する。

 

「それでは第八回戦、犬塚キバ対サイ始めてください」

 

「ワリーけどな、お前と探り合いをする気はさらさらねーんでな、行くぜ赤丸!擬獣忍法・獣人分身!!」

 

試合が始まった瞬間、キバは姿勢を低くし、その背中に赤丸が乗る。そして赤丸がキバに変化する。

 

「更に!擬獣忍法・四脚の術!!」

 

更に2人のキバは印を組み、四足歩行の獣の様に走り速力を上げることが可能になる四脚の術を発動する。そしてそのままの勢いでサイに向かって突っ込んでいく。

 

「ヒャッホウー!」

 

キバ達が突っ込んでくる中、サイは巻物と筆を既に取り出して術の準備を終えている。

 

「忍法・鳥獣戯画!」

 

巻物に筆で描いた絵を実体化させ自在に操る術、鳥獣戯画によって巻物に書いた狛犬のような獣を出す。

 

「ちぃ、こんなんじゃ俺達を止められねぇぜっ!!」

 

そう言ってキバは赤丸と協力して狛犬を撃退する。その間にサイは、鷹の絵を描いて術を発動し、出現させた鷹に乗り飛び立つ。

 

「あっテメェ!汚ねえぞ!正々堂々戦え!!」

 

「何を言うかと思えば、これは試合でこれは僕の術なんだから君にとっては攻略しなくちゃいけない壁みたいなものだよ?忍法・鳥獣戯画!」

 

キバの文句に全く付き合わず鷹に乗った状態から狛犬型や鷹型をキバに嗾け続ける。

 

「んなろっ、ならやってやるよ!行くぞ赤丸!!」

 

「アン!」

 

「獣人体術奥義・牙通牙っ!!」

 

キバと化した赤丸とキバとが同時に体を回転させ、鳥獣戯画に高速の体当たりを食らわせていく。キバ達は縦横無尽に暴れ回り、全ての鳥獣戯画を倒し墨に戻してしまった。その勢いのままサイの乗っている鷹にも狙いを定めて突貫していく。

 

「食らえやっ!」

 

「くっ(やっぱりスピードも突進力も彼のほうが上だね)」

 

「逃さねえよっ!」

 

「くっ」

 

キバ達の激しい攻撃がサイを襲う。何度か躱すことが出来ていたが、遂に鷹の翼部分に攻撃が当たり墨に戻りサイは何とか着地する。

 

「もう逃さねえぞ!食らえやっ!!」

 

着地した所をキバが腕を振り上げ狙い、サイ目掛けて爪を思いっきり振り下ろしたが、サイは墨をまとって一瞬で姿が消える。

 

「はあっ!?」

 

「墨霞の術だよ?」

 

空振りしたキバの後ろから墨に塗れたサイが現れる。

 

「ちい(辺り一面墨まみれで鼻効きずれえ!)おらぁ!!」

 

後ろに振り返り側に裏拳を加えるがサイは打撃が当たった瞬間、墨になってキバと赤丸に降りかかった。

 

「うえっ!?口に墨入ったぁ!」

 

「キャン!」

 

「残念、墨分身だよ。それにこれで終わりだ!」

 

サイが印を組むとキバ達に掛かった墨がサイの形になり対象に絡みつき、頭・腕・足・脇腹といった四肢を関節技でロック。技が決まってしまうと、3カウントで墨が固まり封印の術式が完成される。

 

「封印術・億怒端数煩流奴(オクトパスホールド)これでお終い」

 

「う、動けねえ・・・」

 

「クゥ〜ン」

 

「(これは動けませんね)犬塚キバ戦闘続行不可能により、勝者サイ」

 

ハヤテがサイの勝利宣言をした後、サイが術を解く。術が解けたキバは心底悔しそうに体を震わせていた。

 

「くっそ〜、負けたぁ〜!!」

 

「ウウ〜、アンアン!」

 

「ま、負けたのは悔しいが、良い試合だったぜ。サイ、本戦頑張れよ!!」

 

「うん、ありがとうキバ君。頑張るよ」

 

「よっしゃ〜、やったなサイ!」

 

「サイ君、おめでとうございます」

 

「うん、ありがとう」

 

サイがチームメイトと話している中、キバもチームメイトの元に向かう。心なしかやっぱり足取りは重いな。

 

「すまねえ、負けちまった・・・」

 

「クゥーン・・・」

 

「そ、そんな事ないよ?キバ君凄かったよ」

 

「ああ、お前は良くやった。何故ならサイはお前を封印術で対応した、それはお前の力を警戒したからだろう」

 

「その通りよ、貴方は良く戦ってたわ。次の中忍試験でまた頑張れば良いのよ」

 

「っ、ああ!次の中忍試験でぜって〜受かってやるさ!」

 

キバも気を取り直したみたいで大声で宣言していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの封印術は、牛鬼の術ですよね?先生」

 

カカシから術の正体を聞かれ、俺を通して見ていた牛鬼から返答が来る。

 

『おうよ、あいつの修行の時に墨を使うって聞いた時から俺と相性が良いと思ってな。半身がいる雲隠れのビーの墨分身の術を教えてやったんだ』

 

「そう言うこと」

 

「ああ、あのラップ好きのグラサンの人か」

 

「うんうん、あの人も俺の目標なんだよなっ!」

 

「そうなの?」

 

「おう!ビーの兄ちゃんと八っつぁんの関係は葉の兄ちゃんと同じくらいああなりたいって思えるんだってばよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第七班の皆と話していると掲示板が動き、次の対戦カードが決まる。表示されたのは白、そして日向ヒナタだった。

 

「わ、私?」

 

「ヒナタ、頑張ってね。大丈夫、貴方は強いわ」

 

「ヒナタ、気を付けていけ」

 

「応援してんぜ、ヒナタ!」

 

「う、うん!」

 

ヒナタは紅やチームメイトからエールを貰い下に降りていく。

 

「僕の番ですね」

 

「白、行ってこい」

 

「はい、再不斬さん」

 

再不斬の一言に白は笑顔で答える、そこにチームメイトの香燐とサイも続ける。

 

「白、頑張れよ!そんで3人揃って予選通過だ!」

 

「うん、白なら勝てるよ」

 

「ええ、ありがとうございます」

 

白は礼を言って下に降り、ヒナタと対峙する。

 

「ヒナタさん、正々堂々お互いの力を出し切りましょう」

 

「う、うん。白君、此方こそ宜しくね」

 

会話する光景だけなら、友達同士のスポーツ勝負でも始まる雰囲気なんだけどな。

 

「それでは第九回戦、日向ヒナタ対白、初めてください」

 

「それでは、行きますよ」

 

「うん!」

 

開始の合図と共に2人共印を組み、術を発動する。

 

「白眼!!」

 

「水遁・水乱波!」

 

ヒナタが白眼を発動すると同時に白が水遁・水乱波を放ち牽制する。それをヒナタは避けるが、白は水を出し続ける。そして会場の床一面が水で満たされた。これで白の本当の戦闘準備は完了した。

 

「白は水を出して水遁・氷遁を出しやすい状況を作ったわね」

 

「ああ、火遁や風遁と違って、水遁は水と言う物体があればそれにチャクラを通して術を使える。だから波の国では自身で水を出さなくてもあれほどまでに戦えたんだ」

 

「やっぱ、白はツエーってばよ」

 

実際に白と戦ったことがある七班が白の脅威さを話していると、床に張った水を使い白が仕掛けていく。

 

「水遁秘術・千殺水翔!」

 

先ずは波の国でも使っていた水を千本に変えて相手に撃ち出す千殺水翔を使い牽制とした。

 

「やあっ!」

 

しかし白の術は、ヒナタの独特な構えからの掌底によって次々にかき消されていく。

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱりヒナタも強いわよねぇ」

 

「あの性格じゃ無かったら同期じゃ1番だったかもね」

 

「確かにな」

 

「うん、それに厄介なのはあの眼だよね」

 

「白眼。木ノ葉の名門・日向一族に伝わる血継限界。視界はほぼ360°にまで広がり、透視・遠視はおろか、体内をチャクラが流れる道筋の「経絡系」や、チャクラを体外に放出するための穴「点穴」 をも見極められる。」

 

サクラと十班のメンバーがヒナタの厄介さを話しアスマが日向一族の血継限界・白眼の説明をする。

 

「洞察眼としては、「写輪眼」以上の能力を持つからね。白君も苦戦すると思うね」

 

 

 

 

 

 

 

 

カカシが話を締め試合を見ると、白が術を放ち、ヒナタが避けるか柔拳で迎撃する攻防が続いていた。

 

「水遁・水天彷彿(すいとん・すいてんほうふつ)!」

 

白の術により地面から直径1センチ程の水の粒を大量に生み出しヒナタに向かって飛んでいく。

 

「うっ、はあっ!!」

 

ヒナタは白眼を用いて確実に当たりそうな球だけ弾き防いでいく。

 

「やりますね、ヒナタさん」

 

「はぁ、はぁ、はぁ、白君もやっぱり凄いね」

 

白はまだまだ余裕そうだが、ヒナタの方は息が少し乱れてきたな。これは性格も関係してるからこれからの課題だな。

 

「でもまだまだ行きますよ!」

 

そう言って白が日向に向かって突っ込み近距離戦に持ち込もうとする。それにヒナタは一瞬驚いたがそれに応戦する。白は千本を持ちヒナタの柔拳により点穴を撃たれないよう防御しながら攻撃する。逆にヒナタは千本の攻撃・防御を防ぎながら白の体の点穴や経絡系を狙い攻撃する。

 

「拮抗してきたな」

 

「ああ、2人とも決定打となる力を持つ者同士、どうやってこの拮抗を破り攻撃を当てるかだな」

 

アスマとガイが状況の分析をしていると白が新たな術を放ち攻撃していく。

 

「水遁・水龍鞭!」

 

白の手元に出てきた水が鞭の形になり、ヒナタに向かって変則的な動きで向かっていく。

 

「(やっぱり白君、攻撃方法が多い!)」 

 

 

 

 

 

 

「白君は攻撃手段が多いですね」

 

「ああ、俺がこの世界を物語として見ている事は知ってるだろ?オリジナル回も結構あってそこで出てきた一回こっきりの術なんかもあってな。その中でも火遁や水遁は多かった」

 

「成程、そのオリジナルの話には氷遁もあったのですか?」

 

「ああ、最初の方は血継限界の定義が曖昧だったからな、そう言う術がまあまああったんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

水龍鞭の攻撃もヒナタの柔拳によるチャクラを叩き込む攻撃により破られ、白は更に術を変える。

 

「氷遁・ツバメ吹雪!!」

 

辺りの水が凍り、ツバメの形になっていく。そして全てのツバメがヒナタに向かっていく。

 

「(大丈夫、いける!)守護八卦六十四掌!!」

 

守護八卦六十四掌は八卦六十四掌と違い、チャクラを掌に集中させ、高速で動かすことによりチャクラの壁を作り、自分の周りのものを、的確に捉え、防御する技。 つまり、ヒナタ独自の絶対防御。これは中々良い勝負だな。

 

「(ヒナタさんオリジナルの防御術・・・範囲は全方位ですね、なら一点突破と行きましょう)」

 

ヒナタが全てのツバメを撃退すると離れた場所にチャクラを練り、更に強力術を繰り出す。

 

「氷遁・黒龍暴風雪!!」

 

「くっ、う、きゃっ!!」

 

黒龍の竜巻によりヒナタは吹っ飛ばされてしまい、壁に激突してしまった。手足が少し動いているから気絶はしていないようだが、ここまでかな?そう思っているとハヤテが此方に眼を向けているな、本来なら俺じゃなくて担当上忍の紅に確認をとる所だと思うんだが、紅を見ると紅も此方を見ていたから此方の意見を聞きたいみたいだな。俺はヒナタの状態を再度確認して首を横にふった。それを確認したハヤテが宣言をする。

 

「日向ヒナタ続行不可能と判断します。勝者、白!」

 

「はあ、はあ、はあ(ま、負けちゃった・・・)」

 

「ヒナタ〜!!」

 

「っ!ナ、ナルト君・・・」

 

「顔を上げろ、ヒナタ!かっこ良かったぞ!!」

 

「っ!!」

 

「そうだぜヒナタ!善戦だったぞ!!」

 

「ヒナタ〜!良かったわよ〜」

 

ナルトに続き、キバやいの達からも激励が来た。

 

「っ!・・・うんっ!」

 

「白も凄かったぞ!」

 

「うん、おめでとう白君」

 

「良くやった白!流石は俺様の部下だ!!」

 

「再不斬さん、皆さん・・・ありがとうございます」

 

それを受けてヒナタは笑顔を浮かべた。白も再不斬やチームメイトからの祝いの言葉を受け笑顔を見せた。2人が上に戻ると同時に電光掲示板が動き、対戦カードが映し出される。対戦カードは剣ミスミと日向ネジ。

 

「俺か」

 

「へっ、やっと出番か」

 

2人は下に降りてきてスムーズに対峙する。

 

「それでは第十回戦ネジ対剣ミスミ、初めて下さい」

 

「前の試合で日向の戦い方は見た!接近戦をせずお前を倒せば良いだけだ!」

 

「ふん、随分甘いな」

 

「な、何いっ!」

 

「今から日向一族の更なる力を見せてやろう、八卦空掌!はあ!!」

 

「ぐはっ!」

 

超高速の掌底を放つ柔拳法体術の近・中距離攻撃、八卦空掌。柔拳を帯びて圧縮された真空の砲弾は、凄まじい圧力を以て敵の急所を撃ち抜く。体術の弱点をカバーするに余りある近・中距離攻撃だな。

 

「ふっ、はあっ!」

 

「があっ!!」

 

更に2発、3発と空掌をぶつけて壁に磔にする。

 

「八卦四天空掌!!」

 

「ぐっはあぁぁぁぁぁっ!!」

 

ネジの八卦四天空掌が決まり、ミスミは壁にめり込み、全く動かなくなってしまう。良いとこが無かったなぁ、軟体の人。

 

「こんなものか?呆気なかったな」

 

「これは確認するまでも無いですね、勝者日向ネジ!」

 

「ネジ〜!」

 

「うおおおおお〜やりましたね、ネジっ!!」

 

「いいぞ!!ネジ!!ナイスだ!!!」

 

三班が熱い声援を送り、ネジは片手を上げて返事をする。

 

「強いな・・・」

 

「うん、ヒナタも強かったけどネジさんは更に強いわね」

 

「うん、すげーツエーってばよ」

 

「どうだ?カカシ。うちの班のネジは」

 

「・・・凄いよ、あの歳でこれ程の柔拳を使える日向一族は初めてだ。天才、だな」

 

「ふふん、そうだろうそうだろう」

 

カカシの評価にガイも鼻高々だな。さて次の試合はどうなるかな?

 




オリジナル対戦カード難しいですね。次も頑張ります
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