前回、第十一回戦はロック・リー対我愛羅という原作通りの組み合わせとなった。この戦いは原作通り激しい戦いとなり俺の修行用に作った呪霊錠もどきを外したところなんかで原作になかった展開もあったが、結果は覆る事は無く我愛羅が勝利を収めた。
「医療班、急いで下さい!!」
ガイがリーを横たえ、ハヤテが救護を要請する。そこにナルト達も下に降りてリーの様子を見守る。
「・・・!?あなたが担当上忍ですね。ちょっとこちらへ・・・」
状態を確認した医療班の1人に呼ばれるガイ。
「かろうじて呼吸はありますが全身の粉砕骨折と筋肉断裂。それだけならまだどうにかできるのですが、攻撃された左手足のダメージが特に酷い・・・こんな事を言いたくはないんですが、彼はもう2度と忍びとして生きていく事は出来ない体です」
「「「「「「「!?」」」」」」」
「そんな・・・」
「おいおい・・・」
「先生、何とかならないの!」
「医療班に無理なら俺達にはどうする事も出来ん」
「そんなぁ」
サクラ、シカマルその他の皆も絶句する中、いのがアスマに何とかならないかと問うが、彼等の担当上忍達は応急処置は出来るが流石に傷の治療までは出来ないしな。
「っと、普通に考えたら思うよな?」
「えっ?」
「俺達にはいるだろ?俺達の常識を容易く打ち破る規格外なお人がさ」
「「「「「「「あっ!」」」」」」」
アスマの言い方や言いたい人物が思い浮かび其方を一斉に向く。というか俺の方だな。
「あ〜君、運ばなくて大丈夫だよ」
「えっ、おお!葉先生!いらっしゃったんですか!!」
下に降りた俺に気付いた医療班の皆は歓喜の表情になった。
「ああ、彼は俺がこの場で治療するよ」
「えっ!葉先生の治療を見られるのですか!!」
「ああ、まぁ傷の度合いが酷いからオーバーソウルで治すけどね」
「いえいえ!どんな形であれ葉先生の治療を見られるなんて幸運ですよ!」
俺達が話す様子を砂や雨の面々が遠巻きに見ている。
「何だ?」
「あいつ、何をする気だ?」
「・・・・・」
「(何をする気かしら?あの傷は綱手でも治せるかは恐らく五分五分、サスケ君がイタチ以外で兄と慕う人物、どんな能力を見せてくれるのかしらね)」
確か音の担当上忍に扮した大蛇丸がいたよな・・・まぁいいか、来たら返り討ちにすればいいさ。
「先生っ!!リーを、リーをお願いしますっ!!」
「分かってるさ」
そう言って俺はリーの元にいく。原作でも治せるかは分からないとなっていた傷、実物を見ると本当によく治せたな。やっぱり綱手さん凄いなぁ。
「さぁ、行こうかエリザさん」
『ええ』
俺の呼びかけにエリザさんが現れる。エリザさんの登場でその場にいる俺達の事を知らない者達は驚愕する。
「「「「「「「「っ!!?」」」」」」」」
「O.S、エリザオペリーレン!」
霊体のエリザさんがより鮮明になり医療器具を装備した姿になる。上にいる面々が驚愕し、大蛇丸と思われる担当上忍が柵に乗り出して見ている中、エリザさんが膝をつきリーの体に触れて技を発動する。
「呪禁存思」
俺が技名を言いエリザさんがリーに手を触れ、そこから光が灯る。光が灯った所から生々しい音と共に傷が治っていく。
「先生、リーは・・・このレベル怪我を治すのはかなり時間が掛かるのでは・・・」
「・・・俺のシャーマンの治療術で時間が掛かるのは欠損した場所がある場合だな。腕一本で約2時間ちょい、だがリーは潰されてるとは言え失くなった部分は無い。だったら・・・」
そこまで言って立ち上がると同じタイミングで光が止み、そこには傷が治り切ったリーが横たわってる。
「すぐ終わるよ」
「っ先生ーーーーーっ!!!」
「やったぁっ!」
「よっしゃー、やったってばよ!」
「さすが兄さんだな」
「ああ、兄貴にゃかなわねぇな」
「良かったわねぇ」
「うん!」
「やっぱ凄え、お兄ちゃん!」
「凄いですね、あの傷をこの短時間で」
「ええ、僕と再不斬さんも治していただいたことがあります。本当に感謝しかないです」
「・・・凄いわね」
「ああ」
ガイが号泣し、サクラ、ナルト、サスケ、シカマル、いの、チョウジ、香燐、サイ、白、テンテン、ネジが話しており、担当上忍達は安堵の表情を浮かべている。
「おいおいマジかよ、あいつ治りやがったぞ」
「信じられない」
「・・・っ!」
「(これは!何という医療術!この私が理解できない術!!欲しい!欲しいわね!!)」
上にいる面々も驚愕したり興奮したりしている中、リーが眼を覚ます。
「うっ、僕は・・・」
「おお、リー!目が覚めたか!」
「ガイ先生・・・そうですか、僕は負けたんですね・・・申し訳ありません」
「何を言うんだリー!お前は立派に戦った、ここにいる者でお前の戦いを侮辱する者は1人もおらん!」
その言葉にリーはこの場にいる者の顔を見回す。皆の表情を見て胸を撫で下ろすリーは改めて自分の体を見渡す。
「それにしてもガイ先生、僕の傷が無いんですが・・・八門遁甲を開けた反動のダメージも」
「ああ!それは葉先生が治して下さったんだ!!」
「葉さんが・・・ありがとうございます!」
「良いよ良いよ気にしなさんな。大抵の傷は何とかしてあげるから、五体が吹っ飛んでもね・・・でもな?」
笑顔で話していた俺が突如、雰囲気が変わった事に皆が驚愕する。それと同時にチャクラと巫力が濁流の如く溢れ出しこの場にいる全員を威圧する。
「幾ら傷が治っても休まなきゃ疲れやダメージは残る、もし幾ら傷を負っても治るからって自分の体を顧みずに行使して行くようなら、その時は・・・俺がぶちのめしてでも止めるからそのつもりでね?」
「「お、押忍!!」」
「今の、葉の兄ちゃん。むっちゃ怖かったってばよ」
「先生はシャーマンとして鍛えてもらった方々に命の重さをこれでもかと教わったらしいからな。だから命を軽くみる事を許すことは出来ないのさ」
「葉さん、カッコいい」
さて、リーの治療も終わり、皆が上の階に戻り電光掲示板が動き出す。そして映し出されたのは雨隠れの最後の1人、夢火。そして我らが主人公うずまきナルト。
「よっしゃ〜、お待たせしました!やっと主役の登場だってばよ〜!!」
「よぉし、行ってこい!」
「頑張んなさいよ、ナルト」
「ぶちかましてこい、親友」
「おっし、やってやるってばよ!!」
「(いよいよだね、ナルト。本当はクシナと一緒に応援したいけどそれは心の中に留めておくよ)」
そう意気込み、2人の選手が下に降りて並び立つ。
「さあ、さっさとやろうぜ?」
「おうよ、こっちも暴れたくてうずうずしてんだ」
「それでは第十二回戦うずまきナルト対夢火初めて下さい」
「行くぜえ?忍法・朧分身の術!」
開始直後、夢火が術を発動し、10数体の分身を生み出す。
「分身か、ならこっちも多重影分身の術!!」
だが数ならばナルトの十八番だ。ナルトも影分身の術で20人程に分身する。
「「「「「「「「「行くぞ、おらあっ!!」」」」」」」」」
「(ちぃっ!)」
流石にこの数の分身で消耗戦をするのは嫌だったらしく分身を盾にやり過ごそうとしたが、ナルトは一枚上手だった。
「なんちゃってな!」
「はっ!?」
「「「「「「「「「風遁・烈風掌!!」」」」」」」」」
ナルト全員が掌から両手を合掌し、チャクラを変質させ風を生み出す。そしてその風を圧縮し、凄まじい烈風へと変化させ夢火の分身にぶつける。分身は瞬く間に消えていき夢火の姿が露わになる。
「ちぃっ!」
「逃さねえぜ!」
ナルトは分身と共に掌にチャクラを乱回転させて圧縮し術を完成させる。
「「「「「「「「「食らえっ!螺旋多連丸!!」」」」」」」」」
20人のナルトがジャンプして右手に作った螺旋丸を叩き込むために突っ込んでいく。夢火もこの術はマズイと思い逃げる。夢火がいた場所に螺旋丸が着弾し連続の衝撃音が響き渡る。
「先生、やっぱりあの螺旋丸って威力強すぎない?」
「ま、あれは四代目が形態変化を極めて印を使わずに瞬時に発動できる術として開発したものだからな」
「印を組む必要がないからナルトにはピッタリだな」
「それでいてチャクラが多いナルトには合ってるんだよね。螺旋丸は純粋な『乱回転したチャクラ』だからね」
俺が七班と話している中、ナルト達と夢火が改めて対峙する。
「へっ、よく避けたな。そろそろ新必殺技で終わらせてやるってばよ!!」
「へっ、新必殺技なんてさせねーよっ!」
ナルトは4人の分身と一緒に突っ込む。他の分身は夢火を逃さないように八方から手裏剣を投げて逃げ道を塞ぐ。
「ちぃ!」
夢火は何とか躱すがナルトの攻撃までは躱す余裕がなかった。
「う!」
まず1人の分身が夢火を殴り本体が分身の背中を踏み台にして飛び上がる。
「ず!」
「ま!」
「き!」
3人の分身が掛け声とともにそれぞれ攻撃し上に蹴り上げて行く。
「ナルト連弾!!」
「ぐはっ!!」
最後の踵落としが決まり、夢火が倒れて動かなくなる。その様子を見てハヤテは宣言をする。
「夢火戦闘続行不能とみなし勝者、うずまきナルト!」
「よっしゃー!」
ハヤテからの勝利宣言で同期は歓声を上げ、担当上忍はホッと一息ついている感じだ。
「皆、勝ってきたってばよ!」
「お前な、技の内容はオリジナリティ足してるけど名前はパクリ感凄いぞ」
「でへへへへ」
「まあまあ、それでもこの短期間で自分の色を足してオリジナルの技を作ったのは見事としか言えないさ。良くやったな、ナルト」
「おうっ!」
「(やったね、ナルト!これはクシナも喜ぶよ!!)」
ナルトの勝利に同期の皆も笑顔を向けてくれて、ミナトさんも声こそ出さないがニコニコ具合が凄いことになってるな。残る試合はあと一つ。電光掲示板に秋道チョウジ、ドス・キヌタの両名が記される。2人はすでに下に降りており、対峙している。
「おっしゃ行け〜、チョウジ〜!」
「いっけ〜!デブ〜!!」
「ん!見てろよあいつら〜!この試合さっさと終わらせてギッタンギッタンにしてやる〜!」
「じゃあ・・・遊ばずにさっさと終わらせてあげるよ。おデブさん」
「それでは最終戦、第十三回戦秋道チョウジ対ドス・キヌタ始めて下さい」
「この包帯グルグルかっぱ巻きが!部分倍加の術!!」
チョウジぱ術を発動し、腕を巨大化させる。
「僕は、ポッチャリ系だぁっ!!」
そして怒りの形相で腕を振り下ろす。ドスは余裕を持って躱し、チョウジの腕が当たった地面が揺れた。
「(くっ、このデブ思ったより遅くない。しかもあの肉体を巨大化する術、思ったより範囲が広いですね。これはまず本体より腕の方を狙った方が良さそうですね)」
「うらあああっ!!」
「そこだっ!」
狙いを定めていたようだが、相手の術を見ていたチョウジは直ぐに術を解除する。
「残念だったね!」
「だが、これで本体を狙えますよ!!」
その隙を逃さずドスはチョウジ本体を狙う。
「忍法・乱獅子髪の術!更に、忍法・針地蔵!!」
「くっ!」
「お前の考えは分かってるよ、倍加の術!!」
術を発動し、倍ほどの大きさになるチョウジ。
「肉弾針戦車!!」
巨大な大岩が転がってくるかのような迫力にドスは回避に専念する。そして上手くチョウジを誘導して壁に激突させることに成功する。チョウジは針地蔵のスパイクがあるから原作より壁にめり込んでしまったようで中々抜け出せないでいる。そんなチョウジにドスは自身の籠手でそっと触れる。
「耳栓してるから無駄だよ」
「イヤ、終わりだよ」
チョウジの言葉に構わず、ドスは籠手で音を発生させる。
「うわああ!!」
「「あ!!」」
「人体の70%以上は音を伝達する水分で構成されています。つまり肉の壁に衝撃音を伝える事くらい容易なんですよ・・・1番厄介な君の回転さえ止まれば鼓膜の大体の位置は狙えるしね・・・」
「勝利ドス・キヌタ!」
「君、大丈夫か!」
「にく、にく食べたい」
「あーあ、負けちゃったわね」
「戦い自体は悪くなかったと思うんだがな。ここが平地だったらもうちょいいけたんじゃね?」
「そうだな。ま、頑張ったし、焼肉は奢ってやるか」
そんな会話をしながらこっちに頭を下げてくるアスマ。大丈夫だって、焼肉代くらい俺が出すから。
「えー、ではこれにて“第三の試験“予選、全て終わります・・・中忍試験第三の試験本選進出を決めた皆さん、おめでとうございます。えー、では火影様、どうぞ」
「うん、ではこれより“本選“の説明を始めるよ。以前も話したように本選は君達の戦いを皆の前で晒す事になる。各々は各国の代表戦略としてそれぞれの力を遺憾無く発揮して見せつけて欲しい。よって本選は、一ヶ月後に開催されるよ」
「一ヶ月・・・結構期間があるんだな」
「ああ、相応の準備期間というわけさ」
「どういう事ですか?」
「つまりね、各国の大名様や忍び頭に¨予選‥の終了を告げると共に¨本選‥への収集をかけるための準備期間、そして君達受験生の為の準備期間でもあるんだ」
「?どういう事じゃん?」
「つまり、敵を知り、己を知る為の準備だよ。予選で知った敵の情報を分析したり、勝算をつける為の期間。これまでの戦いは実戦さながらで”見えない敵“戦う事を想定して行われてきたからね」
「(確かに、こいつが砂を操ることや他の奴がどんな戦い方をするかを見れたのは大きいな)」
「でも″本選“そうじゃない、ライバル達の目の前で自分の全力を出した子もいるだろう。相対的な強者と当たって傷付き過ぎた子もいるかもね、公正公平を期すために一ヶ月間は各々休息期間にするのもよし、更に精進してくれる事も期待しているよ」
「(確かに。この一ヶ月無駄にはできねーってばよ!)」
「と、長話になってしまって申し訳ないけど解散はもうちょっと待っててね?これから¨本選‥の為にやっておかなきゃいけない事があるからね」
「?何をやるんですか?」
「アンコが持ってる箱に紙が入っているから1人1枚取ってね」
「私が回るから順番にね!」
それぞれの目の前にアンコが来て箱を差し出す。そこから1人ずつ手を入れ、紙を取り出す。紙を開けてみるとそこには数字が書いてあり、それをイビキに報告していく。
「それじゃあ君達に本選のトーナメントを教えておくよ」
「えーーー!!?」
「その為のくじ引きだったのか!」
「ではイビキさん、組み合わせを皆に」
「ハイ」
イビキが書いたトーナメントには①うずまきナルト②日向ネジ③テマリ④奈良シカマル⑤白⑥香燐⑦うちはサスケ⑧我愛羅⑨カンクロウ⑩油女シノ⑪サイ⑫ドス・キヌ⑬春野サクラとなっていた
「(遠いな・・・)」
「(つーか俺、また女とかよ)」
「(何だ?本選はただのトーナメントだと?)」
「(くっそ、我愛羅と同じブロックかよ)」
「(うちは・・・サスケ・・・)」
「(砂隠れの忍びか・・・)」
「(うちの相手は白か!)」
「(僕の相手は音の人ですか)」
「(香燐さんが相手ですか・・・これは油断できませんね)」
「(うずまきナルトか、これは面白そうだ)」
「(日向ネジか、ぜってぇ負けねえぞっ!)」
「(砂瀑の我愛羅か・・・)」
「(皆より1試合多い、でもこれはアピールするチャンス!)」
ドス、シカマル、テマリ、カンクロウ、我愛羅、シノ、香燐、サイ、白、ネジ、ナルト、サスケが各々の対戦相手の事を考えているとミナトさんから声が掛かる。
「さて、各々が修行をするのも休息を取るのも自由にしていいからね。これで解散にしようと思うんだけど、最後に何か質問はあるかな?」
「あ、じゃあ俺いいっスかね」
「うん、シカマル君」
「トーナメントって事は優勝者は1人だけって事でしょう、つーことは中忍になれるのはたった1人だけって事っスか?」
「いや、そうじゃないよ?この本選には審査員として僕を含めて風影様や任務を依頼する諸国の大名や忍頭が見る事になってる。その審査員達がトーナメントを通して君達に絶対評価をつけて中忍としての資質が十分あると判断された者は例え一回戦で負けたとしても中忍になる事が出来るよ」
「という事は、ここにいる全員が中忍になれる場合もあるってことか?」
シカマルの質問に対してミナトさんが答えて、それにテマリが加わる。
「勿論、だけど逆に1人も中忍になれない場合もある。トーナメントで勝ち上がるという事は自分をアピールする回数が増えるって事なんだ。分かったかな、シカマル」
「うっす」
「それじゃあ、お疲れ様!また一月後まで解散だよ」
ミナトさんの号令で第三の試験の予選が終了した。ここから一ヶ月の準備期間が始まる。
次回はあのエロ仙人が登場予定です