霊と踊る仙人が異世界を謳歌する   作:蔵元優輔

62 / 101
中忍選抜試験ネジとナルトの戦いです。どうぞっ


第六十話

前回、中忍試験第三の試験予選が終わり、一ヶ月の準備期間に突入した。そんな中ナルトやミナトさんと歩いていたら綱手さん、大蛇丸に続く三忍の自来也さんと出会う。それからなんやかんやあり、ナルトが自来也さんに教えを乞う事となり、ナルトを含めた本選出場者の修行が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この一ヶ月、ある者はカエルを出したり、ある者はあらゆる方向から火の玉を撃たれたり、それぞれの修行を経て今日、中忍選抜試験本選の日になった。

 

今、「あ・ん」とデカデカと書かれた木の葉の玄関には、文字通り大名行列ができていた。各国の大名をはじめとした著名人が、ぞくぞくと木の葉の里に集まってくる。しかもいずれ名を上げるであろう下忍達の試合を一目見ようと、人々がわらわらと集まっていた。本選会場には何百、何千という観客が犇めいていて皆興奮の色を隠さないでいた。俺も綱手さん達や本選会場をに出られなかったメンバーと共に観戦している。そんなステージの中心には、本選まで勝ち進んだ強者達が闘いのフィールドに降り立っていた。

 

「(うっひょ〜!ここで戦うのかっ!)」

 

「(さ、流石にこの人数に見られてると緊張するわね・・・)」

 

「(あれ?僕と当たるドスって人いないな)」

 

「オラ!キョロキョロしてんじゃねー!しっかり客に顔向けしとけ、この『本選』お前らが主役だっ!」

 

本選担当のゲンマさんの言葉に木ノ葉組は気を引き締める。我愛羅は相変わらず仏頂面だが砂の2人は緊張した顔をしているな。この後の試合に緊張してるのか、はたまた試合の後の事について緊張しているのか。

 

 

 

 

見通しの良い、高所な物見やぐら。

四代目火影のミナトさんは一部の付き人しかいない場所で、試合開始の時間を待っていた。

 

「いよいよですね、四代目」

 

「うん、そうだね。っ!お待ちしておりました。風影殿」

 

「うむ、お招き感謝する。火影殿」

 

「長旅でお疲れでは無いですか?」

 

「ふっふっふ、年寄り扱いは不要ですぞ。私は火影殿とそう年は離れておりませんからな」

 

「あはは、そうでしたね。さて、それでは始めますか。えー、皆様。この度は中忍選抜試験お集まり頂き誠に有難う御座います!これより予選を通過した13名の『本選』試合を始めたいと思います。どうぞ最後までご覧下さい!」

 

「・・・12名なら、2人足りない様ですが」

 

「あ、はははは・・・」

 

 

 

 

 

「試合前に言っておくことがある。これを見ろ」

 

 

【挿絵表示】

 

 

そこにはサイと戦うはずだったドスの名前が無いトーナメント表だった。

 

「少々トーナメントに変更があった。自分が誰と戦うのか、もう一度確認しとけ」

 

「(僕一回戦多かったのに、あの包帯塗れのドスって人棄権かな・・・それとも)」

 

「・・・」

 

「あのさ!あのさ!ゲンマさん」

 

「ん?何だナルト」

 

「サスケがまだ来てねえけど、どーなんの?」

 

「ああ、カカシさんから連絡が来ててな。自分の試合までには到着する様だ、だから自分の試合までに付かなかった場合に不戦敗になる」

 

「押忍!分かったってばよ」

 

「良してめーら、これが最後の試験だ。地形は違うがルールは"予選"と同じで一切なし。どちらかが死ぬか負けを認めるまでだ。ただし俺が勝負が付いたと判断したらそこで試合を止める。分かったな?ではうずまきナルト、日向ネジの2名を残して他は会場外の控え室まで下がれ!」

 

 

 

「ナルト、この試合楽しみにしていた。お互い全力で戦おう」

 

「こっちもだってばよ、よっしゃ!暴れるぜっ!!」

 

「では第一回戦、始め!!」

 

「多重影分身の術!!」

 

開始直後、ナルトが術を発動し、煙が立ち込める。試合会場全体に立ち込めた煙が晴れると50人程の分身を出したナルトがいた。会場は興奮と驚愕に包まれた。

 

「おお〜、スゲェぞナルトっ!」

 

「ナルトちゃ〜ん、頑張って〜!」

 

「ナルトの奴、どんな体力とチャクラしてやがる・・・」

 

「影分身の術ですら上忍レベルの術なのに、禁術指定されている多重影分身の術まで・・・」

 

「この勝負、どういう展開になるか楽しみだ」

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「「「よっしゃ〜、行くぜっ!!」」」」」」」」」」

 

50人のナルトがネジ目掛けて突っ込んでいく。

 

「(この人数を相手にし続けるのは流石に体力を使うな。ならばっ!)」

 

ネジは攻撃の手を止め、待ちの体勢をとった。それを見たナルトは疑問に持つが分身を全方位から向かわせ攻撃する。攻撃が当たったと思った瞬間、ネジの体から全身を包む様にチャクラが放出される。

 

「八卦掌回天っ!!」

 

「「「「「ぐあっ!!」」」」」

 

その状態のまま体を回転させナルト達の攻撃を受け流してしまった。

 

「父様、あれは父様の」

 

「ああ、回天だ。攻撃を受ける瞬間、全身のチャクラ穴からチャクラを多量放出、そのチャクラで敵の攻撃を受け止め自分の体をコマの様に円運動させいなし弾き返す。本来、チャクラ穴から放出されるチャクラはコントロールが難しく上忍であっても手や足・体の一部からの放出を技に利用する程度」

 

「だけどネジはその天賦の才と努力により日向宗家当主に代々口伝される秘術を体得してみせた」

 

「・・・やはり凄まじき天才だな、ヒザシ」

 

「ええ、私の自慢の息子です」

 

「・・・まあ、私の娘も独自の八卦を生み出すに至ったがな」

 

「「・・・はっはっはっはっは!!」」

 

「ネジ兄様、凄い」

 

 

 

 

 

 

「くっそ〜、やっぱ数だけじゃダメかっ!ならっ!」

 

そう言ってナルトは右手の親指を噛み、印を組む。

 

「口寄せの術っ!!」

 

ナルトが地面についた手から煙が上がり、煙が晴れるとそこには人間の大人ほどある緑色の口紅をしたカエルがいた。

 

「あら〜、ナルトちゃん!早速呼んでくれて嬉しいわね〜!!」

 

「どもっす、ガマ力さん!早速で悪いんだけど、力貸してくれってばよ!」

 

「それは勿論良いけど〜、相手は、あの子?」

 

「八卦空掌!」

 

ガマ力さんが見る先には、八卦空掌にて影分身を薙ぎ払うネジの姿を捉えていた。

 

「あら、ナルトちゃんの対戦相手って日向の子なのね。イケメンねえ〜!それでいて、強いわね」

 

「そうなんだってばよ!全方位見える白眼もあって数じゃ押し切れねーんだ、だからガマ力さんの力を貸して欲しいんだっ!」

 

「なるほどねぇ、OKよ!コンビ技決めちゃいましょ!ナルトちゃん!!」

 

「おうっ!風遁・蝦蟇鉄砲!!」

 

ナルトがガマ力さんの背中から風のチャクラを貯めた掌底を放ち、それを受けたガマ力が口から水を高速で発射する。

 

「(くっ、早い!)ぐっ!!」

 

ネジはガマ力さんが放つ水弾の弾幕を避け続ける。

 

「はあっ!!」

 

「ガマ力さんっ!」

 

「ええっ!」

 

ネジがジャンプし此方に突っ込んでくるのを確認したナルトとガマ力さんは左右に飛び早めに回避する。ナルト達がいた所には分身ナルト達が大玉螺旋丸を作ってスタンバっていた。普段通りなら簡単に分かったろうが、発射スピードの早くて威力もそこそこある蝦蟇鉄砲を撃たれている中だったからな。

 

「何っ!っ!?しまった!!」

 

「「大玉螺旋丸っ!!」」

 

「くっ、回天っ!!」

 

ナルトの術を見た瞬間、ネジも回天を発動し、両者の術が激突する。10数秒の拮抗の後、お互いの術が弾けて吹き飛び地面にある激突するネジとナルト。地面に叩きつけられたナルトに駆け寄るガマ力さん。

 

「ナルトちゃん、大丈夫!!」

 

「っは〜、だ、だいじょうぶだってよ・・・」

 

「そう、よかったわあ。まだまだ相手も余裕があるわ。気合い入れ直しなさいっ!」

 

「押忍っ!」

 

ナルトはまだまだ余力もあり、直ぐに立ち上がる。ネジもほぼ同時に立ち上がり、開始時と同じ位の間合いで対峙する。

 

「・・・ナルト、お前は強い。だから、俺も敬意を払おう。構えろ、お前達は今、八卦の領域内にいる」

 

そういうとネジは独特の構えをとる。

 

「柔拳法・八卦六十四掌」

 

「あの構え、まさか」

 

ヒアシが構えを見て驚いている中、ネジが動き出す。最初の標的はナルト、ではなくガマ力さんだった。

 

「八卦ニ掌!」

 

「ぐっ!な、ナルトちゃん、ごめんなさぁい」

 

点穴を突かれたガマ力さんはそのまま煙と共に消えてしまった。そのままの勢いでナルトにも攻撃が向かう。

 

「四掌!」

 

「ぐっ」

 

「八掌!!」

 

「十六掌!!」

 

「ぐあっ」

 

「三十二掌!!」

 

「六十四掌!!!」

 

八卦六十四掌を受けたナルトだったが、技を終えたネジの手をガッシリ掴んで倒れまいとしている。

 

「へ、へへ、耐えてやったぜ?こんちくしょー」

 

「・・・何となくお前ならこの技に耐えるんじゃないかと思っていた」

 

「ん?」

 

「だから俺も、葉さんや第三班の皆との修行によって殻を破る事にした。これが、その答えだ!」

 

言葉の意味を考えるナルトを前に、ネジは手を瞬時に放させて技のモーションに入った。

 

「八卦・・・百二十八掌っ!!!」

 

「ぐああああっ!!!?」

 

凄まじい衝撃によりナルトも壁に激突してしまう。

 

「ナルトっ!」

 

「ナルト君っ!」

 

シノやヒナタが声を上げる中、ナルトはまだ意識はあり、何とか立ちあがろうとしていた。

 

「ぐっ、はっ、はっ」

 

「本当にタフだな、全身128箇所の点穴を突いたんだぞ」

 

「はあ、はあ、はあ、まだまだ、こっからだってばよ。はあああああ〜!!」

 

ナルトは印を組みチャクラを練ろうとするが、点穴を突かれているのでチャクラは練れてない。その様子に皆は心配した様子だ。

 

「ナルト、大丈夫かなぁ」

 

「大丈夫な訳ねーだろ。点穴突かれてんだ、今はチャクラも練れねーガキ状態だぞ」

 

「あの状態になると私らじゃどうしようもないのよね〜」

 

「ナルト君・・・」

 

チョウジ、キバ、いの、ヒナタが話す中、大人組も話している。

 

「ナルト〜!頑張るってばね〜っ!!」

 

「ちょ、クシナ様落ち着いてっ!落ちます!」

 

「何をやってるのよ・・・」

 

「まあまあ、自分の子供が試合やってんだ。ああもなるさ」

 

「ナルトっ!!ネジっ!!ファイトですっ!!」

 

「ナルトっ!ネジ!燃え上がれ!!青春だ〜っ!!!」

 

クシナさんが手摺に足を掛け乗り出しながら応援し、アンコが腰を支えてその横で紅が呆れている。その横でアスマがクシナさんを擁護して熱血師弟が応援している。そんな中、俺は原作とは違う流れになった試合とこの後の流れを思って微笑んでいた。

 

「こっからだよ。ナルト、お前の修行の真価は・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場面は2週間程遡り、ナルトの修行中、自来也さんのハゴロモ様への顔合わせも兼ねて天之御中の世界で一先ず休憩している

 

「どうだ、自来也殿。この酒もいけるだろう?」

 

「いや〜、最高ですな!食い物も酒も美味いし、この温泉も最高だのお!!それにまさか六道仙人様がこんなに話の分かるお方だとはのお、もっと厳格っつーか堅物なのを想像しとったからのお!!尾獣達も親近感湧く感じだし、こりゃあワシも頭が固かったのお」

 

「お前は小説書くか覗きしかしてなかったろう?」

 

「綱手、そういう事はこういう場でいうなっての!」

 

「ウンメー!母ちゃんの飯もうめえけどやっぱ兄ちゃんの世界の飯もうめえな!」

 

『そうだな!ここに居ると葉の世界の美味えもんとか色んな施設とか体験できるから最高だなっ!』

 

『そうだな、ほれ悟空』

 

『おう、ってまたバナナか!葉が誰か連れてくる度にこれやるのやめろや重明!!』

 

『お前ら、もう少し静かに飲めねえのか?』

 

浴衣姿のハゴロモ様や自来也さんが並んで飲んでおり近くで綱手さんやナルトが飲み食いしており孫悟空と重明がいつものコントをやり、牛鬼が酒瓶片手に突っ込んでいる。そんな中、俺の所にいる九喇嘛がナルトの中にいる方の九喇嘛に酒を注ぐ。俺の世界にナルトの中の九喇嘛も呼び込んでおり、天之御中の世界に来て浴衣姿のハゴロモ様を見て目が点になっていた九喇嘛に俺達は大爆笑していた。

 

『ほれ、半身よ。オメェも飲め、うめえぞ?』

 

『・・・フン、お前らと飲む気はねえ』

 

「九喇嘛、わしとも飲む気にならんか?」

 

『・・・ジジイ、何故ワシの前に出てこなかった?』

 

「・・・すまぬな、九喇嘛。本来はワシの力を引き継ぎし者がある一定の壁に当たった時に現れる筈じゃった・・・ワシは既に死んだ身、ワシらの力を使う者にほんの少し手を貸してやれれば、とな。だが、そんな中異なる世界でワシらの力に憧れ、その力を磨き、様々な者の運命を覆した者が現れた」

 

『あの葉って奴だな』

 

「ああ、母が世界を己が贄にしようとし、我が子インドラが力を持ってこの地を収めようとした。アシュラは多くの和を生み、今の世に繋がったがいつの世も争いは絶えなかった。そんな中里を、尾獣達を、人と人を繋いでいく葉と言う存在は、本当に嬉しかったのだ」

 

『そうだろうな、ワシらが負の塊の様に世の中に広まっていって戦争の道具の様になって世界は3度戦争をした』

 

「ああ・・・だが今、人柱力がおる四つの国に葉が関わり、その関係性も大きく変わっていった。お互いを気にする余裕もなかった皆がこうして酒盛りをして笑っていられる様になった。」

 

『な〜んだあ?そっちの九喇嘛〜、まだ拗ねてんのか〜?』

 

『それとも六道の爺さんと会えて嬉しくって泣いちまったかあ〜?』

 

『うるせーぞテメェら!猿と虫が千鳥足かましてんじゃねえよっ!!』

 

此方の九喇嘛と孫悟空と重明が爆笑する中、ナルトが丼を持ってこっちに来た。

 

「なあ、九喇嘛!一緒に食わねーか?」

 

『ああ?・・・小僧、何持ってきやがった?』

 

「きつねうどん!ラーメンとか、母ちゃんの料理も好きだけど、これも好きなんだってばよ!」

 

ナルトが丼を九喇嘛に見せながら話すが九喇嘛はそっぽを向いてしまった。

 

『フン・・・油揚げはあるか?』

 

『勿論あるぞ?ステーキなんかのガッツリなもんもある』

 

『葉の世界のワインとかウイスキーっていう酒もあるぞ』

 

『これがまたチーズとか生ハムと合いますよ』

 

『俺は焼酎とかオススメだそ、つまみにたこわさとか牛タンとかな』

 

『オメェ、タコに牛って共食いじゃねえか。俺はウォッカなんかの火酒だな!喉がか〜っと熱くなんのがたまんねえしな。つまみには刺身とかカルパッチョなんかを食うな』

 

『お前がカルパッチョって随分洒落たもん食ってんな。俺や穆王は泡盛にハマってるぞ!つまみにミミガーとか沖縄料理を食ってるな』

 

『ですね』

 

『ええい!一遍に喋るな!!』

 

九喇嘛は鬱陶しそうにしていだけど口元は少し笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

「はああああ〜っ!」

 

ネジが動こうとしたが、ナルトの周囲の雰囲気が変わり停止した。

 

「な、何だとっ!?」

 

地面が揺れ始める。ナルトの身体を中心に風が舞い、その風が突風を巻き起こす。ナルトから朱いチャクラの奔流が溢れ出していた。それを見たネジは、自身の常識では到底収まり切らない、得体の知れない相手に、息を呑み、辛うじて言葉を紡ぐ。

 

「! チャクラが漏れ出している。どういう事だ、ナルトお前まさか」

 

この光景を上から見ていた忍達や一般のお客さんも目を皿にして我が目を疑う。控え室に立っていた我愛羅は腕を組み、

 

「・・・っ!」

 

九喇嘛のチャクラに反応し、口を閉ざしながらも試合の行方を注視していた。全ての者が唾を飲み込み、手すりにかじりつく勢いで、この光景を見守っていた。次第に赤いチャクラが九本の尾を形取り、周囲のコンクリートの床や壁を削りながら、ゆらゆらと揺れ意志が形となり、ナルトの後ろへと集まり始める。

そんな一瞬の間、白眼を見開いていたネジだけでなくその場にいる全ての人が濃密なチャクラの集まりがその姿を顕現させる。オレンジ色の体毛に、九本の尻尾をたなびかせ、ナルトの後ろに立つ大きな狐、九喇嘛の姿が全員の目に映った。

 

「「「「「!!??」」」」」

 

三代目火影は、記憶よりサイズは小さいものの、その見覚えのある姿に、腰を浮かせる。

 

(あれは九尾! まさかナルトの奴め!ついに九尾の、いや九喇嘛と和解を!?)

 

会場にいた全ての者が声を失う。赤いチャクラが、まるでナルトを守るかのように螺旋を描き、渦巻いていく

九喇嘛がナルトの傷をみるみると治癒していく。異常な光景であった。だが、こんなもので終わりではない。直後、轟々と燃え盛る烈火の如く。ナルトの身体から、際限などないと言わんばかりに、淀みないチャクラの激流が噴出する。今までのように目を朱く染まることも、縦に割けることもなく、ナルトは自然な形で九喇嘛の力をその身に纏っていた。その姿は終末の谷でサスケと対峙した状態1の状態になっている。

 

(すげぇ力だ。白の時より、ドトウの時よりも感じる!)

 

指先から、足の爪先までチャクラが巡り、力がどんどん漲ってくる。

 

『フン、当たり前だ。今までは感情の高ぶりで無理矢理引き出していたんだ。封印されている今はまだ、その程度のチャクラしか送れないが、同じチャクラでも自分の意思で操るのと、そうでないのとでは、天地の差がある』

 

謙遜もいいところであった。その程度のチャクラで、すでに中忍はおろか、上忍すら、チャクラだけでいえば軽く凌駕している。準備が整ったのを見計らい、ナルトと九喇嘛が同時に動き出す。

 

「さあ、行くぞ! 九喇嘛!!」

 

『ケッ! 日向の小僧に目にものを見せてやるか!』

 

やっと形となったツーマンセルが動き出す。

 

「行くぞ、ネジ!」

 

「くっ」

 

次の瞬間。赤い閃光が地面を爆ぜ、一瞬でネジの目の前に移動する。

 

「あらあっ!!」

 

次の瞬間、ネジは殴り飛ばされていた。

 

「ぐはっ!」

 

白眼で警戒していたネジだが、その洞察力を持ってしても、殆んど目に映らないスピード。目で反応できないのだ。体などなおさらであった。

 

「どういう事だスピードの次元が今までと桁違いだぞ、殆んど見えなかった・・・ならば!八卦空掌!!」

 

ネジは近距離戦から遠距離戦に切り替えて八卦空掌を放つ。だがその技は九喇嘛のチャクラの尾によって塞がれてしまう。

  

「なんて出鱈目なチャクラだ、具現化までするのか」

 

二人の間に一瞬の間ができた。その時に九喇嘛が、心の内でナルトに言う。

 

『ナルト、勝負に熱くなるのはいいが、ワシのチャクラはお前の身体にはまだ馴染めないはずだ。時間は無制限ではない、そろそろケリをつけろ。まあ、ワシが代わりにやってもいいんだがな』

 

「ダメダメ! ネジは、アイツはオレが倒さなきゃ意味ないってばよ!」

 

『フン、なら行くぞ。ナルトっ!!』

 

「おうっ!!」

 

ナルトは乱回転するチャクラの球体を作りあげ螺旋丸を完成させる。だがそれだけではなく、完成した螺旋丸を赤いチャクラが覆い九喇嘛のチャクラの影響で赤いチャクラを纏った紫色の螺旋丸が完成させる。

 

「(な、何だあの術は!予選の時も今も使ってきたが、それらより更に膨大なチャクラが圧縮されている)」

 

「へへっ、九尾螺旋丸って何処かな。行くぜっ!!」

 

乱回転する朱いチャクラの塊を右手に宿しながら、前方へと駆け出す。ネジは後先のことを考えず、ありったけのチャクラを全身のチャクラ穴から放出し、自分の全てを懸けてナルトを迎え撃つ。

 

「ナルトォォ!!」

 

「ネジィィ!!」

 

「回天!!!」

 

「九尾螺旋丸!!!」

 

「「ハァアァアア!!!!」」

 

 

会場を吹き飛ばさんばかりの衝撃が発生する。その均衡は、すぐに終わりを迎える。刹那の間であった。ナルトの九尾螺旋丸が回天の壁に亀裂をつける。

 

『「ハァアアアア!!」』

 

回天を突き破り、ナルトの手に託された螺旋丸がネジに激突する。その凄まじい威力に乱回転し吹き飛んでいくネジ、そして壁にあたったネジは起き上がれないようで何とか息を整えている。倒れるネジをゲンマが確認して、勝者を宣言した。

 

「第一回戦勝者、うずまきナルト」

 

ゲンマからの宣言で大歓声が起こる。

 

「やったー! 勝ったってばよ!」

 

 




次回は大人気対決、シカマル対テマリです
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。