霊と踊る仙人が異世界を謳歌する   作:蔵元優輔

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今回は完全なオリジナル回、原作でこの場に居ないはずの香燐と白の試合となります。それと同時に原作では判明していないことの独自解釈があります。どうぞっ!


第六十ニ話

前回、中忍選抜試験本選第二回戦奈良シカマル対テマリが行われた。原作でも描かれたベストバウトで俺もかなり注目していた試合だ。お互い術を駆使しながら、相手の手の内を探り暴き出し自分の勝利を手繰り寄せる戦闘に会場は手に汗握る展開となった。しかし、テマリの手を見切り、自分の戦略に乗せて見事シカマルが勝利を収めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お〜いナルト、上に運ぶの手伝ってくれ!お前もう一回戦ってんだからな」

 

「ん?おう、分かったってばよ!」

 

シカマルがナルトに声を掛けてテマリを運んでいる中、俺達はシカマルの試合の話をしている。

 

「やったわね!シカマル〜!!」

 

「やったってばね!シカマル君〜!!」

 

「まさかシカマルが勝つなんてね〜、いい所でギブアップすると思ってたんだけどなぁ」

 

「それは俺も思ったぜ、でも結果はすんげえ試合しやがったな!」

 

「う、うん。シカマル君、凄かったね」

 

「ええ!」

 

「あのガキ、敵にゃしたくねーな」

 

「・・・そうね、あの子の知能と戦略、もう下忍レベルじゃ無いわ。もし基本小隊のチームで動く実際の任務であればテマリを捕獲した時点でシカマルの勝利は確定したも同然だものね」

 

「己の能力と技の技術を知り尽くしているからこそ戦闘中にパニくることもないし変に熱くなり過ぎることもない。だからこそ最悪の窮地と見れば冷静に引き返すこともできる」

 

「ああ、恐らく中忍に必要とされる心理的素養でいえばシカマルは最も大切なリーダーとしての素質を備えているだろ?」

 

「ええ、小隊のリーダーとして評価するなら任務を遂げる事以上に小隊を守り抜く力の方が遥かに重要ですしね」

 

「情報収集なんかじゃ「任務は達成しましたが全滅しました」じゃ話にならねえからな、犠牲やリスクと任務を天秤に掛けて生き残る事を第一に考え動けるタイプじゃなけりゃ、中忍になる資格は無え」

 

「それをふまえると前の2人はどうだった?イズモ、コテツ」

 

「そうですね、2人共俺達と比べても破壊力なんかは優ってますね。勿論戦闘面全体で言えば経験なんかの要素もあるから俺達でもやれますね」

 

「だがやっぱり個人の戦闘力しか見えなかったからな、ナルトやネジよりシカマルの方が確率ありますね」

 

いのやクシナさんが大きな声でシカマルを称賛し、チョウジ、キバ、ヒナタがシカマルの凄さを再確認し、再不斬、紅、アスマ、コテツ、イズモや俺がシカマルの中忍としての素質について話す。

 

「まさかあの奈良のガキが本選で勝ち残るとはな〜」

 

「そうですね、シカマル君の根本の性格からしたら出世とか興味なさそうですしね」

 

「でも今のシカマル君、勝っていい笑顔をしてましたよ」

 

綱手さんやパクラさん、サムイもシカマルの事を話している。そうこうしている間にナルトとシカマルがテマリをカンクロウの元に届け終えたみたいだ。それを確認しゲンマが次の試合に移ろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、それじゃあ次の試合を始める。選手の2人は降りてこい!」

 

「良し、行くかっ!」

 

「ええ」

 

香燐と白が降りてきて、ゲンマの前で対峙する。

 

「白、全力で行かせてもらうよ」

 

「ええ、香燐さん。僕も今出せる全力をもってお相手します」

 

「それでは、第二回戦始めっ!」

 

「水遁・爆水衝波!」

 

開始直後、白が印を組み、口から大量の水を生み出していく。それは円状のを闘技場の地面に足首が浸かるくらいの水が出てきていた。

 

「うおっ!早速水のフィールドにしてきたなっ!」

 

「行きますよ、水遁・水上切!」

 

香燐が迫る水に対して水面歩法を行いバランスを取っていると、白の術が炸裂する。白の蹴りの動作と同時に高速で水の刃が何本も飛んでくる。香燐は迫る水の刃をアクロバットな動きで右へ左へと避けていく。

 

「上手く避けますね。水遁・水龍弾の術っ!!」

 

「ならこっちも、火遁・火龍炎弾の術っ!」

 

術同士がぶつかった後、白は千本、香燐は苦無を構えて同時に走り出し闘技場中央で切り結ぶ。

 

「やはりやりますね、香燐さん」

 

「そっちこそな。得意技の魔鏡氷晶は使わないのか?」

 

「貴方には使いませんよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あーあ、日向一族の白眼とかうちは一族の写輪眼も大概だけど香燐もかなり特殊な能力持ってるわよね。神楽心眼だっけ」

 

「神楽心眼ですか。それは写輪眼の様な眼の能力なのですか?」

 

いのが香燐の神楽心眼について話し、リーが神楽心眼について聞いてくる。

 

「ああ、神楽心眼は千里眼とも言うべき超広範囲に及ぶ索敵術なんだ。目を瞑り心眼を開くことで、半径数十キロ以内で異常な動きを行うチャクラを感知する。また、特定済みのチャクラであれば、その位置や動向をより詳しく知ることができる」

 

「それってチャクラを察知して見えない相手でも何をやってるか分かるって事ですか?」

 

「そう、たとえばキバが匂いを頼りに索敵していても香燐には手に取るように分かるんだ」

 

「うへぇ〜、んだよそれ」

 

俺が説明するとキバが嫌そうにしている。確かに索敵が得意な者には遭遇したくない相手だよな。

 

「それに香燐には相手のチャクラの性質や行動パターン、またはそれを取り巻く前後関係や背景をも元に、相手が何をどのように考え行動しているのか?という点を推測する頭もある」

 

「香燐や香純さんはうずまき一族でもまた特異な能力が出てきた感じなのよね。私なんかはそういう能力は発現しなかったからびっくりだってばね」

 

「尾獣を抜かれても死なない生命力を持ってて言ってくれるわね」

 

「そうだな、本来は直ぐに死んでしまうものな」

 

「やっぱりクシナさんも大概ですよ」

 

「うぐっ!ひ、人を化け物みたいに言うなってばねっ!!!」

 

アスマが補足し、クシナさんが話を繋げる。クシナさんの何の能力もない発言に紅やパクラさんがつっこむ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達が話す中、試合は進む。何度も切り結びながらお互いの手の探り合いをしている。

 

「(くっ、やっぱ白強ー!頭パンクしそうになるわっ!)」

 

「(流石に対応されますか、流石ですね。ならば)」

 

鍔迫り合いの中、香燐を蹴り飛ばして距離を取る白。腰を落とし印を組む、直ぐにその場の気温が下がりだす。

 

「(来るか、白の血継限界、氷遁!)」

 

香燐が身構えていると白の周りで氷が発生し燕の形を形成していく。

 

「氷遁・ツバメ吹雪!」

 

白が香燐を指差すと、燕が一斉に香燐を向かって突進していく。

 

「くっ!」

 

香燐は何とか避けるが、燕は急速に方向転換し、再度襲ってくる。

 

「火遁・鳳仙火の術!」

 

香燐は燕に向かって鳳仙火の術を放ち、全ての燕を溶かし尽くす。白はすかさず次の術を発動する。

 

「氷遁・破龍猛虎!」

 

「っ!んなろお!!」

 

氷の狼が迫る中、香燐は桜花衝による打撃により狼を粉砕する。だが術に触れてしまったため、右腕が凍り付いてしまっていた。

 

「良く対処出来ましたね。でもその腕で試合を続けますか?」

 

「へっ、心にもない事言うなよ、白。うちがこの程度の傷で終わる訳ないの知ってんだろ?・・・オラっ!!」

 

そう言って香燐は凍った腕を地面に叩きつける。桜花衝による打撃に氷は耐えられず砕け散る。だが香燐も少なくないダメージを負うが自身の腕に噛み付く。すると傷がみるみる回復していく。

 

「・・・相変わらず凄い回復術ですね」

 

「こんなの余裕だ余裕!(・・・とは言ってもこのまま攻撃され続けるのはマズイな・・・なら、出すか。うちのとっておき!!)」

 

「何かするつもりですね、ですがさせませんよっ!氷遁・狼牙雪崩の術!!」

 

香燐が何かを狙っていると思った白が術を発動する。白の周りで雪が発生していき、それが狼の群れを形成していく。そして白のハンドサインで雪崩の如く香燐に向かって押し寄せていく。狼の雪崩が香燐に到達する瞬間、香燐の術が発動する。

 

「晶遁・一糸光明(しょうとん・いっしこうみょう)!!」

 

術が発動し、香燐の周りにローズクォーツの様な色の結晶が囲う。その結晶からビームを連続で発射していく。そのビームに当たった狼は軒並み結晶と化していく。

 

「なっ!?香燐さん、貴方は・・・」

 

「へっ、驚いたか?白」

 

「ええ、まさか血継限界を自力で覚えてくるとは思ってなかったですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「け、血継限界ってマジかよ・・・」

 

「そんな、香燐は血継限界の血筋ってわけじゃなかったわよね?」

 

「う、うん。そのはずだってばね」

 

アスマ、紅、クシナを始め、担当上忍や試験官達が驚愕する中、

 

「どうしたんだよ先生達、血継限界ってサスケ達の写輪眼とかヒナタのとこの白眼とかあるじゃねーかよ。術のは今戦ってる白の氷遁とかあるしよ」

 

「そうよ、先生達は何を驚いてんの?」

 

「本来血継限界ってのは一族ごとで継がれていくような特殊な術だ。うちはとか日向とかな」

 

「例外と言えば同盟国の嫌隠れの土影・オオノキ様が先代の無様から教わり、会得した火遁・風遁・土遁を合わせた血継限界の上の血継淘汰である塵遁ね」

 

「俺も火と風の性質変化を扱うがパクラ見てぇに灼遁をやろうとは思わねえな。前に先生と修行したんだがこれは無理だと直感したよ」

 

「そんな血継限界を自力で習得するなんてな」

 

「正確には血継限界じゃないんだけどな」

 

「「「「「「「「えっ?」」」」」」」」

 

キバやいのの疑問にアスマと紅が答えていき、アスマと紅の会話に俺が混ざっていく

 

「血継限界じゃないって、まさか・・・」

 

「ああ。晶遁はオオノキさんの塵遁と同じ、風・水・土の3つの性質変化からなる血継淘汰なんだよ」

 

「「「「「「「「っ!!」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさか貴方が血継限界を会得してくるとは思いもしなかったですよ」

 

「お兄ちゃんが言うには血継限界の上の血継淘汰なんだってさ。さあ、今度はこっちから行くぞっ!!晶遁・六角手裏剣・乱舞!!」

 

香燐が術を発動すると六角形の結晶でできた手裏剣を多数生み出し、白に向かって投げつけていく。

 

「水遁・水陣壁!」

 

白は手裏剣を投げられた瞬間、水の壁を瞬時に作り身を守ろうとする。しかし、手裏剣が当たったところから結晶になっていく。

 

「くっ(術そのものが結晶にされてしまった!)」

 

「まだまだ畳み掛けるよ!晶遁・翠晶刀!!(しょうとん・すいしょうとう)」

 

香燐は畳み掛ける様に、腕に水晶でできた刀を作り、白に向かっていく。白は千本で迎えうつが、それぞれの獲物の強度が違いすぎるので数本の千本を犠牲にして回避に専念している。

 

「氷遁・氷牢の術!!」

 

「晶遁・翠晶牢の術(しょうとん・すいしょうろうのじゅつ)!!」

 

お互いの術がぶつかり合い、中心地で巨大な水晶の塊が出来た。

 

「晶遁・翠晶分身の術(すいしょうぶんしんのじゅつ)」

 

水晶に写った自分の像から、複数の水晶分身が出てくる。その数6体、それぞれが白に向かっていく。

 

「「「「「「行くぜ、白!」」」」」」

 

7人の香燐が襲いかかる中、白はツバメ吹雪の術を使用し退こうとするが、翠晶分身は中々硬いので簡単には消えてくれない。

 

「(くっ、影分身より硬いですね。このまま数で押されるのはまずいですね・・・ならばここは隙が生まれますが、大技で流れを変えます!)氷遁・双龍暴風雪っ!!」

 

思ったより翠晶分身が硬く不利になっていった白は両手から黒龍の竜巻を生み出す双龍暴風雪を放ち一網打尽にする。流石に映画のラスボスが使っていた術だけあってすごい威力だな。周りの人達も私物が飛ばされない様に抑えていたり近くの人同士で捕まりあっている。

 

「こっちも奥の手だぜっ!晶遁・破晶降龍!!(しょうとん・はしょうこうりゅう)」

 

水を結晶化させ、龍のような形にする。お互いの龍がぶつかり合い会場に凄まじい衝撃が襲う。だが、破晶降龍にぶつかっている黒龍が徐々に結晶になっていく。白は直ぐに術を解除し、またもや水晶が落ちてくる。白は落ちてくる水晶を利用し瞬神の術で香燐の背後に現れ、拘束する。

 

「これで終わりですよ。香燐さん」

 

「そいつはどうかな?」

 

「え?・・・なっ!?」

 

白が疑問にもっと結晶の影から香燐が現れた。白が捕えたのは翠晶分身だったのだ。香燐は翠晶分身を一体維持しており、水晶が落ちてくる中入れ替わっていたのだ。

 

「食らえ、晶遁の術!」

 

香燐の術により結晶から放たれた光線が分身に当たる。白も逃げようとするが分身はガッチリと白の腕を拘束していて逃げられない。

 

「ふふ、完敗ですね」

 

そのまま白は翠晶分身と一緒に結晶の中に閉じ込めてしまった。

 

「はあ、はあ、はあ、はあ・・・や、やった」

 

「本選第三回戦勝者、香燐!」

 

白が自力で脱出出来ないと判断したゲンマから勝利宣言がされる。

 

「よ、良し「香燐〜!」っ、お母さん?」

 

「香燐、おめでとう〜、おめでとう〜!!」

 

「お母さん・・・うち、やったよ〜っ!!」

 

お母さんの涙ながらの賞賛に香燐は目に涙を浮かべながら満面の笑顔を浮かべている。香燐、おめでとう!




次回から原作のサスケ対我愛羅、そしてその後の大戦になります
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