霊と踊る仙人が異世界を謳歌する   作:蔵元優輔

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お待たせしました


第八十一話

前回、暁のアジトを目指していた俺達の前にオビトが現れる。イタチのポジションで出てきたオビトと戦おうとすると原作よりもかなり早く飛段と小南も現れて戦いに参戦してきた。俺はカカシ班と共に連携して3人を撃退する。

 

 

 

 

 

 

 

鬼鮫の偽物を退けたガイ班は、行軍を再開し暁のアジトに到着する。

 

「ここか!!」

 

「我愛羅はこの岩の中だ」

 

「白眼!!」

 

「どうネジ?」

 

ネジは早速白眼を発動し岩の中を透視する。その直後ネジは冷や汗をかき体を膠着させる。

 

「な・・・なんだアレは?」

 

「ネジ・・・岩の奥はどうなってるんですか?」

 

「・・・とても口では説明しづらい」

 

ネジの言葉を聞いたガイは走り出し一瞬でトップスピードに持っていき正拳突きを叩き込む。鈍く芯に響くような音が響くが岩には傷1つ付かなかった。

 

「結界か・・・」

 

「どうしますか?」

 

「まずは結界を外さねばならんぞ!リーよ!」

 

「どうやって?」

 

「それは「五封結界」だ」

 

結界を前にどうするか話し合っていたガイ班の前に結界の説明をしながらカカシ達第七班、俺、チヨさんが到着する。

 

「遅かったな、カカシ」

 

「いやいや、途中面倒臭い奴らに絡まれちゃってね」

 

「ナルトくん!サスケくん!サクラさん!葉さん!」

 

「オッス!!」

 

「カカシよ、ワシの事ではあるまいな」

 

「・・・いやいや、そんな訳無いじゃないですか」

 

「皆さん、一足早かったんですね!」

 

「サクラ、そっちのおバアさんは?」

 

「砂の相談役の方です!」

 

皆がお互いの挨拶と近況報告などを行なっていく。

 

「さて!やるとしますか、先生!カカシ!!」

 

「ああ!」

 

「おう」

 

「カカシ、そろそろ拙者は消えるぞ。居ても邪魔にはなっても役には立たんからな」

 

「パックン御苦労さん」

 

「よーし!まずはこの結界だな、カカシよどうすれば外れる?」

 

「この五封結界は近辺に禁の書かれた札を五カ所に貼り付けて結界を作ってるのよ。目の前にある禁の札と他の四カ所、その全てを剥がさなければ結界は外れない」

 

「どこにあんだ、その他の4枚ってば?」

 

「ネジ、頼む」

 

「分かりました・・・白眼!!」

 

「見つけた・・・ここから北東の方角約500メートルの岩の上・・・南南東約350メートル川岸に生えている木の幹・・・北西約650メートルの岩壁・・・南西約800メートル弱の林の中だ」

 

「よし!その距離なら無線が使えるな、ネジの指示を受けながら相互連絡を取って札の場所を見つけるぞ!」

 

ガイ班とカカシ、それに俺が無線を取り付ける。

 

「無線セッティングOK」

 

「スピードならオレの隊の方が速い。周波数は174だ、連絡を待っていてくれ!」

 

「頼む・・・」

 

「ガイ班!青春フルパワーで行くぞ!散!!」

 

 

 

 

 

 

『もう少し南だ、リー』

 

『OK!ありました!』

 

『こっちもあった!』

 

『良しみんな!札を剥がせ!』

 

 

 

「突入方法はボタンフックエントリーだ」

 

 

 

「サクラ!」

 

「ハイ!!」

 

『(上手く行ったようだな)!・・・ネジ』

 

『ああ・・・こっちもだ』

 

「どうした、ガイ。何があった?」

 

『何なのコレ?』

 

『恐らく敵のトラップそこにはでしょう』

 

『なるほど・・・結界が外されてもトラップが発動して敵の侵入を阻む・・・って訳か』

 

『フォーマンセルをバラして1人ずつにし、結界には周到に保険までかけてるとはな・・・大した奴らだ』

 

『そう言う訳だカカシ、先生。オレ達は少し時間が掛かりそうです』

 

どうやら例の自分の写し見と戦うトラップが発動したんだろうな。

 

「了解だ」

 

通信を終え、俺達は岩の中に入る。そこには、原作通りサソリとデイダラとデイダラに座られている我愛羅がいた。

 

「(遅かったか・・・)」

 

「「「!」」」

 

「・・・!(・・・サソリ・・・)」

 

「さて、どいつが人柱力かな・・・?うん」

 

「てめーら!」

 

「・・・あいつらしいな・・・」

 

「どうやらそうみたいだな・・・うん」

 

「我愛羅・・・ぶっ潰すっ!!」

 

デイダラが尻に敷いている我愛羅の状態に怒りが溢れてきたナルトがサソリとデイダラを怒鳴り散らした。

 

「ナルト・・・止まれ」

 

「けどよっ!っ!!?」

 

「我愛羅の事は何とかしてやる・・・だから、落ち着け・・・久しぶりだな、デイダラ」

 

「ああ、葉の兄貴。久しぶりだな・・・うん」

 

「数年前に爆破部隊に入ったのを祝って以来だったな。・・・あのまま行けばお前はこの道には行かないんじゃないかと思っていたんだがな」

 

「へっ、やっぱ兄貴の見た世界でもオイラは暁に入ってんだな。やっぱりオイラの芸術への探究心は抑えられなかったか!・・・うん」

 

「見た世界?どう言う事だデイダラ」

 

「ああ、サソリの旦那は全く関わってねーから知らねえよな。あそこにいる葉の兄貴は自分がいないこの世界を見たことがあるんだと、俺達が絵巻や物語を見るみたいにな・・・うん」

 

「んだと・・・」

 

「だからサソリの旦那の過去も知ってると思うぜ?兄貴は俺と会って確認して来たがサソリの旦那には何も聞いたりして来なかったろ?オイラとコンビを組んでるならアンタだと分かってたんだ」

 

「・・・面倒な敵だな」

 

「確かにな!それに五大国の和平が締結したって事は全ての尾獣の半身を宿してて御伽話の六道仙人みたいになってんだよな!・・・いや本人に認められてんだからもうまんま六道仙人か!・・・・・うーーーん」

 

「・・・デイダラ、テメェ何考え出してんだ?」

 

「あー、旦那・・・これ言ったら多分旦那は怒るだろーけどよ・・・あの人柱力はオイラがやる・・・うん」

 

「ノルマは1人1匹だろーが・・・図になるなよデイダラ」

 

「芸術家ってのはより強い刺激を求めていねーと感情が鈍っちまうもんなんスよ・・・旦那。九尾の人柱力はなかなかに強いって噂だしな・・・うん」

 

「何だ?あの爆発が芸術だってのか?芸術ってのは長く美しく後々まで残っていくもの・・・永久の美が芸術だ」

 

「同じ物造りとして旦那・・・アンタは尊敬するが芸術ってのは美しく儚く散っていく一瞬の美を言うんだよ・・・うん」

 

俺の話をしていたと思ったらいつの間にか自分の美意識の話になっていったな。それに痺れを切らしたナルトが巻物を出し手裏剣を開封する。

 

「テメーら、いつまでくっちゃべってんだ!!」

 

ナルトが投げた手裏剣はデイダラと話続けているサソリの尻尾パーツで弾き落とされてしまう。

 

「デイダラ、テメーはオレを怒らせてーのか?」

 

「だから・・・多分怒るだろーけどってさっき言ったろうが・・・うん!?」

 

「手裏剣を見もしないで・・・」

 

「見事に隙が無かったな・・・声を出したといっても手裏剣だぞ」

 

「(やはり傀儡捌きは昔のままじゃな・・・)」

 

サクラとサスケはサソリの実力の一端に驚き、チヨさんはサソリの傀儡捌きを再確認していた。

 

「オイラの芸術は爆発そのものだ。旦那のびっくり人形喜劇とはワケが違うぜ!うん」

 

デイダラは立ち上がりながら隣にいる鳥型の起爆粘土に我愛羅を咥えさせる。だがそれをサソリが尾を突き刺して止めようとする。

 

「!」

 

だがデイダラはサソリの尾を難なく躱して飛び上がる。

 

「チィ」

 

「じゃあな旦那」

 

そう言ってデイダラは飛び立ち、俺達が開けた穴から外に出てしまう。

 

「カカシ、ナルト、サスケ!デイダラは任せた!こっちは・・・俺達がやる」

 

「「「っ!了解っ!!」」」

 

「さてと・・・」

 

「テメェが残んのかよ・・・面倒くせぇな。まぁ良いか」

 

「(対峙しただけで分かる・・・物凄い実戦経験の差と・・・他人を殺してきた数!)」

 

「サクラ・・・恐るな、このワシがおる。お前は後ろへ下がっておれ」

 

そう言うとチヨさんは袖から苦無を取り出してチャクラで浮かせて構える。それを手の動きで飛ばすがサソリの尻尾によって防がれる。そしてサソリは破れたマントを破りながら脱ぎ、その姿を表した。

 

「オレに楯突こうってんなら仕方無ェ・・・そこのガキ共と一緒にオレのコレクションにでもなるか?チヨバアよ」

 

「!?(な、何なのアレ・・・!?)」

 

「サクラ・・・あれはサソリの本体ではない。傀儡人形じゃ」

 

「まずは臓物引きずり出して・・・皮膚を剥いだらキレーに洗って血抜きして・・・腐らねーように処理したら仕込みを組んで傀儡コレクションの一丁上がりだ。ババアの言う通りオレのこの姿もその中の1体の姿だ・・・そしてお前ら3人で丁度300体になる・・・オレの芸術だ」

 

「・・・あれが本体じゃないって言うのは何となく分かります。じゃあ本体は何処なんですか?傀儡使いは後ろで糸を操っているハズでしょ?」

 

「本体は・・・あの中じゃ」

 

「え!」

 

「傀儡使いは接近戦に弱い。人形を操る時隙が生じやすいからの・・・つまりそれを克服したのがあの傀儡じゃ。傀儡が鎧となりそしてそれが武器にもなる、サソリの十八番『傀儡・ヒルコ』じゃ・・・ワシも良く知っておる」

 

「じゃあ・・・どうすれば?」

 

「とにかくじゃ・・・まずはサソリをヒルコから引きずり出さねば話にならん。傀儡で最も恐ろしいのは何処からどの手順で攻撃が来るのかが分からぬ仕込みだ」

 

「でもチヨバア様はあの傀儡のカラクリを良く知っている。そこはこっちに分がありますよね」

 

「うむ・・・じゃから最初はワシ1人でやれると踏んであった。じゃが・・・そうもいかんようじゃ・・・」

 

「えっ?」

 

「ワシの知っとるかつての『傀儡・ヒルコ』とは少し形態が変わっておる。まず・・・背中にあれほどの甲羅は無かった。よりガードを強化したのじゃろう・・・あの左手も初めて見る・・・それに、1番重要な仕込みカラクリも改造しておるかもしれん・・・」

 

「・・・どうすれば・・・」

 

「サソリを倒すにはまずあのヒルコをバラすしかない・・・が、それだけの破壊力はワシの手の内には無い。しかしじゃ・・・サクラ、そして葉よ。お主達にはある、綱手姫直伝の怪力に尾獣達の強大な力が」

 

「・・・・・」

 

「良く聞けサクラ、葉。まずは奴に近づき傀儡を叩き壊す。ただしじゃ・・・仕込みカラクリの攻撃は全て躱さなくてはならん」

 

「毒ですね・・・」

 

「そうじゃ・・・カスリ傷でさえ致命傷になる・・・攻撃を躱すには造形師の傀儡の仕込みの癖を知り、とっさの攻撃を回避する状況判断能力が要る」

 

「仕込みの知識・・・とっさの判断能力・・・私にはそのどちらも足らなすぎる」

 

「確かにな・・・それらには多くの実戦経験が必要じゃ・・・」

 

「それじゃ・・・私はどうやって・・・」

 

「お前にはワシはどう見える?ただの頼りないババアか・・・それとも」

 

「・・・・・」

 

「任せておけ・・・その為にワシがおる。実戦経験はあやつの比では無い。それにじゃ・・・先手は打った」

 

「え!?」

 

「耳を貸せサクラ、葉。ワシ等であやつを倒す」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、外に出たデイダラを追ったナルト、サスケ、カカシはその場で旋回して岩の上に座ったデイダラと対峙していた。

 

「オイラなんかを相手にしてて良いのか?うん?写輪眼のカカシよ・・・言っちゃあ何だがサソリの旦那はオイラより強いぜ・・・多分な・・・うん」

 

「何言ってんだか・・・お前さんも先生に関わった事があるなら分かるでしょうよ。お前の相方より麻倉葉の方が遥かに強い」

 

「ああ・・・確かにあの兄貴がいりゃあ大概の事は解決するだろうがな・・・だけどな、今回は足手纏いがいるだろ?そんな状況じゃあの人だろうと苦戦するだろ・・・うん」

 

「・・・あの場に、足手纏いなんていないってばよ」

 

「フン・・・どうだかな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「分かりました・・・やってみます!」

 

「そろそろ良いか?知ってんだろ・・・オレは待たされんのが嫌いだってよ」

 

「安心しろ・・・すぐ殺してやる!」

 

チヨさんがそう言った直後、俺達3人は走り出す。

 

「フン」

 

サソリは口の布を取りそこから千本を打ち出してきた。サクラとチヨさんはそれを躱していく。そして俺は輪廻写輪眼を発動し、体の表面に神羅天征を発動して千本を弾いていく。本来なら神羅天征は1回使用すると5秒のインターバルが必要だが、今回は範囲を俺の体表面と限定し尚且つ威力を制限しているので持続時間を気にせず使えている。

 

「(やっぱりこんなんじゃ止まらねぇか・・・)」

 

「(葉さん、全く避けてない・・・流石っ!)」

 

「(こやつ、サソリのカラクリを全く恐れておらんな・・・なんて男じゃ)」

 

それぞれが俺の動きに感想を思っていると、俺達は千本を抜けた。だがサソリは直ぐにヒルコの左手部分を飛ばしてきていた。

 

「死ね」

 

サソリの言葉と同時に左腕部分のカラクリが起動して更に多くの千本が発射された。俺は真正面だったこともありスピードを下げて神羅天征の出力を上げて対処した。一方、サクラとチヨさんはこれも2人して回避し切っていた。これにはサソリも疑問が出てきた。

 

「(あの小娘まで・・・何故だ?)」

 

サソリが近づいてきたサクラに尾を放つ。だが尾はサクラの目の前で止まる。その尾を上に飛んでいた俺が落下しながら飛沫と入れ替えた長刀・縫い針を尾に突き立て、鮫肌で叩き潰した。

 

「(そうか、ババア!)」

 

「今じゃサクラ!叩き込め!!」

 

「ハイ!!!」

 

チヨさんの合図でサクラが飛び込み、渾身の拳を叩き込んだ。それによりサソリが入っているヒルコが破壊された。ヒルコが破壊されるとその中から小さな影が出てきた。

 

「・・・!?(アレが本体・・・!?)」

 

「流石・・・オレのババアなだけはある・・・通りでこの小娘までオレの仕込みを躱せた筈だ。オレの攻撃を見切れるババアが傀儡の術のチャクラ糸で小娘を操ってたんだからな」

 

「(バレた・・・)」

 

「それにだ・・・ご丁寧にヒルコの尻にまでチャクラの糸を・・・最初に苦無で攻撃をした時だろう?苦無に付いていたチャクラ糸を苦無を弾いた尾に付け替えた」

 

「ホウ・・・目に見えぬようチャクラをギリギリまで抑えていたというのに・・・良く分かったな」

 

「そりゃそうだろ・・・苦無遊びをオレに叩き込んだのは他でも無い・・・アンタだぜ」

 

「・・・ああ・・・じゃが遊びは今日で終わりじゃ」

 

チヨさんの言葉にサソリは破れたマントを取り素顔を晒す。その姿

 

「さーて、そう簡単にいくかな?チヨバア様よ」

 

「!?」

 

「チヨバア様、葉さん。こいつが・・・サソリ?」

 

「・・・・・(どういう事じゃ・・・昔のまま・・・歳を取っておらぬ)」

 

「とっておきを見せてやる。殺す時苦労したコレクションだが・・・それだけに1番気に入っている」

 

そう言いながらサソリは袖から巻物を取り出す。そこには漢字の三が書いてあった。巻物から煙が起き煙が晴れるとサソリの背後に傀儡が現れていた。その光景に俺は穢土転生を使った大蛇丸を思い出していた。

 

「・・・!!そ・・・それは・・・まさか・・・」

 

「・・・何?どうしたんですか?」

 

「それは・・・三代目風影・・・」

 

「クク・・・さて、やるか」

 

「三代目風影って、それじゃあ・・・」

 

「もう10年以上も前の話じゃ・・・三代目風影が突然姿を消したのは・・・サソリ、お前が・・・!!」

 

「フン・・・隠居した死にかけのババアが今更ご苦労なこった」

 

「隠居した死にかけでもわざわざ重い腰を上げて見るもんじゃ・・・まだまだ死ぬには心残りがありすぎる・・・我が孫が悪党に身をおとすだけならまだしも里を裏切り3度までも風影に手をかけようとは・・・!」

 

「3度?」

 

「我愛羅の父、四代目風影を殺したのは大蛇丸じゃったがそれを手引きしたのはこやつじゃ・・・そして今回の我愛羅も・・・更に三代目まで・・・」

 

「さぁて、そろそろやろうぜ?」

 

「!」

 

「!キャッ!!」

 

サソリが三代目風影を此方に向かわせ、チヨさんがサクラをチャクラ糸で引っ張る。

 

「!!」

 

「(速い!)」

 

チヨさんがサクラをチャクラ糸で更に引っ張り助けようとするが三代目風影は予想より速くサクラに到達した。サクラに刃が当たりそうな瞬間、俺は鮫肌と新たに取り出した首斬り包丁を携えてサクラの前に躍り出た。俺は首斬り包丁を前に、それを鮫肌で抑えて刃を防ぎ切る。

 

「流石にこれくらいは防ぐか・・・」

 

俺が防いだのを確認したサソリは三代目風影に距離を取らせて左手を前に翳させる。すると左手が展開されていく。

 

「ソォラァ!!」

 

サソリの言葉と共に展開された左手のパーツに書いてある術式から大量の腕が出現した。これも口寄せ術式のようなものだろうか。大量の腕はサソリの操作で二手に分かれて俺とサクラに襲い掛かる。俺は首斬り包丁を飛沫と入れ替えて構える。そして思いっきり振りかぶって飛沫を大量の腕に叩きつける。叩きつけると同時に飛沫の起爆札を爆発させて腕を爆散させる。サクラの方はチヨさんが操って大量の腕を回避している。

 

「(あいつはともかくババアが操ってんならラチがあかねェ)だったら」

 

サソリが手を変えたのが見えたチヨさんがサクラを更にサクラを引き戻す。だが腕の1本から煙が出て来てチヨさんは慌てる。

 

「(・・・いかん!)サクラ、息を止めろ!!」

 

「くっ(毒!?)」

 

サクラが毒の煙に巻かれたのを横目で見てサクラを助けようとするが、俺の方に来ていた腕から更にワイヤーが伸びて来て俺に絡み付いてくる。それと同時にこっちにも毒の煙が襲ってくる。そこでおれはある精霊に巫力を注ぎ急いでサクラの元に向かってもらった。

 

「サクラ!待っておれ!!」

 

チヨさんが助けに行こうとするとサクラの方の毒煙が急にサソリ側に吹き飛んでいく。その場にはワイヤーが解けたサクラとその背後にスピリット・オブ・ウインドが翼を振り下ろしている。

 

「えっ!これって・・・スピリット・オブ・ウインド!!」

 

「!?何と・・・はっ、葉は!」

 

「っ!そうだ!こっちにスピリット・オブ・ウインドがいるなら葉さんはっ!?」

 

2人が心配して此方の毒煙の方を見るが、その瞬間に煙が晴れる。そこには手には鮫肌と飛沫を持っており背中から重明の蟲の羽を生やした俺が現れる。

 

「問題ないよ」

 

『そうだ、葉には俺達も付いてんだ!そう簡単には殺れないゼっ!!』

 

「ホウ・・・」

 

俺達が毒煙から脱出した瞬間、腕の管から複数の苦無が発射される。俺とサクラが対処しようとするとチヨさんが手で制してきて、両手に巻物を取り出し直ぐに中身を開封する。巻物から出てきたのは男女の傀儡だった。その傀儡達が苦無を全て弾いてしまった。

 

「ああ・・・それか」

 

「そうじゃ・・・お前が造った最初の傀儡・・・父と母じゃ」

 

「今更そんなので何しようってんだ?オレの造った傀儡だ、手の内はバレバレだぜくだらねェ・・・」

 

サソリがそう吐き捨てるとチヨさんは傀儡を操作し片方ずつの手を合わせる。手を離すと指と指の間にワイヤーが張ってあった。

 

「(・・・ワイヤー?)」

 

そのまま傀儡が動き出し三代目風影から出ていた腕を瞬く間に切り払っていってしまう。三代目風影の目の前まで行くと腕は取り外され懐から丸鋸が現れ、チヨさんの傀儡からも苦無が付いた鞭、刀が出てきて激しい剣戟が始まる。その間のチヨさんとサソリの絶え間なく動き続けて傀儡を操作し合っている。3体が距離を取るとそれぞれの武器は刃の部分が半壊していた。

 

「す・・・凄い・・・」

 

「・・・流石に面倒になってきたな・・・さっさとコレ使うか」

 

サソリがそういうと三代目風影の口が開き、黒い煙のように漂う物体が出てきた。

 

「やはりその傀儡・・・三代目の術を・・・」

 

「久しぶりだろ・・・この術で三代目風影は最強と謳われたんだからな・・・グチャグチャだぜ」

 

「チヨバア様、あれは一体なんなんですか?」

 

「砂隠れで最も恐れられた武器・・・砂鉄じゃ。かつての守鶴の所有者が用いた術を応用して三代目が自ら開発した術での・・・あらゆる形状に砂鉄を変化させ状況に応じた武器を作り出す。三代目風影は練り込んだチャクラを磁力に変えることが出来る特別な体質だった」

 

「血継限界ですね・・・でもアレはただの人形でしょ?どうして生身でもないのにチャクラが」

 

「いや、アレは元々生身の人体から造った人傀儡・・・そしてそれは生前のチャクラを宿したままに造られる。人傀儡はサソリにしか造れない。そしてそれによって生前のその者の術を扱うことが出来る・・・それが人傀儡の最大の利点でもあるんじゃ」

 

「それだけじゃないぜ・・・なんせオレのお気に入りコレクションだからな」

 

「葉、サクラよ・・・お前達は外へ出ろ!後はワシが1人でやる」

 

「えっ!?」

 

「これは想定外過ぎる・・・アレが出た以上ここからはワシも余裕はない」

 

チヨさんが話終わると同時にサソリの準備も終わったようだサソリと三代目風影の周りに砂鉄の塊が大量に漂っている。

 

「遅いんだよ・・・砂鉄時雨!!」

 

「!!」

 

「!!(マズい!)」

 

チヨさんは素早くサクラを母型の傀儡で確保し攻撃範囲から逃す。俺も守鶴の砂を展開して迎え撃つ、それと同時に砂鉄時雨が殺到する。煙が晴れるとサクラとチヨさんの前に父型の傀儡が腕を展開してエネルギーシールドの様な物を展開している。

 

「ホウ、少しはイジってるじゃねーか・・・チャクラの盾とはな、オレが遊んでた頃よりはグレードアップしてるようだな」

 

サソリがチヨさんの改良に感心していると、チヨさんが傀儡を元に戻そうとすると関節部などに砂鉄が入ってしまい動きが鈍くなっている。

 

「(やはり砂鉄で身動きが・・・)」

 

「クク・・・この術はそいつみたいに防ぐんじゃなく躱さないとダメだって知ってんだろ?小娘を逃すだけで手一杯だったか?」

 

「そいつの身体中に砂鉄を潜り込ませた・・・こっちに三代目の磁力がある以上もうそいつはダメだぜ?・・・・・さて、今度は2人を狙って一斉に攻撃する。確実に仕留めるため殺傷能力重視の形状にしてな」

 

「1つの傀儡じゃ2人一遍にはガード出来ないぞ、どうするババアっ!!(ククッ、さあてどっちが死ぬ?)」

 

煙が晴れるとサクラの前に母型の傀儡がチャクラの盾を展開しており、チヨさんは自らの右手のカラクリが展開されてチャクラの盾を出して身を守っていた。俺はと言うと守鶴の砂の密度を上げて迎え撃った。

 

「腕とはいえ、己の体のカラクリ化・・・傀儡使いという人種同士・・・考える事は同じだな」

 

チヨさんの腕も母型の傀儡も砂鉄の被害を受けて動きが鈍ってしまう。それが分かるとチヨさんは右手のカラクリを外している。

 

「砂鉄が入り込んだらもう終わりだ。さて、傀儡も尽きた・・・どうする?」

 

動かないチヨさんにサソリが問うが、チヨさんは昔の事を思い出しているのか全く動かない。

 

「天下の傀儡使いも傀儡がなけりゃただの人か」

 

そう言ってサソリは三代目風影を操作し更に砂鉄を発生させ巨大な三角形や長方形の形を造り出す。

 

「さて、どうするかの・・・」

 

「(今の私に出来る事・・・それは・・・)チヨバア様、私を使ってください!」

 

「っ!?サクラ・・・ワシは今片腕じゃ・・・さっきほどのサポートは出来んぞ」

 

「大丈夫です!確かに私には傀儡みたいに立派な武器は仕込んでありませんが師匠譲りの負けん気が嫌と言うほど仕込んでありますから」

 

「(綱手姫か・・・フフ)三代目の能力は磁力じゃ!よって鉄や鋼で出来た武器は効かぬ」

 

「上等!素手で戦うのも師匠譲りです!」

 

「またそれか・・・くだらない」

 

そう言ってサソリは砂鉄を此方に向かって放ってくる。三角形の方が真っ直ぐ振り下ろされ、それを俺とサクラは難なく躱す。だが既に回避した俺達の真上に長方形の方を用意しておりそれがハンマーの様に落下してくる。それも躱すと長方形の形の方をサクラが殴り飛ばす。殴り飛ばされた長方形の砂鉄をサソリは難なく避けたが、その洞窟を揺らす程の怪力には流石に驚いていた。

 

「(・・・こいつ・・・)」

 

「まだまだこれからっ!」

 

「フン、小娘のくせに大した怪力だな」

 

「(確かにな・・・この短期間にサソリの行動パターンを見切り始めておる。ワシの補助なしでも十分やれるほどじゃ・・・まさかこれほどの娘だとはの、綱手の奴良い弟子を持っとるの)」

 

「(攻撃が来る前に必ず術者の指が動く、それが傀儡使いの弱点・・・それに指や腕の動きのパターンであいつの攻撃方向も読めだした・・・)」

 

「(よく見てやがる、このままじゃ時間を食うな・・・多少のチャクラを使うのは止むを得ん、アレで仕留めるか・・・)砂鉄界法っ!!」

 

サソリは三角形と長方形の塊を重ね合わせて1つの塊にし、そこから枝分かれしながら細かい槍の様になり俺達に向かってくる。

 

「!!(マズい!)」

 

「範囲が、広過ぎる!」

 

「任せとけ・・・蜥蜴郎っ!!」

 

『おうよっ!!』

 

「オーバーソウル!刺身包丁スサノロウ!!」

 

「・・・はっ?おいおいここに来てポカやらかしてんなあ・・・砂鉄を武器にする三代目に対して刀を出すなんてな!」

 

サソリが何か嘲笑ってるが、俺はそんな事は無視してスサノロウで砂鉄界法を切り払っていく。

 

「・・・は?」

 

「俺の使うオーバーソウルとはシャーマンの肉体以外の物に無理に霊を入れることで、入りきらずに溢れ出した魂を巫力と言うチャクラの様な力を糧に実体化するらしい。」

 

『そう言うこった、つまり俺等の力で創り出したもんは実体はあるが鉄や鋼じゃねーんだよ、つまりはテメーの磁遁の範囲外なんだよ!』

 

「更に・・・砂塵回廊っ!」

 

俺は守鶴の砂を回転させて大きな渦状にする。それが真っ直ぐ三代目風影とサソリの方向に伸びていく。

 

「舐めんな・・・何っ!?」

 

サソリが砂鉄を操ろうとするが、守鶴の砂が高速回転しておりそれに巻き込まれている砂鉄は操れてなかった。その間に俺は手元に縫い針を出し三代目風影に向かって思いっきり投げつける。目の前まで来たら飛雷神の術でサクラと縫い針を入れ替える。

 

「しゃーんなろー!!!」

 

サクラの拳が命中し、三代目風影がバラバラになる。それと同時に砂鉄が動きを止め、落ちていく。

 

「2人とも、良くやってくれた。さて、もう一踏ん張りじゃ」

 

「おう」

 

「ハイ」

 

「(フン・・・認めてやろう、大した奴らだ。三代目風影をバラされるとはな・・・これ以上他の人傀儡を使っても無駄だな)暁に入った時のいざこざ以来だな・・・いつだったかな」

 

「!?ア、アレは・・・っ!?」

 

「あやつはワシの手元を離れた時から歳を取っておらぬ、昔のままじゃ・・・その理由がアレじゃ」

 

「人傀儡・・・自分を・・・」

 

「本当に久方ぶりだ・・・・・自分を使うのはな」

 

さて、こっからが第2ラウンドかな?




次回は今回の事件の終わりまで書いていきたいと思います。
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