「葉っ!?」
ビー悲鳴に近い叫びが辺りに響く。
「相変わらずすげぇ威力だな雷影様の体術は」
「ああ、あの若ぇの、塵も残らねぇだろうな」
周りの雲の忍は終わったと思い雷影に近づこうとしたが何か変なことに気づく。雷影が拳を放った形から動かないのだ。
「貴様っ!何をしたっ!?」
¨O.S (オーバーソウル)‥
雷影の拳が当たっている場所の土煙が晴れていくと、巨大な鉤爪、黄色の豹を模した装甲を纏った俺が鉤爪の装甲部分で拳を受け止めていた。
¨ジャガーマン‥
「さてな、救いの風でも起こったかな」
雷影は押し切れないと思ったのか一旦距離を取った。それを見た雲隠れの忍は仰天した。雷影様が押すでなく引くを選択したことを・・・。
「すげぇな、ブラザーの一撃で一歩も下がってねぇ・・・」
『ああ、あれが六道の爺さんとの会話で出てた霊の力をこの世に顕現させるO.S(オーバーソウル)ってヤツか』
「さて、引いてくれたところで話をしたいんですが?」
「黙れ!!!貴様、何処の回し者だっ!岩かっ!!木の葉かっ!!」
本当に古い軍人みたいな人だな、全く話が通じない。
「「「「「雷影様っ!」」」」」
そうこうしてるとまた援軍が来た。雷影が連れていたのと合わせて、もう三、四十人になる。
「おっ?葉っ、ユギト来たぜ」
援軍の中に面影のある顔があった。あれが二位ユギトか・・・ん?ビーの六歳下で今二十だからユギト今十四歳?見えないわぁ。ん?あの金髪サムイか?確かユギトと同い年だったよな・・・あの年から胸デカっ!?
「行くぞお前らっ!!奴を捕らえるっ!!!」
「「「「「はっ」」」」」
雷影を筆頭に雪崩れ込むように襲ってきた、しゃーねぇかと体に力を込めたら構えていたら、横から巨大な蛸足が出てきた。雷影を含め突っ込んできた忍がビックリしてる中、ビーが俺の横に並び立つ。
「ヘイブラザー、悪いが今回は葉を味方をさせてもらうぜ?」
「裏切る気かっ!ビー!!」
「そんな気はねーぜ、ブラザーが話を聞けば済む話だ」
「ぬぁんだとぉーーー!!!ビー貴様、ワシのアイアンクローをくらいたいようだなっ!!!」
「オゥ、いつにも増して頭に血が昇ってんな。葉、半分は任せなっ!」
「頼もしいねぇ、宜しく頼むっ!」
俺達は同時に駆け出し雷影や忍達と戦闘を開始した。無茶苦茶切れていたように見えたが自分の攻撃を止めたことを覚えていたのか雷影は此方を相手取るため突っ込んできた。確かに早いが野生の肉食獣のような変速ありのスピードを見せるチョコラブさんや素で早い黒雛を使うハオ様と修行してきた俺からすれば直線的加速とジグザグ走行だけでは俺のジャガーマンは捉えられないぜ。
「ヌウ、ちょこまかと動きおって」
「な、何だよ。このスピードっ!」
「全く見えないっ!」
「雷影様でも捕らえられないのかっ!?」
忍達が困惑してる中、ビーと、戦っている者達も困惑していた。エーとキラービーは、本当に仲のいい最高のコンビだ。多少の意見の食い違いはあるがそこまでだ。でも今回は雷影様と敵対する道をとっている。
「何故ですかビーっ!何故雷影様と対立しているっ!」
「そりゃブラザーは大事だ。だが葉も大事なダチだ。あいつの話をブラザーにも聞いてほしいんだヨォ」
「っビーっ!!!」
向こうは人柱力同士がメインで戦ってるな、ユギトは焦ってるのか?・・・あ、そうか、ユギトはビーと牛鬼ほど仲のいい感じにはなってないからな、結果を残さないと腫れ物扱いされるものな。ビーが完成された人柱力として讃えられれば讃えられるほど劣等感が湧き上がってくるよな。
「ワシを前に余所見など、巫山戯るなぁーーー!!!」
雷影や忍達の攻撃を避けながら、ビー達の戦いを観察していたら。
「「「「「水遁・水乱波」」」」」
ん?水遁?なるほど雷遁による感電か・・・なら、あいつの力を借りよう。俺は忍達が出した水のど真ん中に着地する。
「今だっ!」
「「「「「雷遁・感激波」」」」」
術が放たれ水が雷遁の熱で蒸発して水蒸気が立ち昇る。忍達が水蒸気が晴れるのを待っていたら先程以上の水蒸気が爆音と共に立ち昇る。何事かと見ていたら先ほどの男が立っている。あれでも駄目かと思っていたら男の背後に影がある。水蒸気が晴れると。
「なっ・・・なんだ、あれ・・・」
¨O.S (オーバーソウル)‥
そこには紫色の巨人が付き従うように立っていた。その頭部は鋭利な一本角のような形で長い腕に鋭い爪を持つ。何よりその巨人の周りには雷が迸っていた。
¨S.O.S(スピリット・オブ・サンダー)‥
俺が出したS.O.Sに相当ビビってるようだな、まぁ昔は須佐能乎とかあっただろうが今じゃ口寄せ動物くらいしかこんな巨大なものは無いだろうからな。
「み、皆っ!怯むな、撃てーっ!」
なんとか恐怖を振り払ってまた雷遁忍術を撃ってきたな、でも残念ながら俺のS.O.Sには効かねぇ。なんせS.O.Sの能力は電圧、電流、電力の制御や落雷、磁力現象、放電の発生などありとあらゆる雷の力、チャクラで作った疑似的な雷じゃ俺に当たる前にS.O.Sが支配下に置いて蓄積できる。
「駄目だっ!雷遁が吸収されてるっ!」
「何なんだ、あの巨人はっ!何かの幻術じゃないのかっ!!」
おーおー、皆混乱してらっしゃる。さてとあっちは・・・うん?ビーと戦っていたユギトが蹲った?・・・どうなって「うあぁーーーっ!!!」っまさか又旅が出てこようとしてんのかっ!?
「ユギトっ!落ち着けっ、心を鎮めるんだっ!!」
「う、ぐぅ、あ、ああ、ああぁぁーーーーーっ!?」
ユギトの雄叫びと共に体から青い炎が溢れ出す。やがて炎が二股の尾を持つ動物の姿を形作る。二尾 又旅が雲隠れの里に顕現した。
「くっ、暴走だとっ!?」
「くそ、ビーっ!雷影達を集めてくれ!全員天之御中で跳ばすっ!」
「OKだ、葉。ブラザー捕まれっ、お前らも捕まっとけっ!」
「何だとっ!?おいビー、離さんかっ!!」
ビーが雷影や忍達を蛸足で捕まえた。よし、俺も一撃入れて跳ぶ準備だ。又旅の正面から目にも止まらないスピードで突っ込みながら放つのは、チョコラブさんの必殺の一撃っ!!!
「爆獣回転!!ジャガーシャフト!!!」
又旅『グアァーーーッ!?』
「「「「「なっ!?」」」」」
又旅を一撃で怯ませたのが余程驚いたのか皆固まってた。その隙に九喇嘛のチャクラで又旅を縛り、ビーにもチャクラを伸ばす。よし、繋がったっ!
「よし、天之御中」
こうしてその場にいた者全員、天之御中で異空間に飛んだ。
『おっ、来たな』
『おいおい、又旅ヤバくねぇか?』
「ふむ、感情が暴走しておるな」
天之御中で異空間に跳んで見ればもう三人が揃っていた。雷の面々が驚いてる中ハゴロモ様が又旅に近づき、額に手を触れる。
「又旅、落ち着きなさい」
又旅『グア、ア?は、ハゴロモ様?』
良かった、なんとか落ち着いたようだ。
「おい貴様、あの者は何者だ?」
「大筒木ハゴロモ様、忍の開祖、六道仙人と呼ばれた方ですよ」
「「「「「・・・・・はあっ!?」」」」」
「我が里の者を助けていただき感謝する」
「ありがとうございましたっ!」
雷影とユギトからお礼を言われるのは新鮮だなぁ。ハゴロモ様に又旅を落ち着かせてもらい、ハゴロモ様と俺の話を行った。雷影達も又旅が普通に接しているハゴロモ様と俺の話をしっかり聞いてくれた。雷影と又旅に了解を得て陰のチャクラから又旅が生まれて此方の陰の尾獣と話をしている。
『改めて宜しくお願いしますね、葉くん』
「ああ、宜しく頼むよ、又旅」
牛鬼『これで三人目だな』
九喇嘛『ああ、今回の旅での尾獣探しはこんなもんか?』
「そうだな、観光してから一旦木の葉に帰るか・・・それでそっちの又旅、ユギトさん。どうする?今なら死を気にせず抜くことができるが」
「私は、今まで、尾獣は恐ろしい者だと思ってました。ビー達が特別でそれ以下の私は絶対あんな感じにはなれないと。でも貴方やハゴロモ様のお陰で尾獣は、兵器では無く感情ある一人だとわかりました。勝手なのは分かってます。・・・でも許してくれるなら今度はパートナーとして共に歩んで行けたらって・・・」
『・・・確かに私たちは人に憎しみを宿していました。それはなかなか消えないものです。・・・ですがハゴロモ様の思いや葉くんの心を見て、もう一度信じてみようと思います。これから改めて宜しくお願いしますね、ユギト』
「はいっ!又旅っ!」
ユギトと又旅のコンビが丸く収まった所で、俺の元に雷影が来る。
「おい葉、お前は暫く滞在するのだろう?」
「ええ、まだまだ観光したいですしね」
「ならば、木の葉でやっておったアカデミー卒業後の訓練指南、ここでもやっていかんか?歓迎するぞ」
「えっ?」
訓練指南?木の葉だけじゃなく雲でもか・・・
「良いんじゃねぇか?俺も弟子を持ってるしユギトやここにいる連中も来るだろ?」
ビーの言葉にこの場にいる人達は一声に頷く。うーん、まぁ駄目な理由は無いしな。
「じゃあ、ここにいる間は宜しくお願いします」
「おお、そうかっ!では、早速やるぞっ!!」
「OKだ、ブラザー!」
「ああっ雷影様!スケジュールの見直しとかあるんですから、一旦戻りましょうよっ!ほらっ、ビーさんも乗っからないで!!!」
盛り上がるエービー兄弟に振り回される忍達を見ながらハゴロモ様達に挨拶して天之御中で雲隠れの里に戻った。
次回は雲隠れの里での日常と二度目の湯の国回です。そこで主要キャラと会います。そこでちょっとしたロマンス的なのが出来たらなーと思ってます。暖かい目で見守っていて下さい。