霊と踊る仙人が異世界を謳歌する   作:蔵元優輔

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遅れて申し訳ありません。30日から母親が急に体調が悪くなり、検査などで病院に通っておりました


第八十八話

前回、ヤマト・香燐対カブト・紅蓮の戦いはマタムネの介入もあり此方の勝利で終わった。その流れで俺は自来也さん・綱手さん対大蛇丸の戦いに介入、最後の正面衝突も制したが大蛇丸も部下達も取り逃がしてしまったが全員無事に木ノ葉へ帰還した。だが帰還した直前、アンコ達特別上忍が現れ俺達にナルトとビーさん以外の人柱力の皆が連れ去られた事実を告げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンコ達から報告を受けた俺達はナルト達を一楽に行かせて火影屋敷に行く。そこには柱間さん、扉間さん、ヒルゼンさん、ミナトさん達火影の皆さん、そしてシカクさん、ビワコさん、カカシ達、そして俺と自来也さん、綱手さん、ヤマトが集まっている。

 

「皆、帰ってきて早々すまないね。もう聞いたと思うけど現在、ナルトと雲隠れのキラービーさん以外の人柱力達が暁の襲撃を受けて連れ去られている」

 

「本当にそんな事が・・・それぞれの里も狙われる事は分かっていた筈ですよね?」

 

「ああ、だがやられた。それも4つの里でほぼ同時にだ」

 

「それって・・・」

 

「ああ、オビトの神威だろうな・・・それにより大半がそのまま連れ去られ抵抗を試みた者もいたみたいだがそれでも敵わず連れ去られている」

 

ミナトさんから話し始め、ヤマト、アスマ、カカシ、シカクさんと話していく。

 

「暁は尾獣を1人1体という感じにノルマを作っていた筈・・・」

 

「だがいきなりこんな強硬手段に出た理由は」

 

「葉という強者の存在だろうな」

 

「そうですね・・・葉先生という六道仙人様の再来の様な力、それが自分達の尾獣集めや計画の妨げになるとオビトは考えたのでしょう」

 

「後あるとすれば・・・ワシと扉間か?」

 

「十分有り得る話ですな。個人で尾獣を抑える事が出来る柱間様は正しく脅威でしょうな」

 

柱間さんの言葉にヒルゼンさんが続けて話していく。

 

「ミナトさん、それぞれの里からは何と?」

 

「各里からそれぞれ捜索隊を出しているという報告が来ているよ。特に雷影のエーさんが真っ先に突っ走ってるって」

 

「荒ぶったあ奴の姿が目に浮かぶの・・・」

 

俺がそれぞれの里について聞くと各里で既に捜索隊が動いていると教えてもらった。やっぱりエーさんが真っ先に動くよな。ビワコさんも声に出してないが綱手さんも執務室の壁をぶち破って捜索に参加するエーさんを思い浮かべている様だ。

 

「そんな訳で木ノ葉でも捜索隊を編成して暁の捜索を開始していく。九喇嘛を宿したナルトが今すぐに狙われる可能性もあるし、暁の情報は少しでも集めたい。だから皆、いつでも動ける様に準備しておいて欲しい」

 

ミナトさんの言葉で会議はそのまま終了する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、俺はカカシ達第7班とヤマト達と演習場の1つに来ていた。

 

「さて、そんじゃあ修行を始めようか」

 

「オッス!!」

 

「ああ!」

 

「それで葉さん、今日はどうするんですか?全員一緒に修行ですか?」

 

「ああ、最初に説明してそれから少し離れて各々の修行に入るよ」

 

「サクラはちょっと忙しくなるだろうけどね」

 

「私が、ですか?」

 

「ああ・・・今回の修行の主目的は、俺の知っている物語の2人が習得した高等忍術の習得だ」

 

「兄ちゃんが知ってる俺達の・・・」

 

「万華鏡写輪眼取得の時に見たあいつの覚えた術・・・」

 

「そう、五大国が同盟を組んでいて尾獣達や人柱力達の皆とも友好を結べた今、本来なら1人ずつ時間を掛けてと考えていたんだけど暁がここまでの強硬策を打ち、尾獣達と人柱力達を捕まえていっている。この現状を重く見た俺達は俺の知る忍界上位の戦力になる2人に新術を習得して貰うことを決定した」

 

「成る程な」

 

「そ、それでこれから術の説明をする訳だが、まあ見てくれ」

 

そう言ってカカシは手を前に出し術を発動させる。それはナルトの十八番、螺旋丸だった。

 

「やっぱりカカシ先生も螺旋丸出来たのか・・・!?」

 

「ああ・・・だがここまでだ」

 

「「「えっ?」」」

 

「俺は螺旋丸の形態変化に雷の性質変化を組み合わせる事が出来なかったんだ」

 

「性質変化と形態変化を組み合わせるにはものすごい技術が要る・・・というより才能とかセンスと言った方がいいかもしれない」

 

「そしてこの段階までだったのは俺だけじゃない。この術を生み出したミナト先生でさえ、それは出来なかったんだ」

 

ミナト先生は形態変化を最高レベルにまで高めた状態を作り上げた、それが螺旋丸だ。ただの形態変化だけで会得難度はAランク・・・ここまでなら俺でもどうにかコピー出来る。だが問題はその先だ、元々螺旋丸はミナト先生が自分の性質変化を加える事を前提として開発した術だった」

 

「それじゃあ螺旋丸って術はまだ途中段階の忍術なのか・・・」

 

「そういう事になるね」

 

「まだ見ぬその先の忍術は会得難度Sランクか、それ以上かもしれない」

 

「「・・・・」」

 

「勿論サスケの方の術も尋常じゃない難易度になる。チャクラを使わず自然現象を用いて術とする・・・そんなのは我愛羅君みたいな極一部の者の成せる力だしなここからは教わるんじゃなく、自分で見つけるしかない・・・・・って本来なら言うところなんだけどね・・・先生は術を知ってる上に使う事が出来る」

 

「今から本物を見せるからな。じゃあ・・・行くぞ」

 

そう言って俺はスピリット・オブ・サンダーをオーバーソウルし手を天に翳して雷雲を呼び、左手に雷遁のチャクラを纏い術の準備に入る。そして右手で螺旋丸を作り、そこに風の性質変化を起こして手裏剣の形のチャクラの刃を形成、巨大化させていく。螺旋丸の方がある程度の大きさになる頃、左手を下ろして雷雲から術を出現させる。雷雲から聖獣・麒麟を模った雷が降りてきて俺の横に降りて来る。風遁・螺旋手裏剣と雷遁秘術・麒麟の完成だ。

 

「「「「「っ!!!」」」」」

 

「どうだ、皆?」

 

「・・・まさか、これ程の術だとは」

 

「いやいや、先生が若人を鍛える訳だ・・・こんな術が飛び交う戦闘を想定しているなら納得ですよ」

 

「まぁ、鍛えるのは俺の趣味というか主義というか・・・それで、どうだ?俺の知っている物語状でお前達が開発した術、風遁・螺旋手裏剣と雷遁秘術・麒麟は」

 

「スゲエってばよ・・・」

 

「ああ、こんな術を兄さんの知る俺達が作ったのか・・・」

 

「ああ、ナルトの方は戦力強化とかが理由だったけど、サスケの場合はイタチに対抗する為の切り札だったがな。まぁそれは良いか・・・2人にはこれ等の術習得を目指してもらう」

 

「「おうっ!!」」

 

「そしてサクラは2人の修行についてそれぞれを回復させながらいろいろやってくぞ」

 

「はいっ!!」

 

こうしてナルトとサスケの修行が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、火影屋敷の方でも進展があった。原作でもあった火ノ寺襲撃である。火影屋敷の執務室にミナトさん、アスマ、イズモ、コテツ、シカマルのアスマ小隊、そして火ノ寺の僧侶の方が集まっている。

 

「此方にいる新たな情報が来た。暁に火ノ寺が襲撃を受けた」

 

「えっ・・・火ノ寺が!じゃあ地陸はっ!!」

 

「その場にいた火ノ寺の僧達は全滅です・・・地陸様も」

 

「・・・そうか「ただ・・・」ただ?」

 

「私の後に寺から来た者の話によれば、地陸様の遺体だけ発見出来なかったとの事でした」

 

「地陸だけ?」

 

「あのー・・・アスマ隊長」

 

「何だ?イズモ」

 

「コレってあまり言いたくはないんですけど・・・地陸さんは闇の相場では3000万両の賞金首になっています」

 

「まさか、暁の奴ら」

 

「・・・おそらくな」

 

「換金所か・・・つまり敵は死体を持ち運んでるって事っスね」

 

「そうだね・・・ここからは火ノ寺近くの換金所を重点的に捜索していこう」

 

「「「「はっ!!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ナルトとサスケの修行の方は、中々に難攻していた。

 

「「「「「ぐあああああっ!!」」」」」

 

ナルトが作った螺旋丸が弾けてその衝撃が辺りに拡散され、ナルト達が弾き飛ばされていく。

 

「はぁ、はぁ、はぁ(こ、これ、無理じゃねぇか・・・螺旋丸だけでもとんでもねえ集中力が要るってのに・・・さらに性質変化なんて・・・これじゃあ右を見ている時に左を見ろって言ってる様なもんだってばよ・・・)」

 

「ナルト!大丈夫、今回復させるわっ!」

 

「あ、ありがとうだってばよ、サクラちゃん」

 

直ぐにサクラが駆け付けナルトを回復させていく。それから10分ほどで回復が終わる。

 

「これで大丈夫ね、それじゃあ私はサスケ君の方にも行ってくるわね」

 

「ああ、ありがとうだってばよ!」

 

「(そうだ、サスケも頑張ってんだ!俺が諦める訳にはいかねえよなっ!)」

 

サスケへの対抗心を燃やしながらナルトは修行を再開する。

 

 

 

 

 

少し離れた所で修行しているサスケの方も難攻していた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・(これはかなり難しいな・・・俺が月詠で見た俺は千鳥の様に手元で形態変化させるんじゃなく雲の中の雷を変化させていた・・・今はスピリット・オブ・サンダーが作ってくれた手元の雷雲で形を作る所から始めてるが、自分で使える状況を作るのも一苦労だな)」

 

サスケがスピリット・オブ・サンダーが手元に作った雷雲に雷遁のチャクラを流して形を変える訓練をしているとそこにサクラが来る。

 

「サスケ君、大丈夫?回復いる?」

 

「ああ、すまないな。頼む」

 

流石に長時間チャクラを使い続けたのでサクラに回復を頼むサスケ。ナルトと同様10分程で治療は終わった。

 

「ふう、これで治療完了ね。それじゃあサスケ君、私も修行に戻るわね!定期的に見に来るからっ!」

 

「ああ、サクラありがとう」

 

サスケのお礼を受けてサクラは自分の修行場所に戻っていく。その間にも螺旋丸の爆発音が響いていた。

 

「さて、ナルトもまだまだ続けているし俺も修行再開だな。スピリット・オブ・サンダー、よろしく頼む!」

 

サスケの声にスピリット・オブ・サンダーもサムズアップで応える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ナルト達の修行と同じ頃、火ノ寺を襲撃し地陸を殺害し遺体を持ち去った角都と飛段はとある建物のトイレに隠してある換金所にいた。そして金を数える角都を置いて飛段は建物前の階段に座っていた。

 

「あーくせー!あんなクソだめに5分もいたら服に匂いが染みついちまうぜ、ったく・・・・・ん?角都、遅かったな」

 

そう言って飛段が振り向くとそこには手裏剣を構えたアスマがいた。アスマはそのまま手裏剣を投げるが飛段は鎌に付いたワイヤーを操作して全ての手裏剣を弾いてしまう。そのままの勢いでワイヤーを操作して鎌をアスマの上に移動させて振り下ろす。アスマがそれを躱した瞬間、飛段の両脇からイズモとコテツが忍刀を構えて向かってくる。飛段が2人の存在を目視で確認し迎撃しようとするが、既にシカマルが影真似の術を掛けているので動けない。

 

「遅せーよ」

 

飛段はそのままイズモ、コテツに刺される。

 

「まずは1人」

 

アスマの言葉に3人は作戦が成功したと確信した。だがそんな雰囲気は一瞬で消失した・・・刺されたままの飛段からの声により。

 

「ハァー痛って・・・何だてめーら?」

 

「「「「っ!!!???」」」」

 

忍刀が刺さり、仕留めたと思っていた飛段が指を少し切ったくらいのノリで何者なのかを聞いてくる。悪魔以外の何者でもない光景だ。

 

「ど、どう言う事だ・・・急所を貫いたのに?」

 

「グリグリすんな。痛てーんだよコラ!」

 

「・・・こいつ・・・不死身か?」

 

「見りゃ分かんだろ・・・で、てめーらは何者だ?」

 

そう言って飛段は4人を見渡す。そしてアスマの腰布を見つける。

 

「ん?そのマーク・・・たしか守護忍なんたらの・・・・・はぁ〜ああ〜マジかよ・・・またあんな臭え換金所に行かなきゃ行けねぇのかよォ」

 

「(地陸・・・)俺達は木ノ葉の忍びだ。お前ら暁の拘束、又は抹殺するよう命を受けて来た。お前ら暁はツーマンセルで行動する。まずは1人を片付けてからもう1人を拘束するつもりだったが・・・流石に良い能力を持っていやがる」

 

アスマは会話をしながらアイアンナックルを構える。

 

「(これが暁か・・・なんてデタラメな能力だ。これじゃあ影縫いや影穿ちは)」

 

「ふ〜ん・・・オメェら、狙う順番を間違えたな」

 

「もう1人は何処だ」

 

アスマがもう1人の居場所を聞き出そうと飛段に聞こうとするのと同時に建物の上にいるシカマルの後ろから拳を振り上げている角都が現れる。シカマルのいた場所が粉砕され爆風の中からシカマルが飛び出してきて、それを角都が追ってくる。そこに瞬時にアスマが割って入り角都を牽制する。

 

「イズモ!コテツ!下がれっ!!」

 

アスマの号令に2人は得物を離してアスマの元に引く。

 

「やはりあの真ん中・・・珍しく金に縁があったな、飛段」

 

「角都、お前は手ぇ出すな!こいつらは俺の儀式用だ!金はテメェにやる」

 

「それならいい・・・だが油断はするな、死ぬぞ」

 

「ったく、オメェまでそれを俺に言うのかよ」

 

鎌を手元に戻して足を使って自身の血で地面に模様、ジャシン教のマークを描いていく。

 

「殺せるもんなら殺してほしいぜ・・・・・ま、無理か」

 

「・・・皆、作戦を伝えるぞ。まず俺が突っ込む、シカマル隙をついて不死身男を影縫いで縛れ・・・少しの時間でいい。直ぐに首を刎ねて動きを封じる」

 

「それじゃあリスクが高過ぎっすよ・・・アンタらしく無い」

 

「私も一緒に・・・」

 

「分からないのか!それが今打てる最善の手だ!!」

 

シカマルとコテツの提案に即却下するアスマ。その顔には余裕が無く、切羽詰まった雰囲気が溢れていた。

 

「っ!(アスマのあんな顔、初めて見るぜ)」

 

「奴らは俺よりはるかに強い!イズモ、コテツ、お前等はもう1人の暁に気を配りつつシカマルの護衛だ」

 

「相手の力が分かってるなら尚更・・・ここは一旦退いて作戦を立てるのが・・・」

 

「あいつ等相手に簡単に退かせて貰えると思うな!戦意無く逃げようものなら俺達は全滅する・・・そうなれば木ノ葉のリスクは更に高まる。敵陣突破の先兵だ、たまにはこういう指し方も出来ないとな・・・」

 

「・・・棒銀なんてアンタには向いてない」

 

「へへ、ただの捨て駒にはならねーよ。お前がいるんだからな」

 

アスマの捨て身の作戦にシカマルが言葉を返すがアスマは作戦を変える気はない様だ。

 

「イテテテテ・・・あーイテェ!グサグサ刺しやがって、痛てーなてめー等・・・人の痛みを知らねえクソヤローには神の裁きが下るぜ!」

 

忍刀を引き抜きながら構える飛段。そして合図も無くアイアンナックルに風のチャクラを流したアスマと忍刀を構えた飛段が動き出し衝突する。だが鋭い風のチャクラを纏ったアイアンナックルには太刀打ち出来ず直ぐに忍刀を叩き折られる飛段。だが飛段もワイヤー付きの鎌を巧みに使い移動も攻撃もこなしてアスマを責め立てる。シカマルの影の援護もあるが捕まらず戦闘を続けていた。

 

「2人共援護頼んます!」

 

「クフフ、オメェ等必死すぎなんだよ。無神論者共は1番効率の良い方法で命を取りにくる!見え見えなんだよっ!!」

 

「(お前の戦いは遊びが多すぎるがな・・・)」

 

「(今だっ!!)」

 

飛段がアスマとシカマル達の中間辺りに着地した瞬間イズモとコテツ、アスマがそれぞれ手裏剣を投げる。

 

「今度は逃げ場ねーぞ!」

 

「なら避けねえよ・・・」

 

だが飛段は回避をせず、手裏剣が刺さろうがお構いなしにシカマル達の方に向かって突っ込んでくる。死なないのをフルに使ってゴリ押しもやってくるからかなり厄介だ。

 

「クソッ、不死身ヤローが」

 

「お前の相手は俺だっ!!」

 

アスマがスピードを上げて飛段を追うが、飛段は走る勢いのままジャンプして反転、ワイヤーを操り鎌をアスマに向けて振るう。アスマは何とか防いだが鎌の刃が眉間に小さい傷を作った。飛段は移動しながら鎌を戻して刃に付着した血を舐め取った。

 

「(揺動もコンビネーション攻撃も駄目か・・・)火遁・灰積焼!!!」

 

アスマが口から灰を広範囲に蒔き術の準備をする。だが、灰が蒔かれているにも関わらず飛段は自身が描いた図形の中に移動していった。アスマはそのまま奥歯に仕込んだ火打石で火をつけ辺りを爆炎で包み込む。数秒経ち、術を解くと飛段は体を変色させており、腕には火遁により傷が出来ていた。だがそれと同時に術を使い攻撃していたアスマの顔や右手にも火傷の跡が出ていた。

 

「どうだ?少しは他人の痛みが理解できたか?・・・・・すでにテメェはオレに呪われた・・・これより儀式を始める。さアァ!!オレと一緒に最高の痛みを味わおーぜェェ!!!」

 

「(これで3500万両はいただきだな)」

 

「ゲハハハハハアァ!これで全ての準備は整った!むちゃくちゃ痛てーから覚悟しろよ!!」

 

そう言って飛段は、懐から折りたたみ式の槍を取り出し構える。アスマも左手のアイアンナックルを短刀のように構えて風の刃を刀サイズに伸ばして構える。アスマはそのまま飛段に向かって突っ込んでいくが、飛段は笑いながら槍を自分の左足に刺してしまう。飛段のその行動に驚愕する4人だが、アスマは勢いそのまま倒れてしまう。

 

「ぐあっ!」

 

「いてぇだろォォ!?ゲハハハハハアァ!急所はこんなもんじゃねーぞォォ!クク・・・だがあの痛みは最高だ・・・他人が死ぬ時の痛みが俺の身体の中に染み込んでくる!痛みを通り越して快感に変わるゥ!!!」

 

「アスマ隊長、左足を押さえてるよな・・・やっぱりおかしいぞ」

 

「奴が自分で刺した方の足だ」

 

「(成る程な・・・奴の体と俺の体はなんらかの仕掛けで繋がっている・・・つまり、体に受けたダメージも同じ様にリンクする。ただし奴は不死身)」

 

「ハハァ!次はどこの痛みを味わいたい。肩か?腕かぁ?両足ってのもいいよなぁ!それとも・・・もう終わりにするかァ!?なァ!?」

 

「「「「っ!!?」」」」

 

「シカマル!物理攻撃の影縫いは駄目だ!影首縛りで奴の動きを止めろ、早く!!」

 

「もうやってる!」

 

イズモが叫んだ時にはシカマルは影を飛段に向かって伸ばしていた。

 

「死ねエエ!!」

 

「させるかァァア!!」

 

2人の絶叫の後その場にいる全員が数秒止まり、その結末を見守った。結果は・・・シカマルの術が決まり槍が刺さる前に飛段の動きを止めていた。

 

「イズモ、救援要請を送って何分経った?」

 

「まだ10分程度だ。応援が到着するには20分は掛かる」

 

2人が救援に関して離している間、シカマルは術を使いながら飛段の呪いについて頭をフル回転させていた。

 

「(術には必ず何かしらのルールや用いる為のリスクがある・・・発言・・・性格・・・口調のパターン・・・身に付けているもの・・・さっきまでの行動の把握。もろもろの行動の意味、そして行動と行動の関連性。その全てから導くことの出来る術についての仮説の作成、その確立と選択・・・)」

 

『神の裁きが下るぜ・・・』

 

裁き・・・

 

『すでにテメェはオレに呪われた・・・これより儀式を始める』

 

呪い・・・儀式・・・

 

『ゲハハハハハアァ!これで全ての準備は整った!』

 

準備・・・

 

「っ!?」

 

「(シカマルの奴、何か考え付いたみてーだな)」

 

「行くぜ、アスマ隊長!」

 

そう言ってシカマルは影真似をしたまま後退していき、飛段にその動きを強要する。

 

「どうするんだ!?」

 

「あの地面に描かれた妙な図の中からやつを外に引き摺り出す!そうすりゃ奴の術・・・呪いが解ける!」

 

「どういう事だ?」

 

「あいつのデカい武器・・・3つも鎌が付いてる。形状からしてアレは必殺の一撃を狙うというより攻撃範囲を広く取り、とにかく相手に当てる事で大なり小なりの外傷を与える事を目的に作られている」

 

「?」

 

「つまり・・・手傷1つ負わせられれば、それで確実に相手を殺せる術を持ってるって事だ・・・」

 

「それが呪いか?しかし、敵の手傷と呪いとどういう関係がある!?」

 

「・・・血だ。呪いたい相手とリンクするにはその相手の血を自分の体内に取り込む必要があるんだ」

 

「・・・!奴が血を舐めるのを俺も見た。そうか・・・相手に外傷を与え、鎌に少しでも血が付着すればそれで相手を呪う事が出来る」

 

「・・・(なるほどな・・・)」

 

「血を舐めた後体が変色した。その発動条件は分かりやすかった・・・だがそれだけじゃない。呪いの発動にはもう1つの分かりやすい条件があるのさ」

 

「もう1つ?」

 

「さっきあいつはアスマの火遁の術を無視して喰らいながらでもあの地面に描いた図の中に急いで戻っただろ・・・そしてその図の上で儀式を始めると言い、準備が整ったとホエた事であいつがあの図の中に居て初めて、ようやく呪いの術が完成する事が推測出来た」

 

「・・・このガキィ・・・」

 

「アンタ・・・喚きすぎなんだよっ!!」

 

「(ここまでの子とは・・・)」

 

「(大したガキだ・・・)」

 

「このオオォ・・・ガキャー!!テメェ!後でギタギタのズタズタのグチャグチャにしてやるぜェェ!!」

 

「後なんかねーよ!!」

 

「くっ!」

 

飛段が騒いでる間にも術を掛けながら擦り足で動かしていき、遂に魔法陣から飛段を出す事に成功する。

 

「出たぜ!」

 

「よし!術が解けたか確かめる!」

 

アスマは確認の為に手裏剣を飛段の耳に向けて投げる。飛段の耳に手裏剣が命中し血が出るが、アスマの耳には傷はできなかった。

 

「・・・!」

 

「(良しっ!)」

 

術が解けたのが分かった瞬間、シカマルは影真似の術から影縫いの術に切り替えて飛段を地面に縫い付ける。

 

「良くやった、シカマル・・・」

 

「か、角都!手を貸せェ!!・・・コラ!!さっさとしろっ!!」

 

飛段の言葉の後、瞬く間にアスマが飛段の首を刈り取った。それを確認して4人は安堵の表情を見せる

 

「手助けが欲しければもっと早くに言うべきだったな・・・」

 

「つーか、おめーが遅せーんだよ角都!てめェワザとだろ!!?」

 

「「「「っ!!」」」」

 

「最初に手を出すなと言ったのはお前だ。それに・・・今調子に乗ってホエれる立場か?」

 

「・・・へへ・・・まぁ確かに手を出すなって上から物を言ったのは俺の方だが・・・別にてめーをバカにしたり軽蔑してる気持ちは無ェ・・・角都ゥ〜体ァ・・・持って来てくんねーかなァ・・・角都ちゃんお願いっ頼むよ」

 

「あっ!?コラ角都!体だ!!体の方を持って来いっつったろーが!」

 

「こっちの方が軽い」

 

「そういう問題じゃねーんだよ角都!痛てェ・・・イテテ・・・オイ!角都髪引っ張んじゃねーよ!コラ!」

 

「痛がるなら首の方を痛がれ・・・」

 

「そりゃあハンパねえ!どう見てもコレ、怪我ってレベルじゃねーからな!!むちゃくちゃ痛えぞコラァァ!!!首なんか切りやがって、超スーパー激痛だクソヤロー!!!」

 

「何だアリャ・・・」

 

「・・・もうどう解釈していいか分からんな、あれじゃ」

 

「だがあの状態で生きていても意味は無い・・・はぁ、はぁ、いくら不死身でも行動する体と繋がってなきゃ術も使えない・・・はぁ、ああなりゃ何も出来ねぇさ」

 

「・・・確かに」

 

「じゃあ残るは後1人」

 

話しながら角都を観察しているとシカマルが膝を付いたまま息を整えている。

 

「(シカマルも消耗が見えてきているな・・・アスマ隊長も傷を負ってる、暁を1人動けなくした分こっちが有利だが)」

 

「(逆にここは逃げるチャンスが出来たって事にもなる)」

 

「甘いな・・・」

 

アスマが何とか逃げる算段をつけようとしていると、その油断している瞬間に角都がアスマの後ろに移動し足の傷に蹴りを入れ、その痛みで更に隙が出来たアスマの横っ面を金の入ったトランクで殴りつけて倒してしまう。

 

「ぐあっ!」

 

アスマが倒れると、今度は角都がアスマの上に移動してアスマの背中に全体重を乗せた膝打ちを食らわせる。

 

「がはあっ!!」

 

「「アスマ隊長っ!!」」

 

アスマが倒れたことを確認すると角都は飛段の体の方に向かい、体を起こして首を切断面に当てがい自身の触手で縫合していく。

 

「1度手を貸せと言ったからには、ここからは俺もやる」

 

「イテテ、イテッ!チィ・・・分かったよ」

 

縫合が終わった様で飛段が立ち上がり首の具合を確認している。その様子に4人は言葉も無い。

 

「あ〜やっとくっ付いた」

 

「あまり動かすとまたもげるぞ・・・」

 

「くっつきやがった・・・」

 

「俺達・・・何と戦ってんだ」

 

「訳が分からなくなってきたな・・・」

 

「戦闘でも儀式でも、お前はいちいち長い・・・賞金首はお前がやれ後の奴らは俺がやる」

 

「ん?・・・ああ、礼はたっぷり返させてもらうぜ。戒律破る訳にもいかねぇからなァ・・・」

 

角都がシカマル達の方に向かい、飛段は倒れているアスマの方に向かう。そしてとどめを刺す為槍を構えるが、その瞬間にアスマが飛び起きアイアンナックルから伸ばした風の刃で槍を破壊する。だが飛段は槍を破壊された瞬間にワイヤーを操作して鎌をアスマの背後に回らせた。

 

「アスマーーー!!後ろーーーっ!!!」

 

鎌が刺さりそうになるがアスマは倒れる様に回避して難を逃れる。そして鎌は勢い衰えないまま飛段の胴体に刺さる。

 

「あ・・・はぁ」

 

「はあ、はあ、はあ、そう何度も同じ手を・・・っ!!」

 

「クク・・・ゲハハハハハァ!!同じじゃねーよ、バーーーカァ!」

 

鎌が刺さったまま大笑いする飛段の足元には血の魔法陣があった。呪術・死司憑血によるリンクによりアスマは大量の血を吐く。

 

「アスマーーーッ!!!」

 




次回も飛段・角都戦やその後の話も書いていきたいと思います
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