霊と踊る仙人が異世界を謳歌する   作:蔵元優輔

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遅くなりました


第九十一話

前回、カカシ・第十班対角都・飛段の不死身コンビの戦いは原作通り進んでいく。シカマルが飛段を罠に嵌めたがゼツの介入があって危ない場面があったがサスケの介入により新たな戦いが始まる。角都の戦いの方は原作通り進みナルトが風遁・螺旋手裏剣を発動させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで決めるってばよ!」

 

「「「おうっ!」」」

 

風遁・螺旋手裏剣を作ったナルトが分身達と共に角都に向かっていく。それを見てチョウジが参戦しようと駆け出した。

 

「・・・僕も加勢する!」

 

「駄目だ!ナルトに近づくな、巻き添えを食うよ!」

 

それをヤマトが止める。イタチはいつでも加勢出来るように構えている。

 

「あれが人柱力の九尾の力か・・・バケモノらしい術だ」

 

分身の1人がジャンプからの苦無による刺突を仕掛けるが直ぐに触手に捕まってしまう。その隙をつく様に2体の影分身が角都を挟んで追撃しようとするが、角都の背中の火遁と風遁の面がそれぞれ術を放ち影分身達を消し去ってしまう。影分身が消えた瞬間、螺旋手裏剣を構えたナルトが角都の後ろから現れる。

 

「!!」

 

「だらぁーーーっ!!」

 

「(しまっ)」

 

この場にいる全員が決まったと思った。だが螺旋手裏剣は角都に当たる直前で消えてしまった。そしてナルトも角都も微動だにせず静止してしまい、皆も反応が出来なかった。

 

「・・・え?」

 

「・・・何?勝ったの?」

 

「・・・失敗だ」

 

ヤマトが冷や汗を流しながら失敗だと言うと、同時にナルトが触手に捕まってしまう。

 

「くそっ!」

 

「心臓を頂く・・・!」

 

「火遁・鳳仙火の術!」

 

ナルトを救出する為にイタチが瞬時に動き、鳳仙火の術を放ち角都の注意を逸らして須佐能乎第2形態を発動、十拳剣で触手を切断してナルトを救出しカカシ達の所まで戻った。

 

「大丈夫か、ナルト」

 

「イタチの兄ちゃん、サンキューだってばよ・・・くっそ〜!」

 

「カッコつけるだけつけといて・・・ナルトらしいつったらナルトらしいけど」

 

「螺旋手裏剣とか言うからビューって飛ばすのかと思ったら・・・今までの螺旋丸と一緒で走ってぶつけないと駄目なの?」

 

「何だよ!当たればスゲーんだぞ!?」

 

いのやチョウジから明確な欠点について言われナルトは怒るがそれにヤマトが説明する。

 

「見ての通り螺旋手裏剣と言ってもゼロ距離で相手にぶつけないと駄目なんです。だから影分身で陽動をかけるのがこの術の基本だったんですが・・・」

 

「まだまだ新術の発動持続時間が短過ぎるな。もって数秒か・・・」

 

「・・・それじゃあ当てられないよ、あんな奴相手に・・・」

 

「(あの術・・・近づかなければ大丈夫だな。接近戦を避け術を持つオリジナルに常に注意を払っていればさほど怖くはない)」

 

「・・・もう一度俺にやらせてくれってばよ、新術で決めてやる・・・」

 

「相手は暁だよ・・・また同じ事をやっても躱されるだけよ!」

 

「陽動がバレたらもう駄目だよ・・・皆でやろう!」

 

「確かにな・・・この状況、今は6対1だ。危ない橋を渡る必要も無い」

 

「(さて・・・どう来る)」

 

「・・・カカシ先生」

 

「ん?」

 

「修行中に俺に言った事覚えてるか?父ちゃんを超える忍びはお前しかいないって、そう信じてるって」

 

「っ!」

 

「確かにチームワークは大切だ・・・それは分かってる。でも今俺はその危ない橋を渡りたいんだってばよ」

 

「フッ・・・ヤマト、お前はどうだ」

 

「ええ・・・だってまだ見てないですよね、以前のナルトとは別人だってところ」

 

「決まりだな・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場面は変わり、シカマルの援護に向かったサスケとシスイ、サクラが飛段とゼツと対峙している。

 

「シカマル、お前やっぱりすげえ奴だな。暁を1人で嵌めちまうんだからな」

 

「・・・んな褒められても失敗しちまってんだから嫌みに聞こえんぞサスケ」

 

「そう言うなよ、そこの植物みたいな奴が出てくるのは完全な想定外だろ」

 

「そうよ、アンタは負けてないわよ!」

 

「・・・へっ、あんがとよ」

 

「オイオイ、何楽しくお話し始めてんだよコラァ!」

 

「悪ぃな、こっからは俺達が相手だ」

 

「シカマル、今回復させるわ!」

 

「悪い・・・」

 

サスケが飛段と話す中、サクラがシカマルの後ろに回り背中に手を当て医療忍術を掛け始める。

 

「シスイさん、あの植物みたいな奴を任せて良いですか?後あの術の準備も」

 

「おう、任せろ!」

 

話し合いが終わったサスケは須佐能乎の第2形態を出し槍を構えたシスイの横で草薙の剣に千鳥を纏わせて構え、呪印状態2を発動させて飛段達に向かって走り出す。

 

「飛段・・・アイツラヤル気ダヨ」

 

「へっ、望むところだぜェ!」

 

ゼツに言われるまでも無く気分が上がった飛段は、向かってくるサスケを迎撃するべく走っていく。

 

「ヤレヤレ・・・ドウスル?」

 

「オレタチマデ動ク必要ガアルカ?・・・ッ!」

 

ゼツが左右で話し合ってるとシスイの須佐能乎が槍を振り下ろしてくる。それをゼツは蜻蛉により大地と同化することで回避、少し離れた場所に再度姿を現した。

 

「ア〜ア、メンドウダナァ〜熱苦シイシ」

 

「そういう訳だ、お前は俺の相手をしてもらうぜ!火遁・鳳仙火の術!」

 

そのままシスイは槍を消し須佐能乎から鳳仙火の術を放つ。ゼツが複数の火球を交わしていきまだまだ戦闘は続いていく。そしてサスケ達の方に戻る。

 

「さぁて・・・そんじゃあこっちも始めるかァ!!」

 

そう言って飛段は奇声上げながらサスケに向かって突っ込んでくる。それをサスケは千鳥刀で迎え撃つ。2人の得物がぶつかり合い火花が散る。

 

「何だ何だ?前より随分と強くなってんじゃねーか!」

 

「当たり前だ!」

 

2人の得物の激突音が響く。飛段は雷遁を纏った剣とぶつかり続ければ自身の鎌も破壊されかねないと思い極力鍔迫り合いを避けて攻撃してきていた。

 

「チッ(雷遁付きの武器は面倒くせえなァ・・・)」

 

少し離れた所ではシスイが須佐能乎から炎の龍を吹き出し続けてゼツを追撃していた。

 

「火遁・豪龍火の術!!」

 

「ッタク・・・ホントニ面倒ダネ、君ハ」

 

「へっ!そりゃ光栄な事だな!!」

 

避けるゼツに連続して豪龍火の術を放ち続けるシスイ。それを横目で見て飛段は千鳥刀での剣戟の合間に火遁の術を放ってくるサスケ達を鬱陶しく思っていた。だがそんなやりとりが何度も繰り返された事で飛段とゼツは疑問を抱き始めた。

 

「(まただ・・・さっきから馬鹿の一つ覚えみたいに同じパターンの攻撃を繰り返してやがる。何なんだァ?)」

 

更に何度か切り結ぶとサクラに回復してもらっていたシカマルが影真似を使って影を伸ばしていく。

 

「っ!またか!」

 

飛段は影を避けようとするがサスケが超近距離で鍔迫り合いを仕掛けてきて逃げられずサスケごと影真似を食らってしまう。

 

「テ、テメェ!」

 

「サンキュー、サスケ。これで捕らえたぜ」

 

サスケはシカマルから影を離してもらって飛段から距離を取る。

 

「アア?何のつもりだ」

 

「その質問はテメェから距離をとった理由か?なら簡単だ・・・こっちの準備が出来たんだよ」

 

そう言ってサスケは左手に雷遁を纏わせる。それに呼応する様にいつの間にか出来ていた雷雲から雷が迸る。

 

「なっ!!」

 

「この雷雲はシスイさんとサクラに協力して戦闘の中で作り出したものだ・・・これから出す俺の新術は天から降る雷を対象へと導く究極の雷遁。己のチャクラではなく、膨大な自然エネルギーを利用した術で人間が性質変化から作ることができる術とは規模そのものが違う。音速を超えるスピードで落ちる雷を回避する手段はない」

 

サスケが話終わると同時に雷雲から巨大な雷の塊が降りてきた。その姿は神獣である麒麟の姿をしていた。

 

「雷鳴と共に散れ・・・」

 

サスケが天に伸ばしていた手を麒麟が飛段目掛けて突っ込んでいく。飛段は防御も回避も出来ずに麒麟を食らう。辺り一体に凄まじい閃光と轟音が響き渡り、煙が立ち込める。少しの時間が経ち飛段がいた場所を確認するとそこには底が見えないほどの巨大なクレーターが出来ていた。

 

「凄い・・・」

 

「これが未来でサスケがイタチを殺す為に編み出した術・・・とんでもねぇな」

 

サクラとシスイが麒麟の威力に驚いている中、シカマルはサスケのそばに行き話しかける。

 

「済まねえなサスケ、最後までやってもらっちまってよ」

 

「気に病むこともねぇだろ、もう1人の暁が来たのは完全に想定外だろ。多分葉兄さんが見ていた世界にも無かった展開だろうさ」

 

「ああ・・・そう言ってくれんのはありがてぇがな」

 

サスケとシカマルが話しているとサクラとシスイもそこに集まる。

 

「サスケ君、シカマル!やったわね!」

 

「ああ・・・そういやシスイさん、もう1人のゼツって奴はどうなったんですか?」

 

「悪い・・・あいつには逃げられちまった。あの自然と同化する術を使って地面に潜ってそのまんまだ」

 

「気にしないで下さい、アンタだから1人で抑え込めたんだ。更に別の手を打たれる事がなくてホッとするぜ・・・そんじゃ、こっちは終わったし向こうに戻ろうぜ」

 

「「ああ」」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行け、ナルト」

 

「オッス!」

 

「(遠距離戦闘タイプに変えた方がいいな・・・)」

 

角都は巻物を取り出し開ける。そこには心という文字が書かれた術式が書かれていた。角都は心の文字に手を置き開封の術を使う。

 

「何だ?」

 

ナルトを含めてこの場にいる全員が疑問に思っていると、角都の手元には2つの容器があった。

 

「あの出てきた容器・・・まさかっ!」

 

「ああ・・・これは前に奪っておいた心臓だ」

 

「「「「「「っ!?」」」」」」

 

全員が驚愕していると角都は容器を開けて触手を伸ばして心臓を経絡系ごと取り込んでいく。

 

「別に不思議は無いだろう・・・俺自身が取り込んでおける心臓は5つだが・・・潰されて時の予備はあるさ」

 

角都は心臓を取り込み終え構えると、背中の火遁と風遁の面の横から雷遁と水遁の面が復活した。

 

「面が復活した・・・」

 

「さて・・・どうする?九尾の人柱力」

 

「面が増えても・・・関係ねえっ!!」

 

ナルトは影分身を4人出しながら突っ込んでいく。そしてチャクラの衣を纏い、腕からチャクラで出来た腕を出し九喇嘛と協力して風遁・螺旋手裏剣を作り出す。

 

「(何だ!?あの術は分身を含めた3人で作る物じゃなかったのか!)」

 

ナルトが九喇嘛と協力しているとは考えていない角都はこの状況に驚愕していた。ナルトは螺旋手裏剣を持った1人以外の4人が高速で接近していく。

 

「(動きが・・・速すぎるっ!)」

 

「「「「オラァッ!!」」」」

 

4人のナルトから波状攻撃を食らう角都は4つの面からそれぞれの性質変化を放出して何とか防いでいた。このままだと捌ききれなくなると思った角都は面の攻撃を一斉に放ち、隙を作り螺旋手裏剣を持つナルトに向かって跳躍していく。そのまま触手を大量に出しナルトを串刺しにしようとする。それにナルトは螺旋手裏剣を全面に出して触手を迎撃していくが先程よりは長かったが十数秒で術が消えてしまい触手に雁字搦めにされてしまう。

 

「中々手こずらせてくれたが・・・これで終わりだ」

 

「へっ、どうかな!」

 

そう言うとナルトは煙と共に消えてしまった。

 

「何っ!?」

 

驚愕する角都の後ろから新たに螺旋手裏剣を作り上げたナルトが迫っていた。

 

「(こいつ・・・陽動の中にオリジナルを!)」

 

角都が瞬時に迎撃しようとするが、分身がそれぞれの面を全力で押さえつけてしまう。

 

「当たれェェ!!」

 

そのままナルトが角都の背中に螺旋手裏剣をぶち当てた。その勢いは凄まじく角都は抵抗も出来ずに吹っ飛んでいき手裏剣の部分が巨大なドーム状に変化した。ドーム内の角都を風の性質が極小の針の形になり全身を満遍なくズタズタにしていく。

 

「ぐぎぁぁぁぁぁーーーーーっ!!」

 

徐々にドーム状の風が霧散していき角都が皆の眼前に現れ一切の動きを見せずに倒れてしまう。ドームがあった場所には巨大なクレーターが出来ており、それが術の威力を感じさせる。

 

「(攻撃回数がケタ外れだ・・・写輪眼でも見切れなかった、なんて術だ)」

 

「へへ、良し・・・やったぜ」

 

「ちょっとあいつ、倒れたままじゃない!チョウジ!」

 

「うん!」

 

倒れたままのナルトの元にいのとチョウジが駆け寄り、チョウジが支えていのが背中から医療忍術をかける。

 

「まさか陽動の中にオリジナルがいたとはねー」

 

「へへ、シカマル程じゃないけどナルトも頭良い方なんだね」

 

「シカマルと比べんなってばよ・・・」

 

「しかし良く4発も作ったね新術・・・修行中も連続では2発しか作らなかったのに」

 

「・・・(失敗してからの次を当てる為の機転の速さ、強い自信・・・ナルトは本当に強くなってきたな、ミナト先生も成し得なかった術をここまでものにするとは。そろそろ世代交代の時代だなこりゃ、俺を超えやがったか・・・)」

 

「お前ら、無事か!」

 

ナルトを治療していると飛段の戦いを終えたシカマル達がナルト達の元に戻ってきた。

 

「シカマル!サスケ!サクラちゃん!シスイの兄ちゃん!」

 

「そっちも勝ったんだな」

 

「おうっ!」

 

「さて、そんじゃあ木ノ葉に帰りますか」

 

こうして暁の討伐という重大任務を終えた2班は帰路についた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おおっ!葉、ちょうどお主を呼びに行こうとしとったんじゃ」

 

「俺をですか?」

 

「ああ、今からワシと一緒にミナトの所に行ってくれんか?暁のリーダーの情報についてだ」

 

「っ!分かりました、一緒に行きます」

 

「お主ならそう言ってくれると思ったぞ、では行くか「おおっ!」ん?」

 

「自来也に葉ではないか!こんな道端でどうしたのだ?」

 

「葉に覗き小僧か」

 

「うぐっ・・・と、扉間様〜流石にその呼び名は勘弁して貰えませんかのォ」

 

「フン!50を超えても覗きをし続けておる事には変わらん、そんなお主には合っておるだろうが」

 

「扉間よ、そう自来也をイジってやるな。俺達よりも元気なだけだ」

 

「さっすが柱間様じゃ!ワシの事を良く分かっておられる」

 

「・・・はぁ、分かった。それで自来也よ、葉を連れ立って何処に行く気だったのだ?」

 

「はい、暁のリーダーが雨隠れにいると言う情報を入手しましてな」

 

「「「っ!」」」

 

暁のリーダーの所在を掴んだと言う言葉に俺達3人は驚く。柱間さん扉間さんは純粋に、俺は遂に来たかと言う感じだ。

 

「・・・確かか」

 

「ええ、間違いなく。詳しくはこれからミナト達も交えて話そうと思っておりますので一緒に行きますか?」

 

自来也さんからの誘いに俺達は二つ返事で了承した。そのまま俺達4人はミナトさんのいる執務室へ向かった。

 

「入るぞ、ミナト」

 

「どうぞ」

 

執務室へ入ると

 

「自来也か・・・それに葉にお爺様に叔父上様まで、どうしたんだ?」

 

「ああ、ワシの情報収集の報告をしにな・・・結果を共に聞いてもらう為に呼ばせて貰ったのだ」

 

「・・・自来也先生、何か分かったんですか」

 

「ああ、暁のリーダーの居場所を掴んだぞ」

 

「っ!?本当ですか!」

 

「詳しく話せ!」

 

「まあまあそう焦らんでくれ」

 

「お前の小説の続編じゃあるまいしノンビリしてられるかァ!」

 

「そう焦るとロクな事は無いぞ。特に大事な賭けをする時はのォ・・・どうだミナト、ここにおるメンバーで飯でも行かんか?話は酒でも入れながらそこでしよう」

 

「馬鹿!ミナトは現火影なんだぞ!昼間っから酒とは何だ?任務中の忍び達に申し訳ないと思わないのか!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「プハ〜〜〜」」

 

「お前・・・もう少し自分の言葉に責任持った方がいいぞ・・・柱間様も余り勢い良く飲まんで下さい。これから大事な話もありますんで」

 

「まあそう言うな自来也よ、火影といっても息抜きも必要だぞ。それにこのメンバーで集まれたのも珍しいくらいだしな、重要な話ではあるが肩肘張らずにいこうぞ」

 

「兄者はもう少し真面目になれ・・・まぁ、一緒になって飲んでるワシにも人の事は言えんがな」

 

「それで自来也、暁のリーダーは雨隠れの里にいるんだな?」

 

「ああ」

 

「しかしあそこは出入りする者に入国審査と滞在期間中の監視を徹底する国だ。合同中忍試験の手続きですら毎回困難を極めるほど厳格で閉鎖的な里だ・・・そんな奴が動き回れるような里じゃ無い筈だがな」

 

「・・・が、厳格な里だからこそだな、自国の内情を他国に知られぬよう管理を徹底しその恥を隠してきた」

 

「恥だと」

 

「ええ、あの国ではどうやら随分前から内戦が続き里も二分されとるらしい、その一方の長が暁のリーダーと同一人物だと言う噂がある・・・そうだな、葉よ」

 

「ええ・・・確かに暁のリーダーが雨隠れの里のビルにいる描写を何度かアニメで見ていますね・・・それが里の何処かと言われたら実際に見たわけでは無いので分かりませんが」

 

「・・・あの国は土・風・火の三大国に囲まれ、昔からそれらの大国同士の戦場になる事が多かった。その為内政も安定せず難民ばかりが増えたらしいからな」

 

「更に正確な情報を得る為にまずワシが潜入して調べてくる。細かい所はそれからだのォ」

 

「自来也先生、1人では危険すぎるのでは?」

 

「なぁにワシはお前の師匠にして伝説の三忍だぞ?お前もその意味は分かっておるだろ?」

 

「それはそうだが・・・」

 

「それに、暁のリーダーが想像以上の人物だった時の為に葉から飛雷神の術式が入った六道の棒を受け取っておる。もしもの時は葉よ、頼りにしておるぞ」

 

「はい、呼んでくれればいつでも駆けつけますよ」

 

「おお!ならばその時は俺も駆けつけようぞ!」

 

「兄者、流石にそれは・・・」

 

「あはは・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆との情報共有を兼ねた飲み会から数日後、土砂降りの雨が降る雨隠れの里の目の前に、蛙に隠れていた自来也さんが現れる。

 

「潜入成功だの・・・意外に簡単にいったが、さてどうかの」

 

「っ!」

 

「どうした」

 

「俺の雨を遮る奴がいる・・・このチャクラの感じ、かなりの使い手だ」

 

暁が警戒する中、自来也さんは里の中を捜索していた。

 

「(さぁて、何処から探るかのォ・・・)」

 

歩いている中で一店の豚まん屋に立ち寄った。

 

「あちち、ば〜さん1つ貰おうかのォ」

 

「毎度、あんた見かけん顔だが他所もんかね」

 

「いやなに、ワシは物書きでの。旅をしながらその地方の名物などを雑誌で紹介しとるんだ」

 

「ほぉそうかね・・・どうだね?うちの豚まんは」

 

「ん〜美味しいのォ。噂には聞いたったがこの豚まんは絶品じゃのォ」

 

「そうじゃろうそうじゃろう」

 

「この豚まん、ぜひうちの雑誌で紹介したいんじゃがいいかのォ」

 

「んあ、雑誌にかね?」

 

「ああ、本に載ると客が殺到してのんびりしておれんようになるがな」

 

「そ、そうかね。そりゃ大変だ」

 

「いや〜この辺りは随分と平和だのォ」

 

「んだ、全部ペイン様のおかげじゃ。ありがたやありがたや」

 

「ペイン?山椒魚の半蔵はどうしたんじゃ?」

 

「はあ?」

 

「だから、山椒魚の・・・っ!ば〜さん、邪魔したの」

 

山椒魚の半蔵の話題を出した瞬間周りの人達が此方を凝視している事に気付き、自来也さんはその場を離れた。その後更に情報収集する為に団子屋に立ち寄る。

 

「お待たせしました」

 

「なあ、あれは何なんじゃ?」

 

「え?ああ、あれは天使様です。今流行ってるんですよ、天使様の折紙を店先に飾ると繁盛するって!ご存知無いですか?」

 

「天使様、のォ・・・(どう言う事だ?この国は二分どころか既に統一されている・・・しかも雨隠れの里には山椒魚の半蔵と言う長がいたはず・・・ここは、焦らずじっくりと探りを入れにゃいかんのォ・・・)」

 

そうして自来也さんはキャバクラに行き少し綱手さん似のキャバ嬢と酒を飲み、その人の旦那が下忍だという事を知りそいつと同僚を蝦蟇が化けたバーににて捕える事に成功した。

 

「くそっ、どこだここは」

 

「蛙の腹の中だ・・・まあ絶対にこの場所はみつからんのォ、よって助けも来ない!」

 

「お前、何者だ」

 

「質問するのはワシの方だと言ったはずだの、違うか?」

 

下忍2人が狼狽えてる中、自来也さんは小さな鳥の羽を取り出した。

 

「そ、その羽で何をする気だ」

 

「くすぐる・・・笑い死にしたくなきゃワシの質問に全て答えてもらう!お前達の長・ペインについてな」

 

そう言って下っ端の1人の服を剥ぎ、くすぐり出す自来也さん。

 

「ぎゃ〜ははははは!」

 

「さあ吐け!ペインについて知ってる事を全て吐くんだ!」

 

「ぐっ・・・ぷ・・・う・・・ぐぐぐ・・・」

 

「っ我慢しろ!」

 

「俺は何が・・・うぐぅっ・・・あっても・・・仲間は・・・はっ・・・ぶっ・・・」

 

「意外に我慢強いな・・・こうなれば奥の手だの」

 

「な・・・何をする気だ!?」

 

「どうあっても吐かないのならワシの術でお前達をカエルに変える!」

 

「・・・・・」

 

「・・・カ、カエルに・・・かえ・・・る・・・」

 

「「「・・・・・」」」

 

意識しないで言った言葉が寒いダジャレになってしまい自来也さんは赤面し、下っ端2人も微妙な空気になってしまった。その空気を誤魔化す様に自来也さんはくすぐりを再開した。

 

「ギャハハハハハハッ!!」

 

「アンタ一体どーしたいんだ!!?」

 

「さあ吐けぃ!」

 

「俺達は下っ端でもここの忍びだ、絶対に仲間は裏切らない!どんな事をしても無駄だ!俺達を甘く見るな!!」

 

「ふぅ、なら仕方ないのォ・・・忍法・蛙変えるの術!!」

 

「や、止めろーっ!!」

 

下っ端の絶叫と共に煙が立ち、煙が晴れるとそこには1匹のカエルがいた。それを見たもう1人は絶叫し狼狽える。

 

「ゲロゲーロ」

 

「貴様ァ!卑怯なっ!!」

 

自来也さんは悪い笑みを浮かべながらもう1人の方に向かっていく。

 

「さあ、次はお前だ・・・」

 

「・・・西の1番高い塔にペイン様は居らっしゃる・・・と言われている」

 

「アレ?アレレ?随分と簡単に裏切りましたな、君」

 

「・・・」

 

「まあ良い・・言われているってのはどういう事だ?」

 

「・・・実は、ペイン様の事を詳しく知る者はどこにもいないんだ」

 

「どういう事だ?」

 

「風魔一族の血を引くと言われているが、誰も彼の顔を良く知らないし実際には存在しないんじゃ無いかと噂する者さあいる」

 

「少しばかりこの街を歩いたが誰もがペインの名を口にし崇めていたぞ、嘘をつくんじゃないのォ!」

 

「この街ではペイン様は神と同じだ!居る居ないの問題じゃない・・・俺達をいつも見守って下さっている。祭礼行事や演説、命令などは全て代理者を使われるんだ・・・」

 

「お前達の長だろう、なぜ仲間にも姿を隠す必要がある?」

 

「こういう時の為さ・・・」

 

「なるほどな・・・」

 

「お前・・・旧雨隠れの残党じゃあないな?一体何者だ?」

 

「旧雨隠れの残党?どういう事だ」

 

「へっ、本当に何も知らねーみたいだな、よそ者か・・・ちょっと前までは残党の奴らがペイン様を狙って事あるごとに潜入してきていたからな。まぁ今はその心配も無い、紛れ込むとすればお前の様に外から運良く忍び込めた輩くらいだろう」

 

「心配ない?どういう事だ?この国は内戦中だと聞いているがの」

 

「無理も無いな・・・この国は閉鎖的だ、教えてやろう。既に内戦は収まっている、我々の勝利だ!だからペイン様は伝説になっている。雨隠れを潰した・・・たった1人でな!」

 

「・・・・・信じられん、いかにペインとやらが強いといっても雨隠れの長は山椒魚の半蔵として忍びの世界で知らぬ者などいない男だぞっ!」

 

「そうだ・・・半蔵はその実力もさる事ながらとても用心深くその側に近付く事すら困難を極めた。24時間交替で身辺に護衛を置き、近付く者には子供であっても身体検査を行う徹底ぶりだった」

 

「その半蔵をどうやってやった?ペインの能力は何だ?」

 

「だから言ったろ、俺達は何も知らねーよ!」

 

「・・・・・とても信じられん。あの半蔵をたった1人で」

 

「クク・・・神のやる事だからな俺達には想像も出来ない様な恐ろしい術を使うんだろうな」

 

「神・・・・・か」

 

「そうだ」

 

「・・・なら、そのお前達の神がしようとしている事何だ?いくら下っ端でも知っている事はあるだろう?」

 

「神のなさる事だ。俺等には見当もつかねーよ」

 

「そうか・・・なら神では無く暁についてなら少しは知っとる事があるかのォ?」

 

「・・・・・知らねーな、そんなの」

 

「・・・・・お前のその腕と足・・・動けぬよう拘束しとるんだがの、実はそれだけじゃ無い・・・脈拍を測ってる、嘘をつけばそれですぐ分かると言う事だ」

 

「知ってる事は洗いざらい吐け!でなけりゃお前もトンボやハエを一生食って暮らす事になるぞ!」

 

「くっ・・・・・蛙にでも何でもしやがれ!これ以上は絶対に何も吐かねェ!下っ端にも意地ってもんがあんだ、俺だって忍びだ!この国の内情を知らねぇよそ者に話して聞かせる事は無え!!」

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

「フッ・・・下っ端でも忍びか。まぁの・・・大体尋問はワシの性にも合わんしの、話はここまでだ。だが当分はここに居てもらうぞ、後は神とやらに直接聞くとするかの」

 

そう言って自来也さんは蝦蟇の中から捕らえた下忍の姿で出てきた。

 

「お前は木ノ葉に戻ってろのォ・・・帰ったらイビキの所に行け、話は通してある」

 

「ゲコ!」

 

「上手く騙せるといいがの・・・良し!」

 

そう言ってその場を離れた自来也さんを建物の影から小南が見ていた。

 

「・・・どうだ?」

 

「・・・侵入者は、自来也よ」

 

「そうか、自来也先生か・・・懐かしい」

 

「どうする、ペイン?」

 

「勿論殺る、今更未練も無いだろう・・・侵入者を殺す為にこの体で出張ってきたんだ、案内しろ」

 

「分かった」

 

そう言って小南は自身の体を紙に変えていき、その1枚を紙飛行機に変えてペインの道案内に使う。

 

「ペイン、貴方が駆け付けるまで私が相手しておくわ・・・」

 

「殺せるなら殺ってしまえ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

下忍の男の姿で探索を続ける自来也さんが開けた所に出た所で大量の紙吹雪に襲われる。

 

「なっ!うわっ!!」

 

紙吹雪に全身が包まれた所で下忍の男の影から自来也さんが現れ、術を放つ。

 

「火遁・炎弾!!」

 

ある程度の紙を焼いた所で自来也さんが影から完全に出てくる。

 

「蝦蟇平・影操りの術か・・・」

 

「ペインと言う奴を誘き出そうと餌を撒いたがまさか食いついたのがお前だったとはの・・・術のキレも良くなったがいい女にもなったのォ・・・小南。死んだとばかり思っていたが・・・まさかペラペラの紙になっちまってるとはの・・・」

 

「ああ、貴方は・・・使いの天使様・・・」

 

「今度は天使か・・・と言う事は小南、お前が神とやらの伝令役かの」

 

「こ、この男は侵入者です!今すぐこいつを!」

 

「少し離れていろ」

 

「ハ、ハイッ!」

 

「ペインとは何者だ?」

 

「先生には関係の無い事よ」

 

言葉と共に小南の背中に紙が集まって羽を形成していく。

 

「・・・っ!それで天使のつまりかの?」

 

「神からの命令よ・・・貴方を殺す」

 

小南が羽から紙を大量に放出し自来也さんが火遁で応戦する。だが自来也さんの火遁が出来っても紙は止まらず自来也さんは術を止めて紙を回避して別の術を放つ。

 

「蝦蟇油弾!!」

 

「!(別れられない・・・)」

 

油が付着して術が使えなくなった小南を自来也さんが髪操り縛る。

 

「油でくっついてバラけまい!折り紙が好きなお前はあの子達の中でもとりわけ優しい子だったのォ・・・他の2人はどうした?死んだと言う噂は嘘なんだろう?」

 

「・・・・・」

 

「やはりの・・・・・ペインとはあいつらの内のどちらかじゃの?」

 

「今更私達の前に現れて何のつもりだ・・・?」

 

「そんなつもりは無かった・・・お前達が暁で無ければの。死んだと聞いていた・・・それがまさかこんな事になっとるとはの・・・」

 

「あの時・・・あの戦争の最中、大蛇丸の言う通りにしておけば、そう思ってるのね・・・けど貴方は私達を助けた。もう遅いわ、私達は彼の思想の下動き出した」

 

「ペイン・・・間違い無くあの子じゃの・・・あれから数年、お前達の名をちらほら聞くようになった。いくつかの紛争で名を売ったがその後死んだと聞いた・・・」

 

「・・・先生はあれからの私達を知らない」

 

「確かに知らないがのォ・・・暁のやっとる事は間違っとる!」

 

「それが自分で考えた結論ですよ・・・自来也先生・・・」

 

「外見はだいぶ変わったがその眼・・・やはりお前がペインだったか、長門・・・正しい成長はしていないようだの・・・何があった?」

 

「貴方は知らなくていい・・・所詮外の人間だ」

 

「変わったな、長門」

 

「口寄せの術!」

 

「おっと!(泡?・・・教え子だけあってワシの弱点を突いてくる、油を洗い流す気だの)」

 

「小南、お前は下がっていろ」

 

「!」

 

「乱獅子髪の術!!」

 

自来也さんは素早く印を組み髪を操り蟹を縛り、そのまま倒してしまう。

 

「長門、お前にいくつか聞きたい事がある・・・弥彦はどうした?」

 

「ああ・・・いたなそんな奴も」

 

「!?」

 

「とっくに死んだよ・・・そんな奴は」

 

長門のこの言葉に自来也さんは驚愕した顔をしている。

 

「長門、お前・・・一体何があった?昔のお前は・・・」

 

自来也さんはあまりの変わり様に驚いていた。2人の友を助ける為に強くなりたいと言っていたかつての弟子とかけ離れた現状を見せつけられて言葉が出なかった。

 

「何も・・・ただ戦いだけだ。ここでは人が死に過ぎる、それらの痛みが俺を成長させた」

 

「・・・どう言う事だ」

 

「無知で愚かな子供も痛みを知る事で人へと成長する・・・言う事も考える事も人のそれになる」

 

「だからと言って友への想いを捨てるのが大人になる事かの!?」

 

「先生、貴方はまだ人でしかない・・・だが俺は無限に続く痛みの中で人から更に成長したのだ」

 

「・・・何だと?」

 

「そう、人から・・・神へとな」

 

「・・・・・」

 

「神とならば言う事も考える事も神のそれになる・・・先生、貴方はまだ人のまま・・・俺の言う事が分からないのは仕方がない」

 

「そこまでズレるとはの・・・」

 

「人の時には見えなかったものが神となった今は見える・・・そして神だからこそ人には出来ない事が出来る事に気付く、簡単に言えば人からの進化だ」

 

「・・・お前は一体何をする気だ?」

 

「・・・・・この戦いだらけのくだらない世の中に終止符を打つ、それが神の御業だ」

 

「それが目的なら何故尾獣達を集める?」

 

「アンタはどうせ死ぬ・・・だから本当の目的を教えてやろう」

 

「・・・・・?」

 

「尾獣を使って新しい禁術を造る為だ・・・その術1つ使用しただけで一瞬にして大国さえも潰せる、最大最強の禁術兵器をな」

 

「そんなものを造って争いにどう終止符を打つ?ますます争いが大きくなるだけであろーがの!」

 

「国々が争っている・・・それを手っ取り早く終わらせるにはどうしたらいい?・・・自来也先生」

 

「だから聞いておろーが!ワシの質問に答えろ!!」

 

「争う国々にその禁術兵器を渡せばいいのだ・・・兵器を持てば必ず人はその力を使う」

 

「どういう事だ?」

 

「億単位の数の人間が一瞬で死に絶える、そして人々は恐怖する!人々が、国が、世界が、痛みを知るのだ!!その恐怖心が抑止力を生み争いは無くなる・・・この世界は今、まだ安定に向け成長している途中だとも言える。痛みは世界を成長させる・・・かつての俺がそうだったのと同じようにな。世界が成長し考え、歩き出すようになるには神の手助けがいる・・・世界はまだ子供なのだ」

 

「世界の成長の為に痛みを教えてやる・・・それがお前の役目という事か?」

 

「そうだ・・・俺は平和主義者の神だからな」

 

「冗談を言うようになったの・・・長門」

 

「ぐっ」

 

自来也さんが乱獅子髪を針状にして突き刺し、ペインは呻き声を上げるがその瞬間にペインは煙と共に消えてしまうよう。ペインは自来也さんも気付かないほどのスピードで影分身と入れ替わっていたのだ。

 

「!?」

 

「こっちだ先生」

 

ペインの声がする方を向くとそこには巨大なカメレオンの頭に乗るペインの姿だった。

 

「それがお前の口寄せか?」

 

「アンタは俺からすれば成長しきれていない小さな存在だ」

 

「ガハハハハハ!!口寄せの術!!」

 

自来也さんがジャンプしながら口寄せの術を使う。

 

「ガキにガキ扱いされるとはの!そもそもワシももはや人では無いわい!!怒りに溢れた血の涙ァ!三忍語りて仙人に!妙木山の蝦蟇妖怪!!自来也様たァ〜っ、うぐっ!」

 

口寄せした蝦蟇の上で見得を切っていると蝦蟇が動き、それにより自来也さんはこけてしまう。

 

「・・・やはり成長しきれていない。昔と同じでドジだ」

 

「コラー!!ガマケンさんよ!見得を切る所で揺らすなってのォ!!」

 

「自分・・・不器用ですから・・・・」

 

 




次回は本格的に自来也対にペイン戦です
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