第1補給廠での敗北とそれに付随する補給の停滞はドーラント平原に展開するザンパルス王国軍に多大なる影響を与えていた、補給線を締め上げられ日に日に減少する備蓄物資、特に貴族達が領地より運ばせていた美酒や良質な食品の補給は寸断されマルベリット戦闘団が活躍のあった者に対する報奨として消費されていた。このように嗜好品や食料医薬品武器の補給や増援の到着が途絶えた事により司令部では連日連夜会議に明け暮れていた
7月13日ドーラント平原ザンパルス王国軍陣地
メッセス男爵「ええい、司令官は意気地なしか」
ベロダス子爵「メッセス男爵」
メッセス男爵「ベロダス子爵かいまのを聴いていたのか、司令官に告げられるおつもりか?」
ベロダス子爵「そうではない、私も司令官の現状維持乃至は撤退など認められん、先程メドラゲレ伯らとも話したのだが、貴族法を盾に攻撃してはどうか?」
メッセス男爵「お、おいそれは」
ベロダス子爵「あの頭の硬い司令官を動かすにはそれくらいしなければならんよ」
メッセス男爵「だ、だが、我らだけでは」
ベロダス子爵「ほかにもケーレベス侯やヘレンゼ伯なども参加なさる、兵力は3000近いだろう」
メッセス男爵「そうか」
ベロダス子爵「メッセス男爵参加しないか?」
メッセス男爵「そうだな、今のままでは武門の名門メッセス家の名が廃る、ベロダス子爵私も参加しよう」
ベロダス子爵「そうか、決行は明日の夜だ準備を急いでくれます」
メッセス男爵「そうするさ、我らの栄光のために」
ベロダス子爵「たしかに、我らの栄光のために」
翌14日敵が夜襲に出ると考えているバルサー中将は夜間警戒を命令すると同時に新たに参陣した王立シャールズ重装騎士団とマルトネイル少将の騎兵戦闘団2000を右翼から敵陣後方に送り込む体制を取っていた
14日昼過ぎ
バルサー中将「敵は確実に夜襲を仕掛けてくる、マルベリット卿が敵の補給線を切断しているいじょう前進し我軍の補給物資を強奪するか、撤退し補給線を締め上げているマルベリット戦闘団を叩くかの2択しかないのだからな」
参謀「なぜ、敵が仕掛けてくると?引いたほうが確実だと思われますが」
バルサー中将「意地だ、貴族としてのな」
参謀「つまり、仕掛けてくるのは従軍している貴族だと?」
バルサー中将「そうだ、軍人なら引くもまた1手と妥協できるだろう、しかし貴族は奴らにはメンツや意地がある、そこに付け入るのだ」
参謀「なるほど、では、各隊夜襲に備えさせます」
バルサー中将「そうしてくれ」
エメリアル王国軍が夜襲に備える中ザンパルス王国軍陣地から貴族軍や一部同調した王国軍部隊、騎士団など合わせて4000程が左翼目掛けて出撃、この報告を聞いた左翼指揮官ハンナ・エーリメリア少将は麾下の兵力からロングボウ兵クロスボウ兵をかき集めた臨時弓射部隊900とバリスタ10台展開させ敵の先頭集団のやや後方に火線を集中させ敵を分断先頭集団を短弓や投槍で殲滅した。
勝手に4000ほどの兵が夜襲を仕掛けたことをしったグッドモンド大将は戦況を聞くとすぐさま手持ちの騎兵1000騎を突入させるように命じると用意のできた部隊から順次突撃を命令、そして持ち運び式投石機と生き残っていた従軍魔法使いで敵左翼及び中央に火線を引き右翼に対する突撃を援護させた
エメーリア「クロスボウを敵先頭集団に集中させろロングボウはその後方の敵中衛に集中、バリスタも敵中衛だ先頭集団と中衛を引き離せ」
大佐「敵前衛孤立しつつあります」
エメーリア「よろしい、そのまま長槍で叩き潰させろ」
伝令「総司令部から伝令であります」
エメーリア「総司令部はなんと?」
伝令「このまま戦線を維持し敵を押し留めろと」
エメーリア「食い止めろではなく押し留めろ……なるほどそういう事か、大佐、戦線を維持させろ決して敵を引かせてはならん、全隊に伝えよここでの我らの働きが勝利への最善であると」
日付も変わり深夜1時、ザンパルス王国軍司令部は敵中央左翼を抑えるべく本隊からさらに3000を引き抜き戦線維持に向かわせた、この時点で総兵力16000の内司令部周辺には1000ほどしかおらず、残りは4000は連日の消耗戦で失われ5000が敵右翼を猛撃6000が中央左翼を押し留めるなどほとんど出払っていた、そんな状況でバルサー中将は色付きの狼煙を上げる、その瞬間
ザンパルス王国軍司令部をマルトネイル少将率いる騎兵2000騎騎士200騎が襲撃
グッドモンド大将「何事か!?」
衛兵「て、敵襲です」
グッドモンド「な、なんだと、さきほど送った部隊を呼び戻せ」
参謀「閣下ひ、避難を」
グッドモンド「避難だと!総司令官が逃げるなど出来るものか」
参謀「で、ですが」
グッドモンド「敵の数は!?」
衛兵「約3000」
グッドモンド「してやられた、敵は貴族のバカどもが夜襲に出るのを察しておったのだ、全軍陣を整えよ、先に進撃した部隊が戻るまで耐え抜くのだ」
グッドモンドの激も虚しく本陣は陥落寸前であった、本陣が攻撃されていのを確認し部隊を戻そうとするザンパルス王国軍部隊をエメリアル王国軍は猛撃後退しようとするザンパルス王国軍を殲滅していった、混乱し逃げ惑うザンパルス王国軍その中でいち早く本陣にたどり着き最左翼を守っていたシュタへフェルス騎士団団長ペトラゲル卿そしてその幕僚集団が戦死それにより最左翼が崩壊、嘆きの大鷹騎士団団長キンダー卿が退路を確保するために突撃するも敗死それによりザンパルス王国軍は完全に包囲されていった
グッドモンド「く、ここまでか」
参謀「完全に包囲されました」
グッドモンド「後方最右翼に間隙がある、そこに残存部隊を投入し撤退する、一人でも多く本国に帰還するのだ」
参謀「はい」
午前4時過ぎ残存部隊の中で指揮系統が生き残っていた3000程が間隙突撃、間隙を埋めるために展開している途中だったシュミッツ准将の部隊の先遣500を蹴散らすも後方と側面の3方向から矢の乱射にあい、ついに司令官グッドモンド大将が戦死副司令官が指揮系統を継承するまでに1000程が戦死継承できたときには指揮系統に残っていた部隊兵数は1000を切っていた
19日昼過ぎ
ベゼルス少将「手ひどくやられたな」
幕僚「はい、残数800程です、残りは散り散りに」
ベゼルス少将「副司令のベッサリス中将はどこに?」
幕僚「わかりません」
伝令「て、敵襲です」
ベゼルス少将「な、なんだと」
中津「突撃、弓騎兵隊矢を放て」
わあぁーーーーーー
ヒュンヒュン
それは中津率いるマルベリット戦闘団本隊であった、中津はドーラント平原のザンパルス王国軍壊滅を知るやいなやジャズポーレ上級少将のザンパルス王国軍陣地を強襲ありったけの魔導手榴弾を叩きつけると潰走するザンパルス王国軍をある程度追撃おっとり刀で反転すると騎兵弓騎兵1200騎を率い雷鳴の如く街道を進撃ドーラント平原から敗走してきたザンパルス王国軍の小部隊を次々と粉砕していった、その結果ザンパルス王国軍及びザンパルス貴族軍20000の内無事に帰国できたものは2000を切っていたそれどころか第1補給廠においては20000もの兵力を足止めされ18000が戦死乃至は捕虜となるなど小競り合いを含めこの会戦で4万を超える兵力と数十家の貴族家当主を喪ったのであった。
またこの会戦によりベルベック・ド・N・フルドランド・マルベリットの名は国内外に広く知られることとなった