ドラの大冒険〜魔法特化の竜の騎士〜   作:紅玉林檎

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たいへんお待たせいたしました…!
ブランクがあるので展開これであってるか不安すぎる…
ええい、不安がってたらいつまでたっても更新出来ないだろバーローチクショウ!

何か矛盾点や誤字あったら指摘してくださいお願いしまあああす!(他力本願☆)


128_形勢逆転…?

大破邪呪文(ミナカトール)の効果が消えたとなると…はてさて、どうしましょうかねぇ」

 

穏やかな口調に反してアバンの表情は険しい。人差し指で眼鏡をくいと直し、何か少しでもこの状況を打開する策はないかと持ち前の頭脳をフル回転させる。

 

 

「バーンの魔力が回復…いや、魔力だけではない。奴の闘気が無尽蔵に上がっていってるよ。

…チウ、お前だけでも今のうちにこの場を離れなさい」

 

アバンに続いて口を開いたのは、ビーストくんだった。彼は常と変わらぬ間伸びした口調で弟子に撤退を促す。

 

「なっ、なんてこと言うんですか老子っ!」

「老師? ボクはビーストくんだよ~ん」

「今はそんなことどうでもいいですからっ!!」

 

チウは眉と尻尾をキリリと上げて拳を構えた。

 

「ここで逃げるなんて絶対に嫌です!! ぼくもみんなと一緒に最後まで戦いぬきます!!」

「…そうか、うん。ならそうしなさい。お前が決めたことだ。

その勇気を、この先も決して無くさないようにね。

そしたらきっと女の子にモテモテ間違いなしだよ」

 

弟子の成長を目の当たりにしたブロキーナは布の下でそっと顔を綻ばせた。

 

「ほっ、本当ですか!? なら早くバーンを倒して地上に戻りましょう!!」

 

チウはフンスッ!と鼻を鳴らしてやる気を漲らせた。

それを見たドラがぐしぐしと乱暴に顔を拭い立ち上がる。

 

そうだった、取り乱している場合ではなかった。

ドラが、いや、アバンの使徒が、地上に平和を取り戻してくれると信じて待っている人達がたくさんいるのだ。

 

「ごめん、みんな。地上に戻ったらいくらでも叱ってくれていいから、私のダメージが回復するまで全力でバーンに攻撃をお願い!」

 

そう言いながらドラは味方全員に攻撃力向上(バイキルト)加速呪文(ピオリム)を重ねがける。

 

「クワアァッ!! すげえ! 力が漲ってくるぜぇ~!!」

「むぅ…! 力だけではない、魔力まで今までとは比べ物にならん…!!」

「凄まじい効果だ…ドラの呪文が凄いことはわかっていたが、これほどとは…」

 

ガルダンディー、ボラホーン、クロコダインが体の奥底から漲ってくる力に目を見開く。

それを見たバーンは口元に浮かぶ笑みをさらに深くした。

 

「ほう、さすがは余の妃となる女よ。

ただの補助呪文のはずが、あり得んほどの効果だ。

しかし…」

 

「「「ウオォォォォォーーーーッ!!!」」」

 

クロコダイン、ガルダンディー、ボラホーンが咆哮を上げながらバーンへと武器を振り下ろす。

獣人三人による攻撃を同時に受けたバーンは、それを片腕だけで難なく受け止めてドラへと顔を向けた。

 

「所詮獣人など怪物(モンスター)に多少知恵が付いただけの劣等種。

呪文で力を底上げたところで焼石に水だ。

 

余は寛大な男と自負している…今ならまだ間に合うぞ、ドラ?

これが最後のチャンスだ。

仲間の命が惜しくば「大魔王の妃になる」と自らの口で申すがよい」

 

「ならないって言ってんでしょッ!!」

 

「そうか」

 

ドラの全力の拒絶をさらりと流し、バーンは表情を変えぬままクロコダイン達を受け止めていた腕を振った。

軽く振っただけだというのにクロコダイン、それにボラホーンの巨体が宙を舞う。

吹き飛ばされて地べたに転げた三人はそれでも即座に体勢を立て直しバーンへと向かっていった。

クロコダインは炎を、ボラホーンは吹雪を、ガルダンディーは空中からあらゆる攻撃を浴びせる。

 

バランにラーハルト、ヒュンケルやマァムも加勢し、次から次へと攻撃を繰り出す…が、バーンは余裕の表情だ。

 

「闘気も呪文も使わないで素手だけで応戦してる…は、腹立つ~!!」

 

(ああいうのを舐めプって言うってお姉ちゃんが言ってた…!

自分がするのはいいけどされると腹立つ…!

潰す。泣くまでボコボコにしてぜったいあいつ潰してやるぅ!!)

 

ぎいぃ、と歯軋りもしながらドラはリュミベルへと大量の魔力を送り込む。

回数制限付きだが、これでリュミベルも最大回復呪文(ベホマ)が使えるようになった。

急場は凌ぐには十分なはずだ。

 

「リュミベル、回復役は任せた!」

「承知でさぁ!」

「アバン先生、ポップ、レオナ! こっちに!」

 

呼ばれた三人がドラのもとに集まる。

「耳を貸して」とドラに言われた三人は耳打ちされた作戦を聞き、ごくりと唾を飲んだ。

 

「それは…しかし…」

「確かに可能かもしれないけど…」

「一歩間違えたら全滅じゃねぇか…」

「大丈夫! 私を信じて!!」

 

ドラのその言葉に、レオナは力強く応える。

 

「…いいわ! 四の五の言ってる時間はないもの、私はドラちゃんを信じる」

 

レオナに続き、アバンは懐から取り出したゴールドフェザーを持って腰を落とす。

駆け出す体勢を整えて、ごく真剣な口調でいまだ怪訝な顔のポップに話しかけた。

 

「ヒュンケルとマァムには私が指示を出します。その後は頼みましたよ、ポップ」

「せ、先生! 俺ぁドラの言うことがいまいち信用ならないんすけど!?」

「「「ポップ(君)!」」」

「あ~もう! わかりましたよ!! 確かにごちゃごちゃ言ってる場合じゃねえよな…頼んだぜドラ!」

「失敗したらごめん!」

「そこはちゃんと「大丈夫」って返せよ!! 失敗したら化けて出てやっからな!?」

 

言いつつ、ポップは瞬間移動呪文(ルーラ)を応用し高速飛行でバーンの懐に飛び込んでいった。

ポップの手の中に火球が生まれる。

 

「みんな、離れろぉッ! おぉーーら おららららららあっ!!!!」

 

無数に生み出された火球は縦横無尽に飛び交い、あらゆる角度からバーンの顔面へと飛び込んでいく。

 

「ぬぅっ!?」

「ポップ!?」

 

無数の火球を目眩しにしてポップはバーンの胴体に爆裂呪文(イオ)を撃ち込む。

ぐらり、と。

度重なる攻撃と呪文を受けてようやくバーンの体勢がほんの少し崩れた。

 

「小癪な…」

「ガハァッ!!」

「フッ…余の視界を奪い、こそこそと隠れておって…一体何をするつもりだ!?」

 

「ポップ!!」

「ポップ君!!」

 

火球と爆発で視界不良であるにも関わらず、バーンは正確にポップの位置を捉え手刀で腹を割いた。

リュミベルが慌ててポップに最大回復呪文(ベホマ)をかける。

傷は塞がったがその場に崩れ落ちるポップをマァムが助け起こした。

 

バーンは二人には目もくれず、ポップの呪文に隠れるようにして動き回っていたアバンを目で捉える。

駆け抜けながら地面にゴールドフェザーを突き刺していくアバン目掛け、バーンは呪文を唱えた。

 

「カイザーフェニックス!!」

「先生ーーー!!」

 

「超魔爆炎覇ッ!!!」

 

ハドラーが向かってきたカイザーフェニックスを斬りつける。

業火と爆炎が衝突し、あたりは一瞬で超高熱の地獄と化した。

息を吸えばたちまち肺が焼けただれる…アバンは咄嗟に口と鼻を覆ったが、迫り来る熱気は容赦なく肌を焼いた。

 

「ぐ…うぅっ…!」

 

為すすべえもなく蹲るアバンだったが次の瞬間、熱風が止んだ。

見上げると銀色に輝く巨人が盾を構えている。

 

「ブローム…!!」

「ブロック!?」

「失敬、舌を噛まぬよう気をつけたまえ」

「うわわっ!?」

 

大盾を構えて超高熱からアバンの身を守ったのはブロック、そしてアバンを乱暴に担いで高速移動でその場を後にしたのはシグマだった。

バーンが放つ呪文を高速で避けながら、シグマがアバンに問う。

 

「何か考えがあるのだろう? どこへ走ればいい!?」

「…!! このまま真っ直ぐ! ついでにマァムとヒュンケルも途中で拾ってくださると助かります!」

「話が早くて結構!!」

 

疾走するシグマを一瞥して、バーンは燃え盛る炎の中に立つハドラーを睨みつけた。

 

「………」

 

「余に歯向かうとは、少し見ぬ間に随分と思い上がったようだな…ハドラー」

 

「大魔王バーン!!」

 

威圧を跳ね除け、斬り掛かってきたハドラーの剣をバーンは涼しい顔で受け止める。

受け止めた剣を片手だけで握り込んだバーンは、目の前で憤怒の形相を浮かべる男の言葉に耳を傾けた。

 

「この俺の体に『黒の核晶(コア)』などという忌まわしい物を埋め込むとは…!!

大恩あれど断じて許せぬ!! 貴様、『魔界の神』などと称されながらこのような真似…

恥ずかしくはないのか!?」

 

「ククッ…フハハハハハ!!」

 

「何がおかしい!?」

 

バーンの大笑にハドラーが殺気を漲らせる。

 

「これが笑わずにいられるか…! 滑稽という言葉がまったく相応しい!

まさかとは思うが、余がお前を蘇らせたのは慈悲によるものだと今の今まで信じていたか?」

「何…!?」

「ハハハッ! 傑作だハドラー!!

そんなお前だからこそ、魔軍司令であった時のなり振り構わぬ様は愉快であったぞ!」

 

ククッ、と喉を鳴らして笑いながらバーンは続ける。

 

「ハドラーよ。神とはな、己以外の存在など、ただの駒としか見ていない者のことを言うのだ。

今のお前が他者に理不尽を強いれないのはお前が弱いからに過ぎぬ。

弱者が強者に恥を説くなど、八つ当たりも甚だしい。

 

余はこの戦いを経て、魔族に散々理不尽を強いてきた神を超えるのだ。

わかるか? 語る次元が違うのだ、ハドラーよ。

忌まわしい兵器? 違うな。黒の核晶(コア)はお前という駒に持たせた言わば保険にしか過ぎん。

 

余が神と成ったあかつきには、世界が終わるその日まで貴様の名を語り継いでやろう。

 

片腕であり、最高の道化であった…とな!」

 

「き、貴様…ッ、許さんぞ!! 大魔王バーンーーーッ!!!!」

 

ハドラーが激昂し、バーンへと斬りかかろうとしたその時だった。

 

大破邪呪文(ミナカトール)!!!」

 

バーンパレスに清浄な光が降り注ぐ。

ずしり、と重くなった体を一瞥したバーンは周囲を見渡した。

そこにはぐるりとバーンを取り囲み、魂の輝きを見に纏うアバンの使徒の姿が…

 

「再大破邪呪文(ミナカトール)成功…!! 形勢逆転よ、バーン」

「浅はかな…」

 

ドラを心底見下した瞳で見つめるバーン。

一刻も早く殺した方が良いと結論付く一方で、不適な笑みを浮かべているその顔をどう歪ませようかといくつも考えが湧き上がる。

相反した理性と本能が織りなす昏い快感が、バーンの心を満たしていった。

 

 




大変お待たせいたしました。
長らく更新が停滞してしまい本当に申し訳ありません;
不定期更新ゆえ時間はかかると思いますが、何がなんでも完結させる気でおりますのでお付き合いいただけると幸いです。

【ご報告】

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「ドラの大冒険 〜魔法特化の竜の騎士〜」
紙書籍作りましたー!!
人生初のダイの大冒険オンリーイベントに参加、頒布、グッズも作りました!
(こちらで告知出来てなくてすみません;)

まだ一巻だけ(バランとの邂逅直前まで収録)の発行ですが完結させて全部紙媒体として残したいので現在続刊を作成中です。
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@ruby_apple25

↑ダイ大専用Xアカウントも作りましたので気軽にのぞいてみてください♪
リプ大歓迎、FF外、ダイ大についての質問、作者本人への質問等もOK、制限なしで自由にやってます。
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