VTuberになりました。   作:コトさん

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三期生顔合わせ

 採用が決まってからしばらくVTuberについて学んでいたが、結構面白そうだ。

 私の唯一の趣味であるゲームを仕事としてできるようになるとは……。

 ゲーム以外にも視聴者との雑談をしたり、他のVTuberとコラボをしたりと、人との交流機会も今まで以上に増えそうだ。

 大学の講義以外で人との交流がなかった私にはちょっと荷が重いかもしれないけれど……。

 

 そういえば今日は今日はマネージャーさんに決め台詞を送る日だったな。

 私はスマホの録音アプリを起動すると、前日に録音しておいセリフを最終確認のために再生する。

「こんにちは! モープライブ3期生、月のお姫様こと、月乃 姫莉夜です! よろしくです!」

 うん。上出来。上出来。

 録音の音声をファイルに入れ、メールでマネージャーさんに送る。

「これでよし……。あ、そういえばSNSアカウントの作成とYautubeアカウントの作成をしなきゃな」

 そう言ってスマホを開き、TwittorとYautubeアプリをインストールする。

 最初にインストールが完了したTwittorアプリを開き、アカウントを作る。

 

 月乃 姫莉夜@3期生@tukinokiriya_mo-puraibu

 月のお姫様こと月乃 姫莉夜です。これから配信とかをしていきます! なれないところもあると思うけど、みんなよろしくね! 

 

 モープライブ所属 永遠の18歳。

 

 Twittorが終わったから今度は……。ん? もう通知が来てるぞ。

 

 月乃 姫莉夜@3期生@tukinokiriya_mo-puraibu

 月のお姫様こと月乃 姫莉夜です。これから配信とかをしていきます! なれないところもあると思うけど、みんなよろしくね! 

 

 モープライブ所属 永遠の18歳。

 しがない@siganai

 返信先: @tukinokiriya_mo-puraibu

 

 本物? 流星なりすまし事件と同一犯じゃないよな……。

 

 

 なりすまし? 何のことだろうか。ん……? 流星? あぁ、同期の人かな? まだ連絡を取ったことはないけど……。

 

 あとはYautubeアカウントだけ……。

 YauTubeアプリを開き、アカウントを作成する。

 

 

 

 tukinokiriyaCH 月乃 姫莉夜ちゃんねる   登録者0人

 

 

 

 作成完了っと。あとは吉川さんに作成したことをメールで伝えて……。

 ──これで良し。

 

 すると、数分後にメールが返ってきた。


 株式会社モープライブ

 

 ご無沙汰しております。マネージャーの吉川です。

 この度TwittorアカウントとYauTubeアカウントを作成されたということでリンクのほうをこちらに送っていただけないでしょうか。

 お手数おかけしますが、モープライブ公式Twittorの方で告知させていただきますので、何卒宜しくお願い致します。

 

 また、初配信の日程ですが一週間後の3月×日でよろしいでしょうか? 配信の仕方などにつきましてはこちらの方から説明させていただきます。

 

 そして三期生の顔合わせの日ですが、3日後の3月△日16:00となります。モープライブ本社の方にお越しください。

 スマホは持ってきたほうがいいとは思いますが、持ち物の指定等はありません。

 

 担当:吉川

 


 リンク? TwittorのとYauTubeのを送ればいいのか。

 

https://Twittor.dayo https://yautube.dayo

 

 これでいいかな。とりあえず、公式の方で告知がされるまで待ってみよう。

 

 

 

 数時間後──

 

「んぅ……」

 情けない声を出しながら起きる。いつの間にか寝てしまっていたようだ。

 そうだ。公式Twittorの方はどうなったかな? 

 ……おお。ちゃんと告知されてる。YauTubeのチャンネルの方は……。

 

 

 

 tukinokiriyaCH 月乃 姫莉夜ちゃんねる   登録者数2538人

 

 

 

 ……まじか。めちゃくちゃ登録者が増えてる。二千ごひゃ、五百人? そんなに大勢の人に注目されているのか……。

 大勢の人に見られているというだけでとても緊張してしまう。企業の力ってこんなに恐ろしいの? 

 ん……。まてよ……。さっきはあまり注目してみていなかったけど私のTwittorの方はどうなったんだ? 

 

月乃 姫莉夜@三期生 @tukinokiriya_mo-puraibu

 

 モープライブ所属、月のお姫様こと、三期生の月乃 姫莉夜です。楽しく配信等々やっていきます。よろしくね! 

 永遠の18歳。

 

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 案の定……。めちゃくちゃ増えてます。すごい緊張する……。

 でも、緊張よりも喜びのほうが大きい気がする。今までこんなに人に注目されたことがなかったから……。

 

 

 2日後──

 会社から配信用の器材(主にスマホとpc)が配られた。スマホは自分のものと別に使うらしい。配信の際は会社から配られたものを使用するとの事だ。他にもマイクやカメラまで……。カメラの動きを㍶を通して読み取り、そこからlive2D? なるものが動くらしい。でもまさかpcまでくれるとは……。太っ腹だな。

 

 そしてpcを立ち上げ、セットアップや基本的な設定をした後、自分のチャンネルに入り、配信の予定をセットする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5日後にライブ配信

 

20××年 3月×日 16:00

 

【初配信】初めまして! 月乃 姫莉夜です! 【モープライブ】

0人が待機中

 

 

 これで良し。あとは三期生の人との顔合わせだ。確か明日だったかな? 

 準備をしておかないと。

 

 

 翌日──

 今日は三期生顔合わせの日。まだ知らない人たちだから少し緊張している。

 メイクをして、カバンにスマホと財布、メモ帳、水筒を入れる。

 今は14:17……。16:00までに到着しないといけないから……15:30位には出ないとな。

 そんなことを考えながらスマホを開く。

 

 

 

 tukinokiriyaCH 月乃 姫莉夜ちゃんねる   登録者数3678人

 

 

 

「増えてる……」

 思わず声に出してしまった。

 3600人……。このペースだと配信当日には5000人弱位になっていそうだ。

 まだ配信もしていないのに……。

 

 1時間後──

 スマホを開き現在時刻を確認する。

 15:23となっている。

 メイクが落ちていないか、忘れ物はないか確認し、予定より早めに家を出る。

 家にいてもやることがない……。じゃなくて、早めに到着したほうがいいからね。

 

 最寄りの駅から2駅先に行ったところにモープライブの本社がある。

 駅を出てたくさんのビルが並んでいる中を歩く。

 その中でもモープライブ本社のビルはvtuberの絵が堂々と貼り付けられており、かなり目立つ。ビルの前に来るとそのまま自動ドアを抜け、受付に行く。

 いつもの受付嬢さんの下で指定の部屋を聞くとエレベーターに乗り三階へ行く。

 エレベーターを出て右に曲がり、2部屋越した先の会議室に入る。

 

 ガチャッとドアを開け中へ入る。

 

「失礼します……」

 私が一番に着いたようで中にはマネージャーの吉川さんしかいなかった。

 

「あ、どうも。ご無沙汰してます」

 そうあいさつすると吉川さんも軽く会釈をして、

「お久しぶりです。早いですね」

 と言ってくれた。

 

 早く到着したとの事なのでスマホを見てみると時刻は15:48だった。

 5分前につくと思ってたが……10分前についちゃったか。

 吉川さんが座っていいですよ。と言ってくれたので近くにあった椅子に座る。

 それからしばらく無言の状態が続いた。

 無言の状態ってこんなに気まずいんだな……。

 気まずいい状況から抜け出すために無言の状態を打ち破ったのは私でもなく吉川さんでもなく、私と同じ三期生の妖狐さんだった。

 

「失礼します~」

 そういって彼女はドアを開ける。

「お久しぶりです吉川さん。ご無沙汰してます」

 と吉川さんに挨拶をすると、こちらに向かってきた。

「初めまして。月乃さん。私は妖狐 狐です! よろしくお願いします!」

 明るく挨拶をしてくれた。

 彼女はスーツを着ていてカチッとした印象があるが、喋り方と雰囲気は陽キャそのものだった。

 私と真逆である……。

「あ、初めまして。月乃 姫莉夜です。よろしくお願いします」

 私も挨拶をし、軽く会釈する。

「同期ですし、敬語はなしで! それと、お互いに呼び方決めておかない?」

 彼女がそう提案してきたので、呼び方を考えることにした。

「私は妖ちゃんとかでいいよ」

 彼女の呼び方は妖ちゃんに決まった。

「わかり……わかった。じゃあ妖ちゃん。私はなんでもいいよ」

 少し敬語が出てしまったが良しとしよう。

「オッケー。じゃあ月ちゃんね!」

 彼女は私を月ちゃんと呼んでくれた。

 しばらくはvtuberになろうと思った動機や、出身地や過去のことを話して結構盛り上がっていた。

 15:55になるとまたドアが開き、男の人が入ってきた。

「失礼します……」

 彼はそういうと吉川さんに挨拶をし、こちらに向かってきた。

「月乃さんと妖孤さんですか? 初めまして。星夜 流星です。よろしくお願いします」

 イケメン……。って、いけない、いけない。同期の人に見惚れるところだった……。

 流星くんはスーツ姿の似合うイケメンだった。

 イケメンは陽キャのイメージが強いが、流星くんはどちらかというと陰の方の印象が強い。

 彼は丁寧にあいさつをしてくれた。まじめだなぁ。

「いいよいいよ! そんな改まらなくても。気軽に行こうよ! 流ちゃん!」

 妖狐さん……。もう呼び方決めてる……。

「りゅ、流ちゃん? わ……かりました。妖狐さんと月乃さんは何と呼べばいいですか?」

「ん? 私? 私は妖ちゃんでいいよ!」

「私は月ちゃんって呼んでいただければ……」

 敬語になってしまった。ま、いっか。

「わかりま……わかった。月ちゃんに妖ちゃんね」

 彼もこの雰囲気になれたみたいだ。

 

 そのあとはみんなで配信の事やコラボの事などいろいろ話をした。

 特に妖狐さんは初ツイートが大バズリした話はかなり盛り上がった。

 それから少しして、吉川さんから話が切り出された。初配信の順番についての説明だ。

 私はトップバッターらしい。緊張するなぁ。

 

 

 17:30には全員でビルを出た。途中まで3人で話しながら歩いていたが、妖子さんは雰囲気作りが凄く上手い。私のように個があまり強くない人は雰囲気に飲み込まれそうになる。

 二人とは駅でお別れして電車に乗った。揺れる電車の中で初配信の事について考える。

 

 18時頃に家に着いた。

 配信本番まであと4日──

 

 

 

 

 4日後──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5分後にライブ配信

 

20××年 3月×日 16:00

 

【初配信】初めまして! 月乃 姫莉夜です! 【モープライブ】

12489人が待機中

 

 




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