ある朝目覚めた時に戦う相手を決められていた件 作:クォーターシェル
「それで、みすみすサイバトロンの交渉の成功を黙って見ていたという訳か」
メガトロンは険しい表情を浮かべて俺達に言った。
「ですがメガトロン様……」
とスタースクリームが反論しようとすると
「分かっておる、あのオムニコンどもの戦力を考えると無理に攻め込んでも勝ち目はないのだろう。だがな、いつまでも奴らの思い通りにさせてたまるか」
とメガトロンは吐き捨てるように言った。
「確かに……現状ではオムニコン達を素直に従わせる方法はありません……せめてリーダーのエリアルをなんとかできればよいのですが」
とスタースクリームは言う。ゲルシャークがレイザーソードを見て
「レイザーソードはエリアルと知り合いだったのだろう?なにか弱みでも知らないのか?」
と問う。
「知らんよ……そもそもあいつとそこまで親しくなかったわけでもない」
とレイザーソードは答える。
「しかし、本当に厄介だな……我々が持っているエネルギーも有限だというのに」
とドレッドウイングが言った。
「全くだ……まあ、わしらも色々考えておくしかないだろう」
とメガトロンは言う。
「それよりどうしますか?アンゴルモアエネルギーをどうするかについて」
と俺達は相談を始める。
「うむ……取りあえず、癪だがアンゴルモアエネルギーの精製はサイバトロン共に任せよう。わしらは安全になったアンゴルモアエネルギーを奪うのだ」
とメガトロンは言う。そして
「サイバトロンの動向の観察と並行して他の地球のエネルギーの採取も行うぞ。なにもアンゴルモアエネルギーだけがこの星のエネルギーではない」
と続けた。
「分かりました」
と俺達は返事をする。
「うむ、それでは早速行動に移るぞ」
とメガトロンは指示を出す。その後、デストロン軍団はエネルギー奪取に勤しんだ。しかしそれも中々上手くいかなかった。なにせサイバトロン戦士がそれを良しとはしなかった。大型の発電所を襲っても俺が作戦に参加する場合、情報を流していたので大抵の場合は迎撃された。お陰でデストロンが奪えるエネルギーは少なかった。メガトロンはこの現状に苛立っているようだった。そんな折だ。レーザーウェーブから連絡が来た。
「メガトロン様。ステルスラストとの共同研究で判明したのですがやはり地球にかつてセイバートロン星から移民した者達がいるようです」
と報告して来たのだ。
「ふむ……そうか。それで本題は?」
とメガトロンは言う。
「そこからは私が話しましょう」
とレーザーウェーブから通信が変わる。画面映し出されたのはマイクロン伝説におけるスラスト……今世の名前はステルスラストだ。デストロンの軍師で現在レーザーウェーブらと共にセイバートロン星のデストロン領土の防衛の任務に就いている。
「メガトロン様。地球で随分ご苦戦なさっているご様子ですね。提案としては今のデストロンには戦力が足りていません。そこで地球に眠っている同胞たちを味方につけるというのはどうでしょう?」
とステルスラストは言ってきた。
「なるほど……」
とメガトロンは腕を組む。
「ただ、問題はどうやって味方に引き入れるかということなのですが……」
とステルスラストは言う。
「ふっ、問題ない。その件についてはこちらで考えておこう」
とメガトロンは答える。ステルスラストは
「はい、『メガトロニア部隊』の封印を解ければまた違うのでしょうが……」
と言う。メガトロンは
「滅多なことを言うものではない。あの連中は確かに力はあるが、信用できん。だから始末におえんのだ」
と苦々しく言った。スタースクリームは
「うへぇ……確かに俺も御免だぜ……」
とメガトロニア部隊の誰かさんの事を思い出しているのか、嫌そうな顔で呟いた。メガトロニア部隊とはメガトロンの予備パーツから作られたウーマンデストロン、メガエンプレスをリーダーとする部隊なのだが……取りあえず今は彼女らは封印されているとだけ言っておこう。とにかくデストロンとしてはメガトロニア部隊の助けを借りることは現状では無さそうだ。
「はい、私としてもあの部隊の助けを借りる日が来るとするならデストロンが滅亡寸前の時と仮定しています。では、地球の移民が来たと思しき場所の座標を送ります。それと最後に……」
とステルスラストは続ける。
「なんだ?」
とメガトロン。
「未確認の情報なのですが、移民したマイクロンの中には特殊で強力な合体能力を持つ『伝説のマイクロン』がいるとか……地球にもそのマイクロンがいればよいのですがね」
とステルスラストは言って通信はレーザーウェーブに変わった。
「ではメガトロン様。こちらも引き続き防衛がてら研究を続けます。デストロンに栄光を……」
と言って通信は終わった。伝説のマイクロン……?もしかしてマイクロン伝説の三種の神器か!?うーん、あれって確かユニクロンを起動させるキーだったような。同一のものとは限らないけど、警戒はしておいた方がいいか……
メガトロンは
「よいな、これから移民共を味方につける。地球に眠っているものたちはもちろん、他の移民星の者にもわしらに味方する者がいるかもしれん」
と宣言した。スタースクリームが
「どうやって味方につけるんです?」
と尋ねた。
「ステイシスモードならかつてのロボスマッシャーの応用で簡単に洗脳できるわ」
とメガトロンは答えた。ロボスマッシャーは昔、メガトロンが制作させた洗脳装置で主に中立派のトランスフォーマーを味方に引き入れる目的で使っていたが、覚醒状態のトランスフォーマー等、強い意志を持つ者を洗脳するには不完全な物だった。しかしまたそれが使われるみたいだ。
「そうか、なら話は早い!早速今から作戦会議だ!」
とスタースクリームは意気揚々と部屋を出ていった。
◇ ◇ ◇
ところ変わってサイバトロン基地。そこでバンブルと1人の少年がサッカーをしていた。
「よし、これで10対0だね!」
とバンブル。
「くそ~負けちゃったよ」
と悔しそうな表情をする少年。彼の名前はスパイク。とある出来事が切っ掛けでバンブルやサイバトロン戦士たちと出会い交友関係を築いていた。
「じゃあ次は何をして遊ぼうか?」
とバンブルは言う。
「今度は野球しようぜ!」
とスパイクは言う。
「おっいいねえ~!!」
とバンブルも乗り気になった。その頃指令室の方ではコンボイ達による会議が行われていた。コンボイは
「嘗てこの地球に我々より前にセイバートロニアンが来ていてそれをデストロンが狙っていると?」
とプロールに尋ねた。プロールは
「はい、スパイからの情報ですがデストロンは戦力増強の為に動いている模様です」
と答えた。アイアンハイドが
「戦争が始まる前にも移民は行われていましたからね、まさか地球がそうだったとは知りませんでしたが」
と言った。
「うむ。メガトロンは恐らく眠っている者達を洗脳する気だろう。それで、眠っている者達の位置は分かっているのか?」
とコンボイ。
「それなんですが……デストロンも詳しい位置は掴んでいないようで、大まかな場所しかわかっていない様です」
とプロール。
「つまり、我々の手で探し出さなくてはならないと言う訳か」
「えぇ、しかし相手も捜索に手を抜かないでしょう、油断は出来ません」
とラチェット。するとそこへ通信が入る。それはブロードキャストからのものだった。
「司令官!大変です!テレビを付けてください!」
とブロードキャストは言った。その言葉に従い皆はテレビの電源を入れた。
「テレトラン1、地上のチャンネルに繋いでくれ」
「リョウカイ」
とサイバトロン基地のコンピューターテレトラン1によってあるニュース番組の放送が映し出された。画面に映っていたのは、地層から顔を出している金属の恐竜ともいうべき物体だった。ニュース内容はその物体がカナダの中生代の地層から発掘されたということだった
「あれは!」
「恐らく大昔に来た我々の同胞の1人……なんでしょうな」
とマイスターが呟く。コンボイは
「サイバトロン戦士、現地に出動するぞ!」
と号令した。
◇ ◇ ◇
その頃デストロンもこの情報をキャッチしていた。
「レーザーウェーブ達カラ送ラレテキタ場所ノ情報ト一致」
とサウンドウェーブが言った。メガトロンは
「噂をすれば影か。サイバトロンもこの情報を掴んでおる筈……」
とメガトロン。スタースクリームは
「早く現地に向かいましょうぜ!」
と言う。メガトロンは
「いや待てスタースクリーム。移民が眠っている場所は複数ある。あの場所はその内の1つに過ぎん。同時に他の場所も探るのだ!」
と命令した。
「他の場所ですか?」
とスタースクリーム。メガトロンは
「今回はカナダの他に2つ、グリーンランドと東南アジアの奥地に向かわせる部隊に兵を分けるぞ」
と言った。そして協議の結果俺は、カナダの金属恐竜が発見された場所へメガトロン達と行くことになった。それにしても恐竜か……ダイノボット、か?
◇ ◇ ◇
サイバトロン戦士はカナダの発掘現場に到着していた。コンボイ達と共にきたスパイクは発掘された金属恐竜たちを見て、
「うわあ~。かっこいいなあ!」
と目を輝かせていた。金属恐竜の数は全部で7体、ティラノサウルス型・トリケラトプス型・ブラキオサウルス型・ステゴサウルス型・プテラノドン型・スピノサウルス型・ヴェロキラプトル型だ。コンボイは一緒に来ていたホイルジャックに
「彼らが我々の同胞なのは間違いないな?」
と尋ねた。
「はい。ダイノボットとでも言いましょうか、ステイシスモードになっているようですが間違いなくセイバートロニアンですよ」
と金属恐竜達を調べるホイルジャック。コンボイは
「再生はできるか?」
と問う。ラチェットが
「少し時間がかかりますが、エネルギーをやれば復活するでしょうね」
と答える。
「すぐに取り掛かってくれ。いつデストロン軍団が来るか分からないからな」
とコンボイ。
「わかりました」
と言ってラチェット達は作業に取り掛かった。その様子を見ていたスパイクが
「すごい!まるでヒーローみたいだね!」
と言った。するとラチェットは
「ハハッありがとうよ」
と笑みを浮かべながら答えた。
◇ ◇ ◇
一方、グリーンランドではスタースクリームが率いる部隊が別のトランスフォーマーを発見していた。スタースクリームが
「こっこいつは!?」
とその大型のトランスフォーマーを見て驚く隣に居たサンダークラッカーが
「スタースクリーム、こいつの事を知っているのか?」
と尋ねる。
「こいつの名前はスカイファイアー。俺の友人だった奴だ。随分昔に行方不明になっていたんだが、まさかこんな所にいるとはな」
とスタースクリームは答えた。
「えっ、そうなのか?まぁいいや、とにかくこいつを基地に連れて帰らないと」
とサンダークラッカーは言う。スタースクリームは
「そうだな」
と答え、部隊と共に機能停止しているスカイファイアーを担ぐのだった。
◇ ◇ ◇
グリーンランドでスカイファイアーが発見されているのを露知らず、俺は他のデストロン兵士と共に発掘現場を目指す。そして発掘現場が見えてきた。ラグナッツが
「メガトロン様。どうやらサイバトロン達が先に到着しているようでツ。攻撃許可をお願いするッツ」
と言った。メガトロンは
「よし。全員戦闘態勢に入れ!」
と指示を出す。見張りについていたサイバトロン戦士トゥラインが
「デストロン軍団だ!」
だと叫ぶ。メガトロンは
「デストロン軍団アターック!!」
と攻撃命令と同時にサイバトロン戦士たちに攻撃をしかけた。俺達もサイバトロン達をビーム等で攻撃する。
「アイアンハイド、援護してくれ!ブロードキャスト、君も頼む!」
とマイスターはブロードキャストに言ってアイアンハイドと行動を開始した。アイアンハイドは
「了解」
と答えるとブロードキャストは
「まっかして!」
と返してきた
「いくぞ!アイアンハイド!」
「おう、デストロンめこれでも喰らえ!」
とマイスター達はデストロン軍団に反撃する。俺達も負けじと応戦した。数的にはこちら側が有利だが、向こうも精鋭メンバーが居るため、なかなか決め手に欠けている状態だった。コンボイとメガトロンががっぷり四つで拮抗していた。
「コンボイ、大人しく発掘された者どもをこちらに渡せ!そうすればこの場は見逃してやる!」
とメガトロンはコンボイに言う。
「断る!むざむざ同胞をお前たちの手下にはさせん!」
とコンボイ。メガトロンは
「ならば力ずくで奪うまで!」
と言うと
「スチールジョー、ラナバウト、ラナマック回り込め!」
と部下に指示した。オルトモードのスチールジョーたちは金属恐竜の所まで肉薄した。金属恐竜の周りにはホイルジャックやラチェットがいる。スチールジョーが変形し、ホイルジャックに爪の一撃を喰らわせようとした瞬間。
「ぐおっ!」
「どうやら間に合いましたで!」
ホイルジャックの傍に居たティラノサウルス型の金属恐竜の目に光が灯り、スチールジョーを跳ね飛ばした。
「なにっ!?」
とメガトロンが驚く。コンボイも
「おおっ!」
と感嘆の声を漏らした。
「俺、グリムロック。お前、敵か?」
とティラノサウルス型セイバートロニアンは言うと
「トランスフォーム!」
と言ってティラノサウルス型から人型形態へと姿を変えた。あれはやはりグリムロックだったか……!俺が内心興奮しているとラナバウトとラナマックが
「「この野郎!」」
同時に警棒で殴り掛かった。が、
「俺、グリムロック。殴ってくる奴敵だ!」
グリムロックはとその攻撃を受け止め、こん棒を取り出し殴り返した。
「ぐはっ!」
「があっ!」
とラナバウトとラナマックは吹っ飛ばされる。
「よくやった!グリムロック!」
とコンボイは言うのだった。
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名称の補足
ステルスラスト=マイクロン伝説スラスト
スカイファイアー=ジェットファイア