ある朝目覚めた時に戦う相手を決められていた件 作:クォーターシェル
戦況はサイバトロンが有利になった。グリムロックが参戦し、デストロンを攻撃し始めたからだ。
「これでも喰らうッツ!」
とラグナッツがミサイルを放つが、グリムロックはティラノサウルスに変形して突撃することで着弾を外した。そしてラグナッツの腕に嚙みついた。
「ぎゃあああ!」
と悲鳴を上げるラグナッツ。
「これで終わりだ!」
とコンボイが叫び、メガトロンに突っ込んでいった。メガトロンは
「くそぉ!」
と悔しがるが、コンボイの体当たりを受け、ダメージを受けた。更にグリムロックはラグナッツをこちらに放り飛ばして来た。ちょ!おま!?俺は避けようとしたが大柄なラグナッツの身体が当たってしまった。
「痛てえ!?」
と思わず声が出る。
「よし!敵の士気は下がっているぞ今がチャンスだ!」
とマイスターやアイアンハイド達も攻勢にでる。
「くっ!デストロン軍団、退却!退却だー!」
状況はほぼデストロン側が総崩れとなった。俺は何とか立ち上がる。他のデストロンがオルトモードになって退却するの見て、俺も慌ててオルトモードに変形してその場から去るのだった。
◇ ◇ ◇
サイバトロン戦士たちはデストロン軍団がその場を去ったのを確認すると、臨戦態勢を解いた。
「いやあ助かったよグリムロック。ありがとう」
「俺、グリムロック。別にいい!」
とグリムロックとコンボイは会話をする。
「ところで、君はデストロンと敵対してよかったのか?今更だが……」
とマイスターがグリムロックに聞く。グリムロックは
「デストロン?俺、グリムロックよく分からない」
と首を傾げた。ブロードキャストは
「そこからかぁ~……」
と呆れた。スパイクは
「しょうがないさブロードキャスト。彼はずっと眠っていたんだ」
と言った。
「ただ、俺、グリムロックあの銀色の奴マグマトロンと同じ感じがした」
と答えた。バンブルは
「銀色ってメガトロンのこと?それにマグマトロンって?」
と疑問を呈した。ホイルジャックは
「マグマトロンは確か昔のセイバートロン移民団の1つのリーダーだった人物だよ。そいつのことかねグリムロック?」
と質問をした。グリムロックは
「うん。そうだと思う。マグマトロン、嫌な奴だった。俺、グリムロックマグマトロンに反逆した!でも、俺達ダイノボット封印された……」
と答えるのだった。
「なるほど。そういうことなら話は早いね。つまり君たちは、そのマグマトロンという男を倒せばいいわけだ」
とマイスターは言った。グリムロックは
「倒す?」
と聞き返す。
「そうだ!我々と共に戦うのだグリムロック!」
とコンボイが言う。
「でも、マグマトロン強い。俺、グリムロック勝てる自信ない」
とグリムロックは不安そうな表情を見せた。
「大丈夫。私たちも協力するから。みんなで力を合わせればきっと勝てる」
とコンボイが励ました。
「私もできる限りのことをしよう」
とマイスターが言う。
「なんか話が変な方向に進んでる気がすんなあ……。まっ、いっか。よろしく頼むよグリムロック」
とバンブルは手を差し出した。グリムロックは
「分かった。俺グリムロック頑張る」
と言って握手してくれた。こうしてセイバートロニアンの新しい仲間としてグリムロックが加わったのである。
「俺、グリムロック。仲間を起こしたい」
とグリムロックは言った。スパイクが
「仲間って一緒に発掘された恐竜たち?」
と尋ねた。
「ああ。あいつら起こしたい!」
と言うグリムロック。
「どうやって起こす気だい?」
とリジェが尋ねる。ホイルジャックはコンボイに耳打ちすると、
「取りあえず残りのダイノボットを基地へ連れ帰って再生を試みよう」
とコンボイが提案する。そしてダイノボットたちを全員回収して基地へと戻るのであった。
◇ ◇ ◇
そしてサイバトロン基地では運び込まれたグリムロックの検査と残りのダイノボット達の再生が行われていた。長年土に埋もれていたことで付着した物の洗浄やこの間遂にオムニコンによって精製されたアンゴルモアエネルゴンを少しずつ注入した。ラチェット、ファーストエイド、ホイスト、ハルパニアがこの作業に従事した。グリムロックが検査の最中、
「俺、グリムロック。他のダイノボット本当に目覚める?」
と検査を担当していたホイルジャックに尋ねる。
「まーだ分からんでしょうなぁ……」
と答えるホイルジャック。だがその後しばらくしてからグリムロック以外のダイノボット達が目覚めたのだった。
「俺グリムロック!お前たち俺、覚えているか!?」
「あー、俺、スワープ。俺達のリーダーグリムロックだ!」
「グリムロック、どうした?」
とグリムロックは他のダイノボット達と嬉しそうに話す。スパイクは
「良かったね!グリムロック!」
と言った。コンボイは
「これからどうするんだグリムロック、行く当てはあるのか?そちらが良いならサイバトロンと行動を共にしないか?」
と尋ねた。グリムロックは少し考えてから答えた。
「俺は俺の仲間と一緒にいる。また戦いたい。だが俺、グリムロック。なにより自由でいたい」
と答えた。
「そうか。分かった。君の意思を尊重しよう」
とコンボイは答えた。そしてサイバトロン基地ではダイノボット達を送り出す支度と復活したダイノボット達の為のパーティを行うことになった。パーティの発案者はお祭り好きの女性サイバトロン戦士ピンキーバブルだった。
「せっかくだから、ダイノボット君達を盛大に送りましょう!」
と彼女は提案したのだった。コンボイ達もそれに賛成し、皆でパーティの準備を進める。その最中、ホイルジャックが
「そういえば他のダイノボット達の名前を聞いていなかったね自己紹介してくれないかい?」
と聞いた。グリムロックが
「ではダイノボット、自己紹介!」
と言うとそれぞれのメンバーが、
「俺、スラッグ」
「俺、スラージ」
「俺、スナール」
「俺、スワープ」
「俺、スコーン」
「ダー。スラッシュだ。よろしくな」
と自己紹介した。
「1ー人だーけ、喋りー方が違ーうね」
とハルパニアが言った。
「ああ、俺は他のメンバーよりも後に産まれたからな。まあその辺は深く気にせんでくれ」
とスラッシュは答えた。
「それじゃあ、パーティ始めよっか!」
とピンキーが言うと一同は賛成した。パーティが始まるとグリムロックは
「これ美味しい。もっと欲しい」
と言いながらどんどん食べていた。そんな彼に仲間たちは
「食いしん坊め!」
とか
「ゆっくり食えよグリムロック」
とか言いながらも楽しげに食事していた。こうしてグリムロック達の歓迎パーティは無事に終わった。グリムロック達ダイノボットはサイバトロンの別動隊として行動することになった。ダイノボットを送り出す際サイバトロンは談笑をした。
「グリムロック、通信機をスラッシュに持たせてある。何か問題があった時は直ぐに連絡してくれ」
とコンボイ。後ろでスパイクとハウンドが
「なんでリーダーのグリムロックじゃなくてスラッシュに通信機を持たせているの?」
「ダイノボットの中でスラッシュが一番頭が良かったからさ」
と会話していた。
「ダー。任せてくれ」
とスラッシュが言い、スラッグは
「グリムロック。俺、スラッグ早く敵と戦いたい」
と言った。グリムロックは
「スラッグ。落ち着け」
と彼をなだめる。そしてグリムロック達はサイバトロン基地を出発するのであった。
◇ ◇ ◇
そしてデストロン基地ではコンドルからの報告によってその一部始終がデストロン軍団に知られていた。メガトロンは
「おのれ、サイバトロンの戦力を増やす結果になるとは……」
と苛立っていた。しかしスタースクリームは
「メガトロン様、そうは言いますが、こちらも他の場所で新たな兵士を見つけたではありませんか」
と言った。そう、スタースクリームのジェットロンチームはグリーンランドでスカイファイアー。ゲルシャークとクロウバー、クランケースと言ったドレッズ部隊が東南アジアで4体のインセクトロンを発見してこの月面基地に運び込んだのだ。そしてメガトロンはそれらのトランスフォーマーに洗脳を施して部下にしたのだった。
「……私はスカイファイアー。メガトロン様の忠実なしもべです」
「ハードシェル以下、キックバック、ボンブシェル、シャープネルのインセクトロン部隊も指揮下に入ります」
と洗脳されたトランスフォーマー達がメガトロンの下に跪いた。
「よし、いいだろう。よくやったぞ」
とメガトロン。
「我々も負けていられませんなあ。メガトロン様」
とスタースクリームが言った。
「ああ。このまま戦力拡充をするぞ。地球の他にも過去に移民が行われていた星、スピーディア、アニマトロス、パラドロン。これらの惑星にも募兵をしにいく!」
とメガトロンが宣言する。
「さすがメガトロン様だ!俺達も頑張らないといけねえぜ!!」
とブラックアウトが言った。
「その通りよ!」
とシャドウスクリームが言った。
「うむ、やるしかないようだな」
とバリケードが言う。俺はと言うと徐々に大規模になっていく戦争に不安を隠せなかった。
「どうしたえ?セブンツール?」
とヒールウィップが声をかけてきた。
「いや、何でもないんだ……。ただ、この戦争が長く続くのかと思うとね……」
と俺は答えた。
「そうかえ……。だが、アタイ達は戦うのみだえ」
とヒールウィップは言った。
「そうだな。俺たちも頑張らないといけないな」
と俺は答えた。そして引き続き地球の移民の捜索チームとまずはスピーディアへの募兵チームが編成されることとなった。俺は車に変形できるのでスピーディアへのチームに回されることとなった。他にもスチールジョーやノックアウト、ドレッズ部隊がスピーディアへのメンバーとして遅れられることになっている。スピーディアに行く2日前、俺はこの先の不安を拭おうと気晴らしに地球で1人ドライブをしていた。そんな時だ。
「ん…通信?誰からだ……?」
行き成り何物かから通信が入ったのだ。周波数的にサイバトロンでもデストロンでもない。発信元は「フォスフォフィ」であった。フォスだって!?嘗て俺がセイバートロン星で助けたあの!?
「はい。こちらセブンツール」
と応答すると
「こんにちわ。フォスフォフィです」
と答えた。
「フォス、お前地球に来ていたのか!?」
と聞くと
「うん。実はあなたに会いたいと思って」
と言った。
「会いたいとは一体どういうことだ?何かあったのか?」
と聞いた。
「いえ、そういうわけじゃないんだけど……あなたに聞きたいことがあって」
と言った。
「聞きたい事か……わかった。直ぐそちらに向かう。何処に行けばいい?」
と俺は尋ねる。
「ここから北西に10㎞先のトンネルに来て。そこで待ってるから」
と言い残して通話は終了した。10分後、指定された場所へ着くとそこには確かに「フォスフォフィ」がいた。
「久しぶりだね。セブンツール」
と言って彼は握手を求めてきた。
「ああ、本当に久しぶりだな」
と俺は言った。
「ところで話ってなんだ?」
と聞くと
「ここじゃまだ駄目だよ」
とフォスはトンネルの奥へと案内する。フォスがトンネルの壁の一角をノックすると、隠し通路が現れた。
「こんなところに隠し部屋があったなんて知らなかった」
と俺は感心していた。中に入るとそこは研究室のような作りになっていた。
「ここは僕らの隠れ家みたいなところかな」
とフォスが言った。
「それで用件とはいったいなんだい?」
と俺は尋ねた。
「単刀直入に言うよ。僕たち、デストロンに入りたいんだ」
とフォスは言った。
「……何故だい?君たちは元々セイバートロン星の中立派だったじゃないか」
と俺は驚いていた。
「理由は簡単さ。今のデストロンには正義がないんだよ」
と言った。
「正義……だと?それはどういう意味だ?」
と俺は訊いた。
「そのままの意味さ。メガトロンのやり方に疑問を抱いているんだ」
とフォスが言った。
「メガトロン様のやりかたに不満を持っているのか……君は」
と俺は言った。
「そうさ。今のままでは世界が平和にならない。だから僕はデストロンに入ることに決めた」
とフォスが言った。
「ふーむ。つまり内側からデストロンを変えたいと?」
と俺は尋ねた。
「その通り。そしてその為にセブンツールの力を借りたいんだ」
と言った。
「俺の力……?」
「そう。僕たちがデストロンに入るために口添えして欲しい」
とフォスが言った。俺は悩んだ。果たして俺はどうすべきなのかと……。だが、今は戦争の最中である。現在デストロンは味方を集めている最中なのでこの提案は渡りに船だ。それにかつて自分が救った者からの頼みなら無下にはできない。
「わかった。何とかしよう」
「ありがとう!流石は僕のヒーロー!」
とフォスは笑みを浮かべていた。
「ところで話は変わるけど、これからどうするつもりなんだい?」
と俺は話題を変えた。
「取りあえず僕と一緒について行くメンバーを紹介するよ。皆、出てきて」
とフォスは仲間に呼びかける。すると部屋の物陰に隠れていた小さなトランスフォーマー、フォスと同じマイクロン達が俺達の前にでてきた。
「地球に来てから知り合った仲間たちだよ。バレル、サーチ、キャノン、サンダー、ソニック、マッハ、ジェッター、シャトラー。特にマッハ、ジェッター、シャトラーは凄いんだ。シュテルンセイバーって剣に合体できるんだよ」
とフォスはマイクロン達を紹介する。ちょっと待った、剣?合体?まさか「伝説のマイクロン」か!?こんな所に居たとは……
「皆、記憶の失っている僕に優しくしてくれたんだ」
とフォスは自慢げに胸を張る。
「まぁとにかくよろしく頼むぜ、セブンツールさん」
とマッハが言って手を差し出してきた。
「ああ。こちらこそ宜しく」
と言って俺はマッハの手を握る。
「それじゃ行こうか。これからも色々と大変だと思うけど頑張ろうね」
とフォスが言った。
「そうだな。まずは月面基地に戻らないと……」
と俺は呟く。こうして新たな任務が幕を開けることとなった。
駄文閲覧ありがとうございました。感想評価、読者投稿お待ちしてます。
名称の補足
スラッシュ=ビーストウォーズダイノボット
シュテルンセイバー=スターセイバー