ある朝目覚めた時に戦う相手を決められていた件 作:クォーターシェル
読者募集もウェルカム!!
セブンツールことアゲットだ。現在サイバトロンと交戦中である。手を抜きたいのは山々だが部下の手前手を抜きすぎるとバレるかもしれないので仕方なく戦っている。願わくば俺の攻撃が急所に命中してエライことにならなければいいのだが…
「くそっ!なんてしぶとい奴らだ!」
とサンダーフーフ。
「おい、お前らしっかりしろ!」
とゲルシャーク。
「ふっ……雑魚どもが」
とスチールジョー。
「ひぃっ!」
とスラスト。
今俺の周りでは多種多様なデストロン兵士が戦っている。基本的には射撃戦だが中には乱戦になっている所もあるようだ。隣り合って航行中のアークとネメシスの至る所でサイバトロンとデストロンの戦闘が起こっている。両軍ともリーダーがいることもあってかなり張り切っているらしい。
「おっしゃこれでも喰らえ!」
とホイルジャック。
「サイバトロンを舐めるなよ!」
とマイスター。
「痺れるぜぇ!」
とジョルト。
「うわあああああああ!!」
とパーセプター。
サイバトロン側も引かずに交戦が続く。俺はその様子を横目に見ながら心の中で応援していた。サイバトロンとして戦うことはできないし、初めて見る顔も多いが仲間なのだ。当然だ。
「うおおおっ!!!」
とブロードキャスト。
「ハッハァーッ!!」
とバリケード。
「オオオオッ!!」
とバルクヘッド。
「はあっ!!」
とデモリッシャー。
「おらおらぁっ!!」
とブレイク。
「シェアッ!」
とヒールウィップ。
両軍の戦いはこのまま永遠に続くかとも思われた。しかしその時はやってきた。
「な、なんだ!?」
ネメシスの船体が大きく揺れた。アークの方を見るとそちらもかなり姿勢を崩している。
「お、おい!あれを見ろ!!」
敵か味方か分からないが誰かが叫んだ。いつの間にかアークとネメシスの前方に巨大なワームホールが出来ている。おいおい!いったい誰だこんな時に長距離ワープを作動させたのは!?
「ど、どうなってんだよ!」
「何が起こってんだ!?」
と他の兵士の声が聞こえる。混乱する中、船体の揺れはどんどん大きくなる。そのまま二隻の宇宙船はワームホールに突っ込んだ。
「「うわあああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」
強力な衝撃が来て俺は気を失った。
◇ ◇ ◇
そして、俺は覚醒した。……ここはどこだ?砂漠のような荒れ地のような。周りには誰もいないのか。少し離れたところに何かあるな。
それは俺達が乗っていた戦艦ネメシスだった。出発前と違って半壊していたが。しかしそれよりもその背景に視界に映ったものに俺は眼を奪われた。「あれは……ち、地球?」そう。俺の眼前には前世で見た事のある惑星があった。まさかと思ったが多くの原作の通り、太陽系に来たのか?と、いうことはここは月なのか?待て、落ち着こう。どうやらデストロンを乗せた船は月に墜落したようだ。どれくらい気を失っていたかは定かではないが、ネメシスがここにあるということはアークも近くに墜落している可能性が高い。とにかく生存者がいないかどうか探そう。
「えっと……」
と辺りを見る。するとすぐそばに倒れている人影を見つけた。
「あ!あの!」
と声をかけると相手はビクリと震えて起き上がった。
「ううっ」
とうめきながらこちらを見た。そこに居たのはヒールウィップだった。
「ヒールウィップ。無事だったのか」
ヒールウィップは頭をブンブンと振ると、
「セブンツール!一体なにがどうなったんえ!?」
と尋ねてきた。
「俺もよく分からないが、墜落したネメシスの傍に投げ出されたらしい」
と答えた。
「そうかえ……。それよりメガトロン様達が見当たらないけど、みんなどこに行ったんかえ?」
とヒールウィップが言った。
「それも分からない。とにかくまずはネメシスに行ってみよう。立てるかヒールウィップ?」
と聞くと彼女はコクンと首を縦に振った。
「よし行こう」
と言って立ち上がる。
俺達は歩き出した。……しばらく歩くとネメシスが見えて来た。やはりボロボロで所々崩れている部分がある。
「酷い有様だな」
と言うと
「ほんとよね。私も随分汚れちゃったわ」
と中からシャドウスクリームが出てきた。
「シャドウスクリーム!君も無事だったのか!皆はどうした?」
と尋ねた。シャドウスクリームは
「私みたいに運よく起きれたのを除けば、皆機能停止してるわ。それにメガトロン様のように姿が見えない子も居るの。そっちは生きてるのか死んでいるのかも分からないわ」
と返してきた。メガトロンが生死不明か…と思いつつ俺達は再びネメシスの中に入った。
「とりあえずここで休もう」
と俺は言うと、全員賛成してくれた。シャドウスクリームが
「セブンツール。休憩が終わったら艦内のリペア機能を回復させましょう。そうすれば機能停止している子たちも復活するはずよ」
と言ってきた。デストロンを復活させるのは複雑だが今までもデストロン達を治療してきたし今更か。俺は了承した。
◇ ◇ ◇
さて、結果からいえばリペア装置はなんとか修理できた。俺達は仲間のデストロン達をリペア装置にかける。すると機能停止していたデストロン兵士たちは気がつく。そこまでは良かった。しかし復活したデストロンの中でメガトロンが不在の今、誰がこの場の総指揮をするのか揉めることになった。とくにスタースクリームがうるさかった。
「メガトロンが死んだ今、デストロンのニューリーダーはこの俺様スタースクリームしかいないだろう!」
メガトロンが死んだと決まった訳でもないのに……と俺は思ったが黙っていた。
「何を言ってんだお前は!」
とゲルシャーク。
「そうだぞ!」
とドレッドウイング。
「メガトロン様ニ失礼ダ」
とサウンドウェーブ。
「全くだ!」
とサンダーフーフ。
「何だと!」
とスタースクリーム。
「いい加減にしなさい!」
とシャドウスクリーム。
「メガトロン様になんてこと言いやがる!」
とスチールジョー。
「その通りです!」
とノックアウト。
「落ち着けって!」
とサンダークラッカー。
「ううっ……」
とスカイワープ。
「確かにデストロンのリーダーはあんたかもしれないけど、今は状況が違うだろう。少し冷静になりなさい」と俺。
「うぐっ……」
とスタースクリーム。ようやく静かになったようだ。
しかし状況は悪くなる一方だった。なぜならスタースクリームが総指揮官の座を奪おうと、デストロン兵士達に命令し始めたからだ。
「おい!誰か俺に従え!」
と言った瞬間、俺の後ろで声がした。
「ふん。誰に従うかは俺が決めるのよ!」
振り向くとそこにはブラックアウトがいた。
「ぶ、ブラックアウト……生きていたのか」
と俺が聞くと彼は
「当たり前だ!俺はそう簡単に死んだりしないぜ!」
と答えた。俺は嬉しかった。仲間が生きていてくれて本当によかった。しかし、そんな俺達の思いとは裏腹にスタースクリームは
「チッ。面倒な奴が起きてきちまったな。まあいい。俺はスタースクリーム。貴様らが俺の奴隷になるなら部下にしてやってもいいぞ」
と言い出した。
「ふざけんじゃないわよ!!」
とシャドウスクリーム。
「メガトロン様がいなくなってから調子に乗ってるようだな」
とブラックアウト
「あぁ?なんだてめえら。やんのかコラァ!!」
とスタースクリーム。
「上等だ!!」
とブラックアウト。一触即発の雰囲気になったその時、どこからか声が聞こえてきた。
「お、喧嘩か?楽しそうじゃねえか」
声の主はブリッツウィングだった。
「あぁ?誰だてめえは」
とスタースクリーム。
「俺か?俺はブリッツウィング。よろしくな」
と答えると
「けっ、雑魚が何人集まろうが同じだ。まとめてぶっ潰してやる」
と言って戦闘態勢に入るスタースクリーム。
「やれやれ。こいつ話聞いてねえな」
と苦笑いするブリッツウィング。そして戦いが始まった。
「オラアアッ!!」
と言う掛け声と共に、スタースクリームは飛び蹴りを食らわせた。それを腕でガードしたブリッツウィングだったが、
「ぐおっ!?」
という悲鳴を上げながら吹っ飛ばされた。
「へー中々やるじゃない」
と感心しているシャドウスクリーム。その時だ
「スペースブリッジの修繕が出来たぞ!」
という俺の声で場の空気は吹き飛んだ。皆は急いでスペースブリッジに集まった。その後ろではスタースクリームが
「ちっ……覚えてやがれ!」
と言って逃げて行った。それからしばらくして俺達はスペースブリッジを使っていけるのは狭い範囲で良くて近くにある地球に転送できるほどの物らしい。セイバートロン星に戻ろうとするなら更に資材やエネルゴンが必要らしく。俺達の目下の目的は月面に散らばったデストロン兵士の回収と、地球から資材とエネルゴンの調達。地球の捜査。になる。まずは基地を修復しないといけないと思った俺は、ネメシスの修理を始めることにした。幸いにも修理に必要なパーツは残っていたので、俺はデストロンの兵士達に手伝ってもらって修理を始めた。その合間に月面を捜索して行方不明の仲間を探すことにした。修理開始から2日後、やっとデストロン兵士達の私室を元通りにすることができた。これで全員集合だ。デストロンの兵士達は久しぶりに会えたことで大喜びしていた。だが、そんな中でも俺は落ち込んでいた。それは破壊された宇宙戦闘機「F-45B」の事だ。あれは俺が初めて自分で作り上げた機体なのだ。それが破壊されてしまった事はかなりショックだった。
「ちくしょう……」
と呟いていると
「大丈夫ですか?」
と声を掛けられた。顔を上げるとそこにはノックアウトの姿があった。
「あぁ……。大丈夫だよ」
「そうは見えませんね。何かあったんですか?」
「実は……」
と俺は今までの経緯を説明した。
「なるほど。それで落ち込んでたんですね」
と納得してくれた。
「ところで、君はどうしてここにいるんだい?」
と俺が尋ねると
「私は今、ネメシスのリペア機能を回復させているんですよ」
と答えた。
「そうなのか。ありがとう」
と俺が言うと
「いえいえ。あなたにはいつも助けられてますから」
と笑顔で言うノックアウト。
「ところで……」
と俺が聞く前に彼は
「分かっていますよ」
と言い、続けてこう言った。
「あなたのその悲しい気持ちも分かります。ですがあまり気にしない方がいいですよ」と。
「そうだな……」
と答えると
「それじゃあ、これからも頑張ってください」
とノックアウトは言ってどこかに行った。
俺がデストロン達と再会できた頃、地球では。
地球のある道路を黄色い自動車と緑色のジープが走っていた。黄色い自動車に乗っている少年は言う。
「バンブル。あれから半年経つけど司令官って人もデストロンも見当たらないね」
と。すると緑のジープに乗っている少女が答える。
「確かにそうよね。デストロンなんて全滅しちゃったのかしらハウンド」
と。
「まさか。そんなはずはないさ」
と緑のジープ自体が答えた。
「特にメガトロンが死んだなんて話は聞かないしね」
と黄色い自動車自体が言う。お気づきだろうが彼らは地球に来たサイバトロン戦士なのだ。
「だとしたらどこへ行っちゃったのかな」
と黄色の自動車の少年が言い
「うーん。分からないな」
と緑のジープが答える。
「まあいいわ。とにかく今はあの人達を見つけることが先決よ」
とジープの少女が言い、
「そうだね」
と緑のジープが言う。この会話を聞いて分かる通り、彼らの目的は地球で暮らしている同郷の友達に会いに行くことなのだ。そして彼らが目指している場所とは。……ある山のある自然公園だ。
◇ ◇ ◇
月に基地を作った俺達は。暫定でスタースクリームがリーダーのまま。地球に向かうことになった。目的は地球のあちこちのエネルギー源から獲れるエネルゴンや鉱物。そして今だに行方が分からなくなっているメガトロン達の捜索だ。地球に向かった俺達はまず、先行偵察していたブラックアウトと合流した。ブラックアウトの話によると、どうやら一部のデストロン兵士達は地球にいるようだ。そこで俺達は地球にある基地を修復し、エネルギー資源の確保とデストロンの捜索を行うことにした。早速俺とブラックアウトは修復作業に取り掛かった。といっても俺達が持っている工具は小さな物しかなく、大きな物はセイバートロン星に戻るまで使えないのだ。なので俺はセイバートロン星の武器屋で買った小型ドリルを使って穴掘りをしていた。他の皆はそれぞれ資材を集めていた。セイバートロン星製の重機があればいいのだが、ここにはないので仕方なく自分達の手でやるしかない。俺が作業を始めて3時間後、ようやく修復作業は終わった。これで月に戻ればすぐにでもセイバートロン星に帰還できる。だがまだ仕事は残っている。それはデストロンの兵士の捜索だ。地球に来てしまったデストロン兵士達がどこにいるかが問題だ。
俺達は手分けして探す事にした。その時だ。突然爆発音が聞こえてきた。音のした方角に急行した俺達は、そこにいたのはデストロンの航空参謀であるスタースクリームと、その部下のジェットロンのラムジェットだった。彼等は戦闘体制に入っていた。俺は咄嵯にビークルモードになって皆と一緒に避難しようとしたが、突如現れたガントラックに阻まれた。俺は急いで変形して車を退けようとした。だが、車の運転手は中々ハンドルを切ろうとしなかった。
「くそっ!どけ!」
と俺は叫びながら体当たりをした。だが、相手はびくともせず、逆に弾き返された。
「ぐあっ!?」
という声を上げながらも俺は体勢を整えて着地したが、今度は上から別のなにかが降ってきた。それも4台。俺は避けることが出来ず、そのまま押し潰されてしまった。
「大丈夫ですか?」
という声で俺は意識を取り戻した。一体何が起きたんだ?と思いつつ辺りを見回すと俺は仰向けに倒れていて、俺の上には黄土色のジープが乗っていた。しかも目の前にはさっきのガントラックと戦車がいた。
「やっと目を覚ましたか。」
戦車が言った。
「お前達か……。俺にぶつかったのは」
「あぁ……。悪かったな」
と言って謝るガントラック。
「全く。もう少しで死ぬところだったぞ」
「ごめんなさい」
と言うとヘリコプターが言った。
「ところであんたら誰だ?」
と俺が尋ねると
「自己紹介がまだだったな」
とガントラックが言う。
「私はメガトロン様の側近の指揮官オンスロート」
と。
「同じく右腕のブロウルだ」と。
「そして私がボルタ―」と。するとジープが言った。
「私はスィンドルだよ」と。
「なるほど。それであなた達はどうしてここにいるんですか?」
と俺が言うと
「実は……」
と話し始めた。
どうやら彼等も俺と同じ目的で地球に来たらしい。地球でのエネルゴン獲得のために。だが、地球に来て早々、デストロン軍団は壊滅した。そして今はデストロンの兵士を探している最中だという。つまり彼も俺と同じく地球で行方不明になったメガトロン達の捜索をしているのだ。
「私達の仲間であるブレストオフを知らないか?」
とオンスロートは尋ねてきた。
「いや、知らないな」
と答えると
「そうか」
と彼は呟き、続けて
「なら、もし見かけたら連絡してくれないか。きっと奴も地球にいるはずだから」
と言った。
「分かった」
と俺が答えると
「助かるよ」
と言い、彼等は去っていった。俺は立ち上がり、皆の元に戻った。そして俺は彼等のことを報告するのだった。
駄文閲覧ありがとうございました。今回から地球編です。感想等もそうですが募集もよろしくお願いします!
名称の補足
マイスター=ジャズ
ブロードキャスト=ブラスター