「うーむ……」
隠れ家に移って暫く。
何もないまま数日程。
いや本当に放置されてるんだな私。
別に何かあるわけではない。
だがしかし、もどかしい気持ちになるのは仕方ないのではないだろうか。
いや本当に暇なんだよなぁ。
「……そういえば」
まだ私のKMF、コックピットにも入っていなかったな。
折角だしちょっと乗ってみるか。
マニュアルは……これか。
「ふむふむ」
マニュアルを読みながら組まれた足場を登ってナナツボシのコックピットを目指す。
おいおい、制御がミリ単位だぜこのKFM。
流石あいつらだ。
「しかし、こうも私好みの機体を作れるとなると、誰かからの入れ知恵がないと駄目なのでは?」
例えば脳内姉とか。
……そういえば最近見ないな、というか聞かないな脳内姉の声。
『……安心したよ。お前は変わってないんだな』
「そうそうこんな感じで……お」
噂をすればハゲ。
脳内姉の声がする。
石橋を掴んで投げるとはよく言ったものだ。
『その辺りの間違えだらけの諺の原因は恐らく私のせいなんだけど……どうしてこうなったのか』
きっと私の頭が良かったからだろう。
え、違う?
そんなー。
「というか脳内姉の声がエコーかかってるな……」
『今更か』
「というかナナツボシから聞こえてくるな……」
『今更か!』
つまり……どういうことだ?
『まあいいか。説明するからちゃんと聞きなさい』
朗報:脳内姉はオーパーツだった。
「なるほど、万事理解した」
『本当かしら……?』
「ああ! 亡き弟に誓ってもいい!」
『母は産んでないからね』
そうだった。
まあいいや。
とりあえず私の機体には脳内姉がいて、私の脳とリンクしているらしい。
ははーん、これが私好みのKMFが手に入った理由だな???
「そうでしゅ……そうですよ、ボス」
「噛んだか」
パンパン
「銃はやめよう」
跳弾して死ぬところだった。
「どうせ避けるし、問題ないですよ」
『……ねえ、どうしてこんな子雇ってるの?』
どうしてだったか。
あんまり思い出せなかった。
銃で私を撃ったのは足立美紀。
年齢的には12歳といったところらしい。
俗にいう天才だ。
……そうだ。
>>>急募:天才<<<
って広告を載せたら応募してきたんだった。
自己主張強いな。
パンパン
「銃はやめよう」
天丼という奴だ。
「話を戻すけど」
「ああ、私に向けている銃はゆっくり下ろしながら話そう」
「そこのオーパーツが見つかったのは10年前。ボクの両親がその研究を担っていたんだけど」
「殺されたんだっけ」
「そっ。ブリタニアにね」
くるくると銃を回しながら弄ぶ足立美紀。
壮絶な過去の持ち主なのにそれを感じさせない立ち振る舞いである。
「とまあ過去の話はなし。今はそこのオーパーツが1年くらい前に急に起動したことが最重要」
「そういえばその頃から脳内姉とあんまり喋れなくなったな」
『こっちに出向くようになったからね』
なるほど、ガテンが逝った。
違った。
合点がいった。
脳内姉がいなくなって寂しーとなっていたが、別に死んだわけじゃないしいっかーとも思っていた私だったが、まさかこんなことになっているなんて。
人生は面白いものだ。
『あなた並に面白い人生はそうそうないわよ?』
「ボスはちょっと頭おかしいからね」
「褒めるなよ」
『「褒めてない」』
酷い奴らだ。
とにかく。
脳内姉が色々やったおかげで私のKMFが手に入ったということだ。
嬉しい話だ。
ヒャッハー!!!
『……本当に分かってないわね、この様子じゃ』
何だろうか?
『気にしなくていいわ。あなたが勝てばいい、それだけの話よ』
「余裕じゃん」
「ボスはKMFの扱いだけは世界随一だからね」
『だけはね』
「だけは」
酷い台詞である。
ちなみにシミュレーターでの私の腕前はAreoughndghyである。
遊んだらバグった。
この文字列を覚えているのがバグとか脳内姉に突っ込まれたが、まあいいじゃないか。
減るもんじゃなし。
『ところで……今、どういう状況?』
「お、ルルーシュが最近女子といい感じになったっていう感じだけど」
『違う。どう考えてもそこじゃないでしょ』
「ボス」
「わかった。銃はやめよう」
最近と言えば、ナリタでコーちゃんが危ない感じになったとかそんなところだろうか。
ああいや、ろくろがナキと喧嘩したことだろうか。
まさかお小遣いの前借りがばれたのか。
『お小遣い減額』
「ええっ」
『……まあいいわ。大体分かった』
あ、確認したらマジで預金が減ってる。
どうやったんだ脳内姉。
まさかオーパーツ……?
あ、待て銃はやめよう。
『とりあえず、そろそろ出番が来るだろうから待っていなさい』
実際マジで出番がありました。